年齢調整死亡率

年齢調整死亡率(ねんれいちょうせいしぼうりつ、Age-adjusted Mortality Rate)とは、観察集団と基準集団の年齢構成の違いを考慮して補正した死亡率

厚生労働省統計では昭和60年の年齢構成を基準集団としている。 (詳細は以下)

定義[編集]

基準母集団はk個の年齢階級 各階級の年齢別人口は

観察集団の年齢階級別死亡率を

年齢調整死亡率=

実際の計算方法[編集]

年齢構成の異なる集団で単純に死亡率で死亡状況の比較はできない。理由は、高齢者の多い集団では観測する死亡者は多く、若年層が多い集団では観測する死亡者は少ないからである。

以下に簡単に計算方法を示す。(紙面の関係で4階級の年齢の例とするが、階級数が増えても同様である。)

年齢階級 基準集団 観察集団
人口 死亡数 調整された死亡数() 人口 死亡数 死亡率()
40歳未満 80000 80 80000×2/1000=160 3000 6 6÷3000=2/1000
40歳―64歳 80000 160 80000×1/1000=80 6000 6 6/6000=1/1000
65歳以上 40000 160 40000×2/1000=80 9000 18 18/9000=2/1000
合計 200000 400 160+80+80=320 18000 30
  1. 観察集団の死亡率を計算する
    2/10001/10002/1000
  2. 観察集団の死亡率をもとに、基準母集団での各階級での調整された死亡数を計算する
    160,80 ,80
  3. 基準母集団での各階級での調整された死亡数の合計を計算する
    160+80+80= 320

よって10万人あたりの年齢調整死亡率=

関連[編集]

この観察母集団の標準化死亡比は31/51であり、基準集団の死亡率(10万人あたり)は400/200000×100000=200である。ここで以下の式に代入すれば(間接法)

観察集団の年齢調整死亡率=基準集団の死亡率×観察集団の標準化死亡比

200×31/51≒120

を得る。これは直接法で求めた観察集団の年齢調整死亡率=160と比較するとそう良い近似を与えていない。

基準人口[編集]

昭和60年モデル人口と平成24年10月1日の日本人人口を示す。

ただし、昭和60年モデル人口は、昭和60年国勢調査人口を基礎にベビーブームなどの極端な増減を補正し、四捨五入によって1000人単位としたもの。

年齢階級 基準人口(人) 年齢階級 基準人口(人)
0 ~ 4 歳 8 180 000 50 ~ 54歳 7 616 000
5 ~ 9 8 338 000 55 ~ 59 6 581 000
10 ~ 14 8 497 000 60 ~ 64 5 546 000
15 ~ 19 8 655 000 65 ~ 69 4 511 000
20 ~ 24 8 814 000 70 ~ 74 3 476 000
25 ~ 29 8 972 000 75 ~ 79 2 441 000
30 ~ 34 9 130 000 80 ~ 84 1 406 000
35 ~ 39 9 289 000 85歳以上 784 000
40 ~ 44 9 400 000    
45 ~ 49 8 651 000 総数 120 287 000
平成24年10月1日人口と昭和60年基準人口モデル

外部リンク[編集]