現代ロテム

현대로템주식회사
(現代ロテム株式会社)
Hyundai Rotem Company
Hyundai Rotem logo
種類 株式会社
本社所在地 大韓民国の旗 韓国
京畿道義王市鉄道博物館路37(月岩洞)
設立 1999年7月1日
業種 輸送用機器
事業内容 鉄道車両、防衛機器
代表者 代表理事副会長 ハン・ギュファン
従業員数 3,800人
主要株主 現代自動車グループ
外部リンク http://www.hyundai-rotem.co.kr/
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現代ロテム株式会社
ロテム時代の鉄道車両内製造銘板
各種表記
ハングル 현대로템주식회사
漢字 現代로템株式會社
発音 ヒョンデロテムチュシックェサ
(ヒョンデロテム チュシフェサ)
日本語読み: げんだいろてむかぶしきがいし
RR式 Jusikhoesa Hyeondae Rotem
MR式 Chusikhoesa Hyŏndae Rot'em
英語 Hyundai Rotem Company
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現代ロテム株式会社(げんだいロテム/ヒュンダイロテム、ヒョンデロテム、Hyundai Rotem)は、大韓民国において鉄道車両や軍用兵器等を生産している、現代-起亜自動車グループの企業である。 慶尚南道昌原市に鉄道車両を生産する工場がある。

概要[編集]

アジア通貨危機に伴う韓国経済の構造改革の一環として、現代精工(現・現代モービス)・大宇重工業韓進重工業の鉄道車両製造部門が統合されたもの。2001年10月に、現代財閥から独立し現代=起亜自動車グループを立ち上げた鄭夢九が大宇の株式の持分を引き受け、同グループの傘下となる。当初の社名は韓国鉄道車輌株式会社韓國鐵道車輛한국철도차량、ハングクチョルトチャリャン、かんこくてつどうしゃりょう、Korea Rolling Stock)だった。

2002年1月に、社名を株式会社ロテム로템Rotem)に変更。変更理由については旧社名の響きが「コリアがロスする(=韓国が損をする)」に通じるのを避けたためと同社広報担当者は説明している[1]。社名変更と同時に現代-起亜自動車グループから軍用兵器・プラント・宇宙事業部門を引き継いでいる。

米軍事専門誌のディフェンスニュースに世界100大防衛産業に選定され、順位は93位だった。

2007年には社名を現代ロテム株式会社現代로템현대로템Hyundai Rotem)に変更した[2]

沿革[編集]

  • 1999年7月 - 現代精工大宇重工業韓進重工業の鉄道車両製造部門が統合して発足。当初の社名は「韓国鉄道車輌株式会社韓國鐵道車輛한국철도차량、ハングクチョルトチャリャン、かんこくてつどうしゃりょう、Korea Rolling Stock」で、略称はコロス (KOROS = KOrea ROlling Stock) であった。
  • 2001年10月 - 現代-起亜自動車グループ傘下に入る。
  • 2002年1月 - 社名を「株式会社ロテム로템Rotem、“RailrOading Technology systEM”の略)」に変更。軍用兵器・プラント・宇宙事業部門を引き継ぐ。
  • 2007年 - 社名を「現代ロテム株式会社現代로템현대로템Hyundai Rotem Company)」に変更。

鉄道車両[編集]

韓国の大田広域市エキスポ科学公園で運転されるUTM-02
高速鉄道KTX
韓国鉄道公社 (KORAIL) 5000系電車
6次車(新トングリ)
マニラMRT-2線2000形電車
フィリピン国鉄DMR1気動車
香港のMTR K-Stock電車
カナダのバンクーバーのカナダライン
米国ロサンゼルス近郊を走るメトロリンクの2階建て制御客車
ブラジルサルヴァドールを走るサルヴァドール地下鉄の車両

韓国国外への進出[編集]

台湾鉄路管理局への受注[編集]

1994年現代重工業時代に台湾鉄路管理局台湾鉄路管理局E1000型電車(機関車は南アフリカ製)を受注したが、入札予算の半額程度での落札[3]だったことで、後の故障頻発の遠因となっており、韓進重工業および大宇重工業との統合でロテムに改名後は補修サポート期間満了前に撤退したため、2004年以降台湾における鉄道車両入札から締め出されていた[4]。台湾がWTOに加盟し、2012年以降にGPA(政府調達協定)が発効したことから、政府調達による大型入札案件については、韓国勢の入札参加が事実上解禁されることになった。2018年、新型電車520両の受注に成功し、19年ぶりに台湾市場に再進出することになった[5]

インドへの地下鉄車両の供給[編集]

2002年にはインド初の地下鉄向けに地下鉄車両240両を供給した[6]

トルコへの鉄道車両供給[編集]

2005年にはトルコから鉄道車両34両を受注した[7]

ブラジルへの鉄道車両供給[編集]

2007年8月には無人自動運転車両84両を供給する契約を結び、ブラジルの鉄道車両市場でのシェア(占有率)で1位(66%)となった。同社は2004年にも、リオデジャネイロの地下鉄車両80両を供給している。更に今後最大90両の車両を供給する予定だという[8]

ブラジルリオデジャネイロを走るSuperViaの2005形電車

カナダへの鉄道車両供給[編集]

同年11月にはカナダから無人自動運転車両40両を受注した。2010年に開かれるバンクーバー冬季五輪に合わせ、2009年にバンクーバー国際空港と同市中心部を結ぶ路線でカナダラインの運行を開始した。ロテムは今回の輸出が既に進出している米国やブラジルなどの南北アメリカ諸国からの受注がさらに増えるものと見込んでいる[9]

ニュージーランドへの鉄道車両供給[編集]

同年同月にはニュージーランドの首都ウェリントン市との間で70両の電車を供給する契約を締結した。同市は08年にはさらに26両を追加発注する予定だという[10]

ユーロテムの設立[編集]

ロテムとトルコのTÜVASAŞの合弁で設立されたユーロテムは、アダバザウに工場を建設、サカリヤ州では最高速度352.4km/hのHSR-350Xをライセンス生産する予定。

アメリカ合衆国への鉄道車両供給[編集]

2008年5月28日には、日本の大手商社、双日の米国法人「双日米国会社」と共同で、マサチューセッツ湾交通局(Massachusetts Bay Transportation Authority、略称「MBTA」)から、新型の二階建て鉄道車両(客車)75両を総額190億円で受注した[11]。 納車予定は2010年末であったが、実際には2012年11月[12]であったことでMBTA側は苛立ちを募らせており[13]、安全面でも問題を抱えていることが明らかになった[14]。 2019年9月に二階建て客車を更に80両受注、その後100両の追加発注を受けたが、COVID-19蔓延の影響とはいえ、納入期限に再度遅延している[15]

ウクライナへの鉄道車両供給[編集]

2010年12月には2012年サッカー・欧州選手権の開催を控えるウクライナ鉄道から大会期間中の輸送増強を目的とした電車9連10編成を3億700万ドルで受注。2011年中に引き渡されたが、大会終了後の2012年冬に寒波による運行トラブルが続発している。現代ロテム側は冬季における試運転不足を認めた。(朝鮮語版の記述

軍用兵器[編集]

大韓民国陸軍の主力戦車である88戦車

関連項目[編集]

脚注[編集]

  1. ^ やまだトシヒデ『ポケット図解 韓国鉄道の今と昔をとことん楽しむ本』秀和システム、2012年、298頁。ISBN 978-4798032733 
  2. ^ ロテム、「現代ロテム」に社名変更(朝鮮日報日本語版、2007年11月16日)
  3. ^ (繁体字中国語)電聯車採購內幕追擊-自由時報
  4. ^ (繁体字中国語)台鐵標案前帳未清 韓商圖解套叩關-自由時報
  5. ^ 현대로템, 대만서 9098억 규모 전동차 사업 수주(現代ロテム、2018年6月4日)
  6. ^ インドに地下鉄240両を供給(朝鮮日報日本語版、2002年12月25日)
  7. ^ ロテム、トルコから軽便鉄道車両34両を受注(朝鮮日報日本語版、2005年8月2日)
  8. ^ ロテム、サンパウロの地下鉄車両を提供へ(朝鮮日報日本語版、2007年8月20日)
  9. ^ ロテム、無人自動運転車両をカナダへ初輸出(朝鮮日報日本語版、2007年11月5日)
  10. ^ ロテム、ニュージーランドに電車70両を輸出へ(朝鮮日報日本語版、2007年11月14日)
  11. ^ 双日グループ、韓国・現代ロテム社と共同で米国ボストン向け二階建て鉄道車両190億円で受注
  12. ^ The Trains Have Arrived: Commuter Rail Gets First Shipment of Bi-Level Vehicles
  13. ^ (英語)Medford MBTA chief in South Korea, still no assurances on train delivery
  14. ^ (英語)(朝鮮語)Hyundai Rotem blasted for sloppy handling of U.S. rail car project
  15. ^ "FMCB Approves the Procurement of 80 New Commuter Rail Bi-Level Coaches" (Press release). Massachusetts Bay Transportation Authority. 23 September 2019.

外部リンク[編集]