文化干し

文化干し(ぶんかぼし)とは、元は魚の干物セロファンで包み込む手法。後に天日干しの対義語として冷温風機を用いた乾燥手法の意味を持つに至る[1]

干物の包装材として木箱や新聞紙を用いていた時代、東京都江東区にて1950年創業の水産加工物会社「東京仙印商店」がセロファンに包んでみたところ、非常に仕上がりの見栄えが良くなり、これを販売した[2]のが最初とされている。

1967年刊行の図書では、10年ほど前から始まった、吸湿剤を使用した簡便な乾燥法として紹介されている[3]。吸湿剤として砂や石灰、わら灰や珪藻土など土地で求めやすい素材を食塩と配合して用い、天日に頼らないため乾燥に際して虫や黴菌が付かず衛生的とされたが、製品は生干しなので高温の季節は腐敗に注意が必要であるとしている[4]。また、販売時にセロファンの包装紙で包む際も密封せず、製品の水分を放出させていることを指摘している[5]

参考文献[編集]

参照[編集]

  1. ^ 語源探偵団 文化干しはなぜ<文化>?”. 2022年9月23日閲覧。
  2. ^ 灰干し熟成おいしさの秘密(おまけの雑学)”. 築地東仙. 2016年4月30日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年9月23日閲覧。
  3. ^ 竹井 1967, pp. 135–136
  4. ^ 竹井 1967, p. 136
  5. ^ 竹井 1967, p. 137