日本の電化路線の一覧

日本の在来線幹線鉄道網の模式図で、2017年時点の電圧と周波数の電化システムを示している。 新幹線や地下鉄およびその他の高速輸送網、そして私鉄は含まれていない。※ この地図にはエラーや単純化が含まれている可能性がありますので、適宜修正してください。

日本の電化路線の一覧(にほんのでんかろせんのいちらん)とは、日本国内に存在する、電力で電車電気機関車を運行させる鉄道路線の一覧を直流電化交流電化に分けて記載する。なお本記事の一覧はJR貨物の項及び以前は旅客路線であった海峡線をのぞき、定期旅客列車が運行されている路線・区間を対象とする(例えば、総武本線新金貨物線は直流電化、同越中島貨物支線非電化であるが、いずれも旅客列車が運行されていないため除外している[† 1])。また電化設備は車庫への入庫用のために電化された路線も除外する[† 2]

直流電化線[編集]

JR線[編集]

JR北海道管轄地域には直流電化路線はない。

JR東日本[編集]

JR東日本管轄地域では以下のエリアが直流電化を採用している。

路線 範囲 備考
東北本線 東京駅 - 黒磯駅
常磐線 日暮里駅 - 取手駅
仙石線 全線
日光線 全線
両毛線 全線
高崎線 全線
上越線 全線
吾妻線 全線
信越本線 全線
羽越本線 新津駅 - 村上駅 村上駅 - 間島駅にデッドセクションがある。以北は交流電化
白新線 全線
越後線 全線
弥彦線 全線
総武本線 全線 通称・中央・総武緩行線三鷹駅 - 御茶ノ水駅 - 千葉駅)も含む
東金線 全線
内房線 全線 国土地理院鹿野山測地観測所の近傍区間については、直直デッドセクション方式(通電区間を数km単位に細分化し、それぞれの通電区間に1変電所を設置。通電区間毎に絶縁する方式)による直流電化
外房線 全線
成田線 全線
鹿島線 全線
京葉線 全線
武蔵野線 全線
埼京線 全線
川越線 全線
中央本線 東京駅 - 塩尻駅
八高線 八王子駅 - 高麗川駅
青梅線 全線
五日市線 全線
大糸線 松本駅 - 南小谷駅 JR東日本管轄全駅
篠ノ井線 全線
東海道本線 東京駅ー熱海駅 JR東日本管轄全駅
横須賀線 全線
山手線 全線
南武線 全線 いわゆる南武支線を含む
鶴見線 全線
横浜線 全線
根岸線 全線
相模線 全線
伊東線 全線
水戸線 小山駅のみ 小山駅 - 小田林駅の間から交流電化

JR東海[編集]

JR東海管轄地域では以下のエリアが直流電化を採用している。

路線 範囲 備考
東海道本線 熱海駅 - 米原駅(本線)
大垣駅 - 美濃赤坂駅(美濃赤坂支線)
JR東海管轄全線
中央本線 名古屋駅 - 塩尻駅 いわゆる中央西線全線
御殿場線 全線
身延線 全線
飯田線 全線
武豊線 全線
関西本線 名古屋駅 - 亀山駅 JR東海管轄全線

JR西日本[編集]

JR西日本管轄地域では以下のエリアが直流電化を採用している。

路線 範囲 備考
東海道本線 米原駅 - 神戸駅 JR西日本管轄全駅
北陸本線 全線
湖西線 全線
七尾線 津幡駅を除く全線 津幡駅 - 中津幡駅にデッドセクションがある。以西は交流電化
小浜線 全線
関西本線 加茂駅 - JR難波駅
草津線 全線
奈良線 全線
片町線 全線
桜井線 全線
和歌山線 全線
阪和線 全線
関西空港線 全線
紀勢本線 和歌山市駅 - 新宮駅 JR西日本管轄全駅
おおさか東線 全線
大阪環状線 全線
桜島線 全線
JR東西線 全線
福知山線 全線
山陰本線 京都駅 - 城崎温泉駅
伯耆大山駅 - 西出雲駅
舞鶴線 全線
山陽本線 神戸駅 - 下関駅
兵庫駅 - 和田岬駅
JR西日本管轄全駅
加古川線 全線
播但線 姫路駅 - 寺前駅
赤穂線 全線
伯備線 全線
宇野線 全線
本四備讃線 茶屋町駅 - 児島駅 JR西日本管轄全駅
福塩線 福山駅 - 府中駅
呉線 全線
可部線 全線
宇部線 全線
小野田線 全線

JR四国[編集]

JR四国管轄地域では以下のエリアが直流電化を採用している。

路線 範囲 備考
本四備讃線 児島駅 - 宇多津駅 JR四国管轄全駅
予讃線 高松駅 - 伊予市駅
土讃線 多度津駅 - 琴平駅

JR九州[編集]

JR九州管轄地域では以下のエリアが直流電化を採用している。

路線 範囲 備考
山陽本線 下関駅 - 門司駅 関門トンネル九州側坑口付近にデッドセクションがあり、門司駅構内は下り貨物線の小倉方を除いて交流
筑肥線 姪浜駅 - 唐津駅
唐津線 唐津駅 - 西唐津駅

JR貨物[編集]

JR貨物では第一種鉄道事業者となっている路線が10線12区間あり[1]、以下の区間が直流電化されている。

路線 範囲
東海道本線貨物支線 吹田貨物ターミナル駅 - 大阪貨物ターミナル駅
関西本線貨物支線 平野駅 - 百済貨物ターミナル駅

私鉄・公営鉄道・第三セクター鉄道[編集]

大手私鉄・準大手私鉄では基本的に直流1500ボルトで電化されている。但し以下の路線及び鋼索線(ケーブルカー)を除く。

中小私鉄ではJRや大手私鉄との直通運転を考慮することやJRや大手私鉄から譲渡された車両を用いることで直流1500ボルトで電化された路線もあるが、経費削減のため直流600ボルトや直流750ボルトなどの低圧を用いる路線も多い。路面電車は基本的に直流600ボルトである。ただし首都圏新都市鉄道つくばエクスプレスみらい平駅 - つくば駅間は、茨城県石岡市柿岡にある気象庁地磁気観測所での地磁気観測への影響回避のため、交流20000ボルト50ヘルツ(守谷駅 - みらい平駅に交流区間とのデッドセクションがある。)であり、JRの交流電化区間と直通運転を行う鉄道[† 3]及びJRの交流電化路線を引き継いだ第三セクター鉄道以外では唯一、交流電化されている。

地下鉄では地上を走る郊外電車と直通運転を行う路線は基本的に直流1500ボルトで電化され、第三軌条方式を使用する路線は直流600ボルトまたは直流750ボルトの低圧を使用する。

交流電化線[編集]

JR在来線(単相交流2万5千ボルト50ヘルツ)[編集]

JR北海道[編集]

新幹線を除き、JR北海道管轄地域では以下のエリアが交流2万5千ボルト・50ヘルツによる電化を採用している。

路線 範囲 備考
海峡線 新中小国信号場 - 木古内駅
  • 定期旅客列車の設定なし。JR貨物の貨物列車のみ電気運転
  • 新中小国信号場の青森方に交流2万ボルト区間とのデッドセクションがある

新幹線を除き、その他の会社には、交流2万5千ボルト・50ヘルツによる交流電化路線はない。

JR在来線(交流2万ボルト50ヘルツ)[編集]

JR北海道[編集]

新幹線を除き、JR北海道管轄地域では以下のエリアが交流2万ボルト・50ヘルツによる電化を採用している。

路線 範囲 備考
函館本線 函館駅 - 新函館北斗駅
小樽駅 - 旭川駅
宗谷本線 旭川駅 - 旭川運転所 旭川運転所は北旭川貨物駅に隣接
千歳線 全線 支線(空港線)を含む
室蘭本線 室蘭駅 - 沼ノ端駅
海峡線 中小国駅 - 新中小国信号場
札沼線 全線

JR東日本[編集]

新幹線を除き、JR東日本管轄地域では以下のエリアが交流電化を採用している。

路線 範囲 備考
津軽線 青森駅 - 新中小国信号場
東北本線 高久駅 - 盛岡駅 黒磯駅 - 高久駅に直流区間とのデッドセクションがある
田沢湖線 全線
奥羽本線 全線
羽越本線 間島駅 - 秋田駅 村上駅 - 間島駅に直流区間とのデッドセクションがある
仙山線 全線
磐越西線 郡山駅 - 喜多方駅 2022年3月のダイヤ改正から会津若松駅 - 喜多方駅間はディーゼルカーによる運行[2]
常磐線 藤代駅 - 岩沼駅 取手駅 - 藤代駅に直流区間とのデッドセクションがある
水戸線 小山駅 - 友部駅 小山駅 - 小田林駅に直流区間とのデッドセクションがある

その他の会社には、交流2万ボルト・50ヘルツによる交流電化路線はない。

JR在来線(単相交流2万ボルト60ヘルツ)[編集]

JR西日本[編集]

新幹線を除き、JR西日本管轄地域では以下のエリアが交流電化を採用している。

路線 範囲 備考
七尾線 津幡駅 - 中津幡駅 IRいしかわ鉄道と分岐した直後に直流区間とのデッドセクションがある

JR九州[編集]

新幹線を除き、JR九州管轄地域では以下のエリアが交流電化を採用している。

路線 範囲 備考
鹿児島本線 全線 山陽本線が合流する門司駅構内に直流区間とのデッドセクションがある
筑豊本線 折尾駅 - 桂川駅
篠栗線 全線
長崎本線 鳥栖駅 - 肥前浜駅 2022年秋の西九州新幹線部分開業による経営(上下分離方式)移管により、肥前浜駅 - 長崎駅間の電化設備を撤去。
佐世保線 全線
大村線 早岐駅 - ハウステンボス駅
豊肥本線 熊本駅 - 肥後大津駅
日豊本線 全線
日南線 南宮崎駅 - 田吉駅
宮崎空港線 全線

JR貨物[編集]

JR貨物の第一種鉄道事業区間は以下の通りである。

路線 範囲
鹿児島本線博多臨港線(貨物支線) 香椎駅 - 福岡貨物ターミナル駅

その他の会社には、単相交流2万ボルト・60ヘルツによる交流電化路線はない。

JR新幹線(単相交流2万5千ボルト)[編集]

路線 範囲 周波数
北海道新幹線 全線 50ヘルツ
東北新幹線 全線 50ヘルツ
上越新幹線 全線 50ヘルツ
北陸新幹線 全線 軽井沢駅(50ヘルツ) - 佐久平駅(60ヘルツ)、上越妙高駅(60ヘルツ) - 糸魚川駅(50ヘルツ)、
糸魚川駅(50ヘルツ) - 黒部宇奈月温泉駅(60ヘルツ)で切り替えを行う
東海道新幹線 全線 60ヘルツ
山陽新幹線 全線 60ヘルツ
九州新幹線 全線 60ヘルツ

※新在直通の秋田新幹線は東北新幹線盛岡駅、山形新幹線は東北新幹線福島駅より在来線に分岐する連絡線上に交流2万5千ボルトと交流2万ボルトのデッドセクションがある。

私鉄・第三セクター・公営[編集]

単相2万5千ボルト50ヘルツの路線

路線 範囲
道南いさりび鉄道線 木古内駅付近

単相2万ボルト50ヘルツの路線

路線 範囲 備考
道南いさりび鉄道 木古内駅付近を除く全線 木古内駅の五稜郭方に2万5千ボルト区間とのデッドセクションがある。
旅客列車はすべてディーゼルカー。JR貨物の貨物列車のみ電気運転
青い森鉄道線 全線
IGRいわて銀河鉄道
いわて銀河鉄道線
全線
仙台空港鉄道仙台空港線 全線
阿武隈急行線 全線
首都圏新都市鉄道
つくばエクスプレス
みらい平駅 - つくば駅 守谷駅 - みらい平駅に直流区間とのデッドセクションがある(デッドセクション以南は直流1500ボルト)

単相2万ボルト60ヘルツの路線

路線 範囲 備考
ハピラインふくい線 南今庄駅 - 大聖寺駅 敦賀駅 - 南今庄駅間の北陸トンネル入口(敦賀駅側)に直流区間とのデッドセクションがある
IRいしかわ鉄道線 全線
あいの風とやま鉄道線 全線
えちごトキめき鉄道
日本海ひすいライン
市振駅 - 糸魚川駅 えちご押上ひすい海岸駅 - 梶屋敷駅に直流区間とのデッドセクションがある。
旅客列車はすべてディーゼルカー。JR貨物の貨物列車およびJR東日本・あいの風とやま鉄道の旅客列車のみ電気運転
肥薩おれんじ鉄道線 全線 旅客列車はすべてディーゼルカー。JR貨物の貨物列車のみ電気運転

三相600ボルト50ヘルツの路線

路線 範囲 備考
埼玉新都市交通伊奈線 (ニューシャトル) 全線
東京都交通局日暮里・舎人ライナー 全線
ゆりかもめ東京臨海新交通臨海線 (ゆりかもめ) 全線

三相600ボルト60ヘルツの路線

路線 範囲 備考
Osaka Metro南港ポートタウン線 (ニュートラム) 全線
神戸新交通ポートアイランド線 (ポートライナー) 全線
神戸新交通六甲アイランド線 (六甲ライナー) 全線

直流電化から交流電化に変更された例[編集]

門司駅構内
1962(昭和37)年。前年の門司港駅 - 久留米駅の交流電化で直流と交流が並存していたが同駅と関門トンネル九州側との間のデッドセクションで構内は交流化(下り貨物線のみ構内小倉寄りにデッドセクションがある)
仙山線(作並駅 - 羽前千歳駅
奥羽本線(福島駅 - 米沢駅山形駅 - 羽前千歳駅)
いずれも1968(昭和43)年

交流電化から直流電化に変更された例[編集]

北陸本線(田村駅 - 長浜駅
1991(平成3)年 坂田駅 - 田村駅間にあったデッドセクションを長浜駅 - 虎姫駅間に移設。
北陸本線(長浜駅 - 敦賀駅)
2006(平成18)年 長浜駅 - 虎姫駅間にあったデッドセクションを敦賀駅 - 南今庄駅間の北陸トンネル敦賀側に移設。
湖西線永原駅 - 近江塩津駅
2006(平成18)年 北陸本線のデッドセクション移設に伴い同区間にあったデッドセクションは廃止。
黒磯駅構内
2018(平成30)年 構内に直流と交流を切り替える設備を有していたが全面直流化。黒磯駅 - 高久駅にデッドセクションを新設。

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ 新金貨物線及び越中島貨物支線はJR東日本第一種鉄道事業者であり、JR貨物が第一種鉄道事業者ではない。
  2. ^ 例:宗谷本線旭川駅 - 新旭川駅間、境線米子駅 - 後藤駅間、豊肥本線大分駅 - 下郡信号場間など。
  3. ^ 阿武隈急行線仙台空港鉄道仙台空港線が該当。

出典[編集]

  1. ^ 2016年3月現在、『2016貨物時刻表』公益社団法人鉄道貨物協会、2016年3月、213頁
  2. ^ 2022年3月ダイヤ改正について』(PDF)(プレスリリース)JR東日本 仙台支社、2021年12月17日。 オリジナルの2021年12月17日時点におけるアーカイブhttps://web.archive.org/web/20211217064304/https://www.jreast.co.jp/press/2021/sendai/20211217_s01.pdf2021年12月17日閲覧 

関連項目[編集]