ロシア連邦軍参謀本部軍事測量局

ロシア連邦軍参謀本部軍事測量局(ロシアれんぽうぐんさんぼうほんぶぐんじそくりょうきょく、Военно-топографическое управление;略語ВТУ)とは、ロシア連邦軍の需要のために地図、写真資料を収集、製作、配布する参謀本部の部署である。偵察衛星の運用において、参謀本部情報総局(GRU)と密接に協力しており、また、GRUのHUMINTに基づき、仮想敵の駐屯地、軍港等の特殊な地図も製作している。

ソ連時代、一般人への詳細な地形図の販売は禁止されていたが、現在では購入可能である。衛星写真は、ソフインフォルムスプートニク社が販売している。

歴史[編集]

参謀本部軍事測量局の創設日とされているのは、ロシア皇帝が軍事地図庫規程を承認した1812年2月9日である。1816年5月、軍事地図庫は、参謀本部の構成下に移管され、参謀総長が所長を兼任した。

1822年、計画的測量の実施のために、軍事測量団が創設された。この時から、下級測量将校は、軍事測量学校において養成され、上級測量将校は、参謀本部軍事アカデミー測地班(1854年から)で教育された。1877~1878年の露土戦争中、測量保障の体制が強化され、第一次世界大戦時に確固たるものとなった。

ロシア革命後、労農赤軍(後にソビエト軍、ロシア連邦軍)軍事測量局が軍事測量業務を継承した。

活動[編集]

教育[編集]

測量将校は、軍事技術大学測地学部分校(旧ペテルブルク高等軍事測量指揮学校)で養成される。5年間で、軍事測地、軍事測量及び地図領域における教育を受ける。

教育終了後測量将校は、軍種及び軍管区(軍)の測量勤務、測量支隊、軍用地図工場、航空写真及び測地企業に配属される。科学活動への素養がある将校は、測量保障手段及び方法の開発に従事しているロシア連邦国防省第29科学研究所に派遣される。

軍用地図[編集]

ロシア連邦軍の戦術級指揮官の基本地図は、1:50,000地図である。現状では、10~15年に1回更新されることになっているが、地図の老朽化は毎年3%に達し、10~15年間では40%に達し得る。軍事測量局の試算によると、部隊の要求を満足させるためには、過疎地区に対しては8~10年毎に、居住地区及び産業発展地区に対しては3~5年毎に地図を更新し続ける必要があるとされている。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]