辻田真佐憲

辻田 真佐憲
(つじた まさのり)
誕生 1984年(39 - 40歳)
日本の旗 日本大阪府
職業 著述家、歴史家、評論家
最終学歴 慶應義塾大学文学部
活動期間 2011年 -
ジャンル 軍歌日本近現代史
主な受賞歴 ギャラクシー賞ラジオ部門(2016年)
デビュー作 『世界軍歌全集』(2011年)
ウィキポータル 文学
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辻田 真佐憲(つじた まさのり、1984年 - )は、日本著述家軍歌研究者、近現代史研究者。

経歴[編集]

大阪府出身[1]清教学園中学校・高等学校[2]慶應義塾大学文学部卒業。慶應義塾大学大学院文学研究科修士課程中退。

中学時代より世界各国の軍歌蒐集に熱中する。2005年、軍歌趣味サイト「西洋軍歌蒐集館」を開設。2011年、『世界軍歌全集 歌詞で読むナショナリズムとイデオロギーの時代』を社会評論社より上梓。43か国、60政権、300曲の愛国歌国民歌戦時歌謡闘争歌革命歌労働歌郷土歌宣伝歌等々の翻訳と解説を編纂した[3][4]

以降、音楽史、メディア史、教育史等に関する著作・論考を次々に発表する傍ら、評論家、インタビュアー、コメンテーターとしても活動。2016年に出演した『ライムスター宇多丸のウィークエンド・シャッフル』(TBSラジオ)の「大本営発表特集回」は、第54回ギャラクシー賞ラジオ部門選奨を受賞。2020年11月、配信プラットフォーム「シラス」(株式会社ゲンロン)にて「辻田真佐憲の国威発揚ウォッチ」の配信を開始する。

研究・主張[編集]

  • 著書およびウェブ上で、「軍歌趣味」という概念を提唱している。軍歌という音楽ジャンルは、それを肯定するにせよ、否定するにせよ、ある特定の政治的立場から扱われることがほとんどであった。対して軍歌趣味とは、そのような政治性と距離を置き、完全にニュートラルな立場から、オタク的、サブカル的な「趣味」の対象として軍歌を「消費」することを推奨するものである。実際に、動画投稿サイトが一般に普及した現代において、軍歌音源へのアクセスは飛躍的に容易になっている。そのような環境で軍歌を非本来的用途で消費することは、戦争肯定、イデオロギー擁護といった軍歌の本来的機能を決定的に解体することを意味する、と主張している[5][6]
  • 学校法人森友学園運営の塚本幼稚園の愛国教育は「戦前っぽいもの」をカット・アンド・ペーストしたものにすぎないので、「戦前回帰」ではなく、「コスプレ」、「二次創作」であるとし、「戦前ならば、不敬罪に問われたかもしれない」と主張した[7]

著書等[編集]

単著[編集]

  • 『世界軍歌全集 歌詞で読むナショナリズムとイデオロギーの時代』、社会評論社、2011年12月
  • 『日本の軍歌 国民的音楽の歴史』(幻冬舎新書)、2014年9月
  • 『愛国とレコード 幻の大名古屋軍歌とアサヒ蓄音器商会』、えにし書房、2014年11月
  • 『ふしぎな君が代』(幻冬舎新書)、2015年8月
  • 『たのしいプロパガンダ』イースト・プレスイースト新書Q)、2015年12月
  • 大本営発表 改竄・隠蔽・捏造の太平洋戦争』(幻冬舎新書)2016年7月
  • 文部省の研究 「理想の日本人像」を求めた百五十年』(文春新書)、2017年4月
  • 『空気の検閲 大日本帝国の表現規制』(光文社新書)2018年3月
  • 『天皇のお言葉 明治・大正・昭和・平成』(幻冬舎新書)、2019年3月
  • 古関裕而の昭和史 国民を背負った作曲家』(文春新書)、2020年3月
  • 『超空気支配社会』(文春新書)、2021年6月
  • 防衛省の研究 歴代幹部でたどる戦後日本の国防史』(朝日新書)、2021年12月
  • 『「戦前」の正体 愛国と神話の日本近現代史』(講談社現代新書)、2023年5月

共著・分担執筆・分担編集[編集]

監修[編集]

  • 『大名古屋軍歌』、大久良俊ほか、ぐらもくらぶ、2012年12月8日発売 ASIN B00A3QONMM - CD
  • 『續・大名古屋軍歌』、V.A., ぐらもくらぶ、2014年10月19日発売 ASIN B00NVIQYRQ - CD
  • 『幻の大名古屋軍歌CDセット』、V.A., ぐらもくらぶ、2014年10月19日発売 ASIN B00NVIQZFW - CD
  • 『日本の軍歌』晋遊舎、2014年6月(保利透との共同監修)
  • 『日本の軍歌 傑作選』晋遊舎、2015年7月(保利透との共同監修)
  • 『満洲帝国ビジュアル大全』洋泉社、2017年3月

出演[編集]

ウェブ番組[編集]

ラジオ[編集]

脚注[編集]

  1. ^ 辻田真佐憲 公式サイト”. sites.google.com. 2020年10月9日閲覧。
  2. ^ 辻田 真佐憲”. www.facebook.com. 2020年11月8日閲覧。
  3. ^ 辻田、『世界軍歌全集』、社会評論社、2011年、著者略歴。
  4. ^ 『世界軍歌全集』補完ページ(仮)”. 西洋軍歌蒐集館. 2013年2月14日閲覧。
  5. ^ 辻田、前掲書、2-3頁、422-423頁。
  6. ^ 当サイトについて”. 西洋軍歌蒐集館. 2013年2月14日閲覧。
  7. ^ 「軍歌を歌う幼稚園」森友学園の愛国教育は、戦前だったら不敬罪!?(辻田 真佐憲) @gendai_biz”. 現代ビジネス. 2020年10月9日閲覧。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]