1992年日本グランプリ (4輪)

日本の旗 1992年日本グランプリ
レース詳細
日程 1992年シーズン第15戦
決勝開催日 10月25日
開催地 鈴鹿サーキット
日本 三重県 鈴鹿市
コース長 5.86403km
レース距離 53周(310.79359km)
決勝日天候 晴(ドライ)
ポールポジション
ドライバー
タイム 1'37.360
ファステストラップ
ドライバー イギリスの旗 ナイジェル・マンセル
タイム 1'40.646(Lap 44) 
決勝順位
優勝
2位
3位

1992年日本グランプリ (1992 Japanese Grand Prix) は、1992年F1世界選手権の第15戦として、1992年10月25日に鈴鹿サーキットで決勝レースが開催された。

概要[編集]

1987年に鈴鹿サーキットで再開されて以来、日本GPは毎年チャンピオン決定戦となってきたが、この年はドライバーズ、コンストラクターズ両部門ともすでに決定していた。そのため、今季限りで第二期活動(エンジン供給)を終了するホンダのラストランに関心が集まった。マクラーレンアイルトン・セナは来日後フジテレビの番組に出演したり、ヘルメットに日の丸のステッカーを貼るなどして、ホンダへの感謝を表した。

フェラーリは前戦ポルトガルGPを最後に成績不振のイヴァン・カペリを解雇し、代役としてテストドライバーのニコラ・ラリーニが出場する。

マーチカール・ヴェンドリンガーに代わってヤン・ラマースを起用。日本にも馴染みの深いラマースはセオドール時代の1982年以来、10年ぶりのF1参戦となった。

予選[編集]

展開[編集]

土曜日の予選2回目は雨のため多くのマシンが出走せず、金曜日の予選1回目のタイムでスターティンググリッドが決定した。ウィリアムズ・FW14Bは鈴鹿でも速さを見せつけ、ナイジェル・マンセルが今季13回目のポールポジションを獲得。チームメイトのリカルド・パトレーゼが0.9秒差の2位につけた。

ホンダは鈴鹿スペシャルエンジンを投入し、アイルトン・セナがパトレーゼと僅差の3位、ゲルハルト・ベルガーがセナから2秒遅れの4位となった。5位ベネトンミハエル・シューマッハの後ろにロータスジョニー・ハーバートミカ・ハッキネンがつけた。

日本人ドライバーは、フットワーク鈴木亜久里が16位、ヴェンチュリ片山右京が20位となった。

結果[編集]

順位 No ドライバー コンストラクター 1回目 2回目
1 5 イギリスの旗 ナイジェル・マンセル ウィリアムズルノー 1'37.360 2'07.703
2 6 イタリアの旗 リカルド・パトレーゼ ウィリアムズルノー 1'38.219 2'13.971
3 1 ブラジルの旗 アイルトン・セナ マクラーレンホンダ 1'38.375 No Time
4 2 オーストリアの旗 ゲルハルト・ベルガー マクラーレンホンダ 1'40.296 No Time
5 19 ドイツの旗 ミハエル・シューマッハ ベネトンフォード 1'40.922 11'12.418
6 12 イギリスの旗 ジョニー・ハーバート ロータスフォード 1'41.030 No Time
7 11 フィンランドの旗 ミカ・ハッキネン ロータスフォード 1'41.415 No Time
8 26 フランスの旗 エリック・コマス リジェルノー 1'42.187 No Time
9 4 イタリアの旗 アンドレア・デ・チェザリス ティレルイルモア 1'42.361 2'13.715
10 25 ベルギーの旗 ティエリー・ブーツェン リジェルノー 1'42.428 No Time
11 28 イタリアの旗 ニコラ・ラリーニ フェラーリ 1'42.488 No Time
12 23 ブラジルの旗 クリスチャン・フィッティパルディ ミナルディランボルギーニ 1'42.617 No Time
13 20 イギリスの旗 マーティン・ブランドル ベネトンフォード 1'42.626 No Time
14 24 イタリアの旗 ジャンニ・モルビデリ ミナルディランボルギーニ 1'42.627 2'10.260
15 27 フランスの旗 ジャン・アレジ フェラーリ 1'42.824 No Time
16 10 日本の旗 鈴木亜久里 フットワーク無限ホンダ 1'43.029 No Time
17 32 イタリアの旗 ステファノ・モデナ ジョーダンヤマハ 1'43.117 2'19.944
18 29 フランスの旗 ベルトラン・ガショー ベンチュリランボルギーニ 1'43.156 No Time
19 22 イタリアの旗 ピエルルイジ・マルティニ ダラーラフェラーリ 1'43.251 No Time
20 30 日本の旗 片山右京 ベンチュリランボルギーニ 1'43.488 5'40.775
21 3 フランスの旗 オリビエ・グルイヤール ティレルイルモア 1'43.941 No Time
22 21 フィンランドの旗 J.J.レート ダラーラフェラーリ 1'44.037 No Time
23 16 オランダの旗 ヤン・ラマース マーチイルモア 1'44.075 No Time
24 9 イタリアの旗 ミケーレ・アルボレート フットワーク無限ホンダ 1'44.149 2'25.413
25 33 ブラジルの旗 マウリシオ・グージェルミン ジョーダンヤマハ 1'44.253 No Time
26 17 イタリアの旗 エマニュエル・ナスペッティ マーチイルモア 1'47.303 No Time

[1][2]

決勝[編集]

展開[編集]

スタートでは上位がグリッド順のまま1コーナーを通過し、早くもウィリアムズ勢が後続を引き離す。これを追う3番手のマシンは次々とトラブルに見舞われた。3周目、セナのマシンにエンジントラブルが発生し、ダンロップコーナーの東コースショートカットにマシンを止めた。セナは完走した際に、ホンダと日本人のファンに対する感謝の気持ちを表すために振るための日の丸の小旗をコクピット内に仕込んでいたが、これを振ることはできないままレースを終えた。ベルガーは早めのタイヤ交換で後退し、シューマッハも13周目にギアボックスが壊れ、3位に上がったハーバートもシューマッハと同じトラブルでピットに戻った。

36周目、最終コーナーでマンセルのマシンがスローダウン。20秒後方にいたパトレーゼが追いつき、ホームストレートでトップが入れ替わった。すでにチャンピオンを獲得していたマンセルは、2戦前のイタリアGPでパトレーゼに勝利を譲る約束をしていたが、この時は両者リタイアしたため、ここで改めて約束を実行するつもりだった[3]。その後マンセルは44周目にファステストラップを記録したが、翌周のS字コーナーでルノーエンジンが火を吹きリタイアとなった。この周には、4位のハッキネンもエンジンブローで戦列を離れた。

パトレーゼは(F1キャリア最後の優勝となる)今季初勝利を達成し、セナを抜いてドライバーズランキング2位に浮上した。表彰台は2位ベルガー、3位ブランドルというセカンドドライバー揃いの顔触れとなった。

日本人ドライバーは鈴木が8位、片山が11位で完走した。片山はチームメイトのガショーにシケインで追突されたものの、格上のチームであるフェラーリのラリーニをパスする見せ場を作った。

結果[編集]

順位 No ドライバー チーム 周回 タイム/リタイア グリッド ポイント
1 6 イタリアの旗 リカルド・パトレーゼ ウィリアムズルノー 53 1:33'09.553 2 10
2 2 オーストリアの旗 ゲルハルト・ベルガー マクラーレンホンダ 53 +13.729 4 6
3 20 イギリスの旗 マーティン・ブランドル ベネトンフォード 53 +1'15.503 13 4
4 4 イタリアの旗 アンドレア・デ・チェザリス ティレルイルモア 52 +1 Lap 9 3
5 27 フランスの旗 ジャン・アレジ フェラーリ 52 +1 Lap 15 2
6 23 ブラジルの旗 クリスチャン・フィッティパルディ ミナルディランボルギーニ 52 +1 Lap 12 1
7 32 イタリアの旗 ステファノ・モデナ ジョーダンヤマハ 52 +1 Lap 17
8 10 日本の旗 鈴木亜久里 フットワーク無限ホンダ 52 +1 Lap 16
9 21 フィンランドの旗 J.J.レート ダラーラフェラーリ 52 +1 Lap 22
10 22 イタリアの旗 ピエルルイジ・マルティニ ダラーラフェラーリ 52 +1 Lap 19
11 30 日本の旗 片山右京 ヴェンチュリランボルギーニ 52 +1 Lap 20
12 28 イタリアの旗 ニコラ・ラリーニ フェラーリ 52 +1 Lap 11
13 17 イタリアの旗 エマニュエル・ナスペッティ マーチイルモア 51 +1 Lap 26
14 24 イタリアの旗 ジャンニ・モルビデリ ミナルディランボルギーニ 51 +2 Laps 14
15 9 イタリアの旗 ミケーレ・アルボレート フットワーク無限ホンダ 51 +2 Laps 24
Ret 5 イギリスの旗 ナイジェル・マンセル ウィリアムズルノー 44 エンジン 1
Ret 11 フィンランドの旗 ミカ・ハッキネン ロータスフォード 44 エンジン 7
Ret 29 フランスの旗 ベルトラン・ガショー ラルースランボルギーニ 39 接触 18
Ret 26 フランスの旗 エリック・コマス リジェルノー 36 エンジン 8
Ret 16 オランダの旗 ヤン・ラマース マーチイルモア 27 クラッチ 23
Ret 33 ブラジルの旗 マウリシオ・グージェルミン ジョーダンヤマハ 22 スピン 25
Ret 12 イギリスの旗 ジョニー・ハーバート ロータスフォード 15 ギアボックス 6
Ret 19 ドイツの旗 ミハエル・シューマッハ ベネトンフォード 13 ギアボックス 5
Ret 3 フランスの旗 オリビエ・グルイヤール ティレルイルモア 6 スピン 21
Ret 25 ベルギーの旗 ティエリー・ブーツェン リジェルノー 3 ギアボックス 10
Ret 1 ブラジルの旗 アイルトン・セナ マクラーレンホンダ 3 エンジン 3

[4][1][2]

脚注[編集]

  1. ^ a b 1992年F1第15戦日本GP結果”. Everyday F1. 2012年2月5日閲覧。
  2. ^ a b 日本GP 1992”. ESPN F1. 2012年2月5日閲覧。
  3. ^ 演出家マンセル、パトレーゼにV譲る”. 日本GP 過去のレース. ニッカンスポーツ. 2012年2月5日閲覧。
  4. ^ 1992 Japanese Grand Prix” (英語). Formula1.com. 2012年2月5日閲覧。
前戦
1992年ポルトガルグランプリ
FIA F1世界選手権
1992年シーズン
次戦
1992年オーストラリアグランプリ
前回開催
1991年日本グランプリ
日本の旗 日本グランプリ 次回開催
1993年日本グランプリ