Ը

Ըとը
筆記体
Ըとըの様々な書体

Ը, ըアルメニア語: ըթ、発音はət)は、アルメニア文字の8番目の文字である。405年ごろにメスロプ・マシュトツによって作成されたと見られる。

使用[編集]

東アルメニア語西アルメニア語では中舌中央母音[ə](曖昧母音シュワー)を表す。ラテン文字化する時は「Ə」と記す[1]記数法では8を表す。

この文字は語頭か語末にしか来ないため、複合語以外の場合は語中にシュワーの発音があっても表記せず、子音連続(多重子音)の形で書く(փրկել [pʰəɾˈkɛl]、մնալ [mənal]など)。また、文法上でこの文字には後置の定冠詞の役割があり、主に閉音節の後に付けられる(գիրք → գիրքը、ծառեր → ծառերըなど)[1]

書体[編集]

符号位置[編集]

文字 Unicode JIS X 0213 文字参照 備考
Ը U+0538 - Ը
Ը
ը U+0568 - ը
ը

脚注[編集]

  1. ^ a b 吉村貴之『平成25年度言語研修アルメニア語(東)研修テキスト1 東アルメニア語文法Ⅰ』東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所、2013年、1,2,10頁。doi:10.15026/95079ISBN 9784863371385NCID BB17916845https://hdl.handle.net/10108/950792022年1月10日閲覧