3年B組貫八先生

3年B組貫八先生
ジャンル 学園ドラマ
脚本 岩間芳樹
演出 和田旭
前川英樹
大岡進
生野慈朗
出演者 川谷拓三
オープニング 川谷拓三「だけど泣かないさ」
エンディング 同上
製作
プロデューサー 柳井満
制作 TBS
放送
放送国・地域日本の旗 日本
放送期間1982年4月9日 - 1983年3月25日
放送時間金曜日20:00 - 20:55(55分)
金曜日20:00 - 20:54(第22回 - )
放送枠TBS金曜8時枠の連続ドラマ
放送分54分
回数44
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3年B組貫八先生』(さんねんビーぐみかんぱちせんせい)は、TBS系列1982年4月9日から1983年3月25日まで毎週金曜日20:00 - 20:55[注釈 1]JST)に放送された日本の学園ドラマ。主演は川谷拓三

桜中学シリーズ』の5作目にあたる。『3年B組金八先生』の姉妹編として全44話が放送された。桜中学シリーズで金八以外の先生が3年B組を担当した唯一の作品である(他は1年B組や2年B組)。

概要[編集]

神崎貫八は、桜中学校へ赴任と同時に3年B組の担任を命じられる。中卒で集団就職、働きながら定時制高校、大学二部を卒業後、10年間夜間中学で教師をしていたという彼の経歴に対して、「進路指導が出来るのだろうか?」と不安を抱く生徒達。しかし、種田山頭火をこよなく愛し、次々に起きる出来事に体当たりでぶつかる貫八に対して、次第に生徒達は心を開いてゆく。

1980年度に放送された『1年B組新八先生』、前番組である『2年B組仙八先生』とは舞台、設定、一部の登場人物、生徒の学年度(昭和42年度生まれ)を共有するが、辻褄の合わない点(君塚校長の年齢、生徒の顔ぶれ、前年度のクラス担任者、1年前・2年前のエピソードなど)が多い。これは平行する形で10月に放送された『3年B組金八先生スペシャル1』に対しても同様である。

初期の少年隊のメンバーだった松原康行が、優等生の阿部誠役を演じている。彼は貫八に専念するために、少年隊を脱退(後任は東山紀之)したが、本作の終了と同時に芸能活動を停止。

しかし『桜中学シリーズ』は、本作の時点では視聴率が10%を切る回(関東地方・ビデオリサーチ調べ)が出てくるなどそれまでの勢いが無く[1]、この『貫八先生』で一旦終了し、その後は、『オサラバ坂に陽が昇る』、『青が散る』、『中卒・東大一直線 もう高校はいらない!』などの学園・青春ドラマが続いた。なおこの時プロデューサーの柳井満は「2年後にもう一度(桜中学シリーズの新作で)チャレンジしたい」といったことを語っている[1]

最終回の翌週、「金八」を始めとする、これまでの桜中シリーズの登場人物が集合した「桜中音楽会」を放送。体育館にみたてたセット内で、それぞれの歌を披露している。

キャスト[編集]

教職員[編集]

氏名
教科
演者
他作品
備考
神崎貫八
国語
川谷拓三
(音)
昭和16年生まれ。終戦後、満州から帰国した両親の下、8人兄弟の末っ子として土佐で育つ。
満州で収監されていた頃に患った持病の悪化により、父が死去で高校進学を一旦、断念。集団就職で大阪へ。
2年後に川崎市の定時制高校[注釈 2]に進学し、担任・藤代の影響で教員を目指すようになる。
定時制高校時代は次郎とともに札付きのワルだったが、藤代との出逢いによって更生する。
卒業後は夜間大学の二部へ進学するが、3年次から昼間部に転籍。
卒業後は本人の希望もあり、夜間中学に10年間、配属されていた。
桜中学へ異動した後も自身が教えていた前任の夜間中学へ度々顔を出している。
島谷葉子
(養護)
山口果林 面倒見が良く、さばけた性格。医師と結婚のため、年度末で退職。大学の看護学部を卒業している。
君塚美弥子
(校長)
赤木春恵
(金新仙)
本作では大正13年頃の生まれとなっている。自宅でお月見の会を主催したことがある。
野村
(教頭)
早崎文司
(金新仙)
小心者の面が見られる。

(数学)
森田順平
(金)
10月上旬まで理科を兼任していた。冷淡な性格。
坂崎
(社会)
原知佐子 夫がアメリカへ単身赴任中。終盤付近で渡米するかどうか迷うが、
自らの意思で教職を続けることになる。
桜井孝子
(体育)
大森暁美
(仙)
既婚者。
作田
(体育)
金子研三
(仙)
野球部顧問。背が高く声が大きめ。3Bの毛塚の野球推薦に躍起になるが、
やや思慮の浅い面が見られ、トラブルに巻き込まれたこともある。
最終回で近隣の中学校へ転任の辞令が出る。
上林
(英語)
川津祐介
(金)
3年A組担任。本作では受験指導には熱心だが少々、
饒舌で利己的な性格に描かれている。
斉藤
(技術)
佐野浅夫 学年主任。生徒指導を担当。
月代早苗
(音楽)
遠藤京子
(音)
音大卒業と同時に桜中学校へ配属。当初は実家から通勤していたが、途中から福本家に下宿する。
天真爛漫な性格で学生気分の抜けていない所があり、服装などで斉藤先生から注意を受けたり、
他教師からも苦手意識を持たれるなど、教師の自覚が足りないところがある。ピアノ調律が出来る
高畠
(理科)
矢崎滋 10月から赴任。星の観察に情熱を傾ける。前任校で生徒に負傷させられたことがある。
『桜中音楽会』に出演。『オサラバ坂に陽が昇る』の宣伝をおこなっている。
木村
(用務員)
奥村公延 一身上の都合により、年度途中で退職。戦時中は動物園で飼育係をしていた。
  • 金は金八、新は新八、仙は仙八、音は桜中学大音楽会で楽興披露での出演を示す

生徒[編集]

役名 演者 家族等(演者) 備考
秋田令子 屋木里美 加藤優(直江喜一)と再婚
阿部誠 松原康行 優等生だが、高井にストーカーまがいの手紙を出したことがある。
のちに彼女と交際開始。
井沢孝司 清水政明
井上かおる 真壁瑞穂 就職組。41話まで出演。
上野明 八ツ橋晶
江田正彦 中田光利
大島徳一 阿部順一
加藤信二 鈴木伸二
木下則之 辻野幸一 母(白川和子 家庭不和から突っ張るようになる。
しかし根は優しい性格で、周囲のピンチをたびたび救っている。
家は材木店だが、経済的な行き詰まりを悟っていて、就職を希望。
久木三郎 浦崎真之夫
毛塚直道 野村俊章 野球部のエースで推薦入学を狙うも、骨折で断念。
小島良介 広石けいじ
佐川弘 高柳裕之
島元洋平 佐藤直洋
須藤守 古川聰 1学期に父を亡くした事から就職を希望。母と妹と暮らしている。
曽根田豊 笠原潔 父(玉川良一 家は芝居小屋を経営。代役で舞台に立ったことがある。
高井秀美 井上智恵子 両親が離婚している。
阿部からの手紙に激怒していたが、本心を知って交際。
田部由彦 荒川亮
千葉緑 藤田智英子
津田恵 木村千春
手島みなと 秦香織
徳山小夜 森洋江
中村美雪 井丸ゆかり 学級委員で優等生。
名倉司 奈良雅之
貫井京子 寺島由美
根本弥生 倉橋順子 就職組。長距離トラックの運転手をする父と二人暮らし。
野田さつき 斉藤まり絵
浜田益美 吉田有美 家は寿司屋を経営。
日比野文 星谷和美
福本信之助 藤木武司 家は寺院で、途中から月代が下宿をするようになる。
須藤の父の葬儀で読経をした。
藤下孝子 高橋玲子 木下に好意を抱く。
星田君江 佐野恵子 (金)佐藤マキで出演
松本エリ 小栗絵里花
間宮加奈江 鈴木緑

座席表[編集]

田部 中村 毛塚 松本
名倉 佐川 加藤 島元 木下
貫井 浜田 千葉 根本 高井
須藤 江田 福本 小島 阿部
星田 井上 秋田 手島 藤下
井沢 大島 上野 曾根田 久木
徳山 野田 間宮 津田 日比谷
教卓

その他[編集]

主人公と毎朝口論するのがお約束。
貫八が下宿するブリキ屋の経営者。少々、頑固な面があり、悦子の交際に反対していたが、のちに認める。
ブリキ屋のおかみ。夫同様に次郎を嫌悪していたが、最終的に交際を認める。
  • 小泉悦子 - 小柳英理子
下宿の長女。高校卒業後、近所の工場で事務員をしている。三浦に心惹かれ、交際。最終回で祝言を挙げる。
  • 小泉俊子 - 川崎葉子
下宿の次女。桜中学校の2年生に在籍。間宮加奈江と親しい。
貫八の高校時代の同級生で、屋台でラーメン屋を経営している。高校時代は貫八と共に札付きのワルだった。卒業後にヤクザの世界へ入り、事件を起こして逮捕・服役していた経験を持つ。「絹代」という恋人がいたが、逮捕・服役歴を知られて破局。ヤクザの世界から足を洗って立ち直り、屋台を始めて3年後に貫八と偶然再会する。悦子と交際開始後、貫八の口添えもあり、木村の後任の用務員として採用される。出身地は博多。
「桜中音楽会」に出演。貫八と金八のジョイント的な役割を果たしている。
貫八が前任校で受け持った生徒。卒業後も貫八を慕い、困った時には手を貸している。
少年院を出所後、住み込みで木下工務店で働き始め、何かと力になる。経営破綻などもあり、木下家に別れを告げ、新たな就職先を探すことに。

スタッフ[編集]

主題歌[編集]

放送日程[編集]

各回 放送日 サブタイトル 演出
第1回 1982年04月09日 戦いがはじまった 和田旭
第2回 4月16日 春の反乱
第3回 4月23日 親子コンテスト 生野慈朗
第4回 4月30日 たこたこあがれ 前川英樹
第5回 5月14日 ラブストーリー 大岡進
第6回 5月21日 職員室の15時間 和田旭
第7回 5月28日 ああ日の丸進学塾 柳井満
第8回 6月11日 日本のパパ 生野慈朗
第9回 6月18日 ヒルの子ヨルの子 前川英樹
第10回 7月09日 グッドバイDJ 大岡進
第11回 7月16日 進路希望調査書 和田旭
第12回 7月23日 短い旅をした 生野慈朗
第13回 8月06日 15才の祭り 前川英樹
第14回 8月13日 終戦特集 戦争なんて知らない 大岡進
第15回 8月20日 非行からの報告(前) 和田旭
第16回 8月27日 非行からの報告(後)
第17回 9月03日 クラスのピンチ 生野慈朗
第18回 9月10日 はみだしエネルギー 前川英樹
第19回 9月17日 それでも遠くを… 大岡進
第20回 9月24日 家庭の不和 君江の場合 生野慈朗
第21回 10月01日 体の中の生きもの 和田旭
第22回 10月15日 泣いてたまるか(前) 大岡進
第23回 10月22日 泣いてたまるか(中)
第24回 10月29日 泣いてたまるか(後)
第25回 11月05日 中間テスト後遺症 和田旭
第26回 11月12日 襲われた職員室
第27回 11月19日 君は愛を語れるか 前川英樹
第28回 11月26日 わたしの好きな人 生野慈朗
第29回 12月03日 母と子のバラード 大岡進
第30回 12月10日 受験勉強症候群 前川英樹
第31回 12月17日 世の中きびしいぜ 大岡進
第32回 12月24日 二つの忘年会 生野慈朗
第33回 1983年01月07日 カンパチ新春日記 和田旭
第34回 1月14日 特訓集中ゼミナール 前川英樹
第35回 1月21日 おちこぼれの歌 大岡進
第36回 1月28日 別れの予感 和田旭
第37回 2月04日 春まだ遠く…(前) 前川英樹
第38回 2月11日 春まだ遠く…(後)
第39回 2月18日 初めての曲りかど 大岡進
第40回 2月25日 喜びも悲しみも 生野慈朗
第41回 3月04日 気分はもうオトナ 和田旭
第42回 3月11日 春・それぞれの 生野慈朗
第43回 3月18日 ザ・ラストショウ 和田旭
最終回 3月25日 さよなら貫八先生

放送局[編集]

再放送など[編集]

本放送以来、地方局などでは約10年に渡り、頻繁に再放送されていた。その後、再放送の機会に恵まれなかったが、2007年5月にスカイパーフェクTV!TBSチャンネルで放送された。また、横浜の放送ライブラリーで第1話を閲覧出来る。

ただし、劇中において激高した貫八が塾講師を竹刀で滅多打ちにするという、教師にあるまじき行為(現在なら傷害罪となる暴力行為)を働くなど、現在の基準では不適切と見做される可能性の高いシーンが在るためか、近年は地上波での再放送は行なわれていない。

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ 第22回からは20:00 - 20:54。
  2. ^ 劇中では「夜間高校」と表現。

出典[編集]

  1. ^ a b 週刊TVガイド 1982年12月24日号 24頁「レポート『TBS「桜中学シリーズ」来年3月で終了』」。この記事中には「太陽にほえろ!日本テレビ)とワールドプロレスリングテレビ朝日、共に本作の真裏の番組)に挟まれて一時の勢いは無く苦戦」といった一文がある。
  2. ^ 河北新報』1982年4月9日 - 5月28日付朝刊、テレビ欄。
  3. ^ 福島民報』1984年8月14日 - 10月26日付朝刊、テレビ欄。
  4. ^ 『福島民報』1982年4月9日 - 1983年3月25日付朝刊、テレビ欄。

関連項目[編集]

TBS系列 金曜20:00枠
前番組 番組名 次番組
3年B組貫八先生
TBS 金曜20:54 - 20:55枠
2年B組仙八先生
(20:00 - 20:55)
3年B組貫八先生
(1982年4月 - 9月)
【1分縮小して継続】
JNNフラッシュニュース
(20:54 - 21:00)
【1分拡大して継続】