首席

首席(しゅせき)は、ある一定の条件下の人々の中での最高位、またはその位置(席次)にある人物。主として、試験における最高点取得者や教育機関(特に大学)の成績関連における最高評価者、行政組織オーケストラなどの楽団等の筆頭組織者で用いられる。

組織における首席[編集]

組織内において、同列の立場の人物が複数存在する場合、教育機関、軍隊や行政機関など、円滑・迅速な業務遂行が求められる組織においては、序列を決める必要性に迫られ、首席・次席・三席などの序列が付けられるようになった。

行政組織における首席の例[編集]

オーケストラにおける首席奏者[編集]

オーケストラにて、それぞれのセクション、楽器群、パートのリーダー的ポジションに用いる。首席奏者は、役割・役職であって、セクション内で「最もうまい奏者」を意味するわけではない。

弦楽器セクション
ヴァイオリンヴィオラチェロコントラバスそれぞれに首席奏者がおかれ、それぞれのセクションの最前列に座り、トゥッティと呼ばれる他の全奏者に弓使い・音楽・タイミング等の細かい指示を出し、セクションをまとめあげる。他の首席奏者とも緊密に連携を取り合うことが求められ、またソロ部分があればソロを担当する。ヴァイオリン首席(別名「第1ヴァイオリン」)は、特別に「コンサートマスター」として、他のオーケストラ団員とは別枠で契約することも多い。
首席奏者の隣で演奏する、次席またはフォアシュピューラー(フォアシュピーラー)と呼ばれるポジションがある場合も多い。
管楽器セクション
首席奏者は、おおむね「主に1番パートを吹く奏者」を意味する。ソロ部分は第1パートに書いてあることが多く、したがってソロの多くを担当する(特殊楽器、持ち替え楽器はこの限りではない)。弦楽器同様、セクションのリーダーとして機能する。首席奏者不在時には首席以外の奏者が第1パートを担当し、その場合は首席代行などと称される。一般的に、首席奏者は第1以外のパートを演奏することは少ない(ヴァイオリンと異なり、例えば「第2フルート首席」等は、通例置かれない)。
弦楽器、管楽器問わず、首席奏者の他に、首席不在時に第1パートやソロを優先的に担当する副首席奏者がおかれることもある。
打楽器セクション
首席奏者は、ティンパニ奏者を指すことが一般的である。
首席指揮者と音楽監督
首席指揮者は、常任指揮者とほぼ同じ意味である。常任指揮者は複数人置かれている場合も多い。オーケストラと一定年数の契約を結んだレギュラー指揮者の筆頭格である。運営方針や人事にも、ある程度発言権を持ち、楽団の管理者的要素も持つ。音楽監督は、この権限がより強められた地位で、通常、どちらか片方のみが設置されている。首席指揮者が信頼を勝ち得た結果として、音楽監督に契約変更されるケースもある。

試験成績における首席[編集]

教育機関や研究組織への所属資格獲得(採用・入学・教育課程・研究過程)試験において、その成績が一番の者を、同期の中で最上位の席にいるという意味で「首席」と呼び、「首席賞」(例として首席卒業研究論文○○賞など)が贈られる。教育機関の場合、入学式では新入生代表に、卒業式では総代となることが多い。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]