鹿児島市交通局2100形電車


鹿児島市交通局2100形電車
2100形 2101号(2013年4月26日)
基本情報
製造所 九州旅客鉄道 鹿児島車両所
主要諸元
編成 2両
軌間 1,435 mm
電気方式 直流600V(架空電車線方式)
車両定員 62人(座席30人)
車両重量 19t
全長 12,400 mm
全幅 2,470 mm
全高 3,810 mm
台車 住友金属工業FS-90
主電動機 TDK-8567
主電動機出力 60kw×2
駆動方式 カルダン駆動方式
制御装置 電磁接触器式抵抗制御
AMD-M260-119B  
制動装置 電気指令式電磁直通ブレーキ
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鹿児島市交通局2100形電車(かごしましこうつうきょく2100がたでんしゃ)は、1989年に製造された鹿児島市交通局(鹿児島市電)の路面電車車両である。2101, 2102 の2両が在籍している。

概要[編集]

1989年、鹿児島市市制施行100周年、鹿児島市電開業60周年を記念して2両が製造された。1963年600形616以来26年ぶりの新車導入であった。車体は800形の寸法を元に設計され、従来の鹿児島市電の車両とは違ったスタイルで登場した。車体は鋼鈑プレス材を使用し溶接組み立てをした軽量構造で、前面は大きな一枚窓である。方向幕は窓の内側に入り、前照灯は尾灯と一体化され下部に設けられた。側面は2,032mm幅の窓が片側二組で、運転席近くの2枚以外は上段引き違い、下段固定である。扉は従来通り引き戸で、ドアの下部にも窓が設けられた。また、側面にも方向幕が設けられている。運転台は市電初の両手式ワンハンドルマスコン(1軸ツーハンドルマスコン)で、集電装置はZ形パンタグラフを採用した。台車はFS-90で、砂まき装置が取り付けられている。制御方式は電磁空気操作の単位スイッチ式抵抗制御、ブレーキ装置は全電気指令式電磁直通方式である。車内は、クロスシート・ロングシートの千鳥配置で、クロスシートは自動転換式であった。

2100形を製造したのは九州旅客鉄道(JR九州)の鹿児島車両所(当時。現在は鹿児島車両センター)である。鹿児島車両所での初の外部向け製造車両で、「市電プロジェクト」を結成して設計・製造に取り組んだ。試運転に当たっては車両所内に1,435mmの軌道を100m敷設し、線路上に路面電車用のトロリー線を張り、ED76形電気機関車を介して交流2万ボルトを直流600ボルトに整流変圧して試運転を行った。車内には、「JR九州鹿児島車両所」の銘板が取り付けられている。

2101には「しろやま」、2102は「さくらじま」の愛称が付けられている(現在は広告車化により愛称は消滅)。2100形の形式の由来は、「21世紀を先取りする電車」からである。

改造[編集]

1995年、車内の転換クロスシートをロングシートに改造した。

塗装[編集]

鹿児島市電2101

登場当時は2101が緑・黄ベースの、2102が赤・紫ベースの複雑な塗り分けであったが、現在は主に広告塗装である。なお、2007年以降の広告のない時期は黄色と緑ベースの標準塗装を纏っている。

参考文献[編集]

  • 水元景文『鹿児島市電が走る街 今昔 花と緑あふれる南国の路面電車定点対比』、JTBパブリッシング〈JTBキャンブックス〉、2007年 ISBN 978-4-533-06776-1

外部リンク[編集]