秩序と正義

 リトアニアの政党
秩序と正義

Tvarka ir teisingumas
党首 レミギユス・ジェマイタイティスリトアニア語版
創立 2002年3月9日 (2002-03-09)[1]
後継政党 自由と公正
本部所在地 ヴィルニュス
党員・党友数 14,000(2010年末)[2]
政治的思想 国民保守主義[3]
自由保守主義[4]
右派ポピュリズム[5]
EU懐疑主義[6]
政治的立場 右翼[6][7]
欧州連携 Movement for a Europe of Liberties and Democracy
欧州議会会派 自由と民主主義のヨーロッパ[8]
公式カラー 黄、青
国会
11 / 141
欧州議会
1 / 11
自治体議会
155 / 1,526
公式サイト
http://www.tvarka.lt/
リトアニアの政治
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リトアニアの選挙

秩序と正義リトアニア語: Partija „Tvarka ir teisingumas“、略称: TTまたはPTT[8])は、リトアニア保守政党。設立は2002年。旧称自由民主党Liberalų demokratų partija、略称: LDP[9])。党首はレミギユス・ジェマイタイティスリトアニア語版。党のテーマカラーは黄と青。

党の歴史と綱領[編集]

秩序と正義の前身である自由民主党は、2002年ロランダス・パクサスらによって設立された。パクサスは自身の経験を生かして、腐敗が続き非効率的になっていたそれまでの既存政党に対抗するために新党を設立したといわれる。新党は既存政党を強く批判することを基本としており、政治に不満を持っていた人々からの共感を得た。1991年に政党規制がなくなって以来、リトアニアでは様々な政治思想にもとづく政党が数多く設立されていたため、こうした新しい形の党が発足するのは考えにくいことであった。一方で、ただ批判を繰り返すだけで具体的政策や政治思想に欠けるともいわれる。

こうした具体的政策の欠如という弱点は、新たに設立された他の政党からすぐ非難されることになる。また、程度の差はあったものの、既存政党の多くや行政側も自由民主党がポピュリズム的で、ナチズムナショナリズムに通じるものだとする批判を展開した。これはパクサスが2003年大統領選挙に勝利してからよりいっそう強くなった。多くの公務員は大統領の指示には従わない態度を示すようになったが、パクサスの支援者らはこうしたことは違法行為に該当するものと考えた。自由民主党は、「党がこのような状況から清き政治に反する既存の制限や汚職を続ける支配層などに立ち向かう政党として面目を施すようになった」と主張する。しかしこうした中、パクサスは大統領を弾劾されることとなった。

2006年5月13日の党大会で、党は存続の危機に瀕していることを認めるとともに、国民が汚職や権力の乱用に立ち向かう必要があるとして、党名を秩序と正義に改めた[9]。改名の公式的な理由は、他の4政党が自由民主党と同様に「自由」という単語を用いており混乱をきたすから、というものであったが、一部の党員は、党が設立時以上に保守的になったことを反映したものである、と述べている。

2012年5月、10月の国会議員選挙に先立ち、リトアニア社会民主党および労働党と連立協定を結んだ[10]。10月の選挙後は連立政権に加わった。

2013年、労働党との合併が協議されたが、その後破談となった[11]

2015年2月17日、ヴァレンティナス・マズロニス元党首が、秩序と正義を離党した。なお、この年の初めには息子のアンドリュス・マズロニスも秩序と正義を離党していた。秩序と正義を離党したヴァレンティナスは労働党に、アンドリュスは自由運動にそれぞれ入党した。

2018年9月29日、党の設立者であり長年党首を務めたロランダス・パクサス元大統領が、秩序と正義を離党した。

2020年6月、レミギユス・ジェマイタイティスリトアニア語版党首は、秩序と正義を解党して新党「自由と公正」を結成することで、元ヴィルニュス市長のアルトゥーラス・ズオカスリトアニア語版リトアニア自由連合党首およびアルトゥーラス・パウラウスカス元国会議長と合意した。自由と公正ではジェマイタイティスが党首を、ズオカスおよびパウラウスカスが副党首を務める。

党首[編集]

自由民主党
秩序と正義

選挙結果[編集]

大統領選挙[編集]

2002年-2003年大統領選挙

パクサス党首が立候補。第1回投票では得票率 19.66 % で第2位。アダムクス候補との決選投票では、得票率 54.9 % で逆転当選を果たした。

国会議員選挙[編集]

2004年議会選挙

国会全141議席中11議席を獲得(政党連合「秩序と正義のために」(Už tvarką ir teisingumą)として)。

2008年議会選挙

国会全141議席中15議席を獲得(得票率 12.69 %)。

2012年議会選挙

国会全141議席中11議席を獲得(得票率 7.31%)。

2016年議会選挙

国会全141議席中8議席を獲得(比例での得票率は 5.55%)。

地方選挙[編集]

2007年地方選挙

パクサスの弾劾の影響が懸念されていたものの、ヴィルニュス市議会全議席の3分の1を獲得し、ヴィルニュス市長に党所属のユオザス・インブラサスが選出されるなど善戦。全国計1,550ある議席のうち181議席を獲得した。[12]

2011年地方選挙

1526議席中155議席を獲得した。

欧州議会選挙[編集]

2004年欧州議会選挙

リトアニアの割当13議席のうち、1議席を獲得した。

2009年欧州議会選挙

リトアニアの割当12議席のうち、2議席を獲得した。

2014年欧州議会選挙

リトアニアの割当11議席のうち、1議席を獲得した。

2019年欧州議会選挙

リトアニアの割当11議席のうち、議席を獲得することはできなかった。

脚注[編集]

  1. ^ Krupavicius, Algis (December 2003). “Lithuania”. European Journal of Political Research 42 (7–8): 1010–20. doi:10.1111/j.0304-4130.2003.00128.x. 
  2. ^ Daugiausiai nario mokesčio surinko socdemai - 643 tūkst. Lt
  3. ^ Nordsieck, Wolfram, “Lithuania”, Parties and Elections in Europe, http://www.parties-and-elections.eu/lithuania.html 2012年9月1日閲覧。 
  4. ^ Krupavicius, Algis (December 2006). “Lithuania”. European Journal of Political Research 45 (7–8): 1166–81. doi:10.1111/j.1475-6765.2006.00673.x. 
  5. ^ Balcere, Ilze (2011), Comparing Populist Political Parties in the Baltic States and Western Europe, European Consortium for Political Research, pp. 5–6, http://www.ecprnet.eu/MyECPR/proposals/reykjavik/uploads/papers/1071.pdf 
  6. ^ a b Ivaldi, Gilles (2011), “The Populist Radical Right in European Elections 1979–2009”, The Extreme Right in Europe: Current Trends and Perspectives (Vandenhoeck & Ruprecht): p. 19 
  7. ^ Jurkynas, Mindaugas (2012), “Lithuania”, Life in Post-Communist Eastern Europe After EU Membership (Routledge): p. 123 
  8. ^ a b リトアニアの主要政党の概要 - Partija Tvarka ir Teisingumas”. 中東欧・旧ソ連諸国の選挙データ. 2016年11月19日閲覧。
  9. ^ a b リトアニアの主要政党の概要 - Liberalų demokratų partija”. 中東欧・旧ソ連諸国の選挙データ. 2016年11月19日閲覧。
  10. ^ “Lithuania's three major opposition parties sign electoral agreement”. 15min.lt. (2012年5月25日). http://www.15min.lt/en/article/politics/lithuania-s-three-major-opposition-parties-sign-electoral-agreement-526-221526 2012年5月29日閲覧。 
  11. ^ http://www.bernardinai.lt/straipsnis/2013-05-08-tvarka-ir-teisingumas-stabdo-jungimasi-su-darbo-partija/100640
  12. ^ Aneta Piasecka. "Lithuania." Freedom House. Nations in Transit 2008: Democratization from Central Europe to Eurasia. Rowman & Littlefield, 2008. p.363. ISBN 978-0932088635

外部リンク[編集]