パスカル・シアカム

パスカル・シアカム
Pascal Siakam
トロント・ラプターズでのシアカム
(2018年)
インディアナ・ペイサーズ  No.43
ポジション PF
所属リーグ NBA
基本情報
フランス語 Pascal Siakam
国籍 カメルーンの旗 カメルーン
生年月日 (1994-04-02) 1994年4月2日(30歳)
出身地 リトラル州ドゥアラ
身長 203cm (6 ft 8 in)
体重 104kg (229 lb)
ウィングスパン 220cm  (7 ft 3 in)[1]
キャリア情報
高校 ゴッズ・アカデミー
大学 ニューメキシコ州立大学英語版
NBAドラフト 2016年 / 1巡目 / 全体27位[1]
プロ選手期間 2016年–現在
経歴
20162024トロント・ラプターズ
2017ラプターズ・905
2024インディアナ・ペイサーズ
受賞歴
Stats ウィキデータを編集 Basketball-Reference.com
Stats ウィキデータを編集 NBA.com 選手情報 NBA.Rakuten
代表歴
キャップ カメルーンの旗 カメルーン

パスカル・シアカムPascal Siakam, 1994年4月2日 - )は、カメルーンリトラル州ドゥアラ出身のプロバスケットボール選手。NBAインディアナ・ペイサーズに所属している。ポジションはパワーフォワードSpicyP[2]PSkillのニックネームをもつ。

経歴[編集]

生い立ち[編集]

1994年にドゥアラで4人兄弟の末子として生まれる。2009年にNBAFIBAが共同で毎年夏に世界中で開催する "国境なきバスケットボール"(バスケットボール・ウィズアウト・ボーダーズ)がカメルーンで開催された際に、開催都市に住む姉に会うついでに参加を決めた。同国に帰国していたNBA選手のルック・バ・ア・ムーティと対面したことに感激したシアカムは、その後NBA選手を目指す為に翌年渡米し、テキサス州ルイスビルのゴッズ・アカデミー高校に進学。大学はニューメキシコ州立大学に進学したものの、2年生時の2014年10月、父が母国で交通事故で他界するという悲劇に遭遇してしまう[3]。亡き父の為に奮起を誓ったシアカムは、2014-15シーズンから公式戦に出場し、同シーズンのWACのフレッシュマン賞を受賞。翌2015-16シーズンは、平均20.2得点11;6リバウンド2.2ブロックショットを記録し、WACの年間最優秀選手に選出された[4]。シアカムは2016年4月に2016年のNBAドラフトアーリーエントリーを表明[5]

トロント・ラプターズ[編集]

2016-17シーズン[編集]

2016年6月23日に行われた2016年のNBAドラフトにて全体27位でトロント・ラプターズから指名された[6]。同年7月9日にルーキースケール契約を結んだ[7]。ルーキーシーズンとなった2016-17シーズン開幕戦のデトロイト・ピストンズ戦で、シアカムは先発PFを予定していたジャレッド・サリンジャーが、右足の負傷で欠場した関係で先発で起用され、4得点9リバウンドを記録しチームの勝利に貢献した。

2017-18シーズン[編集]

2年目の2017-18シーズンではBench-mobsと呼ばれたラプターズのベンチメンバーとともにチームをイースタン・カンファレンス1位へと押し上げ、またリーグ内の2ndチームの得点効率で1位についた。

2018-19シーズン[編集]

2019年NBAファイナルの第2戦にてジャンプボールを待機するシアカム(奥)とアンドレ・イグダーラ(手前)

2018-19シーズンは先発での出場が増え、1試合平均16.9得点・6.9リバウンド・3.1アシストを記録。またシュートセレクトなど改善し、3ポイントシュート成功率を14%増やして36%と大幅に上がった。2018年11月5日から11日にかけて行われた試合でイースタン・カンファレンス週間MVPに選ばれ、デマー・デローザン(10回)、ヴィンス・カーター(7回)、クリス・ボッシュ(7回)、カイル・ロウリー(4回)、マイク・ジェームスジェイレン・ローズルー・ウィリアムズに続いて、ラプターズのフランチャイズ史上8人目となった[8]。2019年1月13日、シアカムはワシントン・ウィザーズ戦にて、24得点とキャリアハイの19リバウンドを記録し、140-138のダブルオーバータイムの末勝利した。同年2月13日のウィザーズ戦にて、キャリアハイの44得点を記録し129-120で勝利した。また、フランチャイズ史上11人目の40得点以上の記録者となった[9]

プレーオフ第1回戦のオーランド・マジックのゲーム3にてシアカムは、30得点と11リバウンドを記録し、チームは98-93で勝利した[10]。第2回戦のフィラデルフィア・76ersのゲーム1では、29得点を記録し、108-95で勝利した。イースタン・カンファレンスファイナルのミルウォーキー・バックス戦のゲーム3では、25得点と11リバウンドを記録し、チームはダブルオーバータイムまで縺れ込んだが118-112で勝利に貢献した、。カンファレンスファイナルは4-2でシリーズを締めくくり、ラプターズはフランチャイズ史上初のNBAファイナルへ到達した。ファイナルの相手はゴールデンステート・ウォリアーズとなり、ゲーム1ではプレーオフキャリアで最高の32得点を記録し、118-109で勝利した[11]。その後ラプターズは6試合でウォリアーズに4-2で勝利し、フランチャイズ史上初のNBAチャンピオンを獲得した。シーズン終了後、シアカムは2018-19シーズンにおいて最も成長した選手に贈られるNBA最成長選手賞(略称:MIP)を受賞した[12]。2019年10月19日、シアカムはラプターズと4年1億3000万ドルの契約延長に合意した[13]

2019-20シーズン[編集]

2020年1月23日、キャリア初のオールスターゲームに選出し、スターターに選ばれた[14]。 2020年9月16日、オールNBAセカンドチームに選ばれた。

2020-21シーズン[編集]

2021年1月6日のフェニックス・サンズ戦にて、123-115で敗北はしたもののシーズンハイの32得点を記録した[15]。1月8日のサクラメント・キングス戦では17得点、9リバウンド、キャリア最高の12アシストを記録し、チームは144-123で勝利した[16]

インディアナ・ペイサーズ[編集]

2024年1月17日にブルース・ブラウンカイラ・ルイス・ジュニアジョーダン・ウォーラ英語版、3つのドラフト1巡目指名権とのトレードで、インディアナ・ペイサーズへ移籍した[17]

家族[編集]

兄が3人おり、いずれも大学バスケの選手だった。その内、3番目の兄・ジェームズはヴァンダービルト大卒業後の2015年に、岩手ビッグブルズ(当時bjリーグ)との基本契約を結んだ。[18]

しかし、政治的要因により、早期のパスポート取得が困難だったため、正式契約には至らなかった。

個人成績[編集]

略称説明
  GP 出場試合数   GS  先発出場試合数  MPG  平均出場時間
 FG%  フィールドゴール成功率  3P%  スリーポイント成功率  FT%  フリースロー成功率
 RPG  平均リバウンド  APG  平均アシスト  SPG  平均スティール
 BPG  平均ブロック   TO  平均ターンオーバー  PPG  平均得点
 太字  キャリアハイ  *  リーグリーダー  †  優勝シーズン

レギュラーシーズン[編集]

シーズン チーム GP GS MPG FG% 3P% FT% RPG APG SPG BPG PPG
2016–17 TOR 55 38 15.6 .502 .143 .688 3.4 .3 .5 .8 4.2
2017–18 81 5 20.7 .508 .220 .621 4.5 2.0 .8 .5 7.3
2018–19 80 79 31.9 .549 .369 .785 6.9 3.1 .9 .7 16.9
2019–20 60 60 35.2 .453 .359 .792 7.3 3.5 1.0 .9 22.9
2020–21 56 56 35.8 .455 .297 .827 7.2 4.5 1.1 .7 21.4
2021–22 68 68 37.9 .494 .344 .749 8.5 5.3 1.3 .6 22.8
2022–23 71 71 37.4 .480 .324 .774 7.8 5.8 .9 .5 24.2
通算 471 377 30.6 .487 .327 .774 6.5 3.5 .9 .7 17.0
オールスター 2 1 16.5 .722 .000 .500 6.5 2.0 .5 .0 13.5

プレーオフ[編集]

シーズン チーム GP GS MPG FG% 3P% FT% RPG APG SPG BPG PPG
2017 TOR 2 0 5.0 .000 1.5 .5 .5 .0 .0
2018 10 0 17.9 .610 .750 .650 3.6 .8 .1 .6 6.6
2019 24 24 37.1 .470 .279 .759 7.1 2.8 1.0 .7 19.0
2020 11 11 38.0 .396 .189 .717 7.5 3.8 1.1 .4 17.0
2022 6 6 43.3 .477 .235 .861 7.2 5.8 1.2 1.0 22.8
通算 53 41 33.2 .459 .258 .757 6.3 2.9 .9 .6 15.9

脚注[編集]

  1. ^ pascal-siakam” (英語). nbadraft.net (2016年). 2021年2月2日閲覧。
  2. ^ Raptors forward Pascal Siakam's nickname doesn't make much sense, or does it?” (英語). sports.yahoo.com (2018年12月3日). 2021年11月23日閲覧。
  3. ^ NMSU’s Pascal Siakam honors his late father by #DoingItForYou
  4. ^ WAC Men’s Basketball Postseason Honors Announced
  5. ^ Pascal Siakam declares for 2016 NBA Draft
  6. ^ Pascal Siakam Isn’t the Next Kawhi—but His Future May Be Just As Bright”. The Ringer (2019年11月12日). 2019年11月13日閲覧。
  7. ^ Raptors Sign First Round Picks Poeltl & Siakam”. NBA.com (2016年7月9日). 2016年7月9日閲覧。
  8. ^ Pascal Siakam Named East Player of the Week”. NBA.com (2018年11月12日). 2018年11月12日閲覧。
  9. ^ Siakam scores career-best 44, Raptors beat Wizards 129-120”. ESPN.com (2019年2月13日). 2019年2月14日閲覧。
  10. ^ Siakam has 30 points, Raptors top Magic 98-93 for 2-1 lead”. ESPN.com (2019年4月19日). 2019年4月28日閲覧。
  11. ^ Raptors take NBA Finals opener, beat Warriors 118-109”. ESPN.com (2019年5月30日). 2019年5月30日閲覧。
  12. ^ Raptors' Siakam wins Most Improved Player award”. tsn.ca (2019年6月24日). 2019年6月24日閲覧。
  13. ^ Jacob, Vivek (2019年10月19日). “Report: Raptors agree to 4-year, max extension with Siakam”. Yahoo! Sports. 2019年10月19日閲覧。
  14. ^ Raptors' Pascal Siakam named a starter in his first-ever NBA all-star game - Sportsnet.ca”. www.sportsnet.ca. 2020年1月24日閲覧。
  15. ^ Suns drain 21 3-pointers, beat Raptors 123-115”. ESPN (2021年1月6日). 2021年1月8日閲覧。
  16. ^ Raptors set franchise scoring record, win 144-123 over Kings”. ESPN (2021年1月8日). 2021年1月12日閲覧。
  17. ^ Indiana Pacers Acquire Two-Time All-Star Pascal Siakam” (英語). www.nba.com (2024年1月18日). 2024年1月18日閲覧。
  18. ^ 【チーム情報】ジェームス・シアカム選手 2015-2016シーズン選手契約基本合意のお知らせ - オフィシャルブログ”. bigbulls.sakura.ne.jp. 2020年7月25日閲覧。

外部リンク[編集]