岩波書店

岩波書店
正式名称 株式会社岩波書店
英文名称 Iwanami Shoten, Publishers.
現況 事業継続中
種類 株式会社
市場情報 非上場
出版者記号 00
取次コード 0365
法人番号 6010001010826 ウィキデータを編集
設立日 1949年昭和24年)4月25日
(創業は1913年大正2年)8月5日
代表者 代表取締役社長坂本政謙
本社郵便番号 〒101-8002
本社所在地 東京都千代田区一ツ橋2-5-5
資本金 9000万円
従業員数 135名
決算期 3月31日
ネット販売 自社サイト、オンライン書店
主要出版物 広辞苑岩波文庫岩波現代文庫岩波新書岩波ジュニア新書 ほか
定期刊行物 #雑誌を参照。
電子書籍 有り
出版以外の事業 電子書籍
得意ジャンル 学術書、自然科学書、全集、一般書、児童書辞典
外部リンク www.iwanami.co.jp ウィキデータを編集
Twitter twitter.com/Iwanamishoten
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株式会社岩波書店
Iwanami Shoten, Publishers.
種類 株式会社
本社所在地 日本の旗 日本
101-8002
東京都千代田区一ツ橋2丁目5番5号
北緯35度41分41.0秒 東経139度45分27.3秒 / 北緯35.694722度 東経139.757583度 / 35.694722; 139.757583座標: 北緯35度41分41.0秒 東経139度45分27.3秒 / 北緯35.694722度 東経139.757583度 / 35.694722; 139.757583
業種 情報・通信業
法人番号 6010001010826 ウィキデータを編集
事業内容 出版事業
代表者 代表取締役社長 岡本 厚
資本金 9000万円
純利益 8724万1000円
(2023年3月期)[1]
純資産 46億1631万2000円
(2023年3月期)[1]
総資産 99億9983万円
(2023年3月期)[1]
決算期 3月31日
外部リンク https://www.iwanami.co.jp/
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株式会社岩波書店(いわなみしょてん、: Iwanami Shoten, Publishers.)は、日本出版社である。

文芸・学術の幅広い分野における専門書から一般啓蒙書までを広く扱い、国内外の古典的著作を収めた「岩波文庫」や「岩波新書」などの叢書や、国語百科事典『広辞苑』の刊行でも有名。

概要[編集]

1913年大正2年)8月5日岩波茂雄東京市神田区南神保町16番地(現・東京都千代田区神田神保町)に開いた古書店として出発。正札販売方法を採用し、注目を集めた[2]。同年12月1日に蘆野敬三郎の『宇宙之進化』、翌1914年(大正3年)9月20日夏目漱石の『こゝろ』を刊行し、出版業にも進出[2]。漱石没後に『夏目漱石全集』を刊行し、躍進する。看板は漱石の筆による[3]

昭和時代にはしばしば、大衆的な路線を貫く講談社と対比された[要出典]

創業以来岩波書店のマークは橋口五葉が描いた「甕(かめ)」を使用していたが、1933年昭和8年)12月10日岩波全書の創刊からミレー絵画『種まく人』を題材にとったマークの使用を開始(当初デザインを依頼された高村光太郎作のマークは帽子が鉄兜のようで軍国調だとして別人に依頼された。今日まで用いられているマークは児島喜久雄によるものといわれる[4])。

1949年(昭和24年)4月25日株式会社に改組[5]。社長も岩波家の世襲から脱したが、戦後も羽仁五郎の著作を出版するなど講座派の影響は持続している[要出典]

戦後は、日本の単巻辞書としては最大級の収録数である国語辞典[要出典]広辞苑』(新村出著・編)を発行している。

本社の隣には一ツ橋グループ小学館集英社があり、2017年平成29年)には所有していた岩波書店一ツ橋別館を小学館に売却している[6][7]

沿革[編集]

販売店での扱い[編集]

岩波書店は、多くの出版社が用いる委託・返品制を採用しておらず、全て書店側の買取という責任販売制の形を採っている[9]。また、比較的高正味(=取次への書籍の卸値が高く、出版社側の取り分が多いこと)である[9]

雇用における特徴[編集]

2013年度定期採用は、著作者等の「紹介」を応募条件とすることを発表した[10]。これは、事実上縁故採用に限定する方針であるとして批判を受けた。岩波書店はウェブサイト上で「あくまで応募の際の条件であり、採用の判断基準ではありません。採用予定人数が極めて少ないため、応募者数との大きな隔たりを少しでも少なくするためのものです。」とする謹告を出した[11]

出版物[編集]

雑誌[編集]

かつて刊行されていた雑誌[編集]

叢書[編集]

かつて刊行されていた叢書[編集]

総合辞書[編集]

「岩波ブックセンター」閉店と後継店[編集]

神保町にある岩波書店所有のビルには、岩波の書籍を主体とする書店「岩波ブックセンター」があったが、運営していた信山社の倒産に伴い2016年に閉店した。その跡地には2018年4月、小田急グループ企業のUDS社が書店と共用オフィス(コワーキングスペース)などを組み合わせた施設「神保町ブックセンター with Iwanami Books」を開設した[14][15][16]

関連人物[編集]

備考[編集]

  • 2017年4月9日、Story 〜長寿企業の知恵〜の#008において、7代目である岡本厚が取り上げられた[17]
  • 夏目漱石に宛てて知人・門下生・読者から送られた絵葉書類312通が、岩波書店に保管されていることが判明した。保管に至る詳しい経緯は不明[18]
  • 吉本隆明は、「朝日新聞や岩波書店は、戦時中は戦争肯定の新書などを出していたのに、戦後、いつでも簡単に変われるといわんばかりにいとも簡単に変わったことを目にして、そういう戦後民主主義者や市民主義者とは思想的に一線を画する、こんなのと一緒にされちゃ困るとずっとやってきた」と述べている[19]
  • 黒田勝弘は岩波書店を朝日新聞と自身がかつて所属していた共同通信と共に日本の左派だけでなく、日本国内で「知識人」ならば「韓国開発独裁批判・北朝鮮独裁賛美」するという風潮を導いた、北朝鮮の拉致が提議された際には「拉致疑惑」は差別による嘘だとする意見を出版していた、など日本の世論を誤った方向に向けていたとし、未だに社として謝罪していないとして批判している[20]
  • 平川祐弘は、戦後に岩波書店がイデオロギーの旗振りを行ったのは、「岩波茂雄の創業の精神に悖ると思う」と述べている[21]

脚注[編集]

出典[編集]

  1. ^ a b c 株式会社岩波書店 第74期決算公告
  2. ^ a b c 『岩波書店七十年』(1987年3月27日、岩波書店発行)3頁。
  3. ^ 岩波書店創業(1913年8月5日)
  4. ^ 〈種まく人〉マークの使用開始(1933年12月10日)
  5. ^ a b 『岩波書店七十年』(1987年3月27日、岩波書店発行)267頁。
  6. ^ “岩波書店、別館ビルを小学館に売却 「不動産事業における判断」”. 産経新聞. (2018年1月12日). https://www.sankei.com/economy/news/180112/ecn1801120026-n1.html 
  7. ^ データを読む 岩波書店、テナントビルを小学館へ売却東京商工リサーチ 2018年1月12日
  8. ^ a b 『岩波書店七十年』(1987年3月27日、岩波書店発行)685、687頁。
  9. ^ a b “鈴木書店破たん “良書”流通曲がり角 高い卸値・薄い利幅、赤字体質に陥る”. 読売新聞東京朝刊: p. 3. (2001年12月8日) (自己破産した鈴木書店に関する報道。同社は人文系書籍を専門とする出版取次会社で、岩波書店の取次も手掛けていた。)
  10. ^ 共同通信社 (2012年2月2日). “応募条件「コネのある人」宣言 岩波書店が縁故採用”. 47NEWS. 全国新聞ネット. 2012年2月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2012年2月2日閲覧。
  11. ^ 岩波書店 「■小社の「定期採用」報道について――
  12. ^ 岩波科学ライブラリー
  13. ^ 岩波アクティブ新書
  14. ^ “「岩波ブックセンター」跡地に新書店 「神保町ブックセンター with Iwanami Books」4月開業へ”. 産経新聞. (2018年2月1日). https://www.sankei.com/life/news/180201/lif1802010022-n1.html 
  15. ^ “小田急、岩波専門の書店 神保町に4月、会議室・オフィスも”. 日経新聞(首都圏経済面). (2018年2月8日). https://www.nikkei.com/article/DGKKZO2664758007022018L83000/ 
  16. ^ “街並み変わる神保町にブックセンター 岩波の本が9千点”. 朝日新聞. (2018年5月7日). https://www.asahi.com/articles/ASL4J71QNL4JUCVL041.html 2018年6月1日閲覧。 
  17. ^ Story ~長寿企業の知恵~ #008 FRESH!(フレッシュ)”. サイバーエージェント. 2017年5月21日閲覧。
  18. ^ 読売新聞 2016年5月30日 1面掲載。
  19. ^ 吉本隆明『私の「戦争論」』ぶんか社、1999年8月。ISBN 978-4821106844 45頁
  20. ^ 「朝日vs.産経ソウル発: どうするどうなる朝鮮半島」p64,黒田勝弘, 市川速水
  21. ^ 平川祐弘 (2016年8月2日). “森林太郎はいかなる科学実験者だったのか 「鴎外」像を一新する西澤論文”. 産経新聞. https://www.sankei.com/article/20160802-HQYHSODMYRNVJA3BRVB3QFO264/2/ 

関連項目[編集]

外部リンク[編集]