三鬼大権現

三鬼大権現(さんきだいごんげん)は、真言宗系の天狗信仰や山岳仏教の信仰対象となる鬼神である。別名は厳島三鬼坊

概要[編集]

主に広島県廿日市市宮島弥山の三鬼堂と、同島の大聖院内魔尼殿(まにでん)などに祀られる。三鬼大権現は大小の天狗を眷属に従え、強大な神通力で衆生を救うとされ、地元では三鬼さんとして親しまれている。初代総理大臣伊藤博文も深く信仰したといわれる。

  • 追帳鬼神(ついちょうきしん):「福徳」の徳を司る鬼神で、大日如来本地仏とする。
  • 時眉鬼神(じびきしん):「知恵」の徳を司る鬼神で、虚空蔵菩薩を本地仏とする(弥山本堂にはその虚空蔵菩薩が本尊として祀られている)。
  • 魔羅鬼神(まらきしん):「降伏」の徳を司る鬼神で、不動明王を本地仏とする。

神仏分離令により、元々祀られていた御山神社(みやまじんじゃ)から現在の三鬼堂へ遷された経緯がある。

由来[編集]

弘法大師空海が大同元年(806年)に弥山を開基した時、三鬼大権現を勧請して祀ったのが、始まりとされる。

真言[編集]

「オン・アラタンノウ・ウン・ソワカ」。また、三鬼大権現の功徳和讃も存在する。

関連項目[編集]