笈ヶ岳

笈ヶ岳

野谷荘司山から望む笈ヶ岳
標高 1841.35 m
所在地 富山県南砺市石川県白山市
岐阜県大野郡白川村
位置 北緯36度17分55秒 東経136度47分32秒 / 北緯36.29861度 東経136.79222度 / 36.29861; 136.79222
山系 両白山地
初登頂 1518年以前
笈ヶ岳の位置(日本内)
笈ヶ岳
プロジェクト 山
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笈ヶ岳(おいずるがたけ)は、石川県富山県岐阜県の3県にまたがる標高1,841m白山国立公園内の両白山地の北側に位置し、日本二百名山[1]に選定されている。

概要[編集]

両白山地北部の中で、最も標高が高い山である。すぐ北側には、少し標高が低い大笠山日本三百名山が対峙している。10人立つのがやっとなほどの狭い山頂部には、国土地理院の三等三角点(点名は「笈岳」)が設置されている。[2]展望は申し分ない。登山道が存在せず、無雪期の登山が極めて困難なことで知られる。

山名の由来[編集]

古くは、笈摺岳、笈劔岳[3]、笈釣山[4]、剣岳[4]、老鶴山[5]等と記されていた。

西側から見て笈を背負った修験者に似た山容であることが、山名の由来とされている[6]

歴史[編集]

登山道[編集]

薮山で夏(無雪期)の登頂は極めて困難で、積雪期の限られた期間のみ登頂が可能である。日本二百名山の中では登頂が難しい山の一つである。 一般的な登山道はないが、春先にこの残雪を利用して、以下のコースで登られることがある。

  • 石川県白山市の北陸電力中宮発電所付近から山毛欅尾山(ぶなおやま)・冬瓜平(かもうりだいら)・シリタカ山を経由するコース
    • 時季によっては白山自然保護センター駐車場から冬瓜山を経由し上記に合流するコースも利用出来る。[6]
      • ※駐車場は夜間閉鎖の場合あり。その場合は1km手前のレストハウス駐車場を利用。
  • 白山白川郷ホワイトロード三方岩駐車場から県境沿いのコース[6]
  • 大笠山から県境沿いのコース(廃道化している)[10]

地理[編集]

周辺の山[編集]

三方岩岳から望む笈ヶ岳周辺の山

両白山地の主稜線の北部に位置し、痩せ尾根上のピークである。山頂の南には「小笈」と呼ばれる小ピークがある。北の大笠山との間には、ジャンダルム状の宝剣岳(1,741 m)と錫杖岳の岩峰がある。北西側には千丈平という広い平坦地がある。南西方向へは冬瓜山や山毛欅尾山(ぶなおやま)へと枝尾根が延びる。

山容 名称 標高
m
三角点
等級
笈ヶ岳との
距離km
備考
人形山 1,726 14.4 日本三百名山
前笈ヶ岳 1,522.06 三等 2.5 フカバラノ尾根
大笠山 1,821.84 一等 2.4 日本三百名山
笈ヶ岳 1,841.35 三等[11] 0 日本二百名山
三方岩岳 1,736 6.5 日本三百名山
白山 2,702.17 一等 16.0 日本百名山

源流の河川[編集]

源流の以下の主な河川は、日本海へ流れる[12]

参考画像[編集]

脚注[編集]

  1. ^ 日本二百名山』深田クラブ著、昭文社ISBN 4-398-22001-1、P169
  2. ^ 国土地理院の掲載二万五千分一地形図は、『中宮温泉(金沢)』
  3. ^ (有)平凡社地方資料センター編『富山県の地名』平凡社(1994年)。江戸時代の越中国絵図類にあるとする。
  4. ^ a b 『加能越三州地理志稿』(天保元年ころ)石川郡条。
  5. ^ 『加能越三州地理志稿』(天保元年ころ)礪波郡条。
  6. ^ a b c 『アルペンガイド 白山と北陸の山』山と渓谷社、2000年、ISBN 4-635-01321-9
  7. ^ (有)平凡社地方資料センター編『富山県の地名』平凡社(1994年)
  8. ^ 白山国立公園の公園紹介環境省、2010年12月6日閲覧。
  9. ^ 『山頂の憩い』深田久弥(著)、新潮文庫、2000年、ISBN 4-10-122003-4
  10. ^ 『日本の山1000』山と渓谷社、1992年、ISBN 4-635-09025-6
  11. ^ 基準点成果等閲覧サービス国土地理院、2010年12月6日閲覧。
  12. ^ 『白山 荒島岳 2010年版(山と高原地図43)』昭文社、ISBN 978-4-398-75723-4

関連項目[編集]

外部リンク[編集]