王輝嘉助

王輝嘉助
基礎情報
四股名 小池 一毅→王輝 嘉助
本名 小池 一毅
愛称 カズ、オーキ
生年月日 (1996-06-12) 1996年6月12日(27歳)
出身 日本の旗 日本新潟県岩船郡関川村
身長 185.0cm
体重 160.1kg
BMI 46.8
所属部屋 錣山部屋
成績
現在の番付 西三段目5枚目
最高位 東十両13枚目
生涯戦歴 225勝190敗34休(64場所)
データ
初土俵 2013年7月場所
備考
2024年3月24日現在

王輝 嘉助(おうき かすけ 、1996年6月12日 - )は、新潟県岩船郡関川村出身で、錣山部屋所属の現役大相撲力士。本名は小池 一毅(こいけ かずき)。身長185.0cm、体重160.1kg、血液型はA型[1]。最高位は東十両13枚目(2020年9月場所)。

来歴[編集]

父親は相撲の指導者、母親は柔道の指導者であり、相撲は3歳から、柔道は関川村立関小学校1年から始めた[2]。小学校4年次から6年次にかけてわんぱく相撲全国大会に3年連続で出場し、4年次は2位、5年次は16強、6年次は3位だった[1]。小学校卒業後は関川村立関川中学校に進学し、相撲部は無かったので柔道部に所属したが、新潟県立海洋高校相撲部総監督の田海哲也の誘いで中学2年次に柔道を辞めて相撲一本に専念することとし、9月から糸魚川市立能生中学校に転校した[2]。3年次には全国中学校相撲選手権大会で3位入賞(ちなみに、優勝は佐藤貴信(貴景勝)、2位は打越奎也(阿武咲)だった)[2]。中学卒業後は海洋高校に進学したが、在学中は左膝の故障に悩まされた[2]

2013年6月に、故障が続いて悶々と過ごしていた小池を見た田海の勧めにより[3]、田海と親交のある錣山親方(元関脇・寺尾)が師匠を務める錣山部屋を見学することになり、同部屋の名古屋場所宿舎に3日分の荷物を持って宿泊した。3日目になると突然錣山から呼び出しを受け、「どうするんだ」との質問に「はい」と答えて入門が決定し、同年7月場所で初土俵を踏んだ。[1][2]2016年1月場所で幕下に初めて昇進し、同年は三段目落ちを2度経験したが、2017年1月場所からはしばらく幕下の地位を維持していた。2018年11月場所では2年ぶりに三段目に陥落したが、1場所で幕下に復帰すると、2019年7月場所からは3場所連続で勝ち越し、同年11月場所からは幕下1桁台の番付に進出した。2020年7月場所[4]は西幕下2枚目の地位で5勝2敗とし、場所後の番付編成会議の結果、翌9月場所での新十両昇進が決定した。新十両会見では、師匠を超えることと、左四つの型を極めることを目標に掲げた[5]。しかしその9月場所は左腕を痛めた[6]影響もあり精彩を欠く相撲が続き、1度も勝てないまま15戦全敗を喫してしまった。十両での(関取としても)皆勤15戦全敗は2000年7月場所の星誕期以来[7]、新十両の場所では1場所15日制の定着した1949年5月場所以降で初の不名誉記録である。押尾川親方(元関脇・豪風)は「これをただの負けにしたらダメ。一つプラスの経験と捉えて、頑張って欲しい。人として男として、肉体的にも精神的にも強くなって帰ってきてほしい」と再起に期待している[6]

2022年7月場所は八番相撲を取った。この場所は東幕下13枚目で通常なら八番相撲が組まれることはほぼ有り得ないに等しいが、新型コロナウイルス感染に伴う休場力士が多く、千秋楽の関取の取組数を確保するために3人の幕下上位の力士に組まれる必要があったためである。この八番相撲は勝って3勝5敗の勝ち得。その後9月、11月場所ともに3勝3敗から7番相撲に勝ち2場所連続4勝3敗の勝ち越しで、2023年1月場所には東幕下16枚目まで番付を戻したものの、1月場所1番相撲(2日目)、15枚目付出デビュー戦となった落合との取組を欠場し不戦敗、そのまま場所終了まで休場すると、続く3月場所も全休で5月場所は三段目へ降格、5月場所も全休し、7月場所は序二段西6枚目に番付を下げたが同場所も全休した。

土俵に復帰したのは序二段西76枚目に番付を落とした9月場所で、同年初、5場所ぶりの出場を果たし、本割では7戦全勝としたが、優勝決定戦で安大翔に敗退し、序二段優勝はならなかった。

人物[編集]

  • 幼少期に相撲を続ける動機になったのは、帰りに回転寿司店へ連れて行ってもらえたことであり、小学生の頃には20皿を平らげたという[2]。入門時の新弟子アンケートでは、好きな食べ物という問いに「スシ(何でも)」(原文ママ)と回答している[1]。なお、プリンとコーヒーが苦手である[8]
  • 錣山部屋への入門が決まった頃のことについて、見学のつもりで名古屋場所の宿舎を訪問してそのまま初土俵を踏むことになったため、2019年のインタビュー記事では「展開が早すぎてよくわからなかった」と述懐している[2]
  • 王輝」の四股名は、師匠・錣山の好きな漫画『キングダム』の登場キャラクター・王騎に由来する。下の名の「嘉助」は実家の屋号である[8]。『相撲』2019年11月号「大銀杏が待っている」の見出しにおいて四股名を「王輝一毅」と誤記され[2]、ほどなくして本人もTwitterにおいて正しい四股名を周知するツイートを行った[9]。しかし2020年9月場所の番付発表の際にも、上越市および海洋高校の所在地である糸魚川市の地域紙「上越タイムス」・「糸魚川タイムス」において、同場所より下の名を「一毅」から「嘉助」に改めた、という誤った記載が紙面・電子版の両方でなされてしまった[10]
  • 小林信也の記事によると、王輝は「(見学に来いと)言われたとおり、ただ見に行くつもりで、3日分の荷物だけ持って名古屋に行ったんです。そしたら先輩はみんな優しくて、すごく居心地がよかった。稽古は厳しいけれど、普段の生活は楽しかった」と当時の部屋の雰囲気を語っているという。ネットを検索すると、王輝の誕生会の動画を見ることができ、蝋燭に火をともしたケーキが運ばれ、錣山親方が「おめでとう」と叫ぶシーンがある。20代錣山が師匠だった頃は、錣山部屋自体がひと昔前の相撲部屋のイメージとはほど遠い、和やかさで満ちている相撲部屋だった[3]

主な成績[編集]

2024年3月場所終了現在

通算成績[編集]

  • 通算成績:225勝190敗34休(64場所)
    • 十両成績:0勝15敗(1場所)

場所別成績[編集]

王輝 嘉助
一月場所
初場所(東京
三月場所
春場所(大阪
五月場所
夏場所(東京)
七月場所
名古屋場所(愛知
九月場所
秋場所(東京)
十一月場所
九州場所(福岡
2013年
(平成25年)
x x x (前相撲) 東序ノ口19枚目
6–1 
東序二段34枚目
5–2 
2014年
(平成26年)
東三段目98枚目
4–3 
西三段目78枚目
4–3 
西三段目62枚目
4–3 
東三段目46枚目
3–4 
西三段目64枚目
6–1 
東三段目9枚目
1–6 
2015年
(平成27年)
西三段目48枚目
3–4 
西三段目62枚目
5–2 
西三段目31枚目
4–3 
西三段目18枚目
4–3 
西三段目7枚目
3–4 
西三段目23枚目
5–2 
2016年
(平成28年)
東幕下59枚目
3–4 
西三段目11枚目
5–2 
東幕下52枚目
4–3 
東幕下42枚目
1–6 
西三段目7枚目
2–5 
東三段目32枚目
6–1 
2017年
(平成29年)
東幕下49枚目
4–3 
西幕下42枚目
3–4 
西幕下54枚目
4–3 
西幕下43枚目
4–3 
東幕下36枚目
5–2 
東幕下25枚目
3–4 
2018年
(平成30年)
西幕下32枚目
2–5 
西幕下53枚目
5–2 
東幕下37枚目
3–4 
西幕下42枚目
3–4 
東幕下52枚目
3–4 
西三段目5枚目
6–1 
2019年
(平成31年
/令和元年)
西幕下31枚目
3–4 
西幕下37枚目
5–2 
東幕下25枚目
3–4 
西幕下31枚目
6–1 
西幕下12枚目
4–3 
西幕下9枚目
5–2 
2020年
(令和2年)
東幕下3枚目
3–4 
東幕下7枚目
5–2 
感染症拡大
により中止
西幕下2枚目
5–2 
東十両13枚目
0–15 
東幕下13枚目
1–6 
2021年
(令和3年)
東幕下36枚目
5–2 
西幕下23枚目
5–2 
西幕下11枚目
4–3 
西幕下8枚目
3–4 
東幕下16枚目
4–3 
西幕下11枚目
3–4 
2022年
(令和4年)
東幕下19枚目
1–6 
東幕下46枚目
6–1 
東幕下17枚目
4–3 
東幕下13枚目
3–5 
東幕下22枚目
4–3 
西幕下20枚目
4–3 
2023年
(令和5年)
東幕下16枚目
0–1–6 
西幕下56枚目
休場
0–0–7
西三段目36枚目
休場
0–0–7
西序二段6枚目
休場
0–0–7
西序二段76枚目
7–0[注 1] 
東三段目73枚目
6–1 
2024年
(令和6年)
東三段目17枚目
4–3 
西三段目5枚目
休場
0–0–7
x x x x
各欄の数字は、「勝ち-負け-休場」を示す。    優勝 引退 休場 十両 幕下
三賞=敢闘賞、=殊勲賞、=技能賞     その他:=金星
番付階級幕内 - 十両 - 幕下 - 三段目 - 序二段 - 序ノ口
幕内序列横綱 - 大関 - 関脇 - 小結 - 前頭(「#数字」は各位内の序列)

改名歴[編集]

  • 小池 一毅(こいけ かずき)2013年7月場所 - 2015年5月場所
  • 王輝 嘉助(おうき かすけ)2015年7月場所 -

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ 安大翔と優勝決定戦

出典[編集]

  1. ^ a b c d 「名古屋場所全新弟子名鑑」『相撲』2013年8月号、ベースボール・マガジン社、113頁。 
  2. ^ a b c d e f g h 「大銀杏が待っている」『相撲』2019年11月号、ベースボール・マガジン社、71頁。 
  3. ^ a b 週刊新潮 2024年1月18日号
  4. ^ 本来であれば名古屋市愛知県体育館(ドルフィンズアリーナ)で行われる予定だったが、新型コロナ(COVID-19)の蔓延を防ぐため国技館での開催となった。
  5. ^ 王輝、目標は師匠超え 錣山親方と新十両会見」『日刊スポーツ』、2020年8月5日。2020年8月5日閲覧。
  6. ^ a b 王輝 新十両場所で15連敗 15日制以降では初めて」『スポーツ報知』、2020年9月27日。2020年9月27日閲覧。
  7. ^ 千秋楽が不戦敗のものも含めれば、2005年11月場所の燁司以来。
  8. ^ a b 「9月場所花の新十両データバンク」『相撲』2020年9月号、ベースボール・マガジン社、14頁。 
  9. ^ 王輝 嘉助(小池一毅) [@kazukisumo0612] (2019年10月31日). "しこ名 王輝 嘉助 本名 小池 一毅 王輝 一毅ではありません。 王輝 嘉助です! ※嘉助は重要!". X(旧Twitter)より2020年9月3日閲覧
  10. ^ 王輝、東十両13枚目に 序二段Vの竹岡は三段目 大相撲9月場所番付発表」『上越タイムス』上越タイムス社、2020年9月1日、16面。2020年9月24日閲覧。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]