白糠町

しらぬかちょう ウィキデータを編集
白糠町
恋問海岸(2008年)
白糠町旗 白糠町章
1950年11月1日制定[1]
日本の旗 日本
地方 北海道地方
都道府県 北海道釧路総合振興局
白糠郡
市町村コード 01668-3
法人番号 3000020016683 ウィキデータを編集
面積 773.13km2
総人口 7,112[編集]
住民基本台帳人口、2024年2月29日)
人口密度 9.2人/km2
隣接自治体 釧路市
十勝総合振興局足寄郡足寄町中川郡本別町
十勝郡浦幌町
町の木 ななかまど
町の花 きんせんか
他のシンボル -
白糠町役場
町長 棚野孝夫
所在地 088-0392
北海道白糠郡白糠町西1条南1丁目1番地1
北緯42度57分22秒 東経144度04分19秒 / 北緯42.95617度 東経144.07181度 / 42.95617; 144.07181座標: 北緯42度57分22秒 東経144度04分19秒 / 北緯42.95617度 東経144.07181度 / 42.95617; 144.07181
外部リンク 公式ウェブサイト

白糠町位置図

― 政令指定都市 / ― 市 / ― 町・村

ウィキプロジェクト
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白糠町中心部周辺の空中写真。1977年撮影の6枚を合成作成。
国土交通省 国土地理院 地図・空中写真閲覧サービスの空中写真を基に作成。
白糠駅前

白糠町(しらぬかちょう)は、北海道釧路総合振興局管内の白糠郡にある町。

町名の由来[編集]

アイヌ語に由来する。原義は諸説が示されてきたが、山田秀三の考察では、過去に示されてきた解釈を踏まえた上で、「シラリカㇷ゚(sirar-ika-p)」(〔潮が〕岩を・越える・ところ)、あるいは「シラロイカ(sirar-o-ika)」(〔潮が〕岩を・そこで・越える)、「シラルカウ(sirar-u-ka-u)」(〔潮が〕岩の・互いに・上に・ある〔=重なりあう〕)などに由来すると解している[2]

これは市街の東にある石炭岬付近の岩礁を表したものである[2]

地理[編集]

釧路総合振興局西部に位置。距離は釧路市都心部から西に約30km。町域の東西を、東西へ飛び地になった釧路市に挟まれている。帯広市から東に約90km。

南部の太平洋沿岸に沿って東西に国道38号根室本線が走る。人口の多くも沿岸に集中する。

隣接している自治体[編集]

気候[編集]

ケッペンの気候区分によると、白糠町は湿潤大陸性気候に属する。寒暖の差が大きく気温の年較差、日較差が大きい顕著な大陸性気候である。降雪量が多く、豪雪地帯に指定されている。冬季は-20℃を下回る気温が観測されることが珍しくなく、寒さが厳しい。

白糠(1991年 - 2020年)の気候
1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
最高気温記録 °C°F 8.2
(46.8)
13.2
(55.8)
15.6
(60.1)
26.4
(79.5)
30.9
(87.6)
31.1
(88)
33.4
(92.1)
35.5
(95.9)
31.3
(88.3)
23.1
(73.6)
21.2
(70.2)
13.1
(55.6)
35.5
(95.9)
平均最高気温 °C°F −0.3
(31.5)
−0.2
(31.6)
3.4
(38.1)
8.8
(47.8)
13.4
(56.1)
16.3
(61.3)
20.0
(68)
21.9
(71.4)
20.2
(68.4)
15.3
(59.5)
8.8
(47.8)
2.3
(36.1)
10.8
(51.4)
日平均気温 °C°F −6.2
(20.8)
−5.9
(21.4)
−1.4
(29.5)
3.5
(38.3)
8.3
(46.9)
12.0
(53.6)
16.0
(60.8)
17.8
(64)
15.4
(59.7)
9.5
(49.1)
3.2
(37.8)
−3.3
(26.1)
5.8
(42.4)
平均最低気温 °C°F −13.0
(8.6)
−13.0
(8.6)
−7.2
(19)
−1.8
(28.8)
3.3
(37.9)
8.3
(46.9)
12.8
(55)
14.6
(58.3)
11.0
(51.8)
3.6
(38.5)
−2.8
(27)
−9.5
(14.9)
0.5
(32.9)
最低気温記録 °C°F −26.5
(−15.7)
−29.2
(−20.6)
−20.8
(−5.4)
−14.6
(5.7)
−7.2
(19)
−1.9
(28.6)
2.9
(37.2)
5.3
(41.5)
−0.5
(31.1)
−6.5
(20.3)
−13.4
(7.9)
−22.9
(−9.2)
−29.2
(−20.6)
降水量 mm (inch) 38.3
(1.508)
25.6
(1.008)
53.9
(2.122)
82.2
(3.236)
123.1
(4.846)
113.3
(4.461)
132.5
(5.217)
148.9
(5.862)
170.4
(6.709)
119.6
(4.709)
63.6
(2.504)
55.0
(2.165)
1,119.1
(44.059)
降雪量 cm (inch) 77
(30.3)
71
(28)
78
(30.7)
14
(5.5)
0
(0)
0
(0)
0
(0)
0
(0)
0
(0)
0
(0)
8
(3.1)
49
(19.3)
298
(117.3)
平均降水日数 (≥1.0 mm) 5.0 4.3 7.2 8.8 10.3 9.5 11.0 11.6 10.8 8.6 8.1 6.6 101.5
平均月間日照時間 187.0 183.4 197.4 182.2 172.1 128.7 112.7 123.0 140.8 174.3 170.0 177.6 1,949.2
出典1:Japan Meteorological Agency
出典2:気象庁[3]

歴史[編集]

江戸以前

明治以降

財政[編集]

令和元年度決算による財政状況[編集]

(白糠町HP)

行政[編集]

歴代町長[編集]

  • 青木金吾:1947年 - 1963年(4期)[8]
  • 舘岡正男:1963年 - 1971年(2期)[8]
  • 千葉清:1971年 - 1996年(6期)[8]
  • 棚野孝夫:1996年 -(7期目)

行政施設[編集]

  • 白糠町役場
    • 庶路支所

消防[編集]

かつて、本町と白糠郡音別町および阿寒郡阿寒町を管轄する釧路西部消防組合の本署が置かれていたが、2005年10月11日の釧路市新設合併に伴い釧路西部消防組合が解散、釧路市消防本部と統合した。現在、本町は釧路市に常備消防事務を委託している。

出来事[編集]

議会でのマスク着用をめぐる訴訟[編集]

2021年7月5日、福地裕行町議が、マスク不着用や、口元を切り取ったマスク姿で議会での発言を認められず、退席を求められた[9][10]。9月13日、議会は辞職勧告を決議したが町議は受け入れず、損害賠償を求めて町を提訴した[11]。裁判中は「マスクの着用は有害無益だ」と訴え、法廷には弁護士と共にノーマスクで入り、着用を求められても応じなかった[12] [11]。弁護士は、神真都Qの弁護士である木原功仁哉が担当した[9][13]。2022年3月29日、町議に敗訴の判決が言い渡された[10]

経済[編集]

産業[編集]

酪農や林業、漁業、工業が盛んである。

農業では、鍛高地区でシソの生産が行われており、その地名はシソ焼酎「鍛高譚」(たんたかたん)の名に採られている。

漁業は、シシャモサケなどの定置網を用いた漁が盛んだが、2010年代以降サケの漁獲量が激減し、代わってブリの漁獲量が急増した。ブリ専用の加工場を整備し「極寒ブリ」としてブランド化し、ふるさと納税の返礼品などに活用している[14]

かつては雄別炭礦の上茶路炭礦、明治鉱業庶路炭礦など複数の炭鉱が栄えたが、いずれも閉鉱している。町東部には釧路白糠工業団地が置かれ、軽工業と食品加工業の企業を中心に立地している。また、西庶路地区西部にも軽工業団地が置かれている。釧路市、白糠町全域が釧路・白糠次世代エネルギー特区に指定され、ジメチルエーテルの研究・供給拠点の集積を図っている。現在では、木質バイオマス発電所やメガソーラーといった再生可能エネルギーの発電所が集積している。

立地企業[編集]

農協・漁協[編集]

金融機関[編集]

郵便局[編集]

  • 白糠郵便局(集配局)
  • 庶路郵便局(集配局)
  • 西庶路郵便局
  • 白糠幸簡易郵便局
  • 白糠橋北簡易郵便局
  • 茶路簡易郵便局
  • 縫別簡易郵便局
  • 北進簡易郵便局

宅配便[編集]

公共機関[編集]

警察[編集]

  • 釧路警察署白糠交番
  • 釧路警察署庶路駐在所
  • 釧路警察署西庶路駐在所

消防[編集]

姉妹都市・提携都市[編集]

地域[編集]

人口[編集]

白糠町と全国の年齢別人口分布(2005年) 白糠町の年齢・男女別人口分布(2005年)
紫色 ― 白糠町
緑色 ― 日本全国
青色 ― 男性
赤色 ― 女性

白糠町(に相当する地域)の人口の推移
総務省統計局 国勢調査より


2021年8月末現在

  • 総数 7,450人(男3,497人、女3,953人)
  • 世帯数 4,055世帯

教育[編集]

白糠高等学校

閉校された学校

  • 縫別小中学校(1991/03茶路小中学校へ統合)
  • 北進小中学校(2001/03茶路小中学校へ統合)
  • 河原小中学校(2007/03茶路小中学校へ統合)
  • 庶路小学校(2018/03庶路学園へ統合)
  • 庶路中学校 (2018/03庶路学園へ統合)
  • 白糠小学校 (2022/08白糠学園へ統合)
  • 白糠中学校 (2022/08白糠学園へ統合)

交通[編集]

白糠駅

空港[編集]

鉄道[編集]

廃止になった路線

かつては国鉄白糠線が沿岸部の白糠駅から茶路川に沿って北進まで通っており、さらに螺湾地区を通って足寄まで延伸する計画があったが、1983年(昭和58年)10月23日に廃止されている。

バス[編集]

  • くしろバス
    • 36白糠線
    • スターライト釧路号(共同運行)
  • 阿寒バス(都市間バスのみ)
    • スターライト釧路号(共同運行)
  • 北海道中央バス(都市間バスのみ)
    • スターライト釧路号(共同運行)
  • 北海道バス
    • 釧路特急ニュースター号(深夜便のみ停車)

タクシー[編集]

  • 三州タクシー(午前7時から午後11時まで、営業車両2台)[18]

道路[編集]

名所・旧跡・観光スポット・祭事・催事[編集]

文化財[編集]

重要無形民俗文化財[編集]

  • アイヌ古式舞踊 - 白糠アイヌ文化保存会

観光[編集]

  • ハミングロード 白糠駅前にある大通、「広告景観優良地区」に指定。
  • 恋問海岸
  • 不動の滝
  • Green Lake 庶路

祭り・イベント[編集]

  • 白糠町ロードレース大会(3月)
  • 港in白糠大漁まつり(6月下旬)
  • 厳島神社例大祭(7月下旬)
  • カミングパラダイス(9月中旬)

郷土芸能[編集]

  • 白糠駒踊り
  • 白糠駒太鼓
  • アイヌ古式舞踊

名産品[編集]

出身有名人[編集]

出典[編集]

  1. ^ 図典 日本の市町村章 p15
  2. ^ a b 山田秀三『北海道の地名』(2版)草風館、浦安市〈アイヌ語地名の研究 別巻〉、2018年11月30日、281頁。ISBN 978-4-88323-114-0 
  3. ^ 白糠 過去の気象データ検索”. 気象庁. 2022年8月6日閲覧。
  4. ^ 総理府告示第336号 官報. 1950年12月18日
  5. ^ 日外アソシエーツ編集部編 編『日本災害史事典 1868-2009』日外アソシエーツ、2010年、148頁。ISBN 9784816922749 
  6. ^ 沿岸荒らす外国漁船 タコ漁具さんざん 禁止漁法でかき回す『朝日新聞』1970年(昭和45年)2月10日 12版 15面
  7. ^ ほぼ全滅の町も…赤潮でウニの価格高騰”. HTB (2021年10月12日). 2021年10月30日閲覧。
  8. ^ a b c 市町村における長の選挙結果について”. 北海道選挙管理委員会 (2019年2月1日). 2019年11月5日閲覧。
  9. ^ a b 議員のマスク拒否、法廷闘争に 口元切り取りは正当な権利?挑発? | 毎日新聞
  10. ^ a b マスク不着用の町議敗訴”. 北國新聞 (2022年3月29日). 2023年2月8日閲覧。
  11. ^ a b マスク着用の同調圧力と 健康被害に警鐘! 白糠町 福地裕行議員の 名誉回復を!”. Voice. 2023年2月8日閲覧。
  12. ^ 法廷でもマスク拒否「子どもたちの心身の健康を害することが確実」と主張 議場退席に不服の町議 札幌高裁”. HBC (2022年11月15日). 2023年2月8日閲覧。
  13. ^ 反ワクチン訴訟主任弁護士 木原くにや通信 第9号” (PDF) (2022年3月14日). 2023年2月8日閲覧。
  14. ^ テレ朝ニュース (2023年9月27日). “ブリ「食べる文化ない」北海道で大漁…“極寒ブリ”ブランド化へ 北の海異変サケ激減”. テレビ朝日. https://news.tv-asahi.co.jp/news_economy/articles/000317459.html 2023年9月30日閲覧。 
  15. ^ 「庶路学園・庶路こども園」完成!” (PDF). 白糠町. 2018年6月19日閲覧。
  16. ^ 庶路学園・庶路こども園 開校式” (PDF). 白糠町. pp. 2 - 4. 2018年6月19日閲覧。
  17. ^ “高さ43メートル 白糠に掘削機 来春開校の専門学校設置”. 北海道新聞. (2021年10月25日) 
  18. ^ 白糠町. “白糠町内のタクシー”. 白糠町. 2019年11月7日閲覧。

外部リンク[編集]