1972年のナショナルリーグチャンピオンシップシリーズ

1972年ナショナルリーグ
チャンピオンシップシリーズ
チーム 勝数
シンシナティ・レッズ 3
ピッツバーグ・パイレーツ 2
シリーズ情報
試合日程 10月7日–11日
観客動員 5試合合計:23万4814人
1試合平均:04万6963人
殿堂表彰者 スパーキー・アンダーソン(CIN監督)
ジョニー・ベンチ(CIN捕手)
ジョー・モーガン(CIN内野手)
トニー・ペレス(CIN内野手)
ロベルト・クレメンテ(PIT外野手)
ビル・マゼロスキー(PIT内野手)
ウィリー・スタージェル(PIT外野手)
ダグ・ハーヴェイ(審判員)
チーム情報
シンシナティ・レッズ(CIN)
シリーズ出場 2年ぶり2回目
GM ボブ・ホーサム
監督 スパーキー・アンダーソン
シーズン成績 95勝59敗・勝率.617
西地区優勝

ピッツバーグ・パイレーツ(PIT)
シリーズ出場 3年連続3回目
GM ジョー・L・ブラウン
監督 ビル・バードン
シーズン成績 96勝59敗・勝率.619
東地区優勝

 < 1971
NLCS
1972

1973 > 

 < 1971
ALCS
1972

1973 > 
ワールドシリーズ

1972年の野球において、メジャーリーグベースボール(MLB)ポストシーズンは10月7日に開幕した。ナショナルリーグの第4回リーグチャンピオンシップシリーズ(4th National League Championship Series、以下「リーグ優勝決定戦」と表記)は、同日から11日にかけて計5試合が開催された。その結果、シンシナティ・レッズ西地区)がピッツバーグ・パイレーツ東地区)を3勝2敗で下し、2年ぶり6回目のリーグ優勝およびワールドシリーズ進出を果たした。

両球団がリーグ優勝決定戦で対戦するのは、1970年以来2年ぶり2度目。この年のレギュラーシーズンでは両球団は12試合対戦し、レッズが8勝4敗と勝ち越していた[1]。今シリーズは2勝2敗で迎えた最終第5戦、9回裏二死一・三塁でパイレーツの4番手投手ボブ・ムース暴投し、三塁走者ジョージ・フォスターが生還してレッズがサヨナラ勝利で優勝を決めた。ポストシーズンでのサヨナラ暴投は、1927年のワールドシリーズ第4戦以来45年ぶり2度目だった[注 1][2]。しかしレッズは、ワールドシリーズではアメリカンリーグ王者オークランド・アスレチックスに3勝4敗で敗れ、32年ぶり3度目の優勝を逃した。

最終第5戦は、パイレーツの外野手ロベルト・クレメンテにとって現役最後の試合となった[3]。この年の12月29日にニカラグア大地震が発生すると、クレメンテは31日、プエルトリコから被災地へ救援物資を届けるための飛行機に自らも搭乗した。しかしその飛行機が墜落し、クレメンテを含む乗員5人全員が死亡した。

試合結果[編集]

1972年のナショナルリーグ優勝決定戦は10月7日に開幕し、5日間で5試合が行われた。日程・結果は以下の通り。

日付 試合 ビジター球団(先攻) スコア ホーム球団(後攻) 開催球場
10月07日(土) 第1戦 シンシナティ・レッズ 1-5 ピッツバーグ・パイレーツ スリー・リバース・スタジアム
10月08日(日) 第2戦 シンシナティ・レッズ 5-3 ピッツバーグ・パイレーツ
10月09日(月) 第3戦 ピッツバーグ・パイレーツ 3-2 シンシナティ・レッズ リバーフロント・スタジアム
10月10日(火) 第4戦 ピッツバーグ・パイレーツ 1-7 シンシナティ・レッズ
10月11日(水) 第5戦 ピッツバーグ・パイレーツ 3-4x シンシナティ・レッズ
優勝:シンシナティ・レッズ(3勝2敗 / 2年ぶり6度目)

第1戦 10月7日[編集]

  1 2 3 4 5 6 7 8 9 R H E
シンシナティ・レッズ 1 0 0 0 0 0 0 0 0 1 8 0
ピッツバーグ・パイレーツ 3 0 0 0 2 0 0 0 X 5 6 0
  1. スティーブ・ブラス(1勝)  ドン・ガレット(1敗)  Sラモン・ヘルナンデス(1S)  
  2. 本塁打
    CIN:ジョー・モーガン1号ソロ
    PIT:アル・オリバー1号2ラン
  3. 審判
    [球審]オーギー・ドナテリ
    [塁審]一塁: ケン・バークハート、二塁: ダグ・ハーヴェイ、三塁: ビル・ウィリアムズ
    [外審]左翼: ジョン・キブラー、右翼: ハリー・ウェンデルステット
  4. 試合開始時刻: 東部夏時間UTC-4)午後1時11分 試合時間: 1時間57分 観客: 5万476人
    詳細: Baseball-Reference.com
両チームの先発ラインナップ
シンシナティ・レッズ ピッツバーグ・パイレーツ
打順 守備 選手 打席 打順 守備 選手 打席
1 P・ローズ 1 R・ステネット
2 J・モーガン 2 A・オリバー
3 B・トーラン 3 R・クレメンテ
4 J・ベンチ 4 W・スタージェル
5 T・ペレス 5 M・サンギーエン
6 D・メンキー 6 R・ヘブナー
7 C・ジェロニモ 7 D・キャッシュ
8 D・チェイニー 8 G・アリー
9 D・ガレット 9 S・ブラス
先発投手 投球 先発投手 投球
D・ガレット S・ブラス

第2戦 10月8日[編集]

  1 2 3 4 5 6 7 8 9 R H E
シンシナティ・レッズ 4 0 0 0 0 0 0 1 0 5 8 1
ピッツバーグ・パイレーツ 0 0 0 1 1 1 0 0 0 3 7 1
  1. トム・ホール(1勝)  ボブ・ムース(1敗)  
  2. 本塁打
    CIN:ジョー・モーガン2号ソロ
  3. 審判
    [球審]ケン・バークハート
    [塁審]一塁: ダグ・ハーヴェイ、二塁: ビル・ウィリアムズ、三塁: ジョン・キブラー
    [外審]左翼: ハリー・ウェンデルステット、右翼: オーギー・ドナテリ
  4. 試合開始時刻: 東部夏時間UTC-4)午後1時00分 試合時間: 2時間43分 観客: 5万584人
    詳細: Baseball-Reference.com
両チームの先発ラインナップ
シンシナティ・レッズ ピッツバーグ・パイレーツ
打順 守備 選手 打席 打順 守備 選手 打席
1 P・ローズ 1 R・ステネット
2 J・モーガン 2 A・オリバー
3 B・トーラン 3 R・クレメンテ
4 J・ベンチ 4 W・スタージェル
5 T・ペレス 5 R・ヘブナー
6 D・メンキー 6 M・メイ
7 C・ジェロニモ 7 D・キャッシュ
8 D・チェイニー 8 G・アリー
9 J・ビリンガム 9 B・ムース
先発投手 投球 先発投手 投球
J・ビリンガム B・ムース

第3戦 10月9日[編集]

  1 2 3 4 5 6 7 8 9 R H E
ピッツバーグ・パイレーツ 0 0 0 0 1 0 1 1 0 3 7 0
シンシナティ・レッズ 0 0 2 0 0 0 0 0 0 2 8 1
  1. ブルース・キーソン(1勝)  クレイ・キャロル(1敗)  Sデーブ・ジュスティ(1S)  
  2. 本塁打
    PIT:マニー・サンギーエン1号ソロ
  3. 審判
    [球審]ダグ・ハーヴェイ
    [塁審]一塁: ビル・ウィリアムズ、二塁: ジョン・キブラー、三塁: ハリー・ウェンデルステット
    [外審]左翼: オーギー・ドナテリ、右翼: ケン・バークハート
  4. 昼間試合 試合時間: 2時間23分 観客: 5万2420人
    詳細: Baseball-Reference.com
両チームの先発ラインナップ
ピッツバーグ・パイレーツ シンシナティ・レッズ
打順 守備 選手 打席 打順 守備 選手 打席
1 R・ステネット 1 P・ローズ
2 D・キャッシュ 2 J・モーガン
3 R・クレメンテ 3 B・トーラン
4 W・スタージェル 4 J・ベンチ
5 A・オリバー 5 T・ペレス
6 R・ヘブナー 6 D・メンキー
7 M・サンギーエン 7 C・ジェロニモ
8 G・アリー 8 D・チェイニー
9 N・ブライルズ 9 G・ノーラン
先発投手 投球 先発投手 投球
N・ブライルズ G・ノーラン

第4戦 10月10日[編集]

  1 2 3 4 5 6 7 8 9 R H E
ピッツバーグ・パイレーツ 0 0 0 0 0 0 1 0 0 1 2 3
シンシナティ・レッズ 1 0 0 2 0 2 2 0 X 7 11 1
  1. ロス・グリムズリー(1勝)  ドック・エリス(1敗)  
  2. 本塁打
    PIT:ロベルト・クレメンテ1号ソロ
  3. 審判
    [球審]ビル・ウィリアムズ
    [塁審]一塁: ジョン・キブラー、二塁: ハリー・ウェンデルステット、三塁: オーギー・ドナテリ
    [外審]左翼: ケン・バークハート、右翼: ダグ・ハーヴェイ
  4. 昼間試合 試合時間: 1時間58分 観客: 3万9447人
    詳細: Baseball-Reference.com
両チームの先発ラインナップ
ピッツバーグ・パイレーツ シンシナティ・レッズ
打順 守備 選手 打席 打順 守備 選手 打席
1 R・ステネット 1 P・ローズ
2 A・オリバー 2 J・モーガン
3 R・クレメンテ 3 B・トーラン
4 W・スタージェル 4 J・ベンチ
5 M・サンギーエン 5 T・ペレス
6 D・キャッシュ 6 D・メンキー
7 R・ヘブナー 7 C・ジェロニモ
8 G・アリー 8 D・チェイニー
9 D・エリス 9 R・グリムズリー
先発投手 投球 先発投手 投球
D・エリス R・グリムズリー

第5戦 10月11日[編集]

映像外部リンク
MLB.comによる動画(英語)
9回裏、先頭打者ジョニー・ベンチの本塁打でレッズが同点に追いつく(34秒)
そのあと二死一・三塁で、ボブ・ムースが暴投。三塁走者ジョージ・フォスターが生還し、レッズがサヨナラ勝利でリーグ優勝を決める(15秒)
  1 2 3 4 5 6 7 8 9 R H E
ピッツバーグ・パイレーツ 0 2 0 1 0 0 0 0 0 3 8 0
シンシナティ・レッズ 0 0 1 0 1 0 0 0 2x 4 7 1
  1. クレイ・キャロル(1勝1敗)  デーブ・ジュスティ(1敗1S)  
  2. 本塁打
    CIN:シーザー・ジェロニモ1号ソロ、ジョニー・ベンチ1号ソロ
  3. 審判
    [球審]オーギー・ドナテリ
    [塁審]一塁: ジョン・キブラー、二塁: ハリー・ウェンデルステット、三塁: ケン・バークハート
    [外審]左翼: ダグ・ハーヴェイ、右翼: ビル・ウィリアムズ
  4. 昼間試合 試合時間: 2時間19分 観客: 4万1887人
    詳細: Baseball-Reference.com
両チームの先発ラインナップ
ピッツバーグ・パイレーツ シンシナティ・レッズ
打順 守備 選手 打席 打順 守備 選手 打席
1 R・ステネット 1 P・ローズ
2 A・オリバー 2 J・モーガン
3 R・クレメンテ 3 B・トーラン
4 W・スタージェル 4 J・ベンチ
5 M・サンギーエン 5 T・ペレス
6 R・ヘブナー 6 D・メンキー
7 D・キャッシュ 7 C・ジェロニモ
8 G・アリー 8 D・チェイニー
9 S・ブラス 9 D・ガレット
先発投手 投球 先発投手 投球
S・ブラス D・ガレット

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ 奇しくも、ポストシーズン史上初のサヨナラ暴投で敗れたのもまたパイレーツだった。1927年のワールドシリーズでパイレーツはニューヨーク・ヤンキースと対戦した。ヤンキースの3勝0敗で迎えた第4戦、9回裏二死満塁でパイレーツの2番手投手ジョニー・ミルジャスが暴投し、三塁走者アール・コームスが生還してヤンキースがサヨナラで優勝を決めた。

出典[編集]

  1. ^ "1972 Cincinnati Reds Schedule," Baseball-Reference.com. 2020年11月28日閲覧。
  2. ^ Daniel Marks, "Postseason Pendulums - Part 2 - The "Walk Offs"," Bill James Online, June 25, 2017. 2020年11月28日閲覧。
  3. ^ Craig Muder, "BENCH’S HOMER HELPS PUSH REDS INTO 1972 WORLD SERIES," Baseball Hall of Fame. 2020年11月28日閲覧。

外部リンク[編集]