架空

架空(かくう)とは、実在しない、存在しないということ。

概要[編集]

小説、映画、漫画、ゲームなどのうち、フィクションである作品について、物語を構成する要素の設定として、架空の人物、架空の物事、架空の場所、架空の事件などは多く使われる。

他には似た言葉として「劇中(げきちゅう)」という言葉があるが、これは「ある特定の物語(劇)の中にのみ存在する架空のもの」という意味を持ち、「劇中人物」、「劇中劇」などといった使われ方をする。

架空の意義[編集]

実在する物、場所などでは設定として都合が悪い、不十分な場合に使用される。例えば、『不思議の国のアリス』の「不思議な国」のように、架空でなければ物語を進められない重要な設定として使用される。

架空とはいっても実在する物や場所を参考にする場合もある。例としては、ミッキーマウスドラえもんなどが挙げられる。

一方で、著作権などの法律、実在する物の権利者や人物からのクレームといった問題を避けるため、実在する物、場所、人物などを出さずに架空の物で済ますといった側面も存在する。しかしこれを逆手にとって、ゴジラでは東京タワー新東京都庁舎といった実在する建造物を破壊することで話題性を持たせるといった事例もある。

架空のものの現実化[編集]

架空であるから当然存在しないわけだが、例えば、愛・地球博サツキとメイの家のように実際に作成されたり、「サンタクロース」のように協会が設立され、協会による認定が行われる例がある(詳細はサンタクロースの項を参照)。他には岡山県桃太郎のように、出身・発祥地で公式に認定され、広報や地場製品の販売など宣伝に使われる例もある。また日本では架空のキャラクターがそのモデルとされている実在の都市の知名度に貢献したなどの理由で住民登録をされ、特別に住民票を交付される例もある(いわゆる特別住民票)。クレヨンしんちゃん野原しんのすけ、および野原家)が埼玉県春日部市モリゾーとキッコロ愛知県瀬戸市の住民として登録されている。

他には、ある作品のファンがその作品に関連する場所で集まったりイベントを開催したりすることもある。例としては、ハリー・ポッターシリーズの発売記念にロンドンのキングス・クロス駅に多くのファンが集まることなどが挙げられる(巡礼 (通俗)フィルムツーリズム)。

黒歴史のように元々は架空の事象を指す言葉が転じて、実在の事象に対しても使われる例もある(この場合、「無かったことにしたいこと」、されていることの意味)。

関連項目[編集]