オープントップバス

オープントップバスは、開放感と眺望を確保するために屋根の一部または全部を取り払ったバスオープンカーの一種と考えられる。2階建てバスから改造された事例が多い。

概説

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1920年代のレイランド・バスのN型2階建てバス(オープントップ)。イギリス動態保存されているもの。

1920年代まで、2階建てバスの多くは平屋根のバスの屋上にデッキと客席を設けたものであり、2階部分には元々屋根がつけられていなかった。これがオープントップバスの始まりである。現在でも一般バスの改造により製造されたものが大半である。

近年使用される例としては、眺望を売りにした貸切バス定期観光バスに使用されるのがもっぱらであり、その構造も昔ながらのデッキ構造であったり、純粋に屋根部分のみがない(雨の時などは幌がかぶせられる構造となっている)ものなど様々である。屋根がないため、温暖な地域においては路線バスに使用される例も散見される。

日本におけるオープントップバス

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日本においては、昭和23年3月、別府市の亀の井バスが運行(令和4年、大分合同新聞発行、セーノ3月号に写真つきで掲載) 雨天時には後方に折り畳んて収納していた幌を、手動で前方に張って対応。 また、昭和39~40年代にはとバスが、オリンピック観戦で来日した外国人向けに、スーパーデラックスバスを改造したオープントップバスを運行していた。

1998年には横浜市営バスが廃車直前の一般車(路線バス車両)をオープントップバスに改造し、地元プロ野球チームの横浜ベイスターズの優勝記念パレードに使用した。翌1999年には西鉄が同様の方法で改造したオープントップバスを福岡ダイエーホークスの優勝記念パレードに使用し、翌2000年のリーグ連覇の際にも使用した。これらはパレード用であり一般客の乗用に使用されたことはない。この後のプロスポーツチームの優勝パレードでは特装車や「スカイバス東京」(後述)などのオープントップバスを使用するようになり、一般路線バス改造のオープントップバスは使用されなくなっている。

2000年代より、日本国内でも各地で一般客が乗車できるオープントップバスの運行が開始されている。定期観光バスとして運行されることが多い。

スカイバスには乗客の年齢制限がないが、それ以後に開設されたFUKUOKA OPEN TOP BUSなどでは、事故防止のため3歳以下の乳幼児の乗車を禁止していることが多い。

ギャラリー

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脚注

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  1. ^ バスラマ・インターナショナルNo.145 P.22 - 23、ぽると出版 2014年8月25日発行、ISBN 978-4-89980-145-0
  2. ^ バスラマ・インターナショナルNo.147 P.6 - 7、ぽると出版 2014年12月27日発行、ISBN 978-4-89980-147-4
  3. ^ バスライフ』No.5 p.6 笠倉出版社 ISBN 978-4-7730-5732-4
  4. ^ 大阪観光振興、周遊バスで 市内13名所に訪日客誘う(ひと最前線)”. 日本経済新聞社 (2016年4月7日). 2018年5月15日閲覧。
  5. ^ 10月5日(木)から「KEIKYU OPEN TOP BUS」運行開始!みさきまぐろきっぷで利用可能! | ニュースリリース | 京浜急行電鉄(KEIKYU)”. 京浜急行電鉄. 2024年8月25日閲覧。
  6. ^ 「KEIKYU OPEN TOP BUS 横浜」運行開始 | ニュースリリース | 京浜急行電鉄(KEIKYU)”. 京浜急行電鉄. 2024年8月25日閲覧。
  7. ^ 「KEIKYU OPEN TOP BUS MIURA」三浦海岸から始動! | ニュースリリース | 京浜急行電鉄(KEIKYU)”. 京浜急行電鉄. 2024年8月25日閲覧。
  8. ^ オープントップXR観光バスツアー@横浜 初の定期運行を実施 | ニュースリリース | 京浜急行電鉄(KEIKYU)”. 京浜急行電鉄. 2024年8月25日閲覧。
  9. ^ “光のページェントをオープンバスで タケヤ交通、26日まで無料運行”. 河北新報 (河北新報社). (2021年12月17日). https://kahoku.news/articles/20211217khn000004.html 2021年12月27日閲覧。 
  10. ^ 渋谷周遊・定期観光バス「SHIBUYA STREET RIDE」の運行を開始いたします』(PDF)(プレスリリース)東急トランセ、2023年3月1日https://www.tokyubus.co.jp/news/20230301_SSRIDE_release.pdf2023年4月11日閲覧 

関連項目

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