コマイ

コマイ
コマイの旭山動物園飼育個体
Eleginus gracilis
分類
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 条鰭綱 Actinopterygii
: タラ目 Gadiformes
: タラ科 Gadidae
亜科 : タラ亜科 Gadinae
: コマイ属 Eleginus
: コマイ E. gracilis
学名
Eleginus gracilis
(Tilesius, 1810)
和名
コマイ(氷下魚)
カンカイ(寒海)
英名
Saffron cod

コマイ(氷下魚、学名 Eleginus gracilis[1]英語: Saffron cod)は、タラ科に属する魚類カンカイ(寒海)とも呼ばれる[1]マダラスケトウダラと並び、日本近海に生息するタラ類の1つ。

名称[編集]

コマイの稚魚

体長によってゴタッペ(幼魚)[1]、コマイ、オオマイ(大型魚)と呼び名を変える場合もある。熟字訓「氷下魚」の由来は厳冬期に氷を割って漁獲(氷下待ち網漁)したことから。

アイヌ語ではコマイ(komay)またはカンカイ(kankay)、ニヴフ語ではカンギ(qaηi)と呼ばれる。ロシア語ではнавага(ナヴァワ)またはвахня(ヴァフニャ)などと呼ばれる。

分布・生息域[編集]

黄海日本海オホーツク海ベーリング海を含む北太平洋に分布し、水深200mより浅い海に生息する。日本国内では、北海道の沿岸、青森県から山口県までの日本海沿岸地域、青森県から宮城県までの太平洋沿岸地域に分布する[1]

形態・生態[編集]

記録では、最大のもので全長55cm・体重1,300g[2]。3基の背鰭と2基の臀鰭を持つタラの仲間だが、下顎より上顎が前に突き出ていて、下顎にあるひげが短いことから、マダラスケトウダラと区別できる[1]

夜行性で群を作る[1]。オキアミ類や多毛類を食べるる[1]

利用[編集]

4~5月と9~12月が旬である[1]。日本では主に北海道で漁獲され、干物魚肉練り製品の材料となる。もっぱら干物にはやや小さめのものを用い、頭とワタだけ取った1匹丸ごとのものと、開いたものがある。稀に生のものが流通している。

干物はそのまま酒肴として、または軽くあぶってマヨネーズ醤油七味唐辛子などをつけて食べる。また、金槌で叩いておくと食べやすいという。ただし匂いに少々癖がある。1匹ものはかなり硬いのが通例で、皮と骨をむしり取った身をよく噛めば美味であるが、歯が丈夫でない人はそのまま食すのは避けた方が無難。身や骨が指先に刺さり、血が出ることもしばしばある。一晩水に浸け、そのまま軽く沸騰させて(蓋は開けて干物臭を煮飛ばす)から焼けば、かなり食べやすくなる。水には出汁が出るので、味噌汁などに使う。[独自研究?]

最近では、一夜干し・生干にして食べやすくしたものも作られている。北海道のコンビニエンスストアでは調味料と共にパックされ、販売されており、また、通販でも売られている。

出典[編集]

関連項目[編集]

外部リンク[編集]