マックス・フリード
アトランタ・ブレーブス #54 | |
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2019年7月16日 | |
基本情報 | |
国籍 | アメリカ合衆国 |
出身地 | カリフォルニア州サンタモニカ |
生年月日 | 1994年1月18日(30歳) |
身長 体重 | 6' 4" =約193 cm 190 lb =約86.2 kg |
選手情報 | |
投球・打席 | 左投左打 |
ポジション | 投手 |
プロ入り | 2012年 MLBドラフト1巡目 |
初出場 | 2017年8月8日 |
年俸 | $6,850,000(2022年)[1] |
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度) | |
この表について |
マックス・ドリアン・フリード(Max Dorian Fried,[注釈 1] 1994年1月18日 - )は、アメリカ合衆国カリフォルニア州サンタモニカ出身のプロ野球選手(投手)。左投左打。MLBのアトランタ・ブレーブス所属。
メディアによっては「フライド」と表記されることもある。
経歴[編集]
プロ入り前[編集]
ハーバード・ウェストレイク・スクール時代は、チームメイトにルーカス・ジオリト、ジャック・フラハーティがいた。
プロ入りとパドレス傘下時代[編集]
2012年のMLBドラフト1巡目(全体7位)でサンディエゴ・パドレスから指名され、プロ入り。この年は傘下のルーキー級アリゾナリーグ・パドレスでプロデビュー。10試合(先発9試合)に登板して0勝1敗、防御率3.57、17奪三振の成績を残した。
2013年はA級フォートウェイン・ティンキャップスでプレーし、23試合に先発登板して6勝7敗、防御率3.49、100奪三振の成績を残した。
2014年はルーキー級アリゾナリーグ・パドレスとA級フォートウェインでプレーし、2球団合計で5試合に先発登板して0勝1敗、防御率5.06、10奪三振の成績を残した。8月にはトミー・ジョン手術を受けている[3]。
ブレーブス時代[編集]
2014年12月19日にジャスティン・アップトン、アーロン・ノースクラフトとのトレードで、ジェイス・ピーターソン、マレックス・スミス、ダスティン・ピーターソンと共にアトランタ・ブレーブスへ移籍した[4]。
2015年は前年の手術のリハビリで全休した。
2016年は傘下のA級ローム・ブレーブスでプレーし、21試合(先発20試合)に登板して8勝7敗、防御率3.93の成績を残した。オフの11月18日にルール・ファイブ・ドラフトでの流出を防ぐために40人枠入りした[5]。
2017年はマイナーではAA級ミシシッピ・ブレーブスとAAA級グウィネット・ブレーブスでプレーし、21試合(先発20試合)に登板して8勝7敗、防御率3.93、91奪三振の成績を残した。8月5日にメジャー初昇格を果たし[6]、8日のフィラデルフィア・フィリーズ戦でメジャーデビュー[7]。この年メジャーでは9試合(先発4試合)に登板して1勝1敗、防御率3.81、22奪三振の成績を残した。オフにはアリゾナ・フォールリーグに参加し、ピオリア・ハベリーナズに所属した。
2018年にMLB.comが発表したプロスペクトランキングでは83位、ブレーブスの組織内では7位にランクインした[8][9]。
2019年は開幕時はブルペンで待機していたが、後に先発ローテーションに異動した[10][11][12]。5月7日のロサンゼルス・ドジャース戦でアレックス・ベルドゥーゴの打球を左手に受けてしまった[13][14]。怪我のために試合からは離脱し、次の先発時には通常通り登板した[15][16][17][18]。シーズンでは、33登板(30先発)で165.2回を投げ、17勝6敗、防御率4.02、173奪三振だった[19]。17勝はナショナルリーグ2位の成績で、勝率.739もリーグ5位という結果だった[19]。ナショナルリーグの中で、飛球率(22.2%)は2番目に低く、一方でゴロ率(53.6%)は3番目に高く、またカーブボールの投球率(24.6%)はリーグで6番に位置していた[20]。守備面では、34アシストはリーグ1位で、また9回を投げてのアウト寄与率も2.23とリーグ2位の成績を残した[19]。打撃面に関しては、打率.196はナショナルリーグ中9位で、出塁率.262(6位)、長打率.268(10位)を記録し、また50打席立った投手の中で11打点と1つの三振を取られる間に選べる四球率(0.31)はリーグトップで、三振率(7.1%)は2番目に低く、コンタクト率(81.6%)は3番目に高く、5四球はリーグ3位という成績だった[21]。セントルイス・カージナルスとのNLDSではリリーフに回り4試合に登板したが、2勝2敗で迎えた最終第5戦では先発マイク・フォルテネービッチが7失点の大乱調を受けて1死満塁の場面で登板し、先頭の9番ジャック・フラハーティに押し出し四球を与えるなど悪い流れを止められず1回表だけで計10失点のビッグイニングを作ってしまい、チームは1対13の大敗でNLDS敗退となった。
2020年はCOVID-19の影響で60試合の短縮シーズンとなった中、シーズン無敗でMLBタイ記録となる勝率1.000を達成した。ただし、この年の規定投球回は60投球回のため未到達だが7勝は1勝差のリーグ2位。 オフの12月9日に自身初となるオールMLBチームのファーストチーム先発投手の1人として選出された[22]。
2021年4月1日のフィリーズとの開幕戦で自身初めて開幕投手を務めた[23]。この年はチームがワールドシリーズに進出し、ヒューストン・アストロズと対決。3勝2敗と優勝まで後1勝となった11月2日の試合に先発登板し、初回にはマイケル・ブラントリーに足を踏まれるアクシデントもあったが、6回を無失点に抑えて、ブレーブスの26年ぶり4度目のワールドシリーズ優勝に貢献し、自身初めてワールドシリーズ優勝を経験した[24]。 オフの11月23日にセカンドチームとしては自身初めて、通算としては2年連続2度目となるオールMLBチームの先発投手の1人に選出された[25]。
2022年は先発ローテーションの一角を担い、チーム最多投球回となる185.1回を投げ14勝7敗、防御率2.48を記録。特に首位ニューヨーク・メッツに最大10.5ゲーム差をつけられ迎えた6月には、先発した5試合で防御率2.16を記録しチームが全勝するなど、球団史上最大となる逆転地区優勝への立役者の1人となった[26]。オフの11月2日、自身3度目となるゴールドグラブ賞を受賞(球団史上、複数回受賞した投手はフィル・ニークロ、グレッグ・マダックスを含め3人のみ)[27]。さらに11月16日、ナ・リーグのサイ・ヤング賞投票結果が発表となり第2位に選出された[28][29]。12月5日にはセカンドチームの先発投手の1人として2年連続2度目、通算では3年連続3度目となるオールMLBチームに選出された[30]。
選手としての特徴[編集]
最速99.2mph[31](約159.6km/h)の威力のある速球と2種類のカーブが武器の本格派左腕である[32]。
詳細情報[編集]
年度別投手成績[編集]
年 度 | 球 団 | 登 板 | 先 発 | 完 投 | 完 封 | 無 四 球 | 勝 利 | 敗 戦 | セ 丨 ブ | ホ 丨 ル ド | 勝 率 | 打 者 | 投 球 回 | 被 安 打 | 被 本 塁 打 | 与 四 球 | 敬 遠 | 与 死 球 | 奪 三 振 | 暴 投 | ボ 丨 ク | 失 点 | 自 責 点 | 防 御 率 | W H I P |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2017 | ATL | 9 | 4 | 0 | 0 | 0 | 1 | 1 | 0 | 0 | .500 | 121 | 26.0 | 30 | 3 | 12 | 1 | 4 | 22 | 0 | 0 | 15 | 11 | 3.81 | 1.62 |
2018 | 14 | 5 | 0 | 0 | 0 | 1 | 4 | 0 | 1 | .200 | 142 | 33.2 | 26 | 3 | 20 | 0 | 2 | 44 | 2 | 0 | 12 | 11 | 2.94 | 1.37 | |
2019 | 33 | 30 | 1 | 0 | 1 | 17 | 6 | 0 | 0 | .739 | 702 | 165.2 | 174 | 21 | 47 | 3 | 5 | 173 | 11 | 1 | 80 | 74 | 4.02 | 1.33 | |
2020 | 11 | 11 | 0 | 0 | 0 | 7 | 0 | 0 | 0 | 1.000 | 224 | 56.0 | 42 | 2 | 19 | 0 | 4 | 50 | 1 | 1 | 14 | 14 | 2.25 | 1.09 | |
2021 | 28 | 28 | 2 | 2 | 2 | 14 | 7 | 0 | 0 | .667 | 667 | 165.2 | 139 | 15 | 41 | 0 | 7 | 158 | 7 | 0 | 61 | 56 | 3.04 | 1.09 | |
2022 | 30 | 30 | 0 | 0 | 0 | 14 | 7 | 0 | 0 | .667 | 733 | 185.1 | 156 | 12 | 32 | 2 | 4 | 170 | 9 | 0 | 55 | 51 | 2.48 | 1.01 | |
2023 | 14 | 14 | 1 | 1 | 0 | 8 | 1 | 0 | 0 | .889 | 311 | 77.2 | 70 | 7 | 18 | 0 | 2 | 80 | 3 | 0 | 24 | 22 | 2.55 | 1.13 | |
MLB:7年 | 139 | 122 | 4 | 3 | 3 | 62 | 26 | 0 | 1 | .705 | 2900 | 710.0 | 637 | 63 | 189 | 6 | 28 | 697 | 33 | 2 | 261 | 239 | 3.03 | 1.16 |
- 2023年度シーズン終了時
年度別守備成績[編集]
年 度 | 球 団 | 投手(P) | |||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
試 合 | 刺 殺 | 補 殺 | 失 策 | 併 殺 | 守 備 率 | ||
2017 | ATL | 9 | 0 | 6 | 1 | 0 | .857 |
2018 | 14 | 0 | 9 | 0 | 0 | 1.000 | |
2019 | 33 | 7 | 34 | 3 | 1 | .932 | |
2020 | 11 | 1 | 15 | 1 | 1 | .941 | |
2021 | 28 | 8 | 37 | 1 | 3 | .978 | |
2022 | 30 | 15 | 26 | 1 | 0 | .976 | |
2023 | 14 | 6 | 7 | 2 | 0 | .867 | |
MLB | 139 | 37 | 134 | 9 | 5 | .950 |
- 2023年度シーズン終了時
- 各年度の太字はリーグ最高
- 各年度の太字年はゴールドグラブ賞受賞
表彰[編集]
- シルバースラッガー賞(投手部門):1回(2021年)
- ゴールドグラブ賞(投手部門):3回(2020年 - 2022年)
- ピッチャー・オブ・ザ・マンス:1回(2021年9月)
- オールMLBチーム[33]
- ファーストチーム先発投手:1回(2020年)
- セカンドチーム先発投手:2回(2021年、2022年)
背番号[編集]
- 61(2017年)
- 54(2018年 - )
脚注[編集]
注釈[編集]
- ^ 英語発音: [mæks frid][2]
出典[編集]
- ^ “Max Fried Contract Details, Salaries, & Earnings” (English). Spotrac. 2022年10月12日閲覧。
- ^ “英語のIPA発音記号変換(アメリカ英語)”. tophonetics.com. 2019年4月1日閲覧。
- ^ Mark Bowman (2015年12月21日). “Fried excited to show Braves what he can do” (英語). MLB.com. 2018年4月26日閲覧。
- ^ "Braves and Padres Complete Six-Player Trade" (Press release) (英語). MLB.com (Atlanta Braves). 19 December 2014. 2018年4月26日閲覧。
- ^ Mark Bowman (2016年11月18日). “Braves add 3 prospects to 40-man roster” (英語). MLB.com. 2018年4月26日閲覧。
- ^ Jaylon Thompson (2017年8月5日). “No. 10 prospect Fried called up, joins bullpen” (英語). MLB.com. 2018年4月26日閲覧。
- ^ “Phillies maintain stranglehold on Braves with 5-2 win” (英語). Reuters.com (2017年8月9日). 2018年4月26日閲覧。
- ^ 2018 MLB Prospects Watch – 100 Prospects. MLB.com. Retrieved on April 26, 2018.
- ^ 2018 MLB Prospects Watch – Washington Nationals Top 30 Prospects list. MLB.com. Retrieved on April 26, 2018.
- ^ Burns, Gabriel (2019年4月23日). “Max Fried becomes MLB's early ERA leader”. Atlanta Journal Constitution 2019年5月10日閲覧。
- ^ Bowman, Max (2019年4月5日). “Max power: Baby Brave baffles Cubs”. MLB.com 2019年5月9日閲覧。
- ^ Jeff (2019年4月17日). “Max Fried is a Braves pitcher living up to billing — so that's one”. The Athletic 2019年5月10日閲覧。
- ^ Bowman, Mark (2019年5月8日). “Fried's hand injury overshadows tough loss”. MLB.com 2019年5月10日閲覧。
- ^ Burns, Gabriel (2019年5月8日). “Braves' Max Fried leaves early after getting hit in left hand”. Atlanta Journal Constitution 2019年5月10日閲覧。
- ^ Gonzalez, Alden (2019年5月8日). “Braves' Fried takes liner off hand; X-rays clean”. ESPN.com 2019年5月10日閲覧。
- ^ Bowman, Mark (2019年5月8日). “Fried (left hand) optimistic he'll make next start”. MLB.com 2019年5月10日閲覧。
- ^ Rill, Jake (2019年5月9日). “Fried throws side session, likely for next start”. MLB.com 2019年5月13日閲覧。
- ^ “Fried returns to lead Braves to 5–3 win over Diamondbacks”. Associated Press. ESPN. (2019年5月12日) 2019年5月13日閲覧。
- ^ a b c “Max Fried Stats”. Baseball-Reference.com. 2019年10月1日閲覧。
- ^ “National League Leaderboards » 2019 » Pitchers » Dashboard | FanGraphs Baseball”. Fangraphs.com (2019年1月1日). 2019年10月1日閲覧。
- ^ “National League Leaderboards » 2019 » Pitchers » Standard Statistics | FanGraphs Baseball”. Fangraphs.com (2019年1月1日). 2019年10月2日閲覧。
- ^ Anthony Castrovince (2020年12月10日). “Here is the star-studded 2020 All-MLB Team” (英語). MLB.com. 2021年11月27日閲覧。
- ^ Mark Bowman (2021年4月2日). “'Perfect' throw sinks Braves on Opening Day” (英語). MLB.com. 2021年4月11日閲覧。
- ^ Anthony Castrovince (2021年11月2日). “Braves win 1st World Series title since 1995” (英語). MLB.com. 2021年11月3日閲覧。
- ^ Anthony Castrovince (2021年11月24日). “The '21 All-MLB Team is here. And it's stacked” (英語). MLB.com. 2021年11月24日閲覧。
- ^ “Braves clinch NL East, completing comeback from 10.5-game deficit” (英語). CBSSports.com. 2022年12月11日閲覧。
- ^ “Dansby Swanson, Max Fried win 2022 Gold Glove Awards” (英語). MLB.com. 2022年12月11日閲覧。
- ^ 全米野球記者協会(BBWAA)から2位票が10、3位票が7、4位票が5、5位票が1の計72ポイントを獲得。
- ^ “Marlins’ Sandy Alcantara rolls to unanimous victory in Cy Young race” (英語). BBWAA – Baseball Writers' Association of America (2022年11月16日). 2022年11月17日閲覧。
- ^ Paul Casella (2022年12月5日). “Here is the star-studded 2022 All-MLB Team” (英語). MLB.com. 2022年12月6日閲覧。
- ^ 2020年7月30日、レイズ戦で計測
- ^ 「2018 プロスペクト・ランキングTOP101」『月刊スラッガー』2018年5月号 日本スポーツ企画出版社 47頁
- ^ “All-MLB Team” (英語). MLB.com. 2021年11月27日閲覧。
関連項目[編集]
外部リンク[編集]
- 選手の通算成績と情報 MLB、ESPN、Baseball-Reference、Fangraphs、The Baseball Cube、Baseball-Reference (Register)
- Max Fried stats MiLB.com (英語)
- Max Fried (@MaxFried32) - X(旧Twitter)
- Max Fried (@maxfried) - Instagram