松尾大

松尾 大(まつお ひろし、1949年 - )は、日本の研究者・翻訳者である。 文学修士(東京大学)。東京藝術大学名誉教授。 専門は美学西洋古典学[1]美学が成立する根拠を多角的に問い直している[2]

略歴[編集]

三重県に生まれる。1968年、三重県立四日市高等学校卒業。1968年、東京大学教養学部文科三類入学。1970年、同文学部第一類(文化学)進学。1972年、同文学部第一類卒業。1972年、東京大学大学院人文科学研究科修士課程(美学芸術学専攻)入学。1975年、同課程修了。 1975年、東京大学大学院人文科学研究科博士課程(美学芸術学専攻)進学。1978年、同課程単位取得退学

1978年から1986年まで成城大学文芸学部芸術学科専任講師。1986年から1992年まで成城大学文芸学部芸術学科助教授。1992年から1997年まで東北大学文学部美学・西洋美術史助教授(西田秀穂の後任)[2]。 1997年4月から1999年3月まで東北大学文学部美学・西洋美術史教授。1999年4月から9月まで東京藝術大学美術学部芸術学科美学研究室併任教授。1999年10月から2017年まで東京藝術大学教授。退官後、同名誉教授。

その他、法政大学日本女子大学慶應義塾大学東京都立大学東北大学東京女子大学大阪大学東京大学で非常勤講師を務めた経験がある。東京大学では今道友信の教えを受けた[2]。また、ミュンヘンでの研修では新プラトン主義研究の第一人者であるWerner Beierwaltesの指導を受けた[3]

研究[編集]

芸術学、特に美学の分野において論文発表や翻訳を行っている。

主要な論文・書籍[編集]

  • 「完全性の美学の帰趨——バウムガルテンカント」(『講座ドイツ観念論1:ドイツ観念論前史』弘文堂、1990年)
  • 「バウムガルテンにおける「美の規則」と現代美学の自己理解(美学会第四十三回全国大会報告) 」(『美學』43巻3号、1992年)
  • エドモンド・ガーネイにおける音楽的価値の理論」(『音楽の宇宙——皆川達夫先生古希記念論文集——』、音楽の友社、1998年)
  • キケローの「舌」」(『キケロー選集7』(岩波書店、1999年)の月報)
  • フィギュール(文彩)の翻訳 」(『月刊言語』30号10巻、大修館書店、2001年)
  • レトリック事典』(共著)大修館書店、2006年
  • 『レトリック論を学ぶ人のために』(菅野盾樹:編、世界思想社、2007年)の第2章「修辞学としてのレトリック——美学からのアプローチ」を担当
  • 「雄蜂の声」(『思想』1059号、岩波書店、2012年)
  • 『〈序文〉の戦略 文学作品をめぐる攻防』(講談社、2024年)

翻訳[編集]

出典[編集]

  1. ^ 『美学』(アレクサンダー.ゴットリープ・バウムガルテン,松尾 大):講談社学術文庫 製品詳細 講談社BOOK倶楽部”. 講談社BOOK倶楽部. 2023年3月2日閲覧。
  2. ^ a b c 研究室の歴史 | 東北大学大学院文学研究科・東北大学文学部 美学・西洋美術史研究室”. www.estetica.sal.tohoku.ac.jp. 2023年3月2日閲覧。
  3. ^ index”. web.archive.org (2010年4月11日). 2024年2月22日閲覧。

外部リンク[編集]