安達瑶

安達 瑶
ペンネーム 安達 瑶
職業 小説家
日本推理作家協会会員[1]
言語 日本の旗 日本
活動期間 1994年 -
ジャンル 官能小説サスペンスSF冒険小説時代小説
主題 SFからSMまで[1]
代表作 『悪漢刑事(わるデカ)』シリーズ[要出典]
主な受賞歴 無し
デビュー作 『令嬢姉妹 完全飼育』
公式サイト 公式ウェブサイトLittle Information
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左から安達O(男)、安達B(女)
(2015年5月16日撮影)
芦川淳一 公表[2]

安達 瑶(あだち よう)は、男女2人合作の小説家フェミニスト。初期に官能小説を多作した。日本推理作家協会会員。「安達」とも。

経歴[編集]

官能小説令嬢姉妹 完全飼育』で1994年にデビューした。受賞歴は無い。それぞれ単独では「安達O」(男)、「安達B」(女)と名乗る[注釈 1]。書籍の中には「安達」の表記もある[4]

安達Oは横須賀市生まれ・徳島県育ち[5]日本大学芸術学部映画学科出身。誕生日は9月23日と公表している[6]。『おはん』から『つる -鶴-』まで中断をはさみながら[7]市川崑助監督[注釈 2]を務めた[9]。その後、のちの安達Bとインターネットで知り合い、1994年9月のデビューにつながり、その後は作家専業となった[7][1]。以後、官能小説を多作した。

安達Bは女性で、東京在住、覆面作家志望とする[3]。Bによると、デビュー当初は、書評家大森望から『別冊宝島』で、「(ほんとかウソか知らないけど)男女の合作チームのペンネーム」と書かれ、冗談で実在を疑われた(当初はおとなしかった)という[10]。また、Bは2009年に『140字の物語 : Twitter小説集 : #twnovel』を他の複数の作家らと共著した[11]

デビューした時は官能であり、そのうえ男女合作ということで、完全にイロモノ(色物)、キワモノ(際物)扱いだった旨を安達Oは回顧する[12]

2007年3月、ネットでのオンライン出版会社「でじたる書房」で販売中の高校生の作品に、安達が著した官能小説とタイトルも中身もまったく同じものという盗作が判明し、また、でじたる書房と高校生とが連絡が取れなくなったことにより、安達は自力で情報を収集し盗作者を突き止めたところ、本当に高校生であり、示談とした[13]

2015年に作家デビュー20周年を迎えたと発表した[14]。また、Oは、合作には苦労はあるが、Oの師匠の映画監督市川崑の、映画撮影で昨日と今日とで言うことが180度違うことよりは楽であるとした[12]

作風・評価[編集]

「SFからSMまで」をモットーとしている[15][1]。また、「ポルノ作家」を自称したり[3]、「両性具有のポルノ作家」を自称した[16]。初期に官能小説を量産し、後にサスペンス、SF、冒険、時代小説も書いた。2008年から『悪漢刑事(わるデカ)』をはじめとする警察小説のような広義のミステリーも著した。

安達が2001年に官能小説以外で初めて書いた普通の小説『ざ・だぶる』を文芸評論家野崎六助は「劇画調サスペンスとして快調に読ませる」と評価し、善人と悪人の人格を持つ「交替性二重人格」の登場人物を用いた展開のさせ方が「面白い」とした[15]。「官能系のサービス」と「軽薄さ」もあると評した[15]

交友関係[編集]

  • 映画学科で安達Oの同期だった人物にアニメ監督の片淵須直がいる。学生時代のOが製作した映画で片淵に大道具装飾などをしてもらった[9]
  • 快楽亭ブラックのボイス・ブログ『(ほぼ)月刊快楽亭ブラック』に録音で協力[17][18]

主な著作[編集]

  • タイトルの後に、「背・表紙の書名」又は読みを記した。
  • (官能小説) - 著者本人が官能小説と分類した書籍。
  • (18禁) - 著者本人が一般小説と分類した書籍のうち、Amazon.co.jp が18禁とする書籍。
1994年
1995年
  • 「美姉妹 秘蜜交姦」(Bishimai himitsu kokan) - グリーンドア文庫(官能小説)ISBN 978-4766921410
  • 「肛交教師 恥辱授業」(Kokokyoshi chijokujugyo) - グリーンドア文庫(官能小説)ISBN 978-4766921908
  • 「輪姦 美母の汗臭(におい): 熟れた下半身解剖」(Rape-kids) - 二見書房・マドンナメイト文庫(官能小説)ISBN 978-4576951379
  • 「美囚 邪淫の餌食」(Bisyu jain no eziki) - グリーンドア文庫(官能小説)ISBN 978-4766923360
1996年
  • 「調教妻 復讐の凌辱」(Chokyozuma fukushu no ryojoku) - グリーンドア文庫(官能小説)ISBN 978-4766924114
  • 「派遣社員生贄OL」 - 蒼竜社・ソウリュウノベルス(官能小説)ISBN 978-4915483516
  • 「美囚・麻耶 集団凌辱」(Bishu・Maya shudanryojoku) - グリーンドア文庫(官能小説)ISBN 978-4766924725
  • 「強制ブルセラ 剥かれた制服」(Kyoseiburusera mukaretaseifuku) - グリーンドア文庫(官能小説)ISBN 978-4766925449
  • 「淫獣の『餌食(えさ)』」(Back scuttle) - マドンナメイト文庫(官能小説)ISBN 4576961624
  • 「悦虐OL 肉ひだ営業」 - ソウリュウノベルス(官能小説)ISBN 978-4915483677
1997年
  • 「美姉妹 欲情の館」(Bishimai yokujonoyakata) - グリーンドア文庫(官能小説)ISBN 978-4766926514
  • 「牝獣の『肉檻(おり)』」(Beauty and beast) - マドンナメイト文庫(官能小説)ISBN 4576970526
  • 「淫交二重奏 女子高生と母 」(Inkounijuso) - グリーンドア文庫(官能小説)ISBN 978-4766927160
  • 「美人リポーター かいかん生放送」 - ソウリュウノベルス(官能小説)ISBN 978-4915483813
  • 「女子高生 淫辱の美囚」 - グリーンドア文庫(官能小説)ISBN 978-4766928280
1998年
1999年
  • 「狂悦の美少女レイプ」 - グリーンドア文庫(官能小説)ISBN 978-4766931853
  • 「美肉の淫惑 : お姉さまはテクニシャン」 - マドンナメイト文庫(官能小説)ISBN 978-4576990910
  • 「三人姉妹の甘い蜜」 - グリーンドア文庫(官能小説)ISBN 978-4766932492
  • 「巨乳少女のいたずらな制服」 - グリーンドア文庫(官能小説)ISBN 978-4766933505
2000年
  • 「女体遍歴人 : へいせい舞踏会の手帳」(連作短編集) - 宙出版(官能小説)ISBN 978-4872878035
  • 「生贄姉妹 : 囚われの肉欲ペット」 - マドンナメイト文庫(官能小説)ISBN 4576005499
  • 「委員長は淫虐美少女」 - グリーンドア文庫(官能小説)ISBN 978-4766934922
  • 「凌辱学園 転校生・志織は肉奴隷」 - マドンナメイト文庫(官能小説)ISBN 978-4576007090
2001年
  • 「ブルマー少女の誘惑淫戯」 - グリーンドア文庫(官能小説)ISBN 978-4766937169
  • 「美少女解剖病棟 淫虐の肉玩具」 - マドンナメイト文庫(官能小説)ISBN 4576010220
  • 「美少女飼育日記」 - グリーンドア文庫(官能小説)ISBN 978-4766938579
  • 「完全凌辱計画! : 穢された美肉」 - マドンナメイト文庫(官能小説)ISBN 4576011332
  • 「ざ・だぶる : 長編サスペンス+エロス」 - 祥伝社・祥伝社文庫
2002年
2003年
  • 「女教師・美沙子 : 教え子に囚われて…」 - マドンナメイト文庫(官能小説)ISBN 4576030248
  • 「派遣の女 : 特選官能ロマン」(短編集) - コスミック出版・コスミック・ロマン文庫(官能小説)ISBN 978-4774707105
  • 「女教師と少女 監禁飼育」 - マドンナメイト文庫(官能小説)ISBN 978-4576031620
  • 「ざ・れいぷ : 長編ハード・サスペンス」 - 祥伝社文庫 ISBN 4396330960
  • 「は・れ・ん・ち」(ビジネスマン・エロス) - 徳間文庫 ISBN 419891981X
2004年
2005年
  • 「人妻26歳は現役女子校生」 - マドンナメイト文庫(官能小説)ISBN 978-4576050089
  • 「愛の道化師」(短編集) - 太田出版・太田新書(官能小説)ISBN 978-4778301019
  • 「監禁 僕が拉致した女たち」 - マドンナメイト文庫(官能小説)ISBN 978-4576051963
  • 「し・た・た・り」 - 徳間文庫
2006年
  • 「美少女ペット育成女学院」 - マドンナメイト文庫(官能小説)ISBN 978-4576061559
2007年
  • 「お・し・お・き」 - 徳間文庫
  • 「危な絵のおんな : 南蛮侍妖かし帖」 - KKベストセラーズ・ベスト時代文庫
  • 「淫らからくり : 南蛮侍妖かし帖」 - ベスト時代文庫
2008年
  • 「悪漢刑事(わるデカ) : 長編サスペンス」 - 祥伝社文庫
  • 「悪漢刑事、再び : 長編サスペンス」 - 祥伝社文庫
  • 「いけにえ人形 : 南蛮侍妖かし帖」 - ベスト時代文庫
2009年
  • 「色悪党」 - 徳間文庫
  • 「警官(サツ)狩り : 悪漢刑事 : 長編サスペンス」 - 祥伝社文庫
  • 「禁断の報酬 : 悪漢刑事 : 長編サスペンス」 - 祥伝社文庫
  • 「悪同心、吠える! : 大江矢十郎無頼帖」 - 学習研究社・学研M文庫
2010年
  • 「美女消失 : 悪漢刑事」 - 祥伝社文庫
  • 「餌食 : 裏探偵・涼次」 - 光文社・光文社文庫
  • 「消された過去 : 悪漢刑事」 - 祥伝社文庫
  • 「大逆転 : 大江矢十郎無頼帖」 - 学研パブリッシング・学研M文庫
2011年
  • 「生贄 : 裏探偵・涼次2」 - 光文社文庫
  • 「隠蔽の代償 : 悪漢刑事」 - 祥伝社文庫
  • 「黒い天使 : 悪漢刑事」 - 祥伝社文庫
2012年
  • 「艶敵 : 裏探偵・涼次3」 - 光文社文庫
  • 「闇の流儀 : 悪漢刑事」 - 祥伝社文庫
2013年
  • 「蜜計 : 裏探偵・涼次4」 - 光文社文庫
  • 「正義死すべし : 悪漢刑事」 - 祥伝社文庫
  • 「虐牝(いじめ) : 裏探偵・涼次5」 - 光文社文庫
  • 「殺しの口づけ : 悪漢刑事」 - 祥伝社文庫
2014年
  • 「ざ・りべんじ」(「ざ・れいぷ」の大幅改稿・改題) - 祥伝社文庫
  • 「盗撮 : 裏探偵・涼次外伝」(短編集) - 光文社文庫
  • 「闇猫・冴子」 - 徳間文庫
  • 「生贄の羊 : 悪漢刑事」 - 祥伝社文庫
  • 「友喰い : 県警対自衛隊<最高機密>」 - 光文社文庫
  • 「夜の派遣OL」 - 二見書房・二見文庫
2015年
  • 「闇の狙撃手 : 悪漢刑事」 - 祥伝社文庫
  • 「悪徳(ブラック)探偵」 - 実業之日本社・実業之日本社文庫
  • 「悪女の囁き : 七楽(ならく)署刑事課長・一ノ瀬和郎」 - KADOKAWA・角川文庫
  • 「アンダーワールド : 闇猫・冴子」 - 徳間文庫

注釈[編集]

  1. ^ 安達はこのO, Bは血液型であると紹介する[3]
  2. ^ おはん』の"助監督"は西川常三郎三好邦夫で、『つる -鶴-』の助監督は吉田一夫手塚昌明であるので、安達Oの助監督としては序列は下位である。安達Oによれば、東宝の中では「監督助手」(助監督の下っ端の意)であり、助監督としての順位は市川組のフォース(最下位)で、主に"カチンコマン"が仕事だったと回顧した[8]

脚注[編集]

  1. ^ a b c d 会員名簿 安達瑶”. 日本推理作家協会. 2015年10月2日閲覧。
  2. ^ 芦川淳一 (2015年5月16日). “赤坂HOOTERSで、安達瑶さんを祝う会!”. 『芦川淳一雑記帳』. 2015年10月1日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年10月2日閲覧。
  3. ^ a b c 安達瑶. “安達瑶のプロフィール:知ってもぜんぜん得しない、しがないポルノ作家のプロフィールです。”. Digital ADACHI. 2015年10月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年10月7日閲覧。
  4. ^ 安達瑶. “合作小説家、安達瑶でございます。”. 安達瑶の公式ホームページ. 2015年10月3日閲覧。
  5. ^ 本人ツイッタープロフィールより
  6. ^ 安達O (2015年9月23日). “9月23日/相方に誕生日を祝って貰った”. 安達瑶の片割れ・安達Oの自分語り. 2015年10月3日閲覧。
  7. ^ a b 安達O. “プロフィール”. 安達瑶の片割れ・安達Oの自分語り. 2015年10月3日閲覧。[信頼性要検証]
  8. ^ 安達O (2015年10月15日). “10月15日/家事&仕事&テレビ”. 安達瑶の片割れ・安達Oの自分語り. 2015年10月15日閲覧。
  9. ^ a b 片渕須直 (2009年10月19日). “β運動の岸辺で[片渕須直]:第7回 ホームズ試験”. WEBアニメスタイル. スタジオ雄. 2015年10月2日閲覧。
  10. ^ 安達B (1996年8月11日). “安達B/…は実在する(笑)”. 安達Bの部屋. Digital ADACHI. 2015年10月15日閲覧。
  11. ^ 日本初!twitter(ツイッター)小説『twitter小説集 140字の物語』11月5日刊行! 株式会社ディスカヴァー・トゥエンティワン 2009年10月9日 2015年10月15日閲覧。
  12. ^ a b 安達瑶 (2015年6月). “6月の新刊『悪徳(ブラック)探偵』刊行に寄せて : アンチ・ハードボイルド(?)”. 実日ブックス : 文芸 : 新刊の舞台裏. 実業之日本社. 2015年10月16日閲覧。 “月刊ジェイ・ノベル2015年7月号掲載記事”
  13. ^ “「女子高生作」小説、盗作と判明 電子書籍サイトが削除:社会”. asahi.com (朝日新聞). (2007年4月16日). http://book.asahi.com/news/TKY200704160194.html 
  14. ^ 安達O (2015年5月15日). “みなさまのご厚情に感謝の、思い出に残る1日”. 安達瑶の片割れ・安達Oの自分語り. 2015年10月11日閲覧。
  15. ^ a b c 野崎六助「〔おすすめミステリー〕ラストのひねりが効果的 悪は滅びず」 2001.04.17『週刊エコノミスト』79巻17号(通巻3502号)p104
  16. ^ 官能倶楽部・編 『官能博覧会! -活字のHを生み出す現場から』 ISBN 978-4877286712
  17. ^ 快楽亭ブラック (2014年12月2日). “14年12月2日”. 快楽亭ブラックの出直しブログ. 2011年5月3日閲覧。[信頼性要検証]
  18. ^ 安達O (2014年1月18日). “仕事して、快楽亭の独演会録音”. 安達瑶の片割れ・安達Oの自分語り. 2015年10月7日閲覧。[信頼性要検証]

外部リンク[編集]