神集島

神集島
神集島の空中写真。国土交通省 国土地理院 地図・空中写真閲覧サービスの空中写真を基に作成。
所在地 日本の旗 日本 佐賀県唐津市
所在海域 日本海玄界灘
所属諸島玄海諸島
座標 北緯33度32分0秒 東経129度58分20秒 / 北緯33.53333度 東経129.97222度 / 33.53333; 129.97222座標: 北緯33度32分0秒 東経129度58分20秒 / 北緯33.53333度 東経129.97222度 / 33.53333; 129.97222
面積 1.41 km²
海岸線長 6.5 km
最高標高 85 m
神集島の位置(佐賀県内)
神集島
神集島
神集島 (佐賀県)
神集島の位置(日本内)
神集島
神集島
神集島 (日本)
プロジェクト 地形
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神集島(かしわじま)は、東松浦半島北西部、唐津市湊町の沖約1kmの玄界灘に位置する佐賀県唐津市に属し、大字は唐津市神集島。

島の面積は約1.41km2で、人口は289人(2021年11月現在)である。

島名は神功皇后新羅出兵に際して行われた儀式に由来する[1]。唐津市街地から見た島の形が台形であり、その形から軍艦島と呼ばれることもある。古代には狛島と呼ばれた。なお、周辺では地域や年代等により他の俗称が多数ある。

玄海国定公園に含まれ[2]、島内には海水浴場やキャンプ場(令和3年1月末現在休止中)がある[1]。島の北部には、鬼塚古墳群と呼ばれる古墳時代後期の横穴式古墳群があり[1]、また、ハマユウの群落は唐津市の天然記念物に指定されている。

また、2021年からエミューの飼育を始め、現在50羽くらいの飼育をしている。

地理[編集]

玄武岩質の台地状の島で、最高点は島南部にあり、そこから北へ向かってなだらかに傾斜する[1]。島の北端から南西方向に砂嘴が伸び、天然の防波堤となっている。砂嘴の先端には海上安全を祈願する住吉神社がある。砂嘴の内側は南西に開けた湾であり、湾に面する島の北西部には第2種漁港の神集島漁港がある。漁港に面して集落が広がる[1]。漁港から対岸にある湊町や立神岩を眺めることができる

廃止統合のために島内に学校はなく、船で本土に通学する形をとる。2004年度に神集島中学校が湊中学校へ、2011年度に神集島小学校が湊小学校へ、それぞれ統合された。

歴史[編集]

遣新羅使においては、日本国内の停泊地の一つとなった。

慶長5年(1600年)の日本を二分した関ヶ原の戦いに際し、松浦党を率いる松浦鎮信が、同じ肥前国大村喜前有馬晴信五島玄雅を誘い、神集島に集まって自身らの去就を話し合った。この四氏は先の文禄・慶長の役でも小西行長配下の第一軍として戦った仲であった。大村喜前の意見が採られ、四氏は徳川家康の東軍に加担することとなり、有馬は行長以下の主力を欠いた小西の南肥後国領土を攻撃している。

名跡[編集]

住吉神社[編集]

住吉神社の鳥居

住吉神社は島の北部から延びる砂嘴の突端にあり、主祭神として表筒男命・中筒男命・底筒男命の住吉三神を祀る。縁起によれば、神功皇后が新羅出兵の時、神集島に神々を集め、海上の安全を祈ったという[3]

境内には蒙古襲来の際の蒙古碇石と称するものがある。暴風雨で外洋に逃げようとした蒙古軍船が海中に捨てたものといわれ、昭和2年に住吉神社沖合から引き揚げられた。凝灰岩製で、長さ2.68m、最大幅0.38m、最大厚み0.26m。玄界灘沿岸で発見された蒙古碇石30例のうち、湊の八坂神社のもの次いで大きい。市指定文化財[4]

ハマユウ群生地[編集]

ハマユウはヒガンバナ科の常緑多年草で和名をハマオオモトという。唐津市神集島の海岸沿い240mが群生地で、神集島の南西端、宮崎にまつられている住吉神社の北側、玄界灘に面して石ころの多い浜辺に自生する。佐賀県では唐津市周辺の海岸地帯、小川島、高島に自生している[5]。九州北部では珍しく、ここが北限と言われている[4]

万葉の碑[編集]

万葉集に詠まれている七首の歌碑で、島内に7箇所建っている。万葉学者の犬養孝による揮毫である。採られている歌は天平8年(736年)、大和朝廷の使節として新羅へ旅立つ一行が立ち寄り、その時に思いを詠んだものと伝えられている[4]

交通[編集]

本土とは唐津汽船の定期船「からつ丸」が就航しており、唐津市湊町の湊港から約8分である[6]

脚注[編集]

  1. ^ a b c d e 神集島 日本の地名がわかる事典,日本大百科全書」、コトバンク、2015年9月5日閲覧
  2. ^ 玄海国定公園」佐賀県、2015年9月5日閲覧
  3. ^ 『佐賀県の地名』株式会社平凡社、1980年3月10日、345頁。 
  4. ^ a b c 『日本の島ガイド「SHIMADAS」』公益財団法人日本離島センター、2019年10月1日、915頁。 
  5. ^ 『佐賀県大百科事典』佐賀新聞社、1983年8月1日、131頁。 
  6. ^ 唐津道”. 一般社団法人唐津観光協会. 2021年9月26日閲覧。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]