埼玉県第12区

日本の旗埼玉県第12区

行政区域 熊谷市行田市加須市羽生市
(2024年1月1日現在)
比例区 北関東ブロック
設置年 1994年
2022年区割変更)
選出議員 森田俊和
有権者数 37万742人
1.635 倍(一票の格差鳥取1区との比較)
総務省・2023年9月1日)
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埼玉県第12区(さいたまけんだい12く)は、日本衆議院議員総選挙における選挙区1994年平成6年)の公職選挙法改正で設置。

区域[編集]

現在の区域[編集]

2022年令和4年公職選挙法改正以降の区域は以下のとおりである[1][2]11区だった熊谷市の旧江南町域を編入して、鴻巣市の旧川里町域を6区へ移行させた事で、両市の小選挙区の分割は解消された。

2022年以前の区域[編集]

2013年平成25年)公職選挙法改正から2022年の小選挙区改定までの区域は以下のとおりである[3][4]

2002年平成14年)公職選挙法改正から2013年の小選挙区改定までの区域は以下のとおりである[5]

1994年平成6年)公職選挙法改正から2002年の小選挙区改定までの区域は以下のとおりである[6]

  • 熊谷市
  • 行田市
  • 加須市
  • 羽生市
  • 大里郡
  • 北埼玉郡

歴史[編集]

1994年公職選挙法改正により、旧埼玉3区旧埼玉4区から分割される形で設置された。全有権者数の4割を占める熊谷市を中心にし、中選挙区時代に埼玉県下で最も自民党が強いとされた旧3区(県北部)と旧4区(県東部)から分割された選挙区とあって、浮動票や無党派層が比較的少なく、保守層の支持が非常に強固な選挙区である。

元熊谷市長でもあり、一時新進党に所属した増田敏男の自民党復党により、第42回衆議院議員総選挙以後は2人の「としお」がコスタリカ方式で交互に当選してきたが、増田が小選挙区で出馬する番だった第44回衆議院議員総選挙の直前をもって引退。 第45回衆議院議員総選挙は、本来は比例代表単独上位で出馬するはずだった小島敏男が連続で出馬するも、民主党躍進の流れを受け本多平直に敗れた。

第46回衆議院議員総選挙では自民党で加須市出身の野中厚が議席を奪還し、第47回衆議院議員総選挙では再選を果たした。1996年小選挙区制施行以来一貫して熊谷市在住の者が議席を維持してきており、加須市在住の者が当選するのは野中が初めてだった。

野中が自民党の公認を得たことに、熊谷市の主に保守系の政治・経済など各種団体(いわゆる『熊谷党』)が反発し、野中との公認争いで敗れた熊谷市在住で自民党の元埼玉県議会議員・森田俊和が、第46回では自民党を離党し無所属で出馬。約1万票差で野中が勝利した。

第47回では、森田は維新の党に公認を申請したものの、野党間の選挙協力(民主党の本多がいるため)により公認は見送られ、次世代の党公認で出馬した。その結果、熊谷市では野中を大きく引き離し、全有効票数の過半数の得票を得るに至ったが他の市での得票が伸び悩み、前回同様に野中に敗れた。重複立候補した次世代の党の比例北関東ブロックでは惜敗率第1位だったものの、北関東ブロックにおける次世代の党への議席配分が「0」だったため、落選となった。この選挙で森田が本多より善戦したことから、民主党は2015年に森田を入党させ、小選挙区総支部長を本多から差し替えた[7]

第48回では民進党で公認が内定していた森田が希望の党から出馬したが、僅差で野中に敗れた(森田は重複立候補していた希望の党の比例北関東ブロックで復活し初当選、惜敗率は党内第1位)。前回まで民主党から出馬していた本多は北海道4区に転出し立憲民主党から出馬した(結果は次点で比例復活当選)。

第49回では野中と立憲民主党に移籍した森田の一騎打ちとなり、森田が4度目の挑戦で初当選を果たした(野中も比例で復活当選)。その一方で、第49回衆院選と同日に選挙区内の熊谷市で投開票が行われた熊谷市長選挙では、野中が支援する無所属新人で元埼玉県議会議員の小林哲也が森田の支援する無所属新人で元熊谷市議会議員の閑野高広を破って当選するなど総選挙とは逆の結果となった[8][9]

前述のように、中選挙区の時代から揺るぎない自民党の地盤として知られてきた小選挙区だが、第46回の保守分裂以降、野中(加須)と森田(熊谷)との激戦区になり、総選挙では必ず内閣総理大臣や党首が応援に入る熾烈な選挙戦が繰り広げられている。第48回では同じ日である2017年10月18日に安倍晋三(内閣総理大臣、自民党総裁)と小池百合子東京都知事、希望の党代表)が、時間を変えてJR熊谷駅北口で応援演説を行った。第49回では野中陣営に石破茂小渕優子茂木敏充といった閣僚経験者の自民党ベテラン議員や自民党幹部が応援に入り[10]、森田陣営には元埼玉県知事参議院議員上田清司や埼玉県知事の大野元裕が応援に入った[11][12][13]

小選挙区選出議員[編集]

選挙名 当選者 党派
第41回衆議院議員総選挙 1996年 増田敏男 新進党
第42回衆議院議員総選挙 2000年 小島敏男 自由民主党
第43回衆議院議員総選挙 2003年 増田敏男
第44回衆議院議員総選挙 2005年 小島敏男
第45回衆議院議員総選挙 2009年 本多平直 民主党
第46回衆議院議員総選挙 2012年 野中厚 自由民主党
第47回衆議院議員総選挙 2014年
第48回衆議院議員総選挙 2017年
第49回衆議院議員総選挙 2021年 森田俊和 立憲民主党

選挙結果[編集]

第49回衆議院議員総選挙2021年(令和3年)10月31日 埼玉県第12区

時の内閣:第1次岸田内閣 解散日:2021年10月14日 公示日:2021年10月19日
当日有権者数:36万9482人 最終投票率:55.52%(前回比:増加3.24%) (全国投票率:55.93%(増加2.25%))

当落候補者名年齢所属党派新旧得票数得票率惜敗率推薦・支持重複
森田俊和47立憲民主党102,627票
51.03%
――
比当野中厚44自由民主党98,493票
48.97%
95.97%公明党推薦
第48回衆議院議員総選挙2017年(平成29年)10月22日 埼玉県第12区

時の内閣:第3次安倍第3次改造内閣 解散日:2017年9月28日 公示日:2017年10月10日
当日有権者数:37万6359人 最終投票率:52.28%(前回比:増加0.27%) (全国投票率:53.68%(増加1.02%))

当落候補者名年齢所属党派新旧得票数得票率惜敗率推薦・支持重複
野中厚40自由民主党86,499票
44.96%
――公明党推薦
比当森田俊和43希望の党86,007票
44.71%
99.43%
林秀洋43日本共産党19,878票
10.33%
22.98%
第47回衆議院議員総選挙2014年(平成26年)12月14日 埼玉県第12区

時の内閣:第2次安倍改造内閣 解散日:2014年11月21日 公示日:2014年12月2日
当日有権者数:37万1546人 最終投票率:52.01%(前回比:減少5.03%) (全国投票率:52.66%(減少6.66%))

当落候補者名年齢所属党派新旧得票数得票率惜敗率推薦・支持重複
野中厚38自由民主党72,422票
38.58%
――公明党推薦
森田俊和40次世代の党57,299票
30.53%
79.12%
本多平直50民主党41,407票
22.06%
57.17%
鈴木千賀子59日本共産党16,570票
8.83%
22.88%
第46回衆議院議員総選挙2012年(平成24年)12月16日 埼玉県第12区

時の内閣:野田第3次改造内閣 解散日:2012年11月16日 公示日:2012年12月4日
当日有権者数:37万3491人 最終投票率:57.04%(前回比:減少9.46%) (全国投票率:59.32%(減少9.96%))

当落候補者名年齢所属党派新旧得票数得票率惜敗率推薦・支持重複
野中厚36自由民主党65,989票
31.99%
――公明党
森田俊和38無所属55,663票
26.98%
84.35%×
本多平直48民主党36,500票
17.69%
55.31%国民新党
永沼宏之44みんなの党35,500票
17.21%
53.80%日本維新の会新党改革
大野辰男59日本共産党10,470票
5.08%
15.87%
川島良吉94無所属2,169票
1.05%
3.29%×
  • 川島は94歳という高齢での出馬で話題となった。2022年現在、大正生まれ最後の衆議院選挙候補者。2016年10月29日に98歳で逝去。
第45回衆議院議員総選挙2009年(平成21年)8月30日 埼玉県第12区

時の内閣:麻生内閣 解散日:2009年7月21日 公示日:2009年8月18日
当日有権者数:37万4017人 最終投票率:66.50%(前回比:増加2.69%) (全国投票率:69.28%(増加1.77%))

当落候補者名年齢所属党派新旧得票数得票率惜敗率推薦・支持重複
本多平直44民主党138,727票
57.15%
――
小島敏男69自由民主党99,256票
40.89%
71.55%
清水鉄男55幸福実現党4,752票
1.96%
3.43%
第44回衆議院議員総選挙2005年(平成17年)9月11日 埼玉県第12区

時の内閣:第2次小泉改造内閣 解散日:2005年8月8日 公示日:2005年8月30日
当日有権者数:37万1042人 最終投票率:63.81%(前回比:増加12.30%) (全国投票率:67.51%(増加7.65%))

当落候補者名年齢所属党派新旧得票数得票率惜敗率推薦・支持重複
小島敏男65自由民主党129,783票
56.00%
――
本多平直40民主党84,705票
36.55%
65.27%
鈴木千賀子50日本共産党17,270票
7.45%
13.31%
第43回衆議院議員総選挙2003年(平成15年)11月9日 埼玉県第12区

時の内閣:第1次小泉第2次改造内閣 解散日:2003年10月10日 公示日:2003年10月28日 最終投票率:51.51%(前回比:減少7.61%) (全国投票率:59.86%(減少2.63%))

当落候補者名年齢所属党派新旧得票数得票率惜敗率推薦・支持重複
増田敏男74自由民主党95,889票
51.71%
――
本多平直38民主党75,439票
40.68%
78.67%
鈴木千賀子48日本共産党14,106票
7.61%
14.71%
第42回衆議院議員総選挙2000年(平成12年)6月25日 埼玉県第12区

時の内閣:第1次森内閣 解散日:2000年6月2日 公示日:2000年6月13日 最終投票率:59.12%(前回比:増加4.47%) (全国投票率:62.49%(増加2.84%))

当落候補者名年齢所属党派新旧得票数得票率惜敗率推薦・支持重複
小島敏男60自由民主党101,809票
48.85%
――
比当田並胤明67民主党85,764票
41.15%
84.24%
荻原初男46日本共産党20,845票
10.00%
20.47%
第41回衆議院議員総選挙1996年(平成8年)10月20日 埼玉県第12区

時の内閣:第1次橋本内閣 解散日:1996年9月27日 公示日:1996年10月8日 最終投票率:54.65% (全国投票率:59.65%(減少8.11%))

当落候補者名年齢所属党派新旧得票数得票率惜敗率推薦・支持重複
増田敏男67新進党76,105票
40.37%
――
小島敏男56自由民主党72,827票
38.63%
95.69%
丸井八千代40日本共産党20,241票
10.74%
26.60%
門田俊夫48自由連合19,369票
10.27%
25.45%

脚注[編集]

  1. ^ 衆議院トップページ >立法情報 >制定法律情報 >第210回国会 制定法律の一覧 >公職選挙法の一部を改正する法律 法律第八十九号(令四・一一・二八)”. 衆議院 (2022年11月28日). 2023年2月22日閲覧。住居表示などにより変更する可能性がある。
  2. ^ 埼玉県”. 総務省. 2023年1月8日閲覧。
  3. ^ 衆議院トップページ >立法情報 >制定法律情報 >第183回国会 制定法律の一覧 >衆議院小選挙区選出議員の選挙区間における人口較差を緊急に是正するための公職選挙法及び衆議院議員選挙区画定審議会設置法の一部を改正する法律の一部を改正する法律 法律第六十八号(平二五・六・二八)”. 衆議院 (2013年6月28日). 2021年10月1日閲覧。地名は2013年(平成25年)当時のものである。
  4. ^ 埼玉県”. 総務省. 2021年10月1日閲覧。
  5. ^ 衆議院トップページ >立法情報 >制定法律情報 >第154回国会 制定法律の一覧 >公職選挙法の一部を改正する法律 法律第九十五号(平一四・七・三一)”. 衆議院 (2002年7月31日). 2021年10月1日閲覧。地名は2002年(平成14年)当時のものである。
  6. ^ 衆議院トップページ >立法情報 >制定法律情報 >第131回国会 制定法律の一覧 >法律第百四号(平六・一一・二五)”. 衆議院 (1994年11月25日). 2021年10月1日閲覧。地名は1994年(平成6年)当時のものである。
  7. ^ 【選挙 夏決戦へ】(上)漂流する非自民 埼玉”. 毎日新聞 (2016年3月31日). 2019年5月18日閲覧。
  8. ^ 共産批判vs政党色隠し
  9. ^ 熊谷市長選 小林さん初当選
  10. ^ 自民党衆院選2021 これまでの演説会
  11. ^ 上田前県知事・参議院議員の応援をいただきました
  12. ^ 上田前知事も応援に駆けつけてくださいました
  13. ^ 大野知事が応援に駆けつけてくださいました

関連項目[編集]