広島電鉄宇品線

広島電鉄 宇品線
広島港電停付近を走行する1900形
広島港電停付近を走行する1900形
基本情報
日本の旗 日本
所在地 広島市
起点 紙屋町停留場
終点 広島港停留場
停留所数 19
開業 1912年11月23日
運営者 広島電鉄
路線諸元
路線距離 5.9 km
軌間 1,435 mm
線路数 複線
電化方式 直流600V 架空電車線方式
最高速度 40 km/h
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電停・施設・接続路線
utBHF
アストラムライン↓/県庁前駅
uBHFq uABZq+lr utKRZ uBHFq
0.0 M9 紙屋町西停留場・紙屋町東停留場 /←本線
uBHF utKBHFe
0.2 U1 本通停留場 本通駅
uBHF
0.5 U2 袋町停留場
uBHF
0.8 U3 中電前停留場
uBHF
1.1 U4 市役所前停留場
uBHF
1.5 U5 鷹野橋停留場
uBHF
1.7 U6 日赤病院前停留場
uABZgl uKDSTeq
千田車庫広島電鉄本社
uBHF
2.1 U7 広電本社前停留場
uÜST
折り返し設備(片渡り線)
uBHF
2.3 U8 御幸橋停留場
uWBRÜCKE1
御幸橋 京橋川
uSTR uSTR+1
皆実線
uSTR
H9 皆実町六丁目停留場
uSTRl
uABZgr+r
2.8 U9 皆実町六丁目停留場
uBHF
3.2 U10 広大附属学校前停留場
uBHF
3.5 U11 県病院前停留場
uBHF
3.8 U12 宇品二丁目停留場
uÜST
折り返し設備(片渡り線)
uBHF
4.0 U13 宇品三丁目停留場
uBHF
4.4 U14 宇品四丁目停留場
uBHF
4.7 U15 宇品五丁目停留場
uBHF
5.1 U16 海岸通停留場
uÜST
折り返し設備(片渡り線)
uSTR+l uBHFq uSTRr
5.4 U17 元宇品口停留場
uKBHFe BOOT
5.9 U18 広島港停留場 広島港旅客ターミナル
1930年頃(昭和初頭)の広島市の地図 / この図では広電宇品線が旧線の位置(現在より西の通りに位置し、向宇品口から東に曲がっている)で示されている
1930年頃(昭和初頭)の広島市の地図 / この図では広電宇品線が旧線の位置(現在より西の通りに位置し、向宇品口から東に曲がっている)で示されている
1945年アメリカ軍作成の広島市地図 / 戦前の宇品通りルート
1945年アメリカ軍作成の広島市地図 / 戦前の宇品通りルート

宇品線(うじなせん)は、広島電鉄が保有する軌道路線である。

本線から分岐し、広島市の中心業務地区である紙屋町広島港を結ぶ路線である。鯉城通り(国道54号)・千田通り(広島県道243号広島港線)・宇品通り(国道487号)に設けられた併用軌道と、広島港付近では広島南道路および臨港道路に並行する専用軌道を走行する。

途中の広電本社前に車庫(千田車庫)があり、広電本社前始発終着となる電車も多い。宇品三丁目から宇品五丁目安全地帯が短い電停[1]があり、連接車(3両、5両編成の車両)ではドアがホームにかからない車両がある。

路線データ[編集]

  • 路線距離(営業キロ):5.9km
  • 軌間:1435mm
  • 電停数:19(起終点含む。紙屋町西・紙屋町東は同一電停として計上)
  • 複線区間:全線
  • 電化区間:全線(直流600V)

運行形態[編集]

市内線8系統のうち4系統が乗り入れる。全線を直通するのは基本的に1号線と7号線で、3号線は朝と夕方以降のみ運行の日赤病院前または広電本社前折り返し、5号線は皆実町六丁目で接続する皆実線直通となっている。

このほか、「0号」の電車として、日赤病院前や広電本社前発着の電車(基本的に千田車庫への入出庫電車)が存在する。

歴史[編集]

  • 1912年大正元年)11月23日 紙屋町 - 鷹野橋 - 御幸橋西詰(現在の御幸橋)間が開業。当時は紙屋町 - 鷹野橋を「西塔川線」、鷹野橋 - 御幸橋西詰を「御幸橋線」と呼んでいた。
  • 1915年(大正4年)4月8日 御幸橋東詰(のちの専売局前、現在の皆実町六丁目付近) - 宇品終点(現在の海岸通付近)間が開業。現在のルートとは異なり、宇品地区西側の堤防沿いを通るルートであった(堤防下線)。御幸橋西詰 - 御幸橋東詰間は徒歩連絡。
  • 1919年(大正8年)5月25日 御幸橋電車専用橋が開通し[2]、御幸橋西詰 - 専売局前間が開業。徒歩連絡解消。
  • 1935年昭和10年)12月27日 専売局前 - 宇品終点間が廃止され、宇品通りを通る皆実町(現在の皆実町六丁目) - 向宇品口(現在の元宇品口)間の現在のルートに切り替え。
  • 1945年(昭和20年)
  • 1946年(昭和21年)1月7日 本線宇品線の直通運転を開始。
  • 1951年(昭和26年)4月1日 向宇品口 - 宇品(初代)間が開業。
  • 1958年(昭和33年)6月20日 午前ラッシュ時に宇品十三丁目(現在の宇品二丁目) - 草津(宮島線)間で直通運転開始。
  • 1967年(昭和42年)10月1日 宇品電停(2代目)移転。0.2km延長。
  • 1968年(昭和43年)6月1日 1号線宇品 - 広島駅前、2号線広島駅前 - 己斐、3号線己斐 - 宇品を循環式からピストン運行に変更。
  • 1999年平成11年)この年のダイヤ改正で1号線・3号線の午前ラッシュ時の単車の車掌乗務がなくなる。
  • 2001年(平成13年)
    • 4月10日 広島駅前 - 本通間の運賃を期間限定で120円に値下げ(当初の半年間の予定を1年間に延長し2002年(平成14年)4月9日まで実施された)。
    • 11月1日 広島大学前・向宇品口・宇品電停の名称をそれぞれ日赤病院前・元宇品口・広島港に、東西に存在した紙屋町電停の案内上の名称を紙屋町西・紙屋町東に変更。
  • 2002年(平成14年)8月31日 宇品五丁目 - 海岸通間の競輪場入口電停を廃止し、海岸通電停を0.1km宇品五丁目寄りに移転。
  • 2003年(平成15年)
    • 3月29日 広島港電停(3代目・現在の電停)移転。0.2km延長。
    • 4月20日 横川駅 - 広電本社前間の7号線運行開始。平日午前ラッシュ時の宮島線からの宇品二丁目行きが広島港まで延伸され、折り返し運行として広島港発広電宮島口行きを運行開始。
  • 2009年(平成21年)10月26日 ダイヤ改正により、平日午前ラッシュ時の宮島線からの日赤病院前行き、平日午前中の広島港発宮島口行き、平日夕方の広電本社前発広電宮島口行きが廃止となる(宮島線からの直通電車の折り返し運行は広電西広島までに短縮された)。
  • 2013年(平成25年)11月11日 ダイヤ改正により、平日午前ラッシュ時の宮島線から広島港までの直通電車がなくなる。
  • 2023年(令和5年)
    • 7月24日 ダイヤ改正により、7号線が広島港まで延長、3号線を朝と夕方以降のみの運行として日赤病院前または広電本社前折り返しとする[3]
    • 8月28日 1号線の広電本社前 - 広島港間における一部の連接車両でのワンマン運転を開始[4]

今後の予定[編集]

2019年4月、広島市南区出島地区で造成中の埋め立て地への路線延伸計画が報道された[5]。現在宇品線の終点である広島港駅から広島市立広島特別支援学校南側に広がる埋め立て地まで1.2kmの区間を延長し、新たな終点には車両基地が建設される予定である。造成の完了する2024年度以降の着工を見込んでいる。

電停一覧[編集]

全電停とも広島県広島市内に所在。

現在[編集]

番号 電停名 駅間
キロ
営業
キロ
系統 接続路線 所在地
M9 紙屋町東停留場 - 0.0 0 1 広島電鉄:本線
広島高速交通:アストラムライン県庁前駅
中区
紙屋町西停留場 0 3 7
U1 本通停留場 0.2 0.2 1 広島高速交通:アストラムライン(本通駅
U2 袋町停留場 0.3 0.5  
U3 中電前停留場 0.3 0.8  
U4 市役所前停留場 0.3 1.1  
U5 鷹野橋停留場 0.4 1.5  
U6 日赤病院前停留場 0.2 1.7  
U7 広電本社前停留場 0.4 2.1  
U8 御幸橋停留場 0.2 2.3  
U9 皆実町六丁目停留場 0.5 2.8 5 広島電鉄:皆実線 (H9) 南区
U10 広大附属学校前停留場 0.3 3.2  
U11 県病院前停留場 0.3 3.5  
U12 宇品二丁目停留場 0.3 3.8  
U13 宇品三丁目停留場 0.2 4.0  
U14 宇品四丁目停留場 0.4 4.4  
U15 宇品五丁目停留場 0.2 4.7  
U16 海岸通停留場 0.5 5.1  
U17 元宇品口停留場 0.3 5.4  
U18 広島港停留場 0.5 5.9  

旧線時代[編集]

すべて名称は開業時のもの

(御幸橋まで省略) 御幸橋 - 御幸橋(東詰) - 糧秣支廠北裏門 - 糧秣支廠西裏門 - 西土手五丁目 - 向宇品口 - 御幸松 - 宇品

脚注[編集]

  1. ^ 広島電鉄では路面電車は「電停」と呼称し、鉄道線である宮島線は「駅」と呼称。
  2. ^ 広島電鉄. “広電100年のあゆみ”. 2012年6月4日閲覧。
  3. ^ 7/24(月) 宮島線・市内線のダイヤ改正を実施します”. 広島電鉄 (2023年7月11日). 2023年7月26日閲覧。
  4. ^ 1号線の一部の連接車両においてワンマン運行を開始します”. 広島電鉄 (2023年8月10日). 2023年8月22日閲覧。
  5. ^ 広電、出島地区へ軌道延伸へ”. 中国新聞 (2019年4月27日). 2019年4月27日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年4月27日閲覧。

参考文献[編集]

  • 長船友則著『広電が走る町 今昔』(JTBパブリッシング) ISBN 4-533-05986-4

関連項目[編集]

外部リンク[編集]