祖父江文宏

祖父江文宏(そぶえ ふみひろ、1940年1月24日[1] - 2002年6月1日[2])は、日本の僧侶、児童養護施設園長である。

人物[編集]

最後の節談(ふしだん)説教師で真宗大谷派の僧侶・祖父江省念の次男として名古屋市に生まれる[3]早稲田大学卒業後、劇団群像座を結成、創立メンバーの一人として、俳優活動を行った[4]。解散後は地元名古屋に戻り、実家の寺と同寺が運営する幼稚園の園長を経て、児童養護施設暁学園を創立。親の離婚・失踪・虐待など様々な理由で、家族と一緒にできない子供たちを守り続けた[4]

1984年に小説「かなしみの歳時記」(中央法規出版[5]を上梓、1986年1988年東海テレビの昼ドラマふれ愛」の原作となった[6]

1995年に後の特定非営利活動法人「子どもの虐待防止ネットワーク・あいち」を設立。代表となる。1999年衆議院特別委員会で児童虐待と養護施設の現状を訴え、評価となり、名古屋弁護士会(現・愛知県弁護士会)賞を受賞[7]

晩年は間質性肺炎を患い、車椅子に酸素の供給を受けながら、講演や児童養護施設の改善を訴えた[2]

著書[編集]

出典は国立国会図書館の図書目録による。[8]

  • 「いきてるってなあに」(1982年、東本願寺出版部)
  • 「ててて」(1982年、東本願寺出版部)
  • 「よるになったらおやすみ」(1982年、東本願寺出版部)
  • 「かなしみの歳時記」(1984年、中央法規出版)
  • 「ローマングラスって知っていますか?:ひがしほんがんじえほん」(1984年、東本願寺出版部)
  • 「ともだち」(1986年、真宗大谷派宗務所出版部)
  • 「おばあさんとうさぎたち」(1986年、真宗大谷派宗務所出版部)
  • 「季節を動かすこどもたち」(1990年、法蔵館
  • 「子どもたちが観せてくれたこと」(1994年、真宗大谷派宗務所出版部)
  • 「勇気をくれた子どもたち」(2001年、法蔵館)
  • 「われひとり救われるを由とせず:理知がひきおこす虐待」(2002年、真宗大谷派名古屋別院教化事業部)
  • 「悲しみに身を添わせて」(2004年、真宗大谷派宗務所出版部)
  • 「のこされた時間:詩集」(2006年、真宗大谷派宗務所出版部)

脚注[編集]

  1. ^ 『現代物故者事典2000~2002』(日外アソシエーツ、2003年)p.344
  2. ^ a b 祖父江文宏氏死去/児童虐待の防止に尽くす - 四国新聞、2002年6月2日
  3. ^ 浄土真宗本願寺派光明寺のホームページ
  4. ^ a b 演劇人生 今日を生きる!(2009年10月16日)
  5. ^ 国立国会図書館
  6. ^ 真言大谷派徳泉寺ホームページ
  7. ^ NPO法人子どもの虐待防止ネットワーク・あいち(CAPNAの歴史)
  8. ^ 国立国会図書館