矢吹正道

矢吹 正道
基本情報
本名 佐藤 正道
階級 ライトフライ級
身長 166 cm[1]
リーチ 164 cm[1]
国籍 日本の旗 日本
誕生日 (1992-07-09) 1992年7月9日(31歳)
出身地 三重県鈴鹿市
家族 力石政法(弟)
スタイルボクサーファイター
プロボクシング戦績
総試合数 20
勝ち 16
KO勝ち 15
敗け 4
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矢吹 正道(やぶき まさみち、本名:佐藤 正道(さとう まさみち)、1992年7月9日 - )は、日本プロボクサー三重県鈴鹿市出身[2]。元WBC世界ライトフライ級王者。緑ボクシングジム所属。かつては薬師寺ボクシングジムに所属していた[3]。登場曲は麻倉未稀の『ヒーロー HOLDING OUT FOR A HERO』。

来歴[編集]

少年時代は、喧嘩、暴走行為に明け暮れて何度も警察の世話になり、50回以上の補導歴がある[4]

三重県立四日市四郷高等学校在学時にインターハイに出場したが、アマチュアで目立った実績は残していない[5]。17歳の時に長女が生まれ父親になる[6]

2016年3月27日、プロデビュー戦は1回TKO勝ち[7]

2016年12月23日、全日本フライ級新人王決定戦で、西日本フライ級新人王として、東軍代表中谷潤人と対戦して4回0-3(38-39、37-39×2)の判定負けで全日本新人王獲得はならず、プロ初黒星[8]

2018年4月6日、ユーリ阿久井政悟と対戦し、1回TKO負け。

2018年9月29日、後楽園ホールWBAライトフライ級9位のダニエル・マテリョンと50.0キロ8回戦を行い、8回1-2(77-76、75-78、74-78)の判定負けを喫した[9]

2019年12月15日、刈谷市産業振興センターあいおいホールで日本ライトフライ級2位の芝力人とチャンピオンカーニバル最強挑戦者決定戦を行い、4回1分53秒TKO勝ちで高橋悠斗への挑戦権を獲得した[10]

2020年7月26日、刈谷市あいおいホールで日本ライトフライ級2位の佐藤剛と高橋悠斗の引退で空位となった日本ライトフライ級王座決定戦を行い、1回2分55秒KO勝ちを収め王座を獲得した[11]

2020年12月26日、刈谷市あいおいホールで日本ライトフライ級1位の大内淳雅と対戦し、10回3-0(100-99、99-91x2)の判定勝ちを収め、初防衛に成功[12]

2021年7月21日、日本ライトフライ級王座を返上した。

世界王座獲得[編集]

2021年9月22日、京都市体育館WBC世界ライトフライ級王者の寺地拳四朗と対戦し、10回2分59秒TKO勝ちを収め、王座獲得に成功した[4][13]

試合後、寺地陣営が、試合の攻防で寺地が右目上をカットした場面をめぐり、レフェリーがパンチによるものとした判定に対し、「故意のバッティング」として、問題の場面の映像を添えてJBCに10月5日付で質問状を送付した[14]。10月27日、寺地側に、JBCから「バッティングか有効打によるか判断できず、矢吹を減点せず、試合を続行したレフェリーの判断に特段の問題はない」といった趣旨の回答書が届く。11月8日、寺地が所属するBMBジム寺地永会長が会見し、JBCの回答を不服とし再抗議。11月15日、試合の興行権を持つ真正ジム・山下正人会長、BMBジム・寺地永会長、緑ジム・松尾敏郎会長、が会見を開き、WBCから再戦命令が届き、両陣営で合意の上、再戦を行うことを発表。またWBCが10月18日付でJBCに再戦を命令していたが、JBCは11月10日までこれを両陣営に伝えていなかったことについて、JBCが隠蔽しようとしていた疑いがあるとして、寺地会長は「10月中に再戦命令は出ていたのに、JBCが言うには会見を開いてから出たと。つじつまが合わない」、松尾会長は「再戦命令は出ていないと言われていたのに今月になって出ていると。もう少しきちっとした判断ができないのか」とJBCへの不信感をあらわにした[15][16][17][18]

2022年3月19日、京都市体育館で前王者でWBC世界ライトフライ級1位の寺地拳四朗(BMB)と6か月ぶりに再戦となるダイレクトリマッチを行い、3回1分11秒KO敗けを喫し、初防衛に失敗、王座から陥落した[19]

2022年9月10日、四日市総合体育館にてWBO世界ライトフライ級4位のタノンサック・シムシー(グリーンツダ)と対戦し、7回1分19秒TKO勝ちを収めた[20][21]

2023年1月28日、名古屋国際会議場IBF世界ライトフライ級7位のロナルド・チャコンとIBF世界同級挑戦者決定戦を行い、11回2分35秒TKO勝ちを収め、IBF王座を保持するシベナティ・ノンティンガへの挑戦権を獲得した[22]

2023年5月19日、スパーリングで左アキレス腱を断裂したことが発表された[23]

2024年3月16日、ポートメッセなごやで世界前哨戦として元WBO世界ライトフライ級世界ランカーのケビン・ビバスと111ポンド(50.3kg)のキャッチウェイト契約で対戦。3回でビバスにダウンを奪い、4回2分41秒TKO勝ちを収めた。

人物[編集]

リングネームの矢吹は『あしたのジョー』の主人公の名前からとった[24]。弟の力石政法もプロボクサー[25]であり、リングネームも同じく『あしたのジョー』の主人公のライバルの名前からとっている。

17歳で長女が生まれ父親になる[26]。長女は緑ジムでボクシングを始め、2022年・23年のジュニア・チャンピオンズリーグ全国大会で連覇している[27]

プロになった19歳の時に、右胸に「下克上」左胸に「大和心」とタトゥーを逆文字で彫った[4]

個人で建築業を営みながら、ボクサーとの二足のわらじを続けている[4]

戦績[編集]

  • プロボクシング - 20戦16勝(15KO)4敗
日付 勝敗 時間 内容 対戦相手 国籍 備考
1 2016年3月27日 1R 2:29 TKO 堀井翔平(トコナメ) 日本の旗 日本 2016年度中日本新人王フライ級予選
プロデビュー戦
2 2016年8月7日 1R 2:12 TKO 中村潔(KUWANA) 日本の旗 日本 2016年度中日本新人王フライ級決勝
3 2016年11月6日 1R 1:04 TKO 那須亮祐(グリーンツダ 日本の旗 日本 新人王西軍代表決定戦
4 2016年12月22日 4R 判定0-3 中谷潤人M.T 日本の旗 日本 2016年度全日本フライ級新人王決定戦
5 2017年3月26日 1R 0:58 KO 金光民 大韓民国の旗 韓国
6 2017年7月16日 2R 0:59 TKO 平井雅樹(宮崎ワールド) 日本の旗 日本
7 2017年11月26日 1R 2:27 TKO 多田雅(TI山形) 日本の旗 日本
8 2018年4月6日 1R 1:32 TKO ユーリ阿久井政悟倉敷守安 日本の旗 日本
9 2018年6月17日 2R 1:44 KO ヒルベルト・ペドロサ パナマの旗 パナマ
10 2018年9月29日 8R 判定1-2 ダニエル・マテリョン  キューバ
11 2019年1月27日 5R 2:20 TKO 裴敏哲 大韓民国の旗 韓国
12 2019年5月1日 6R 1:20 TKO 大保龍斗横浜さくら 日本の旗 日本
13 2019年12月15日 4R 1:53 TKO 芝力人(RK蒲田) 日本の旗 日本 日本ライトフライ級挑戦者決定戦
14 2020年7月26日 1R 2:55 KO 佐藤剛(角海老宝石 日本の旗 日本 日本ライトフライ級王座決定戦
15 2020年12月26日 10R 判定3-0 大内淳雅姫路木下 日本の旗 日本 日本王座防衛1
16 2021年9月22日 10R 2:59 TKO 寺地拳四朗(BMB) 日本の旗 日本 WBC世界ライトフライ級タイトルマッチ
17 2022年3月19日 3R 1:11 KO 寺地拳四朗(BMB) 日本の旗 日本 WBC王座陥落
18 2022年9月10日 7R 1:19 TKO タノンサック・シムシー(グリーンツダ) タイ王国の旗 タイ
19 2023年1月28日 11R 2:35 TKO ロナルド・チャコン ベネズエラの旗 ベネズエラ IBF世界ライトフライ級挑戦者決定戦
20 2024年3月16日 4R 2:41 TKO ケビン・ビバス ニカラグアの旗 ニカラグア
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獲得タイトル[編集]

  • 2016年度西日本フライ級新人王
  • 2019年度日本ライトフライ級最強挑戦者
  • 第43代日本ライトフライ級王者(防衛1=返上)
  • WBC世界ライトフライ級王座(防衛0)

脚注[編集]

  1. ^ a b 【ボクシング】計量クリアの両選手。王者・矢吹「自信あります」、挑戦者・寺地「自分がいちばん強い」 BBMスポーツ | ベースボール・マガジン社 2022年3月18日
  2. ^ DANGAN216 Dangan
  3. ^ 刈谷市で矢吹正道と多田雅が激突 ボクシングモバイル
  4. ^ a b c d 補導歴50回超“ヤンキー”矢吹正道、ケンカ上等新王者 拳四朗V9阻止”. 日刊スポーツ (2021年9月22日). 2021年9月22日閲覧。
  5. ^ “初回KOで日本王座獲得の矢吹正道 『あしたのジョー』から命名の本格派が世界を狙う”. ボクシング・ビート. (2020年9月18日). https://boxingnews.jp/news/77423/ 2021年2月18日閲覧。 
  6. ^ 17歳で父になり、コンビニの廃棄弁当を食った「全てをかけていた」 朝日新聞 2021年9月23日
  7. ^ 2016年3月試合結果 日本ボクシングコミッション
  8. ^ 全日本新人王決定戦、MVP吉開右京、技能は福永亮次 Boxing News(ボクシングニュース) 2016年12月23日
  9. ^ WBC3位の小浦翼が大差勝ち OPBFミニマム級V3 Boxing News(ボクシングニュース) 2018年9月29日
  10. ^ 矢吹正道が5度ダウン奪って日本LF級挑戦権獲得 Boxing News(ボクシングニュース) 2019年12月15日
  11. ^ 矢吹正道の強打爆発 初回KOで王座獲得  日本L・フライ級新王者は11勝すべてKO Boxing News(ボクシングニュース)2020年7月26日
  12. ^ 矢吹が初の判定勝ちでV1 日本L・フライ級戦 WBC王者の寺地拳四朗に宣戦布告 Boxing News(ボクシングニュース)2020年12月26日
  13. ^ V8王者の寺地拳四朗が王座陥落 矢吹正道 10回TKO勝ちでWBC・L・フライ級王座獲得 Boxing News(ボクシングニュース)2021年9月22日
  14. ^ 矢吹正道所属の緑ジム松尾会長はJBCの対応に激怒「対応が違う」”. 日刊スポーツ (2021年10月29日). 2021年12月29日閲覧。
  15. ^ JBCに質問状 WBCから「再戦命令」/矢吹正道-寺地拳四朗の経緯”. 日刊スポーツ (2021年11月16日). 2021年12月29日閲覧。
  16. ^ 拳四朗VS矢吹正道、再戦へ WBCの再戦命令に両ジム会長が合意も、隠ぺい疑いのJBCに不信感”. スポーツ報知 (2021年11月15日). 2021年12月29日閲覧。
  17. ^ 王者・矢吹と前王者・寺地が再戦に合意 WBCが命令”. サンスポ (2021年11月15日). 2021年12月29日閲覧。
  18. ^ 矢吹陣営、JBC釈明に怒り心頭 再戦指令巡る発言に「録音聞いてもらって構わない」”. デイリースポーツ (2021年11月16日). 2021年12月29日閲覧。
  19. ^ スコア付き 寺地拳四朗がWBC・L・フライ級王座返り咲き 攻撃的スタイルで矢吹正道を3回KO Boxing News(ボクシングニュース)2022年3月19日
  20. ^ 【ボクシング】矢吹正道「負けたら引退と思ってた」再起戦TKO勝ち 地元での世界戦プラン浮上 日刊スポーツ 2022年9月10日
  21. ^ 前WBC・L・フライ級王者の矢吹正道 復帰戦でWBO4位に7回TKO勝ち Boxing News(ボクシングニュース)2022年9月10日
  22. ^ 矢吹正道3度のダウン奪い11回TKO勝ち、世界王者への挑戦権獲得「世界王者にもう1度なる」 日刊スポーツ 2023年1月28日
  23. ^ 矢吹正道、左アキレス腱断裂 世界前哨戦は延期”. サンスポ (2023年5月19日). 2023年8月4日閲覧。
  24. ^ “「あしたのジョー」由来の矢吹正道「延期はプラス」王者・寺地拳四朗に挑む”. 日刊スポーツ. (2021年9月20日). https://www.nikkansports.com/battle/news/202109200000623.html 2021年11月16日閲覧。 
  25. ^ リングネームは「矢吹&力石」 実在の兄弟ボクサー飛躍 朝日新聞 2018年12月17日
  26. ^ 17歳で父になり、コンビニの廃棄弁当を食った「全てをかけていた」 朝日新聞 2021年9月23日
  27. ^ “前世界王者・矢吹正道の長女・夢月さんがボクシングジュニアCL2連覇 夢は五輪選手”. デイリースポーツ. (2023年9月4日). https://www.daily.co.jp/ring/2023/09/04/0016774555.shtml 2023年9月12日閲覧。 

関連項目[編集]

外部リンク[編集]

空位
前タイトル保持者
高橋悠斗
第43代日本ライトフライ級王者

2020年7月6日 - 2021年7月21日(返上)

空位
次タイトル獲得者
岩田翔吉
前王者
寺地拳四朗
WBC世界ライトフライ級王者

2021年9月22日 - 2022年3月19日

次王者
寺地拳四朗