拘纓人

拘纓人(こうえいじん)は中国に伝わる伝説上人種である。句嬰とも。古代中国では北方に位置する国に棲んでいたとされる。

概説[編集]

古代中国の地理書『山海経』の海外北経によると、拘纓国は跂踵国の西にあり、拘纓人はつねに片手で纓(えい、ひも)を持っているという。

中国神話学者・袁珂は、「拘纓」の「えい」(嬰)は本来はまわりなどに生じる「こぶ」という意味を示しており、もともとはそのような「こぶ」を手で持っている描写を与えられていた異国人物なのではないかとしている[1]

脚注[編集]

  1. ^ 袁珂 著、鈴木博 訳『中国の神話伝説』上、青土社、1993年 373-374頁

参考文献[編集]

  • 『山海経 中国古代の神話世界』高馬三良 訳 平凡社ライブラリー ISBN 4582760341 1994年 129頁