役の行者

役の行者』(えんのぎょうしゃ)は、坪内逍遥作の戯曲1913年に初稿ができたが出版されず、1916年に改稿版の『女魔人』が出版され、これが1917年に再び『役の行者』と改名され出版された。劇としての初演は1926年大正15年)であり、小山内薫演出により築地小劇場で上演された[1]

修験道開祖役の行者小角を描いた作品。

主な登場人物[編集]

  • 行者
  • 広足(ひろたり):行者の弟子
  • 行者の母
  • 一言主(ひとことぬし)

構成[編集]

  • 第1幕
    • 第1場 山村路
    • 第2場 山麓の一軒家
  • 第2幕
    • 第1場 大峰林中
    • 第2場 西谷の魔所
  • 第3幕
    • 第1場 大峰の山中
    • 第2場 山上ヶ嶽の岩窟

設定[編集]

一言主と女怪という荒神が、悪さをして人々を困らせていたが、行者によってその力を封印されていた。行者の母が、息子を訪ねてくる。途中で立ち寄った家では、荒神と行者の伝説を、村人が娘らに聞かせているところだった。そこに行者の弟子、広足が気絶したまま運ばれてくる。事態は思わぬ方向に。

出典[編集]

  1. ^ 岩波文庫3782『役の行者』解説 河竹繁俊