第49回衆議院議員総選挙

 日本の旗 第49回衆議院議員総選挙 国会議事堂
内閣 第1次岸田内閣
解散日 2021年(令和3年)10月14日
解散名 未来選択解散
公示日 2021年(令和3年)10月19日
投票日 2021年(令和3年)10月31日
選挙制度 小選挙区比例代表並立制
改選数 465(増減なし
小選挙区 289(増減なし
比例代表 176(増減なし
議席内訳

選挙後の党派別議席数
有権者 満18歳以上の日本国民
有権者数 1億562万2758人
投票率 55.93%(増加2.25%)
各党別勢力
党順 第1党 第2党 第3党
画像
党色
党名 自由民主党 立憲民主党 日本維新の会
党首 岸田文雄 枝野幸男 松井一郎
片山虎之助
就任日 2021年9月 2020年9月 2015年12月
前回選挙 284 新党 11
選挙前議席 276 109 11
獲得議席 261 96 41
増減 15 13 30
得票数(小) 2762万6157票 1721万5621票 480万2793票
得票率(小) 48.08% 29.96% 8.36%
増減(小) 0.26% 5.18%
得票数(比) 1991万4883票 1149万2115票 805万830票
得票率(比) 34.66% 20.00% 14.01%
増減(比) 1.38% 7.94%
党順 第4党 第5党 第6党
画像
党色
党名 公明党 国民民主党 日本共産党
党首 山口那津男 玉木雄一郎 志位和夫
就任日 2009年9月 2020年9月 2000年11月
前回選挙 29 新党 12
選挙前議席 29 8 12
獲得議席 32 11 10
増減 3 3 2
得票数(小) 87万2931票 124万6812票 263万9708票
得票率(小) 1.52% 2.17% 4.59%
増減(小) 0.02% 4.43%
得票数(比) 711万4282票 259万3375票 416万6076票
得票率(比) 12.38% 4.51% 7.25%
増減(比) 0.13% 0.65%
党順 第7党 第8党
画像
党色
党名 れいわ新選組 社会民主党
党首 山本太郎 福島瑞穂
就任日 2019年4月 2020年2月
前回選挙 新党 2
選挙前議席 1 1
獲得議席 3 1
増減 2
得票数(小) 24万8280票 31万3193票
得票率(小) 0.43% 0.55%
増減(小) 0.6%
得票数(比) 221万5648票 101万8588票
得票率(比) 3.86% 1.77%
増減(比) 0.06%
選挙状況


各選挙区における党派別獲得議席及び得票率
与党(自公連立政権)
  自由民主党   公明党
野党(野党共闘陣営)
  立憲民主党   日本共産党   れいわ新選組   社会民主党
  野党系無所属
野党(その他・無所属)
  日本維新の会   国民民主党

  無所属
 < 2017年最長2025年 > 

第49回衆議院議員総選挙(だい49かいしゅうぎいんぎいんそうせんきょ)は、2021年令和3年)10月31日日本で行われた国会衆議院議員総選挙である[1]

概要[編集]

第48回衆議院議員総選挙で選出された衆議院議員が任期満了を迎える時期[注 1]が、内閣総理大臣菅義偉自由民主党総裁としての任期が終わる2021年9月30日に近かったため、同年後半になると、次期自民党総裁選挙と本総選挙の日程の兼ね合いについて様々な報道がなされた。

7月下旬には、菅内閣の支持率下落を受け、現行法制で最も遅い11月などへの総選挙の先延ばし論が与党内で強まっていると報じられた[2]。これに対し、野党の立憲民主党は任期満了後の総選挙には反対し[3]、一方で解散を伴わない任期満了による総選挙を9月中に閣議決定する案も浮上していた[4]

しかし9月3日、菅が総裁選挙への不出馬を表明し、総選挙の日程は新首相によって決定されることとなった[5]

9月29日、菅の後任の自民党総裁に選出された岸田文雄は、10月4日に首相に就任。同日の記者会見で「今月14日衆議院を解散し、19日公示31日に総選挙を行う」と表明した[6]。衆議院議員の任期満了年と同じ年に総選挙が行われるのは2009年以来、12年ぶり。任期満了以降に総選挙が行われるのは、現行の日本国憲法下では初めてであり[注 2][7]、また令和への改元後最初の総選挙となった。

新型コロナウイルス感染症の流行が続く中での総選挙となったが、総務省は2020年4月、各都道府県の選挙管理委員会に対し「緊急事態宣言がなされた場合においても選挙は公職選挙法の規定に基づき執行する」と通知しており[8]、選挙が執行できないことは想定していなかった。投票所では入場規制など、対策を行った自治体もあった[9]

投票が終了した10月31日20時、NHKと民放5大ネットワーク(日本テレビテレビ朝日TBSテレビテレビ東京フジテレビ)をはじめとする各種メディアが出口調査の結果を一斉に報道。自民党・公明党の連立与党は勝利するものの、自民党単独での過半数維持は微妙とされた[10]。野党側については立憲民主党の議席増・日本維新の会の大躍進が伝えられた。しかし、結果的には各社の出口調査は一部を除いて大きく外れる事態となった[11]

自民党が追加公認2名(東京15区柿沢未途奈良3区田野瀬太道)を含めた261議席を獲得し、公示前の276議席から減らしたものの衆院の常任委員長ポストを独占したうえで各委員会の過半数を握れる「絶対安定多数」(261議席)を単独で確保した。公明党は32議席だった[12]。また、現職議員との兼ね合いによる保守分裂の関係で公認を得られなかったものの小選挙区で当選した細野豪志平沼正二郎西野太亮が選挙直後に自民党に入党している。

2020年に結党された立憲民主党と国民民主党にとって、初めての国政選挙となった[注 3]。立憲民主党は公示前の110議席から96議席に落ち込んだ。小選挙区こそ公示前の48議席から57議席に増えたものの、比例代表は公示前62議席から39議席まで大幅に減らした[13]。立憲民主と共産、国民民主、れいわ新選組、社民の野党5党は全289選挙区の75%にあたる217選挙区で候補者を一本化して臨んだが、この217選挙区で当選した野党5党の候補は野党系無所属を含めても62人(29%)で、公示前の51人から大きく上積みできなかった。比例区では立憲と国民の得票は計約1400万票にとどまり、前回2017年の旧立憲民主党希望の党の計約2000万票を大きく下回った。共産も得票を減らしており、共闘野党の不振につながった[14]。一方、自民党側にとっては自民が5,000票未満の僅差で逃げ切った選挙区は17に上り、34選挙区が1万票未満の差であったことから、「薄氷の勝利」(自民党幹部)との見方も出た[15]。このほか、国民民主党は3議席増の11議席、れいわ新選組が比例で3議席を獲得[16]。社民は現状維持の1議席に終わった。

日本維新の会は公示前の11議席を大きく上回る41議席を獲得した。地盤とする大阪では公明党と棲み分けた4選挙区を除く15選挙区で全勝し兵庫でも選挙区で1議席を獲得(兵庫県第6区)。比例代表でも旧希望の党との競合で伸び悩んだ前回から500万票近く上積みし、805万票を獲得。比例北海道ブロックを除く10ブロックで議席を確保した[17]。特に比例近畿ブロックでは最多の10議席を獲得、大阪府で全勝したことによって先述の小選挙区で勝利した兵庫6区以外の兵庫県で擁立した全ての選挙区の候補者が比例復活した。

今回の衆院選では与野党の「大物候補」や「高齢・ベテラン候補」が苦戦を強いられた。自民党の石原伸晃幹事長や、立憲民主党の平野博文代表代行兼選対委員長、辻元清美副代表が比例復活もならず落選。自民党の甘利明幹事長は比例復活したものの、自身の小選挙区での敗北を受け幹事長の辞任を表明した。また、現職の閣僚である若宮健嗣万博担当大臣も小選挙区で敗れ比例復活となった。一方立憲民主党では「無敗の男」との異名を取っていた中村喜四郎建設大臣海江田万里元民主党代表のほか[18]、初当選以来17期52年落選することなく連続勝利していた小沢一郎元民主党代表が小選挙区で敗北した(全員比例復活)。また、小沢一郎の次に現役議員として長く当選を重ね、小泉純一郎などYKKトリオと初当選が同期で48年10ヶ月議席を守り続けていた自民党の野田毅自治大臣原田義昭環境大臣山本幸三地方創生担当大臣も落選した[19]

閣僚経験者では自民党の金田勝年法務大臣塩谷立文部科学大臣桜田義孝五輪担当大臣平井卓也デジタル担当大臣、立憲民主党の中川正春元文部科学大臣が小選挙区で落選した(全員比例復活)。

新型コロナウイルス対策の緊急事態宣言中に東京・銀座のクラブを訪問した問題で自民党を離党した松本純国家公安委員長、同じく歌舞伎町の飲食店で遊興していた問題で(旧)立憲民主党を除籍となり、れいわ新選組公認で出馬した高井崇志も落選した[20][21][22][23]。また、公示直前に北朝鮮による拉致被害者に関する不適切な発言をしたため、立憲民主党の公認を辞退し無所属で出馬した生方幸夫が落選した。メディアはこの問題発言が影響したと報じた[24]

高齢議員では、前述の80歳の野田毅、79歳の小沢一郎、77歳の原田義昭、73歳の山本幸三、72歳の甘利明・中村喜四郎、71歳の中川正春・塩谷立のほか、74歳の自民党三原朝彦、73歳の立憲民主党篠原孝などが小選挙区で敗れ(73歳定年制で比例重複立候補しなかった野田・原田・山本・三原を除いた全員が比例復活)、80歳の衛藤征士郎衆議院副議長は654票差、74歳の北村誠吾元地方創生担当大臣は391票差まで次点候補に詰め寄られた[25][26]。自民党は党が内規で定める比例区の「73歳定年制」により小選挙区単独で立候補した24人の内7人が落選している[27]。一方で、立憲民主党の代表の57歳の枝野幸男も自身の選挙区で自民党の牧原秀樹に対して苦戦し、枝野の当確が出たのが日付が変わった後で結果は6,083票差(惜敗率94.65%)で辛くも勝利した。

令和時代に入って2回目の国政選挙かつ初の衆議院選挙であった本選挙で、初めて平成生まれの国会議員が誕生した(東京13区土田慎比例東北ブロック福島2区)・馬場雄基[28]

佐賀県では全選挙区で、比例復活を含め、候補者4人全員が当選する珍しい事態が起きた[29]重複立候補制度#県内の立候補者全員が当選を参照)。

選挙データ[編集]

内閣[編集]

広島県出身の首相が臨んだ国政選挙は宮澤改造内閣下の1993年(平成5年)の第40回衆議院議員総選挙以来28年ぶりである。

解散日[編集]

解散がない場合の任期満了日は2021年(令和3年)10月21日であった。第48回衆議院議員総選挙で当選した議員の任期は、1454日であった。これは、任期満了に伴う選挙となった1972年から1976年までの1461日に次ぐ長さで、任期満了を除けば現行憲法下で最長となった。

解散名・選挙名[編集]

  • 未来選択解散・未来選択選挙
内閣総理大臣の岸田文雄が解散後の記者会見で命名[30]

他にも、以下のような呼称が取り沙汰されている。

  • コロナ脱却・V字回復解散
元内閣総理大臣である安倍晋三が今般の解散の感想を記者団に問われ、命名[31]
  • コロナ克服・日本再生選挙
公明党代表山口那津男による命名[32]
立憲民主党代表の枝野幸男による命名[32][33]
  • 政権交代解散、政権交代選挙
日本共産党委員長志位和夫による命名[32][34]
  • ブレ隠し解散
日本共産党書記局長小池晃による命名[35]
  • 改革イエスかノーか解散
日本維新の会幹事長の馬場伸幸による命名[32]
  • 自己都合解散
国民民主党代表の玉木雄一郎による命名[35]
  • ボロ隠し解散、自民党は変わらない解散
社会民主党党首の福島瑞穂による命名[35]
  • 棄民解散
れいわ新選組代表の山本太郎による命名[35]
  • 大急ぎ解散
自民党閣僚経験者による命名[35]
  • 任期満了解散
若手衆議院議員による命名[35]

公示日[編集]

投票日[編集]

公示日と投票日はいずれも仏滅。歴代の内閣は仏滅の選挙を避ける傾向にあり、投票日が仏滅となるのは戦後3回目、両日とも仏滅となるのは戦後2回目となる[36]
また、ハロウィンが投票日となった初めての総選挙となった。
ハロウィンによる仮装での投票について、総務省選挙部管理課によると「投票所における服装に関する規定はありません」とする一方で、「公職選挙法第60条で投票所の秩序を乱す行為等に当たると投票管理者が判断した場合は、静止したり、投票所から退出させたりできるとの規定がある」「仮装に関する統一見解があるわけではありませんので、個々の判断は各自治体の選挙管理委員会や投票管理者がすることとなります」としている[37]。東京都選挙管理委員会の担当者は、「仮装が可能かどうかと言えば、可能です。粛々と投票していただく分には問題がありません。ただし本人確認があるため、顔がわからないようなメイクや仮装は避けていただきたい。最終的には投票管理者の指示に従っていただきたい」としている[37]

改選数[編集]

  • 465
    • 小選挙区:289(うち解散時欠員4[注 4]
    • 比例代表:176

選挙制度[編集]

投票方法
秘密投票、単記投票、2票制(小選挙区・比例代表)
2019年5月に選挙公報の掲載文の提出方法の見直し・投票管理者や投票立会人の選任要件の緩和・悪天候などの際の開票に関する規定の整備[注 5]のための公職選挙法の改正が行われ[39]、2021年6月には「特定患者等の郵便等を用いて行う投票方法の特例に関する法律」による「特例郵便等投票」の制度が施行される[40]など、選挙に関するルールの変更が行われている。
選挙権
満18歳以上の日本国民
21世紀生まれの人が投票可能になる最初の総選挙である。参議院では2019年第25回参議院議員通常選挙から可能となった。
被選挙権
満25歳以上の日本国民
有権者数
105,320,523(男性:50,891,954 女性:54,428,569)
国内:105,224,057(男性:50,850,630 女性:54,373,427)
在外:96,466(男性:41,324 女性:55,142)

選挙啓発[編集]

ポスター、リーフレット、インターネット広告、新聞広告の活用のほか、投票所における感染症対策などのWEBムービーの作成、 総務省特設ホームページにおける投票方法、候補者・政党情報等の情報提供等を行う。
キャッチコピーは「だから、私は投票する。
  • 各都道府県の選挙管理委員会は、独自に地元出身のタレントを中心にイメージキャラクターに起用し、ポスター・CMなどに起用。
 例・北海道:平成ノブシコブシ

「投票はあなたの声」[編集]

衆院選の公示を前に、10月16日動画サイトの「YouTube」に、芸能人16人が投票を呼び掛ける3分36秒の動画「あなたの1票はあなたの声(Your Vote is Your Voice)」が公開された。動画は「VOICE PROJECT 投票はあなたの声」というプロジェクトとしてどの政党や企業にも関わりのない、市民による自主制作プロジェクトの主催であり、冒頭に「これは広告でも政府の放送でもなく、僕たちが僕たちの意思で作った映像です。僕たちの投票への思いを話します」と話して始まる。内容は各々が若者に対して投票を呼び掛けるメッセージとともに、最後にはそれぞれが「投票します」と語り、「投票はあなたの声だ」という言葉で締めくくられる。なお、日本において芸能人が自ら政治的な発信をすることは珍しく、このように共同で国政選挙の投票を呼び掛けるものは異例とされる[42]

参加した芸能人は秋元才加安藤玉恵石橋静河小栗旬コムアイ菅田将暉TakaONE OK ROCK)、滝藤賢一仲野太賀二階堂ふみ橋本環奈前野朋哉ローラ渡辺謙(五十音順)[42]

同日執行の選挙等[編集]

※:当初予定の選挙日程を変更した選挙
国民投票
首長選挙
地方議会選挙

以下の選挙は投開票が予定されていたが、無投票で実施されなかった。

 

選挙活動[編集]

党派別立候補者数[編集]

党派 内訳 男性 女性 小選挙区 比例代表 公示前
男性 女性 単独 重複 男性 女性
自由民主党 336 256 8 72 303 33 277 237 5 35 255 22 310 59 251 19 3 37 48 11 276
立憲民主党 240 104 29 107 196 44 214 104 25 85 177 37 239 26 213 0 4 22 19 7 109
公明党 53 21 4 28 49 4 9 9 0 0 9 0 44 44 0 12 4 28 40 4 29
日本維新の会 96 10 16 70 82 14 94 10 16 68 80 14 96 2 94 0 0 2 2 0 11
日本共産党 130 12 8 110 84 46 105 5 3 97 73 32 40 25 15 7 5 13 11 14 12
国民民主党 27 7 3 17 19 8 21 6 2 13 15 6 27 6 21 1 1 4 4 2 8
NHKと裁判してる党弁護士法72条違反で 30 0 0 30 20 10 27 0 0 27 17 10 11 3 8 0 0 3 3 0 1
れいわ新選組 21 1 2 18 16 5 12 1 2 9 9 3 21 9 12 0 0 9 7 2 1
社会民主党 15 0 0 15 6 9 9 0 0 9 4 5 15 6 9 0 0 6 2 4 1
支持政党なし 2 0 0 2 2 0 0 0 0 0 0 0 2 2 0 0 0 2 2 0 0
日本第一党 5 0 0 5 5 0 1 0 0 1 1 0 4 4 0 0 0 4 4 0 0
新党やまと 5 0 0 5 4 1 1 0 1 0 1 0 4 4 0 0 0 4 3 1 0
政権交代によるコロナ対策強化新党 4 0 0 4 4 0 0 0 0 0 0 0 4 4 0 0 0 4 4 0 0
新党くにもり 2 0 0 2 0 2 0 0 0 2 0 2 0 0 0 0 0 0 0 0 0
新党日本のこころ 1 0 0 1 1 0 0 0 0 1 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
改革未来党 1 0 0 1 1 0 0 0 0 1 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
愛地球党 1 0 0 1 1 0 0 0 0 1 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
日本成功党 1 0 0 1 1 0 0 0 0 1 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
改新党 1 0 0 1 1 0 0 0 0 1 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
無所属 80 8 11 61 70 10 80 8 11 61 70 10 - - - - - - - - 13
合計 1,051 419 82 550 865 186 857 380 65 412 716 141 817 194 623 39 17 138 149 45 461
出典:総務省

小選挙区289と比例代表176の合わせて465議席をめぐって、1051人(小選挙区・857人、比例代表単独・194人)が立候補した(NHK調べ[78])。なお、全体の候補者数は、1996年に導入された小選挙区比例代表並立制の下で最少だった2005年衆院選の1131人を下回り過去最低となった[79]

都道府県別小選挙区立候補者数[編集]

都道府県 区数 自民 公明 与党計 立民 維新 共産 国民 れ新 社民 N党 諸他 無所 野党計
01北海道 12 11 1 12 12 3 3 0 0 0 1 0 1 20 32
02青森県 3 3 0 3 3 0 2 0 0 0 0 0 0 5 8
03岩手県 3 3 0 3 3 0 1 0 0 0 1 0 0 5 8
04宮城県 6 6 0 6 4 2 2 0 0 0 1 0 2 11 17
05秋田県 3 3 0 3 2 0 1 0 0 0 0 0 0 3 6
06山形県 3 3 0 3 1 0 1 1 0 0 0 0 1 4 7
07福島県 5 5 0 5 4 0 1 0 0 0 0 0 0 5 10
08茨城県 7 7 0 7 4 3 2 1 0 0 0 0 2 12 19
09栃木県 5 5 0 5 4 1 2 0 0 0 0 0 0 7 12
10群馬県 5 5 0 5 3 1 2 0 0 0 1 0 2 9 14
11埼玉県 15 15 0 15 11 4 6 2 0 0 1 0 5 29 44
12千葉県 13 13 0 13 11 4 4 1 1 0 1 1 3 26 39
13神奈川県 18 17 0 17 15 7 5 1 0 1 1 0 4 34 51
14山梨県 2 2 0 2 2 0 1 0 0 0 1 0 0 4 6
15東京都 25 23 1 24 20 17 9 2 2 1 3 3 15 72 96
16新潟県 6 6 0 6 4 1 1 1 0 0 0 0 3 10 16
17富山県 3 3 0 3 2 1 2 0 0 0 0 0 0 5 8
18石川県 3 3 0 3 2 1 2 0 0 0 0 0 2 7 10
19福井県 2 2 0 2 2 0 0 0 0 0 0 0 0 2 4
20長野県 5 5 0 5 4 1 1 0 0 0 1 0 0 7 12
21岐阜県 5 5 0 5 4 2 3 1 0 0 0 1 0 11 16
22静岡県 8 8 0 8 7 3 1 2 0 0 0 1 1 15 23
23愛知県 15 15 0 15 13 3 5 1 2 0 1 0 1 26 41
24三重県 4 4 0 4 4 0 1 0 0 0 1 0 0 6 10
25滋賀県 4 4 0 4 2 1 1 1 1 0 1 0 0 7 11
26京都府 6 6 0 6 3 3 4 1 1 0 0 0 2 14 20
27大阪府 19 15 4 19 13 15 12 0 2 1 1 0 4 48 67
28兵庫県 12 10 2 12 8 9 5 1 1 0 0 0 2 26 38
29奈良県 3 2 0 2 2 1 2 0 0 0 1 0 2 8 10
30和歌山県 3 3 0 3 1 1 1 1 0 0 1 1 1 7 10
31鳥取県 2 2 0 2 1 0 1 0 0 0 0 0 0 2 4
32島根県 2 2 0 2 2 0 1 0 0 0 0 0 1 4 6
33岡山県 5 5 0 5 5 0 3 0 0 0 0 0 2 10 15
34広島県 7 6 1 7 6 2 2 0 0 1 1 1 4 17 24
35山口県 4 4 0 4 2 0 1 0 1 0 0 0 1 5 9
36徳島県 2 2 0 2 1 1 1 0 0 0 0 0 2 5 7
37香川県 3 3 0 3 1 1 1 1 0 0 0 0 0 4 7
38愛媛県 4 4 0 4 2 0 2 1 0 0 0 0 3 8 12
39高知県 2 2 0 2 2 0 0 0 0 0 2 0 1 5 7
40福岡県 11 11 0 11 8 4 4 0 1 2 1 0 4 24 35
41佐賀県 2 2 0 2 2 0 0 0 0 0 0 0 0 2 4
42長崎県 4 4 0 4 3 0 1 1 0 0 0 1 3 9 13
43熊本県 4 4 0 4 2 0 1 0 0 1 1 0 1 6 10
44大分県 3 3 0 3 2 0 1 0 0 0 1 0 2 6 9
45宮崎県 3 3 0 3 1 1 1 1 0 0 1 0 1 6 9
46鹿児島県 4 4 0 4 2 0 1 0 0 1 1 0 1 6 10
47沖縄県 4 4 0 4 2 1 1 0 0 1 1 0 1 7 11
合計 289 277 9 286 214 94 105 21 12 9 27 9 80 571 857

比例ブロック別立候補者数[編集]

合計 北海道 東北 北関東 南関東 東京 北陸信越 東海 近畿 中国 四国 九州
党派
単独 重複 単独 重複 単独 重複 単独 重複 単独 重複 単独 重複 単独 重複 単独 重複 単独 重複 単独 重複 単独 重複 単独 重複
自由民主党 310 15 25 39 35 28 25 35 40 22 16 30
59 251 4 11 3 22 8 31 6 29 7 21 6 19 5 30 4 36 6 16 5 11 5 25
公明党 44 2 3 4 5 4 2 5 8 3 2 6
44 0 2 0 3 0 4 0 5 0 4 0 2 0 5 0 8 0 3 0 2 0 6 0
立憲民主党 239 15 20 25 30 23 15 29 31 18 8 25
26 213 3 12 3 17 3 22 2 28 3 20 1 14 2 27 2 29 2 16 2 6 3 22
日本維新の会 96 3 2 9 11 17 4 8 30 3 3 6
2 94 0 3 0 2 0 9 0 11 0 17 0 4 0 8 0 30 1 2 1 2 0 6
日本共産党 40 2 3 3 5 7 3 3 6 2 2 4
25 15 2 0 2 1 2 1 3 2 4 3 2 1 3 0 2 4 2 0 2 0 1 3
国民民主党 27 1 2 3 3 3 1 4 4 1 2 3
6 21 1 0 1 1 0 3 1 2 1 2 0 1 0 4 0 4 1 0 0 2 1 2
れいわ新選組 21 1 1 1 2 4 1 2 6 1 1 1
9 12 1 0 1 0 1 0 1 1 2 2 1 0 0 2 1 5 0 1 1 0 0 1
社会民主党 15 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 5
6 9 1 0 1 0 1 0 0 1 0 1 1 0 1 0 0 1 0 1 1 0 0 5
NHKと裁判してる党弁護士法72条違反で 11 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1
3 8 0 1 0 1 1 0 1 0 0 1 0 1 0 1 0 1 0 1 0 1 1 0
支持政党なし 2 2 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
2 0 2 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
日本第一党 4 0 0 0 0 4 0 0 0 0 0 0
4 0 0 0 0 0 0 0 0 0 4 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
新党やまと 4 0 0 0 0 4 0 0 0 0 0 0
4 0 0 0 0 0 0 0 0 0 4 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
政権交代によるコロナ対策強化新党 4 0 0 0 0 4 0 0 0 0 0 0
4 0 0 0 0 0 0 0 0 0 4 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
合計 817 43 58 86 93 100 53 88 127 52 36 81
194 623 16 27 14 44 20 66 19 74 33 67 13 40 16 72 17 110 15 37 14 22 17 64

党派の動き[編集]

与党[編集]

今回の衆院選の勝敗ラインについて「与党(自民・公明)で過半数を確保することだ」と述べた[80]
公認候補者を立てた9小選挙区の全勝と比例代表の800万票獲得を目標に掲げた[81]

野党[編集]

野党共闘
4党は安全保障関連法の廃止を求めるグループ「市民連合」を介して政策協定を締結。野党共闘の選挙区は前回・2017年は80選挙区程度にとどまっていたが、今回は約210の選挙区で候補者一本化が実現し、2.7倍に急増。また全国289選挙区の約半数となる142選挙区で、与党候補対野党統一候補の一騎打ちが実現した[82]
共産党は、今回衆院選では野党共闘を進めるため、全国21の小選挙区で公認候補の立候補を取り下げ、比例区に回した。一方、立憲民主党が取り下げた3小選挙区に公認候補を立てた[83]
第3極
本拠地の大阪をはじめ各地の選挙区に94人・比例単独2人の合計96人を公認で擁立。代表である松井一郎大阪市長は、勝敗目標は衆院で単独で法案を提出できる21議席の獲得が最低ラインとし、全員当選を目指すとした[84]
政策協定の枠組みには参加しなかったものの、立憲民主党と選挙協力の「覚書」を結び[85]、候補者擁立で4党と一定のすみ分けを行った[86]
NHKの受信料制度を批判するとともに「諸派党構想」を打ち出した。今選挙戦で3議席以上を獲得した場合は、岸田内閣に対して選挙後に閣外協力を申し出ると話した[87]

諸派[編集]

代表の佐野を含め2人が比例北海道ブロックから党公認で立候補した。
代表の小林が東京9区から党公認で立候補した他、比例東京ブロックに党公認候補が4人立候補した。
党首の桜井が東京15区から党公認で立候補した他、比例東京ブロックに党公認候補が4人立候補した。
  • 政権交代によるコロナ対策強化新党(清水三雄呼びかけ人)
呼びかけ人の清水三雄ら4人が比例東京ブロックから党公認候補で立候補した。
代表の本間が和歌山3区から党公認で立候補した他、千葉代表の梓まりが千葉10区から党公認で立候補した。
  • 新党日本のこころ(沢口祐司代表)
代表の沢口が東京10区から党公認で立候補した。
代表の土田が岐阜1区から党公認で立候補した。
  • 愛地球党(小沢頼仁代表)
副代表の千田光が静岡5区から党公認で立候補した。
  • 日本成功党(上出圭一党首)
党首の上出が広島1区から党公認で立候補した。
  • 改新党(石本啓之代表)
代表の石本が長崎3区から党公認で立候補した。

その他[編集]

今回の衆院選に出馬を断念した政治団体は以下の通り。

今回の衆院選において、釈党首を筆頭に小選挙区16名・比例ブロック28名の合計44名を立候補させる予定であったが[88]、「アフターコロナを見据えた政策転換が必要」との理由で、2020年8月に全員の立候補を取り下げた[89]
国政向けの政治団体「ファーストの会」(荒木千陽代表)を設立。今回の選挙における東京都内の25選挙区すべてにおいて候補者擁立を目指したが、公示日直前で断念した[90][91]
代表の河村自身が立候補を検討しており、上田清司参議院議員が結成を目指していた新党との連携も模索したが、最終的に候補者の擁立を断念した[92][93]

公約・マニフェスト[編集]

キャッチコピー[編集]

  • 自由民主党 :新しい時代を 皆さんとともに。[94][95]
  • 公明党   :日本再生へ新たな挑戦。[94][95]
  • 立憲民主党 :変えよう。[94]
  • 日本共産党 :なにより、いのち。ぶれずに、つらぬく[94]
  • 社会民主党 :生存のための政権交代[94]
  • れいわ新選組:れいわニューディール[94]
       何があっても心配するな
  • 国民民主党 :動け、日本。[94]
  • 日本維新の会:今こそ、『日本大改革』を。[94]
       身を切る改革、実行中[95]
  • NHKと裁判してる党弁護士法72条違反で:
       受信料公平負担の原則をNHKに順守させる[94]
       NHKが変われば日本も変わる[95]
       NHKをぶっ壊す[95]

ウェブサイト[編集]

       NHKをぶっ壊す! - NHKと裁判してる党弁護士法72条違反で(公式サイト)
  • 支持政党なし:支持政党なし(公式サイト)
  • 新党やまと :新党やまと (公式サイト)
  • 政権交代によるコロナ対策強化新党:
       政権交代によるコロナ対策強化新党 (公式サイト)
       沢口ゆうじ.com(公式サイト)

改革未来党、改新党は党として公式ウェブサイト・総選挙特設ウェブサイトを設置しなかった。

選挙報道[編集]

情勢、議席予測[編集]

選挙前にメディアなどで発表された各党の情勢および獲得議席数の予測は、以下のとおりである。

10月20日
  • 読売新聞[96]・日本テレビ[97]
    • 自民は議席を減らし、単独過半数を維持できるか微妙。立憲は着実に上積みし、維新は大阪を中心に躍進する公算が大きい。公明・共産・れいわも上積みの可能性あり。社民は現状維持。一方、国民・NHK党は厳しい戦いとなる見込み。(読売)
    • 自民は公示前から議席を大きく減らし、単独過半数を維持できるか微妙。一方、公明は公示前を超える勢い。立憲は公示前から議席を上積み。共産も公示前から議席を増やす勢い。維新は大阪を中心に公示前から大きく伸ばす勢い。国民は公示前議席前後は確保しそうな情勢。社民とれいわは1議席は確保できそう。NHK党は議席獲得に向けて苦しい戦い。(日テレ)
10月21日
  • TBSテレビ[98]・毎日新聞[99]
    • 自民は単独過半数をうかがう。公明は公示前の議席を維持。立憲・共産は議席増の可能性。維新は公示前と比べ2倍を超える可能性あり。国民は公示前議席を維持できるか微妙。れいわと社民はそれぞれ議席を獲得する可能性あり。NHK党は議席獲得が難しい。(TBS)
    • 自民は公示前から減らす可能性が高い。公明も公示前に届くかは微妙。与党で過半数は確保も「絶対安定多数」を割る可能性。立憲は公示前の上積みを視野に入れる。共産は全体で公示前を超える勢い。国民は伸び悩み公示前前後にとどまる可能性。れいわ・社民、いずれも現状維持のめど。維新は公示前から3倍増となる勢い。(毎日)
  • 産経新聞[100]
    • 自民は公示前からは減らすものの、単独での過半数は維持する情勢。公明も公示前前後の議席確保が見込まれる。立憲は公示前程度の議席は固めつつあり、上積みが焦点。維新は公示前から倍増の勢い。共産は公示前は上回りそう。社民は公示前の維持が視野に入り、国民は公示前前後の勢力を確保できそう。れいわ・NHK党は比例代表で議席を確保できるか。
  • テレビ東京[101]・日本経済新聞[102]
    • 自民・公明の両党で過半数を越える勢い。自民・公明ともに比例代表で公示前からの上積みの公算大。立憲は公示前から積み増す可能性。共産は比例を中心に議席増。維新は公示前を上回る情勢。国民は現有議席を確保は厳しい状況。れいわは比例代表で議席獲得の可能性あり。社民は小選挙区で現有議席の維持が視野。NHK党は議席獲得のめど立たず。
  • 共同通信[103]
    • 自民は単独過半数をうかがうものの、公示前勢力の維持は微妙。立憲は共産などとの野党共闘が奏功し、与党との接戦区が増えている。公明は堅調。維新は議席増へ勢い。
10月24日
  • 時事通信[104]
    • 自民は公示前から議席を減らし、単独過半数をうかがう状況。立憲は公示前から上積みし、共産・維新も議席を増やす見通し。
10月25日
  • 産経新聞[105]・フジテレビ[106]
    • 自民は議席を減らすのは確実だが、単独過半数を維持しそう。公明は公示前の議席の維持が焦点となりそう。立憲は公示前の議席を大きく上回る。維新は公示前から躍進する勢いをみせている。共産は公示前の議席から伸ばす可能性がある。国民は前職全員の当選が視野に入り、比例での議席獲得が焦点だ。れいわ・社民はそれぞれ1~2議席の獲得が視野に入っている。NHK党は苦しい戦い。(産経)
    • 自民は議席を減らすのは確実で、単独過半数を維持できるかは微妙な情勢。公明は公示前の議席維持は微妙。立憲は公示前の議席から伸ばす可能性がある。維新は公示前から3倍近くまで伸ばす勢い。共産は数議席伸ばす可能性がある。国民は公示前の議席を守れるか見通せない。社民は選挙区で議席を確保する公算で、れいわは比例代表で議席獲得の可能性がある。NHK党は議席獲得が厳しい情勢。(フジ)
  • 朝日新聞[107]
    • 自民は公示前の議席より減る公算が大きいものの、単独過半数を大きく上回る勢い。公明は公示前の議席を維持しそうな勢い。立憲は公示前の議席からほぼ横ばい。維新は公示前から3倍近くに増える勢い。共産は公示前の議席を上回る可能性がある。国民は公示前の議席と同程度になる見込み。れいわは比例区で議席獲得をうかがう。社民は選挙区、比例区ともに議席を確保できるかどうか。NHK党は厳しい情勢だ。
10月27日
  • 共同通信[108]
    • 自民は、公明と合わせた与党で「絶対安定多数」を視野に入れるものの、自民単独では公示前の議席から減らす可能性がある。立憲は接戦区の勝敗によっては、公示前議席から伸ばす。公明・共産は公示前議席を上回る勢いを維持。維新は公示前勢力の約3倍となる勢いで、国民は公示前勢力の維持となりそう。社民は現有1議席を死守できそう。れいわは比例区での議席獲得が見込める。NHK党は厳しい。
10月28日
  • 読売新聞[109]・日本テレビ[110]
    • 自民は単独過半数を維持できるか微妙な情勢。公明は公示前の議席を上回る可能性がある。自民・公明の与党では、国会を安定的に運営するための「安定多数」をうかがう。立憲は公示前の議席から増やす可能性がある。共産は公示前の議席を上回る勢いだ。維新は公示前の議席から3倍超をうかがう。国民は公示前の議席を確保できるかどうかが焦点だ。(読売)
    • 自民・公明は序盤に引き続き、過半数を確保する勢いを維持するが、自民は公示前から議席を大きく減らし、公明は公示前の議席を超える勢いを維持している。立憲は序盤の勢いのまま、公示前から議席を上積みしそう。共産は公示前より議席を増やすが、序盤よりやや勢いを失っている。維新は序盤よりもさらに勢いをまし、公示前より大きく伸ばす勢い。国民は公示前議席前後は確保しそうな情勢。社民とれいわは1議席は確保できそう。NHK党は議席獲得が厳しい情勢だ。(日テレ)
10月29日
  • フジテレビ[111]
    • 自民は公示前の議席を減らす見通しで、公明は公示前の議席からの上積みを狙う。自民・公明をあわせた与党で過半数を確保するのは確実な情勢で、国会のすべての委員長ポストを確保して過半数を握る、絶対安定多数をうかがう情勢。立憲は公示前の議席を伸ばす見通し。共産は数議席増やすことになりそう。維新は公示前の議席の倍近くの議席獲得が視野に入った。国民は公示前の議席から減らす可能性がある。社民は選挙区で1議席を確保する公算で、れいわは比例で議席を獲得する可能性がある。NHK党は議席獲得が厳しい情勢。

世論調査[編集]

選挙特別番組[編集]

テレビ[編集]

ラジオ[編集]

主な争点[編集]

政局
政策

選挙結果[編集]

党派別獲得議席[編集]

e • d  日本の旗 第49回衆議院議員総選挙 2021年(令和3年)10月31日施行
党派 獲得
議席
増減 小選挙区 比例代表 公示前
議席 得票数 得票率 議席 得票数 得票率
与党 293 減少012 198 28,499,088.887 49.60% 95 27,029,165.000 47.04% 305
自由民主党 261 減少015 189 27,626,157.887 48.08% 72 19,914,883.000 34.66% 276
公明党 32 増加003 9 872,931.000 1.52% 23 7,114,282.000 12.38% 29
野党・無所属 172 増加016 91 28,958,344.100 50.4% 81 30,433,982.420 52.96% 156
立憲民主党 096 減少013 57 17,215,621.063 29.96% 39 11,492,115.660 20.00% 109
日本維新の会 0041 増加030 16 4,802,793.000 8.36% 25 8,050,830.000 14.01% 11
国民民主党 0011 増加003 6 1,246,812.000 2.17% 5 2,593,375.230 4.51% 8
日本共産党 0010 減少002 1 2,639,708.000 4.59% 9 4,166,076.000 7.25% 12
れいわ新選組 003 増加002 0 248,280.000 0.43% 3 2,215,648.000 3.86% 1
社会民主党 001 増減なし 1 313,193.000 0.55% 0 1,018,588.000 1.77% 1
NHKと裁判してる党弁護士法72条違反で 000 減少001 0 150,542.180 0.26% 0 796,788.000 1.39% 1
支持政党なし 000 増減なし - - - 0 46,142.000 0.08% 0
日本第一党 000 増減なし 0 9,449.000 0.02% 0 33,661.000 0.06% 0
新党やまと 000 増減なし 0 15,091.000 0.03% 0 16,970.000 0.03% 0
政権交代によるコロナ対策強化新党 000 増減なし - - - 0 6,620.000 0.01% 0
新党くにもり 000 増減なし 0 29,306.000 0.05% - - - 0
愛地球党 000 増減なし 0 5,350.000 0.01% - - - 0
新党日本のこころ 000 増減なし 0 4,552.000 0.01% - - - 0
改革未来党 000 増減なし 0 3,698.000 0.01% - - - 0
改新党 000 増減なし 0 2,750.000 0.00% - - - 0
日本成功党 000 増減なし 0 1,630.000 0.00% - - - 0
無所属 010 減少003 10 2,269,167.814 3.95% - - - 13
欠員 0 減少004 - - - - - - 4
総計 465 増減なし 289 57,457,031.944 100.00% 176 57,465,978.890 100.00% 465
有効票数(有効率) - - - 57,457,033 97.55% - 57,465,981 97.58% -
無効票数(無効率) - - - 1,443,227 2.45% - 1,425,366 2.42% -
投票総数 - - - 58,900,260 - - 58,891,347 - -
不足数 - - - 1,356 - - 2,460 - -
投票者数(投票率) - - - 58,901,616 55.93% - 58,893,807 55.92% -
国内投票者数(投票率) - - - 58,882,234 55.91% - 58,874,277 55.90% -
在外投票者数(投票率) - - - 19,382 20.09% - 19,530 20.25% -
棄権者数(棄権率) - - - 46,418,907 44.07% - 46,426,716 44.08% -
国内棄権者数(棄権率) - - - 46,341,823 44.09% - 46,349,780 44.10% -
在外棄権者数(棄権率) - - - 77,084 79.91% - 76,936 79.75% -
有権者数 - - - 105,320,523 100.0% - 105,320,523 100.0% -
国内有権者数(国内率) - - - 105,224,057 99.91% - 105,224,057 99.91% -
在外有権者数(在外率) - - - 96,466 0.09% - 96,466 0.09% -
出典:令和3年10月31日執行 衆議院議員総選挙・最高裁判所裁判官国民審査 速報結果
小選挙区投票率:55.93%(前回比:増加 2.25%)
【男性:56.06%(前回比:増加 1.98%) 女性:55.80%(前回比:増加 2.49%)】
比例区投票率:55.92%(前回比:増加 2.24%)
【男性:56.06%(前回比:増加 1.98%) 女性:55.79%(前回比:増加 2.40%)】

党派別当選者内訳[編集]

党派 内訳 男性 女性 小選挙区 比例代表
男性 女性 単独 重複 男性 女性
自由民主党 261 226 2 33 241 20 189 166 1 22 175 14 72 16 56 60 1 11 66 6
立憲民主党 96 74 7 15 83 13 57 47 4 6 48 9 39 0 39 27 3 9 35 4
日本維新の会 41 8 6 27 37 4 16 7 2 7 16 0 25 0 25 1 4 20 21 4
公明党 32 20 3 9 28 4 9 9 0 0 9 0 23 23 0 11 3 9 19 4
国民民主党 11 6 1 4 10 1 6 6 0 0 5 1 5 0 5 0 1 4 5 0
日本共産党 10 9 1 0 8 2 1 1 0 0 1 0 9 6 3 8 1 0 7 2
れいわ新選組 3 0 0 3 2 1 0 0 0 0 0 0 3 1 2 0 0 3 1 2
社会民主党 1 0 0 1 1 0 1 0 0 1 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0
無所属(与党系) 4 1 0 3 4 0 4 1 0 3 4 0 - - - - - - - -
無所属(野党系) 6 1 4 1 6 0 6 1 4 1 6 0 - - - - - - - -
合計 465 345 24 96 420 45 289 238 11 40 265 24 176 43 133 107 13 56 155 21
出典:令和3年10月31日執行 衆議院議員総選挙・最高裁判所裁判官国民審査 速報結果

都道府県別小選挙区当選者数[編集]

都道府県 区数 自民 公明 与党計 立民 維新 共産 国民 社民 無所 野党計
01北海道 12 6 1 7 5 0 0 0 0 0 5 2
02青森県 3 3 0 3 0 0 0 0 0 0 0 3
03岩手県 3 2 0 2 1 0 0 0 0 0 1 1
04宮城県 6 4 0 4 2 0 0 0 0 0 2 2
05秋田県 3 2 0 2 1 0 0 0 0 0 1 1
06山形県 3 3 0 3 0 0 0 0 0 0 0 3
07福島県 5 2 0 2 3 0 0 0 0 0 3 -1
08茨城県 7 5 0 5 0 0 0 1 0 1 2 3
09栃木県 5 4 0 4 1 0 0 0 0 0 1 3
10群馬県 5 5 0 5 0 0 0 0 0 0 0 5
11埼玉県 15 12 0 12 3 0 0 0 0 0 3 9
12千葉県 13 9 0 9 4 0 0 0 0 0 4 5
13神奈川県 18 11 0 11 7 0 0 0 0 0 7 4
14山梨県 2 2 0 2 0 0 0 0 0 0 0 2
15東京都 25 16 1 17 8 0 0 0 0 0 8 9
16新潟県 6 2 0 2 3 0 0 0 0 1 4 -2
17富山県 3 3 0 3 0 0 0 0 0 0 0 3
18石川県 3 3 0 3 0 0 0 0 0 0 0 3
19福井県 2 2 0 2 0 0 0 0 0 0 0 2
20長野県 5 4 0 4 1 0 0 0 0 0 1 3
21岐阜県 5 5 0 5 0 0 0 0 0 0 0 5
22静岡県 8 5 0 5 2 0 0 0 0 1 3 2
23愛知県 15 11 0 11 3 0 0 1 0 0 4 7
24三重県 4 3 0 3 1 0 0 0 0 0 1 2
25滋賀県 4 4 0 4 0 0 0 0 0 0 0 4
26京都府 6 2 0 2 2 0 0 1 0 1 4 -2
27大阪府 19 0 4 4 0 15 0 0 0 0 15 -11
28兵庫県 12 8 2 10 1 1 0 0 0 0 2 8
29奈良県 3 2 0 2 1 0 0 0 0 0 1 1
30和歌山県 3 2 0 2 0 0 0 1 0 0 1 1
31鳥取県 2 2 0 2 0 0 0 0 0 0 0 2
32島根県 2 2 0 2 0 0 0 0 0 0 0 2
33岡山県 5 4 0 4 0 0 0 0 0 1 1 3
34広島県 7 5 1 6 1 0 0 0 0 0 1 5
35山口県 4 4 0 4 0 0 0 0 0 0 0 4
36徳島県 2 1 0 1 0 0 0 0 0 1 1 1
37香川県 3 1 0 1 1 0 0 1 0 0 2 -1
38愛媛県 4 4 0 4 0 0 0 0 0 0 0 4
39高知県 2 2 0 2 0 0 0 0 0 0 0 2
40福岡県 11 8 0 8 2 0 0 0 0 1 3 5
41佐賀県 2 0 0 0 2 0 0 0 0 0 2 -2
42長崎県 4 3 0 3 0 0 0 1 0 0 1 2
43熊本県 4 3 0 3 0 0 0 0 0 1 1 2
44大分県 3 2 0 2 0 0 0 0 0 1 1 1
45宮崎県 3 2 0 2 1 0 0 0 0 0 1 1
46鹿児島県 4 2 0 2 1 0 0 0 0 1 2 0
47沖縄県 4 2 0 2 0 0 1 0 1 0 2 0
合計 289 189 9 198 57 16 1 6 1 10 91 107

党派の動き[編集]

与党[編集]

自由民主党

選挙戦当初は苦戦が伝えられており、投票終了直後の各メディアによる議席予測でも過半数割れの可能性が指摘されていたが、結果的には小選挙区では189議席と前回選挙(218議席)より減らしたものの、比例代表では前回選挙(66議席)を上回る72議席を獲得し、合計は15議席減の261議席と善戦し、絶対安定多数を単独で維持した。

その一方で幹事長の甘利明が小選挙区で落選し比例復活で議席を確保する事態となったほか、派閥の領袖でもあった石原伸晃や党税調の顧問であった野田毅などのベテラン議員の落選もみられた。その中でも特に大阪府では、現選挙制度導入の1996年以来初めて、連立を組む公明党が候補者を擁立している4つの選挙区を除いて候補者を擁立した15の区全てで小選挙区の議席を失い(自民党が大敗し政権交代が起こった2009年の総選挙では大阪13区西野陽が当選している)、比例復活も宗清皇一谷川とむの2人のみとなった。その結果を受けて自民党大阪府連会長の原田憲治大阪9区)は選挙日に辞任を表明したが、この選挙後の自民党大阪府連所属の国会議員は衆院3人(宗清・谷川と比例単独上位で当選した柳本顕)と参議院の2人(松川るい太田房江)のみとなっており、12月に選出される予定の原田の後任調整すらも難航していると報じられていた[122]。大阪府議からは「ここから自民が盛り返すには20年はかかる」という声も上がっていた[123]。結局12月4日の大阪府連の大会によって宗清が府連会長に選出された[124]

公明党

小選挙区では擁立した9人全員が当選し、比例代表でも前回選挙(21議席)を上回る23議席を獲得、合計は3議席増の32議席となった。この選挙では前党代表の太田昭宏や前幹事長の井上義久などのベテラン議員が立候補せず引退し、新人が9人当選するなど入れ替わりが見られた。

野党[編集]

立憲民主党

各種メディアの情勢調査並びに出口調査では議席増(ただし「伸び悩み」と報じるメディアもあった)の情勢が伝えられていたが、実際には改選前の110議席から96議席に14議席減らし、100議席を割り込んだ。ただ、民主党系の政党の獲得議席としては、第46回以降の総選挙で最も多い数となった。野党共闘により候補者の一本化に成功するなどして小選挙区では9議席を上乗せすることに成功したが、10万票以上を獲得しながら僅差で敗れるなど、接戦で競り負けた選挙区が多くなった比例代表は39議席で、2017年の前回選で旧立憲民主党が獲得した37議席から2議席上積みしたものの、解散前の勢力は旧希望の党で比例当選した議員が合流して62議席だったため実質的に23議席減となったことが響いた。

この選挙戦では小沢一郎が18回目、中村喜四郎が15回目にしてそれぞれ中選挙区時代も含め、初めて選挙区で敗れて比例復活となったほか、篠原孝中川正春といった小選挙区で安定して強さを見せていたベテラン議員が一転して苦戦し選挙区で落選、比例復活となるケースが続出した。さらに大阪府の候補者では、党執行部の辻元清美平野博文が比例復活もならずに日本維新の会の候補者に敗れて議席を失い、大阪12区では同党の小選挙区候補者としては唯一の供託金没収者まで出した。公明党との候補者棲み分けによって維新が候補者を擁立しなかった大阪16区森山浩行が大阪府の候補者で唯一比例復活で議席を確保している。

実質的な敗北を受け、枝野幸男代表や福山哲郎幹事長などの執行部が辞任の意向を示した[125]

日本維新の会

各社の情勢調査で既に30議席前後と3倍近く議席を伸ばす情勢が伝えられていたが、本拠地の大阪府(および兵庫県)で公明党と候補者を棲み分け(後述)、擁立しなかった4つの区を除く15の小選挙区全てで勝利するなど、下馬評をさらに上回る41議席を獲得した。前身の政党も含めた過去の戦績と比べると、2012年の衆院選に次ぎ、2014年の衆院選に並ぶ議席を回復。大阪府以外でも兵庫6区市村浩一郎が当選したことで、2015年の維新の党分裂後では小選挙区で初めて大阪以外の選挙区で当選者を出し、党派別でも自民・立憲に続く第三党に躍進した。比例代表では北海道ブロックを除く全てのブロックで議席を獲得し、特に比例近畿ブロックでは最多の10議席を獲得。先述の通り大阪府で比例復活の対象者がいなかったため、小選挙区で勝利した兵庫6区以外で擁立した兵庫県の選挙区の候補者が全員比例復活した。

大阪府と兵庫県において公明党と候補者を棲み分けた(公明党の候補者がいる選挙区に維新の候補者を擁立しなかった)背景には、大阪市会および堺市議会で母体の大阪維新の会が単独過半数を取れておらず、特に大阪市会において公明党の協力がなければ大阪都構想の住民投票の実施ができなかったことが挙げられる。

国民民主党

小選挙区で擁立した前職6人全員が当選し、情勢調査では議席獲得が難しいとされていた比例代表でも北関東・南関東・東海・近畿・九州の各ブロックで1議席ずつの計5議席を獲得するなど善戦し、合計は3議席増の11議席となった。

日本共産党

情勢調査では議席の上積みという情勢が伝えられたが、小選挙区で沖縄1区の1議席を維持したものの比例代表では北陸信越ブロックで議席を逃すなど議席数を減らし、合計は2議席減の10議席となった。

れいわ新選組

党代表の山本太郎比例東京ブロックで当選し国政へ復帰したほか、南関東・近畿の各ブロックで各1議席を獲得し2議席増の3議席となったが、小選挙区では議席獲得に届かなかった。また、比例東海ブロックでは1議席配分されたものの、このブロックでは比例単独候補を名簿に登載しておらず、重複立候補していた候補も選挙区で供託金没収となり比例復活の資格を失ったため1議席を逃し、失った議席は公明党に配分された。

社会民主党

前年に立憲民主党との合流構想で党内が紛糾し、一部議員が立憲民主党に移籍した事や小選挙区で議席を得ていた照屋寛徳の引退などで党勢の衰退から議席獲得が危ぶまれていたが、照屋の後継となった新垣邦男が小選挙区で議席を確保し1議席を維持したが、比例代表での議席獲得はならなかった。

NHKと裁判してる党弁護士法72条違反で

30人の立候補者を立てるも、小選挙区・比例区共に全敗に終わり、議席獲得はならなかった。

諸派[編集]

いずれの政党も小選挙区、比例代表とも議席獲得はならなかった。

無所属[編集]

12人が当選したが、自民系無所属の当選者2人(東京15区柿沢未途奈良3区田野瀬太道)が当選直後に追加公認(上記獲得議席表には自民の議席・票数として加算)、細野豪志など3人が2021年内に自民党所属議員として会派入りした。また野党系無所属の当選者5人がその後院内会派有志の会」を結成した。

予想とのズレ[編集]

当時、リベラル派支持の運動がネット等で展開されており、立民増の予想が多くあった[126]。選挙期間中はリベラル派が重視するジェンダーの平等などをめぐって与野党論戦が行われた[127]選挙運動期間、ソフトウェア開発会社「サイボウズ」社長の青野慶久らは、選択的夫婦別姓や同性婚に否定的な候補者に対する落選運動「ヤシノミ作戦」を展開。落選させるべきだとし候補者248人をリストアップし、ほぼ半数が小選挙区で落選した[128]

さらにしんぶん赤旗日曜版が、野党攻撃を繰り返してきたTwitterインフルエンサーアカウント「Dappi」 の運営企業社長が自民党本部事務総長と親戚というスクープを出した[129][130](なお選挙終了後、政権批判側だったChoose Life Project立憲民主党から資金提供を受けていたことが発覚し、与党側はこれを逆に批判した[131])。

この予想は、開票時間になっても変わらなかった。出口調査において、NHKは自民党と立憲民主党の議席を「212~253 対 99~141」、日本テレビは「238 対 114」、テレビ朝日は「243 対 113」、TBSは「239 対 115」、テレビ東京は「240 対 110」フジテレビは「230 対 130」と予測。自民党単独での過半数である233議席以上の獲得は微妙と速報された[132]。しかし、結果的には、自民党は追加公認の2議席を含めて「絶対安定多数」(261議席)を確保し勝利。一方の立憲民主党は改選前110議席から14議席減らし96議席となる惨敗となり、各社の出口調査は大きく外れる事態となった[133]。この結果を受けて、NHKの正籬聡放送総局長は11月4日に行われた定例会見で「今回の結果を真摯に受け止めて、しっかりと検証して改善に結びつけたい」とコメントした[134]。元テレビマンで京都芸大客員教授の村上和彦は、自民党支持層は語らずに投票する「サイレント・マジョリティ」型であり、それを見抜けなかったと評した[135]

また当選した女性議員の比率は公示前の10.1%を下回って9.7%となり、諸外国と比べても特に低迷した[136]

この選挙結果に、リベラル派やジェンダー論学者は批判を示した。「政治アイドル」の町田彩夏は、関西テレビのインタビューで「差別的な発言をした人が、結局また議席を獲得して、例えば、LGBTQの問題に尽力してきた人が議席を失うというところを見ると、そうした価値観が共有されていないなと思います。私たちは、しょせんマイノリティーというか、少数派だったなというのは、すごく思いますね」と選挙結果を批判した[116]大正大学准教授の田中俊之は「野党の打ち出し方が悪かった。ジェンダー平等を票につなげるためのアピール方法を間違えた」と指摘し国民がジェンダー平等に無関心だったという指摘を否定した[137]内田樹は悪い体質の政党が勝ち続けていることが悪影響をもたらしていると批判した[138]

背景として当時、Z世代論などの「若い世代はSDGs等の社会問題に関心が強いリベラル派である」とする論調があった[139]。メディアは30歳未満が「ジェンダー平等(選択的夫婦別姓など)」を特に積極的に取り組んでほしい社会課題に挙げたと報じていた[140]。しかし実際にはジェンダー平等を強く訴えた野党が伸び悩み、出口調査によれば比例代表で若者世代が最も多く投票した先は、保守勢力である自民党が多く[141]、翌年の第26回参議院議員通常選挙でも若い世代になればなるほど自民党支持が高かった[142]。独身者研究家の荒川和久は、世代論は「おっさん」の決めた枠組みに過ぎないとして、世代論やポリティカル・コレクトネスの全体主義性を指摘している[139]

その世代論で言えば、ロスジェネれいわ新選組はともかく日本維新の会を支持する、という世代論からすると一見不可解な動きが見られた。政治学者の中島岳志は維新に批判的な立場から、「小泉政権を支持したフリーター、みたいな図式に似ていて、維新の政策とかではなく、『既得権益からむしり取ってやる』というような主張にすごく心をつかまれている人がたくさんいた」「維新はその『異議申し立て』の先を、労働組合や公務員などに定めた」と考察している[143]

また10年前の3.11以来、デモ運動の盛り上がりを背景に「デモがない社会からデモがある社会に変わった」として、選挙で負けてもリベラル派が「じつは勝っている」という論法が存在していた。これに対して「早稲田文学」編集主幹の市川真人は「『みんなが選挙に行っていれば勝ったのだ』とかもそうです。しかし実際には、いま投票率が九割になったら、リベラルはさらに負けるでしょう。『支持政党なし』とか『態度未定』を都合よく解釈することが、最大の問題なんです。実際はそのほとんどは、リベラルに対しても保守に対して以上にうんざりしているか、あるいは、たんに政治に興味がない保守層ですよ。しかし、リベラルはそのことに気づかないし、気づきたくない。なぜなら、彼らは自分たちが『正しい』と思っていて、『正しさ』が存在基盤になっている。それが『正しさ』である以上、いつか現実に証明されると信じているから」と警告している[144]

政党[編集]

自由民主党:261議席
総裁岸田文雄
副総裁    :麻生太郎
幹事長    :甘利明
総務会長   :福田達夫
政務調査会長 :高市早苗
選挙対策委員長:遠藤利明
国会対策委員長高木毅
参議院議員会長関口昌一
公明党:32議席
代表山口那津男
幹事長    :石井啓一
中央幹事会会長:北側一雄
政務調査会長 :竹内譲
選挙対策委員長:西田実仁
国会対策委員長高木陽介
参議院議員会長:西田実仁(兼)
立憲民主党:96議席
代表枝野幸男
代表代行   :平野博文 江田憲司
        蓮舫
幹事長    :福山哲郎
政務調査会長 :泉健太
常任幹事会議長:田名部匡代
選挙対策委員長:平野博文(兼)
国会対策委員長:安住淳
参議院議員会長:水岡俊一
日本維新の会:41議席
代表  :松井一郎
共同代表:片山虎之助
副代表    :吉村洋文
幹事長    :馬場伸幸
総務会長   :東徹
政務調査会長 :浅田均
選挙対策本部長:馬場伸幸(兼)
参議院議員会長:片山虎之助(兼)
国民民主党:11議席
代表:玉木雄一郎
代表代行   :前原誠司 大塚耕平
幹事長    :榛葉賀津也
政務調査会長 :舟山康江
選挙対策委員長:岸本周平
国会対策委員長:古川元久
参議院議員会長:小林正夫
日本共産党:10議席
委員長志位和夫
副委員長    :山下芳生 市田忠義
         緒方靖夫 倉林明子
         田村智子 浜野忠夫
書記局長    :小池晃
政策委員会責任者:田村智子(兼)
選挙対策委員長 :穀田恵二
国会対策委員長 :穀田恵二(兼)
参議院議員団長 :紙智子
れいわ新選組:3議席
代表:山本太郎
副代表:舩後靖彦 木村英子
社会民主党:1議席
党首:福島瑞穂
副党首    :大椿裕子
幹事長    :服部良一
政策審議会長 :服部良一(兼)
選挙対策委員長:服部良一(兼)
国会対策委員長:照屋寛徳
参議院議員会長:福島瑞穂(兼)

議員[編集]

小選挙区当選者[編集]

 自由民主党   公明党   立憲民主党   日本維新の会   国民民主党   日本共産党   社会民主党   無所属 

都道府県 当選者 当選者 当選者 当選者 当選者 ブロック 小選挙区増減
北海道 1区 道下大樹 2区 松木謙公 3区 高木宏壽 4区 中村裕之 5区 和田義明 北海道 自民 5→6
立民 6→5
公明 1→1
6区 東国幹 7区 伊東良孝 8区 逢坂誠二 9区 山岡達丸 10区 稲津久
11区 石川香織 12区 武部新
青森県 1区 江渡聡徳 2区 神田潤一 3区 木村次郎 東北 自民 18→16
立民 5→7
岩手県 1区 階猛 2区 鈴木俊一 3区 藤原崇
宮城県 1区 土井亨 2区 鎌田さゆり 3区 西村明宏 4区 伊藤信太郎 5区 安住淳
6区 小野寺五典
秋田県 1区 冨樫博之 2区 緑川貴士 3区 御法川信英
山形県 1区 遠藤利明 2区 鈴木憲和 3区 加藤鮎子
福島県 1区 金子恵美 2区 根本匠 3区 玄葉光一郎 4区 小熊慎司 5区 吉野正芳
茨城県 1区 福島伸享 2区 額賀福志郎[無 1] 3区 葉梨康弘 4区 梶山弘志 5区 浅野哲 北関東 自民 28→26
立民 4→4
国民 0→1
無所属 0→1
6区 国光文乃 7区 永岡桂子
栃木県 1区 船田元 2区 福田昭夫 3区 簗和生 4区 佐藤勉 5区 茂木敏充
群馬県 1区 中曽根康隆 2区 井野俊郎 3区 笹川博義 4区 福田達夫 5区 小渕優子
埼玉県 1区 村井英樹 2区 新藤義孝 3区 黄川田仁志 4区 穂坂泰 5区 枝野幸男
6区 大島敦 7区 中野英幸 8区 柴山昌彦 9区 大塚拓 10区 山口晋
11区 小泉龍司 12区 森田俊和 13区 土屋品子 14区 三ッ林裕巳 15区 田中良生
千葉県 1区 田嶋要 2区 小林鷹之 3区 松野博一 4区 野田佳彦 5区 薗浦健太郎 南関東 欠員1
自民 26→22
立民 6→11
6区 渡辺博道 7区 齋藤健 8区 本庄知史 9区 奥野総一郎 10区 林幹雄
11区 森英介 12区 浜田靖一 13区 松本尚
神奈川県 1区 篠原豪 2区 菅義偉 3区 中西健治 4区 早稲田夕季 5区 坂井学
6区 古川直季 7区 鈴木馨祐 8区 江田憲司 9区 笠浩史 10区 田中和徳
11区 小泉進次郎 12区 阿部知子 13区 太栄志 14区 赤間二郎 15区 河野太郎
16区 後藤祐一 17区 牧島かれん 18区 山際大志郎
山梨県 1区 中谷真一 2区 堀内詔子
東京都 1区 山田美樹 2区 辻清人 3区 松原仁 4区 平将明 5区 手塚仁雄 東京 欠員1
自民 18→15
立民 4→8
公明 1→1
無所属 1→1
6区 落合貴之 7区 長妻昭 8区 吉田晴美 9区 山岸一生 10区 鈴木隼人
11区 下村博文 12区 岡本三成 13区 土田慎 14区 松島みどり 15区 柿沢未途[自 1][145]
16区 大西英男 17区 平沢勝栄 18区 菅直人 19区 末松義規 20区 木原誠二
21区 小田原潔 22区 伊藤達也 23区 小倉將信 24区 萩生田光一 25区 井上信治
新潟県 1区 西村智奈美 2区 細田健一 3区 斎藤洋明 4区 菊田真紀子 5区 米山隆一 北陸信越 自民 13→13
立民 5→4
無所属 0→1
6区 梅谷守
富山県 1区 田畑裕明 2区 上田英俊 3区 橘慶一郎
石川県 1区 小森卓郎 2区 佐々木紀 3区 西田昭二
福井県 1区 稲田朋美 2区 高木毅
長野県 1区 若林健太 2区 下条みつ 3区 井出庸生 4区 後藤茂之 5区 宮下一郎
岐阜県 1区 野田聖子 2区 棚橋泰文 3区 武藤容治 4区 金子俊平 5区 古屋圭司 東海 自民 21→24
立民 7→6
国民 2→1
無所属 2→1
静岡県 1区 上川陽子 2区 井林辰憲 3区 小山展弘 4区 深澤陽一 5区 細野豪志[自 2][146]
6区 勝俣孝明 7区 城内実 8区 源馬謙太郎
愛知県 1区 熊田裕通 2区 古川元久 3区 近藤昭一 4区 工藤彰三 5区 神田憲次
6区 丹羽秀樹 7区 鈴木淳司 8区 伊藤忠彦 9区 長坂康正 10区 江﨑鐵磨
11区 八木哲也 12区 重徳和彦 13区 大西健介 14区 今枝宗一郎 15区 根本幸典
三重県 1区 田村憲久 2区 川崎秀人 3区 岡田克也 4区 鈴木英敬
滋賀県 1区 大岡敏孝 2区 上野賢一郎 3区 武村展英 4区 小寺裕雄 近畿 自民 32→17
維新 3→16
立民 3→4
公明 6→6
無所属 0→2
国民 2→2
NHK 1→0
京都府 1区 勝目康 2区 前原誠司 3区 泉健太 4区 北神圭朗 5区 本田太郎
6区 山井和則
大阪府 1区 井上英孝 2区 守島正 3区 佐藤茂樹 4区 美延映夫 5区 國重徹
6区 伊佐進一 7区 奥下剛光 8区 漆間譲司 9区 足立康史 10区 池下卓
11区 中司宏 12区 藤田文武 13区 岩谷良平 14区 青柳仁士 15区 浦野靖人
16区 北側一雄 17区 馬場伸幸 18区 遠藤敬 19区 伊東信久
兵庫県 1区 井坂信彦 2区 赤羽一嘉 3区 関芳弘 4区 藤井比早之 5区 谷公一
6区 市村浩一郎 7区 山田賢司 8区 中野洋昌 9区 西村康稔 10区 渡海紀三朗
11区 松本剛明 12区 山口壯
奈良県 1区 馬淵澄夫 2区 高市早苗 3区 田野瀬太道[自 1]
和歌山県 1区 岸本周平[無 2] 2区 石田真敏 3区 二階俊博
鳥取県 1区 石破茂 2区 赤沢亮正 中国 欠員2
自民 17→17
公明 0→1
立民 1→1
無所属 0→1
島根県 1区 細田博之 2区 高見康裕
岡山県 1区 逢沢一郎 2区 山下貴司 3区 平沼正二郎[自 2][147] 4区 橋本岳 5区 加藤勝信
広島県 1区 岸田文雄 2区 平口洋 3区 斉藤鉄夫 4区 新谷正義 5区 寺田稔
6区 佐藤公治 7区 小林史明
山口県 1区 高村正大 2区 岸信夫 3区 林芳正 4区 安倍晋三
徳島県 1区 仁木博文 2区 山口俊一 四国 自民 8→8
立民 2→1
国民 1→1
無所属 0→1
香川県 1区 小川淳也 2区 玉木雄一郎 3区 大野敬太郎
愛媛県 1区 塩崎彰久 2区 村上誠一郎 3区 井原巧 4区 長谷川淳二
高知県 1区 中谷元 2区 尾﨑正直
福岡県 1区 井上貴博 2区 鬼木誠 3区 古賀篤 4区 宮内秀樹 5区 堤かなめ 九州 自民 28→22
立民 4→6
国民 1→1
共産 1→1
社民 1→1
無所属 0→4
6区 鳩山二郎 7区 藤丸敏 8区 麻生太郎 9区 緒方林太郎 10区 城井崇
11区 武田良太
佐賀県 1区 原口一博 2区 大串博志
長崎県 1区 西岡秀子 2区 加藤竜祥 3区 谷川弥一 4区 北村誠吾
熊本県 1区 木原稔 2区 西野太亮[自 2][148] 3区 坂本哲志 4区 金子恭之
大分県 1区 吉良州司 2区 衛藤征士郎 3区 岩屋毅
宮崎県 1区 渡辺創 2区 江藤拓 3区 古川禎久
鹿児島県 1区 宮路拓馬 2区 三反園訓 3区 野間健 4区 森山裕
沖縄県 1区 赤嶺政賢 2区 新垣邦男 3区 島尻安伊子 4区 西銘恒三郎

補欠選挙[編集]

本選挙で当選した議員に係る補欠選挙は、解散が行われなければ、2025年(令和7年)3月15日までに選挙を行う事由が生じた場合が最終期限であり、同年4月の補欠選挙が最後となる。

月日 選挙区 新旧別 当選者 当選政党 欠員 欠員政党 欠員事由
2022 10 実施せず[注 6]
2023 4.23 千葉5区 英利アルフィヤ 自由民主党 薗浦健太郎 自由民主党 2022.12.21辞職[辞 1]
和歌山1区 林佑美 日本維新の会 岸本周平 無所属 2022.9.1辞職[辞 2]
山口2区 岸信千世  自由民主党  岸信夫 自由民主党 2023.2.7辞職[辞 3]
山口4区 吉田真次 自由民主党 安倍晋三 自由民主党 2022.7.8死去[逝 1][149]
10.22 長崎4区 金子容三 自由民主党 北村誠吾 自由民主党 2023.5.20死去
2024 4.28 島根1区 細田博之 自由民主党 2023.11.10死去
長崎3区 谷川弥一 無所属 2024.1.24辞職[辞 4]
東京15区 柿沢未途 無所属 2024.2.1辞職[辞 5]

比例区当選者[編集]

 自由民主党   公明党   立憲民主党   日本維新の会   国民民主党   日本共産党   れいわ新選組 

北海道 東北 北関東 南関東 東京 北陸信越 東海 近畿 中国 四国 九州
1 鈴木貴子 津島淳 尾身朝子 星野剛士 高木啓 鷲尾英一郎 青山周平 三木圭恵 石橋林太郎 山本有二 今村雅弘
2 大築紅葉 岡本章子 藤岡隆雄 中谷一馬 伊藤俊輔 近藤和也 伴野豊 奥野信亮 小島敏文 平井卓也 末次精一
3 渡辺孝一 秋葉賢也 野中厚 甘利明 松本洋平 高鳥修一 石井拓 和田有一朗 柚木道義 白石洋一 保岡宏武
4 荒井優 菅家一郎 石井啓一 金村龍那 阿部司 国定勇人 宮澤博行 柳本顕 阿部俊子 山崎正恭 浜地雅一
5 佐藤英道 寺田学 牧原秀樹 秋本真利 高木陽介 篠原孝 大口善徳 竹内譲 平林晃 後藤田正純 岩田和親
6 堀井学 庄子賢一 中村喜四郎 古屋範子 笠井亮 泉田裕彦 中川正春 桜井周 髙階恵美子 吉田知代 吉川元
7 神谷裕 亀岡偉民 沢田良 谷田川元 越智隆雄 吉田豊史 杉本和巳 住吉寛紀 湯原俊二 武井俊輔
8 中川郁子 小沢一郎 田所嘉徳 三谷英弘 鈴木庸介 中川宏昌 池田佳隆 大串正樹 空本誠喜 阿部弘樹
9 金田勝年 小宮山泰子 青柳陽一郎 若宮健嗣 塚田一郎 塩谷立 掘井健智 杉田水脈 吉田宣弘
10 高橋千鶴子 塩川鉄也 志位和夫 海江田万里[立 1] 神津健 吉田統彦 穀田恵二 畦元将吾 古川康
11 上杉謙太郎 石川昭政 義家弘介 小野泰輔 務台俊介 中川貴元 堀場幸子 日下正喜 山田勝彦
12 早坂敦 輿水恵一 藤巻健太 長島昭久 本村伸子 小林茂樹 國場幸之助
13 馬場雄基 五十嵐清 中山展宏 山本太郎 伊藤渉 浮島智子 田村貴昭
14 坂本祐之輔 角田秀穂 河西宏一 田中健 森山浩行 金城泰邦
15 中根一幸 中島克仁 宮本徹 渡辺周 遠藤良太 宮崎政久
16 高橋英明 鈴木敦 石原宏高 石原正敬 田中英之 稲富修二
17 鈴木義弘 門山宏哲 大河原雅子 岬麻紀 一谷勇一郎 小里泰弘
18 青山大人 山崎誠 吉川赳[自 3] 宗清皇一 長友慎治
19 福重隆浩 山本朋広 牧義夫 前川清成 山本剛正
20 多ケ谷亮 山本左近 鰐淵洋子 吉田久美子
21 浅川義治 登載者不足 宮本岳志
22 桜田義孝 中川康洋 徳永久志
23 池畑浩太朗
24 盛山正仁
25 赤木正幸
26 斎藤アレックス
27 谷川とむ
28 大石晃子

自民 3→4
立民 3→3
公明 1→1
国民 1→0
自民 5→6
立民 6→4
公明 1→1
共産 1→1
維新 0→1
自民 7→7
立民 8→5
公明 2→3
維新 0→2
共産 1→1
国民 1→1
自民 8→9
立民 9→5
維新 1→3
公明 2→2
共産 2→1
国民 0→1
れいわ 0→1
自民 6→6
立民 6→4
維新 0→2
公明 2→2
共産 2→2
れいわ 0→1
無所属 1→0
自民 5→6
立民 4→3
維新 0→1
公明 1→1
共産 1→0
自民 8→9
立民 9→5
公明 2→3
維新 1→2
共産 1→1
国民 0→1
維新 5→10
自民 9→8
公明 4→3
立民 7→3
共産 2→2
国民 0→1
れいわ 0→1
無所属 1→0
自民 5→6
立民 4→2
公明 2→2
維新 0→1
自民 3→3
立民 2→1
公明 1→1
維新 0→1
自民 7→8
立民 5→4
公明 3→4
維新 0→2
共産 1→1
国民 0→1
無所属 3→0


繰上当選[編集]

ブロック 新旧別 当選者 名簿政党名 欠員 欠員事由
2022 4 東京 櫛渕万里 れいわ新選組 山本太郎 2022.4.19辞職[辞 6]
2023 1 四国 瀬戸隆一 自由民主党 後藤田正純 2023.1.5辞職[辞 7]
10 近畿 中嶋秀樹 日本維新の会 前川清成 2023.10.4辞職[辞 8]
九州 屋良朝博 立憲民主党 末次精一 2023.10.10退職[失 1]

初当選[編集]

計97名
※:参議院議員経験者
自由民主党
33名
立憲民主党
16名
公明党
9名

  

日本維新の会
27名
国民民主党
4名
社会民主党
1名
れいわ新選組
3名
無所属
4名

返り咲き・復帰[編集]

計24名 
自由民主党
2名
立憲民主党
7名

 

公明党
3名
日本維新の会
6名

 

日本共産党
1名
国民民主党
1名
無所属
4名

引退・不出馬[編集]

計41名
自由民主党
20名
立憲民主党
4名
公明党
8名

 

国民民主党
1名
日本維新の会
1名
社会民主党
1名
NHKと裁判してる党弁護士法72条違反で
1名
無所属
5名

落選[編集]

計76名
自由民主党
32名
立憲民主党
32名
公明党
1名
日本維新の会
2名
日本共産党
3名
国民民主党
1名
れいわ新選組
1名
無所属
4名

記録的当選者・落選者[編集]

氏名 政党 選挙区 記録
最年長当選者 二階俊博 自民 和歌山3区 82歳8ヶ月[185]
最年少当選者 馬場雄基 立民 比例東北福島2区 29歳0ヶ月[186]
最多得票当選者 河野太郎 自民 神奈川15区 210,515票[187]
最少得票当選者 吉田知代 維新 比例四国徳島1区 20,065票
最少得票選挙区当選者 北村誠吾 自民 長崎4区 55,968票[187]
最多得票落選者 長友克洋 立民 神奈川14区 116,273票
最多得票選挙区落選者 青山周平 自民 愛知12区比例東海 128,083票
惜敗率最高当選者 高鳥修一 自民 比例北陸信越新潟6区 99.86%
惜敗率最低当選者 吉田知代 維新 比例四国(徳島1区) 20.17%
惜敗率最高落選者 屋良朝博 立民 比例九州沖縄3区 91.76%
最高得票率当選者 石破茂 自民 鳥取1区 84.07%[188]
最多当選 小沢一郎 立民 比例東北(岩手3区 18回(連続)

その他[編集]

案分票[編集]

2019年の参院選では党名の略称を旧・立憲民主党は「りっけん」、旧・国民民主党は「民主党」としていたが、今回の衆院選では立憲民主党と国民民主党が同じ「民主党」を略称として届け出ていた[189]。そのため、各地の選挙管理委員会に「投票用紙に『民主党』と書いた場合はどうなるのか」との問い合わせが寄せられるなど、紛らわしい同一略称として有権者から戸惑いの声が上がった[190]。総務省選挙課によると、投票用紙に「民主党」と書く場合はそれぞれの得票割合に応じて票を割り振る案分票となるという[190][191]。「民主党」と書いた投票用紙は34の都道府県で、197万3362票あった。この件について、立憲民主党幹事長の福山哲郎はNHKや同党の神奈川県連に対して、「事務的なミスがあった」とコメントし、2022年開催予定の第26回参議院議員通常選挙において「りっけん」を略称として届け出る予定であることを明らかにした[192][193][194]

また、島根1区では読み仮名がいずれも「かめいあきこ」となる2人(亀井亜紀子と亀井彰子)が立候補したため、案分票が発生するとみられるが、島根県選挙管理委員会は候補者の票の判別方法について「他の候補への公正さを欠くためコメントはできない」とした[195][196]

ミス・トラブル[編集]

10月30日、北海道函館市港町の期日前投票所で、母親の入場券を持った12歳の少年に投票用紙が交付され投票される事態が発生[197]

10月31日、北海道札幌市東区の衆院選の投票所で80代女性に小選挙区の投票を2回させるミスが発生[198]

10月31日、宮城県仙台市の開票所では、ミスやトラブルが相次ぎ、開票作業が大幅に遅れ、小選挙区の開票が確定したのは、翌1日の午前7時半となった。仙台市の開票所では、同日の午後9時40分から開票作業が始まるも、青葉区や太白区、泉区で票の数を数えるのに手間取り、開票作業が大幅に遅れる。泉区の開票所では、小選挙区の投票用紙の数が投票者数より4枚少なく、「持ち帰り票」と判断、それを集計システムに誤まって入力したことで混乱が生じ、翌日の午前3時40分にようやく票が確定。仙台市は、開票作業の時間短縮のため、投票用紙に記された候補者名などを自動で読み取る「読み取り分類機」を導入したが、太白区の開票所では、読み取り分類機を使用して、最高裁裁判官の国民審査の投票用紙を分類したが、一度、分類機にかけた票を誤まって再度分類機に掛けたことで、数え直しを余儀なくされる。一連のトラブルで小選挙区の開票が確定したのは、午前7時半。最高裁裁判官の国民審査の開票が確定したのは、最も遅い太白区で、午前11時2分と大幅にずれ込んだ[199]

10月31日、栃木県内の各地の開票所では、集計ミスのトラブルなどが連発し、目標としていた確定時刻より大幅に遅れるケースが相次いだ。宇都宮市第1開票所では、比例代表の確定予定時刻だった1日午前1時5分を過ぎても開票作業が続き、予定から2時間以上遅れの同3時10分に確定した。同市選挙管理委員会によると、確定間近になって集計上のミスが発覚。原因の特定と立会人への説明に時間を要した。下野市第2開票所では集計機械の紙詰まりや立会人の作業の慎重さから、小選挙区は1時間近く、比例代表は2時間遅れた。小山市の比例は目標を1時間余り過ぎて午前0時35分までずれ込んだ。新型コロナウイルス感染対策として職員数を前回比で2割削減したことと、疑問票の処理に手間取ったという。野木町でも念入りに点検し、比例が1時間57分遅れ。壬生町では立会人6人が全員初めてで確認作業に時間がかかり、小選挙区、比例とも1時間近く遅れた。一方、宇都宮市選管は1日、第2開票所で総投票者数より投票用紙が17枚多かったと明らかにした。立会人らに説明し、投票総数として集計した。市選管は「珍しいケース。原因の特定は難しい」と説明。県選管はこの影響で栃木4区・栃木2区の確定時間が午前3時51分になったとしている[200]

第49回衆議院議員総選挙の不在者投票(選挙人名簿のある市町村の外にいる有権者が投票用紙を請求し別の市町村選管を通して各自治体に郵送する制度)では福島県(県内119人)、青森県(青森市内18人)、秋田県(秋田市内13人)、岩手県(盛岡市内9人)、宮城県(仙台市内33人)で投票締め切りまでに不在者投票用紙が到着せず無効となる事態が発生したが、同年10月から土曜配達が廃止されるなど郵便配達事情が変化していることが影響しているとみられ不在者投票制度の改善が必要と指摘されている[201]

選挙後[編集]

国会[編集]

政党[編集]

投開票日翌日の11月1日未明、自民党幹事長の甘利明は岸田に対し、自身が小選挙区で落選したことを受け幹事長を辞任する意向を伝えた[202]。これを受けて、岸田は甘利の後任に外務大臣茂木敏充を起用する方針を固めて[203]、4日の臨時総務会で今回の人事案が正式に了承された[204]

一方で議席を減らした立憲民主党は翌2日に枝野代表、福山幹事長が今回の責任を取る形で辞任する考えを示した[205]事から、枝野の後任を選ぶ代表選挙を臨時国会の召集日までに行う[206]方向で日程調整した。そして、11月12日の両院議員総会にて枝野の代表辞任が正式に了承されると同時に、後任を決する代表選挙の日程を11月19日告示、30日投開票とすることを正式に決定し[207]、告示日の19日に逢坂誠二小川淳也泉健太西村智奈美の4人(届け出順)が立候補を届け出た[208]。30日の投開票の結果、泉が決選投票において逢坂を破り第2代代表に選任された[209]。その一方で議席、得票共に減らした日本共産党の志位委員長は「責任はないと考える」「党の対応でも(野党)共闘でも政策でも、方針そのものは正確だったと確信を持っている」などと述べ引責辞任はしない意向を示した[210]

党規により「大型選挙から45日以内に臨時党大会で代表選を実施するかどうか決定する」と規定されている[211]日本維新の会では、議席を大幅に増やしたものの、代表の松井が2020年11月に大阪都構想住民投票否決による引責で既に市長任期満了(2023年4月)時での政界引退を表明していることから、党代表職についても2022年1月の任期満了に伴い退任する意向を示した[212]。しかし、11月27日の臨時党大会での投票の結果、代表選を実施しないことが決まったため、松井が続投することとなった[213]

一方、国民民主党は、立憲・共産を中心とする野党共闘の枠組みから脱退することを表明[214]。同じく政府ならびに連立与党に是々非々の立場である日本維新の会と国会運営で連携していく方針である事が明らかとなり[215]、10月9日には国民と維新の両党による幹事長・国対委員長会談を行い、法案の共同提案や改憲議論の促進で連携していく方針を確認した[216]

文書通信交通滞在費問題[編集]

今回の総選挙は10月31日に投開票が行われ、初当選した新人議員97人、元職24人に対し、在職1日にもかかわらず「文書通信交通滞在費(文通費)」1か月分満額の100万円(合計1億2100万円)が支給された。日本維新の会を始めとした大部分の政党はこれを問題視。全額返還させ被災地に寄付することや特例法を成立させ国庫に返納すべきなど各党間で協議が進められた。与野党間では文通費を日割り支給にする法案について、次期国会に提出する方針を示した[217][218]。 同様に3〜4往復分の航空券に引き換えるクーポンの支給、公設秘書給与についても問題視されている[219][220]

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ 任期満了日は2021年10月21日。
  2. ^ 大日本帝国憲法下を含めれば、1942年(昭和17年)4月30日に執行された第21回衆議院議員総選挙(任期満了:同年4月29日)以来となる。
  3. ^ 立憲民主党および国民民主党については、それぞれの結党前に同名の旧・立憲民主党および旧・国民民主党が存在し、旧・立憲民主党は2017年の総選挙に候補者を擁立し当選させているが、その後2020年の野党再編を経ており、現存する両党はともに、法律上、新規に設立された別の政党である。
  4. ^ 東京9区神奈川3区広島3区島根2区が、解散時点で欠員だった。
  5. ^ 前回の総選挙では台風の影響で開票が遅れたケースがあった[38]
  6. ^ 山口県第4区和歌山県第1区に欠員が生じていたが、選挙訴訟が係属中のため実施せず、判決確定後まで先送りされた。

当選者注釈[編集]

  • 辞職
  1. ^ 不祥事による引責のため。
  2. ^ 和歌山県知事選挙立候補準備のため。
  3. ^ 体調不良のため。
  4. ^ 不祥事による引責のため。
  5. ^ 不祥事による引責のため。
  6. ^ 参議院議員選挙立候補のため。
  7. ^ 徳島県知事選挙立候補のため。
  8. ^ 不祥事(選挙違反)による引責のため。
  • 失職
  1. ^ 衆議院議員補欠選挙選挙立候補のため。
  • 死去
  1. ^ 銃撃事件のため。
  • 自由民主党
  1. ^ a b 無所属で当選後、自民党に追加公認
  2. ^ a b c 無所属で当選後、自民党に入党。
  3. ^ 自民党を離党し、無所属。
  • 立憲民主党
  1. ^ 衆議院副議長就任に伴い、党籍離脱。
  • 国民民主党
  • 無所属
  1. ^ 衆議院議長就任に伴い、党籍離脱。
  2. ^ 離党後、無所属。

出典[編集]

  1. ^ 岸田内閣発足 衆院選、31日投開票―「新しい資本主義」実現へ会議:時事ドットコム”. 時事ドットコム (2021年10月5日). 2021年10月4日閲覧。
  2. ^ 与党に「11月衆院選」論 支持率下落、最大限先延ばし:時事ドットコム”. 時事ドットコム. 2021年7月24日閲覧。
  3. ^ “立民、任期満了後の衆院選に反対”. 日本経済新聞. (2021年8月18日). https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA1825C0Y1A810C2000000/ 2021年8月22日閲覧。 
  4. ^ 「任期満了選挙」浮上 菅首相、総裁選先行検討―衆院選:時事ドットコム”. 時事ドットコム (2021年8月19日). 2021年8月22日閲覧。
  5. ^ 衆院選、10月31日以降が濃厚 初の任期満了後投開票へ”. 時事ドットコム (2021年9月4日). 2021年9月15日閲覧。
  6. ^ 岸田首相「14日に衆院解散、31日総選挙」 記者会見”. 日本経済新聞 (2021年10月4日). 2021年10月7日閲覧。
  7. ^ “衆院選、初の任期満了後に…臨時国会10月4日召集を閣議決定”. 讀賣新聞. (2021年9月21日). https://www.yomiuri.co.jp/politics/20210921-OYT1T50277/ 2021年9月21日閲覧。 
  8. ^ 選挙の管理執行における新型コロナウイルス感染症への対応について(第6報) - 総務省、2020年4月8日。「選挙は不要不急の外出には当たらない」という安倍首相(当時)の国会答弁も引用されている。
  9. ^ 投票所における新型コロナウイルス感染症対策 - 南魚沼市、2020年10月23日
  10. ^