酒井忠明

さかい ただあきら

酒井 忠明
生誕 (1917-01-30) 1917年1月30日
山形県鶴岡市
死没 (2004-02-28) 2004年2月28日(87歳没)
出身校 旧制鶴岡中学
職業 写真家、書家、歌人
配偶者 あり
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酒井 忠明(さかい ただあきら、1917年(大正6年)1月30日 - 2004年平成16年)2月28日)は、酒井左衛門尉家21代当主、写真家書家歌人財団法人致道博物館名誉館長。1998年勲五等双光旭日章1999年鶴岡市名誉市民。  

人物[編集]

1917年(大正6年)、旧庄内藩主 酒井家20代当主・酒井忠良の長男として山形県鶴岡市家中新町に生まれる。母は大給近道長女・萬千子。

1935年(昭和10年)に旧制鶴岡中学(現・山形県立鶴岡南高等学校)を卒業後、酒井家図書研究所文会堂で旧庄内藩校致道館伝統に基づく「庄内学」とも称される儒学や東洋古典などを学びながら短歌を始め、歌人で万葉集研究家の国文学者、佐佐木信綱に師事する。1954年(昭和29年)1月の宮中「歌会始の儀」で 「芽ぶき立つ 裏の林に 山鳩の鳴く音 こもりて雨ならんとす」 の歌が入選した。2003年(平成15年)1月15日には、天皇・皇后に招かれて歌を詠む召人(めしうど)に選ばれ[1]、新年恒例の宮中歌会始の儀にて、「今もなほ 殿と呼ばるる ことありて この城下町に われ老いにけり」の歌を古式にのっとった節回しで披露された。この歌が記念碑として鶴岡公園鶴ヶ岡城跡)内に建立されている。

書道では「雍鳴(ようめい)」 の雅号を持ち、地元の書道界で指導的な役割を果たし、 記念碑等への揮ごうも多い。小学校5年の時から始めた写真では、『村里の四季』、『日本海庄内浜』、『出羽の国庄内 農の風景』などの写真集を上梓している。

1986年(昭和61年) - 1995年(平成7年)までは、山形県公安委員を務め県内の治安維持に貢献し、1998年(平成10年)4月に警察管理運営功労で勲五等双光旭日章を受章した。また、松岡機業(株)・社長、会長、松岡協同製糸(株)・取締役、財団法人致道博物館・名誉館長理事、山居賃貸倉庫㈱・社長、鶴岡織物工業協同組合・理事長など数多くの役職を歴任し、1997年(平成9年)6月には県知事表彰(商工団体功労)を受賞。また、死去するまで荘内銀行相談役として在任した。

1999年(平成11年)10月には学術文化の振興に大きく貢献したとして、鶴岡市で6人目の名誉市民に選ばれた。

2004年(平成16年)2月28日、死去[2]。享年87。

略歴[編集]

  • 1917年(大正6年)1月30日 - 左衛門尉酒井家20代当主の酒井忠良の長男として生まれる。
  • 1928年(昭和3年) - 小学校5年生で写真を始める。
  • 1935年(昭和10年) - 旧制鶴岡中学(現・山形県立鶴岡南高等学校)を卒業する。
  • 1954年(昭和29年) - 宮中歌会始の儀にて、歌が入選する。
  • 1962年(昭和37年) - 旧庄内藩主 酒井家17代当主となる。
  • 1978年(昭和53年) - 写真集「村里の四季」を出版する。
  • 1986年(昭和61年) - 山形県公安委員となる。
  • 1997年(平成9年) - 山形県知事表彰(商工団体功労)受賞。
  • 1998年(平成10年) - 警察管理運営功労で勲五等双光旭日章を受章する。
  • 1999年(平成11年)- 学術文化の振興に大きく貢献したとして、鶴岡市で6人目の名誉市民に推挙される。
  • 2003年(平成15年) - 正月に宮中歌会始の儀「召人(めしうど)」に選ばれ歌を披露する。
  • 2004年(平成16年)2月28日 - 肺ガンのため入院先の鶴岡市立荘内病院で死去。享年87。
  • 2005年(平成17年)4月23日 - 鶴岡公園に歌碑が建立される。

家族[編集]

  • 妻:酒井慎子(酒井忠晄の長女)
  • 長男:酒井忠久
  • 次男:酒井忠人
  • 長女:教子(藤光永夫人)
  • 次女:益子(石原重親夫人)

出版物[編集]

著書[編集]

  • 1966年(昭和41年) - 『歌集 みちのく』 かたかご会
  • 1978年(昭和53年) - 『むら里の四季 - 酒井忠明写真集』東北出版企画
  • 1987年(昭和62年) - 『歌集 晩晴』
  • 1990年(平成2年) - 『歌集 相生抄』
  • 1997年(平成9年) - 『出羽の国庄内 農の風景 - 酒井忠明写真集』東北出版企画、ISBN 4-924611-91-3
  • 1999年(平成11年) - 『日本海庄内浜 - 酒井忠明写真集』東北出版企画、ISBN 4887610092
  • 2004年(平成16年) - 『洗心』

共著[編集]

  • 1954年(昭和29年) - 『歌集 渦』角利一(共著者)
  • 1978年(昭和53年) - 『鳥鳴嚶々酒井忠良を偲ぶ』酒井忠治(共著者)

編纂[編集]

  • 1979年(昭和54年) - 『辛夷 - 寒山先生遺墨遺詠 - 』 美術刀剣保存協会庄内支部

関連書籍[編集]

  • 2005年(平成17年) - 『ふるさとの光と仰ぎて 殿様 酒井忠明氏』 酒井忠明様歌碑建立実行委員会

受賞・受章歴[編集]

脚注[編集]