安田ヶ島

安田ヶ島

1977年撮影。国土交通省 国土地理院 地図・空中写真閲覧サービスの空中写真を基に作成
所在地 日本の旗 日本沖縄県国頭郡国頭村
所在海域 太平洋[1]
所属諸島 沖縄諸島[2]
座標 北緯26度44分48秒 東経128度19分58秒 / 北緯26.74667度 東経128.33278度 / 26.74667; 128.33278 (安田ヶ島)座標: 北緯26度44分48秒 東経128度19分58秒 / 北緯26.74667度 東経128.33278度 / 26.74667; 128.33278 (安田ヶ島)
面積 0.08 km²
海岸線長 1.18 km
最高標高 28 m
安田ヶ島の位置(沖縄本島内)
安田ヶ島
安田ヶ島
安田ヶ島 (沖縄本島)
安田ヶ島の位置(沖縄県内)
安田ヶ島
安田ヶ島
安田ヶ島 (沖縄県)
安田ヶ島の位置(日本内)
安田ヶ島
安田ヶ島
安田ヶ島 (日本)
プロジェクト 地形
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安田ヶ島(あだかじま[3][4]、あだがしま[5])は、沖縄県国頭郡国頭村に属する無人島である[4]

地理[編集]

沖縄本島北部の東海岸、国頭村安田(あだ)地区の北東約500mの沖合に位置する[4]。面積0.08km2[6]、周囲1.18km、標高28mの海岸段丘の島で[3]太平洋フィリピン海)と東シナ海との境界線上にある[7]基盤岩は、古第三紀砂岩を主体とする嘉陽層で構成されている[8]。基盤岩の上に砂礫が堆積しているが[3]、島中央部は基盤岩が露出している[8]。沖側に緩やかに傾斜し、海岸部にも基盤岩が露出していることから、島は波蝕で平坦化されたと考えられる[9]。海岸は砂浜が形成され、島周囲の海域には「はらさき(はらさち)の環礁」、「伊部干瀬(いぶひし)」と呼ばれるサンゴ礁が発達している[3]。数万年前に沖縄本島から切り離された半島の周囲にサンゴ礁が発達し、今日の安田ヶ島が形成されたと思われる[9]1899年明治32年)まではマツ[3]、戦前はクバが自生していた[10]2016年9月15日、安田ヶ島は「やんばる国立公園」の第3種特別地域に指定された[11]

歴史[編集]

安田ヶ島は方言で「アラハ」と呼ばれ[3]、沖縄の古地名の根源となる言葉で、「アラ」は海と関わりをもち、「ハ」は空間を表す接尾辞とされる[5]バジル・ホールマシュー・ペリーの著書にはそれぞれ「シドマス岬 (Point Sidmouth)」、「シドマス諸島 (Sidmouth Islands)」と表記されている[3]。島周辺の海域にはサンゴ礁が広がっているため、過去には船舶の座礁が多発していた[3]。実際に1794年乾隆59年)に「唐船」(実際の船員は朝鮮人10人)が漂着、その後中国に送還された[12]。また1853年咸豊3年)にはペリー来航の際には艦載艇が寄港している[5]1968年昭和43年)に本島側に灯台が設置され[10][13]、沖縄本島のほぼ最東端に位置している[9]明治時代までは周辺住民の拝所で、戦前には畑地も存在していた[3]。戦後は釣りの名所として釣り人が集まり[10]、また小中学生がカヤックで海を渡り、無人島キャンプを行っている[5]

出典[編集]

  1. ^ 「安田ヶ島」、『日本の島事典』(1995年)、p.361
  2. ^ 「安田ヶ島」、『島嶼大事典』(1991年)、p.17
  3. ^ a b c d e f g h i 「安田ヶ島」、『角川日本地名大辞典』(1991年)、p.113
  4. ^ a b c 中山満「安田カ島」、『沖縄大百科事典 上巻』(1983年)、p.59
  5. ^ a b c d 「安田ヶ島」、『SHIMADAS 第2版』(2004年)、p.1175
  6. ^ 「2.島しょ」、『平成27年1月 離島関係資料』(2015年)、p.7
  7. ^ 「東シナ海と太平洋の境」、「海の相談室」Q&A集”. 第十一管区海上保安本部. 2013年10月31日閲覧。
  8. ^ a b 中山満「安田カ島」、『沖縄大百科事典 上巻』(1983年)、p.60
  9. ^ a b c 「アダカ島」、目崎(1988年)、p.12
  10. ^ a b c 「安田ヶ島」、『角川日本地名大辞典』(1991年)、p.114
  11. ^ やんばる国立公園 指定書及び公園計画書”. 環境省. p. 49 (2016年9月15日). 2017年4月21日閲覧。
  12. ^ 「安田村」、『日本歴史地名大系』(2002年)、p.486上段
  13. ^ 小橋川春武「安田」、『沖縄大百科事典 上巻』(1983年)、p.59

参考文献[編集]

  • 沖縄県企画部地域・離島課編 『平成27年1月 離島関係資料』 沖縄県企画部地域・離島課、2015年。
  • 沖縄大百科事典刊行事務局編 『沖縄大百科事典沖縄タイムス社、1983年。全国書誌番号:84009086
  • 角川日本地名大辞典編纂委員会編 『角川日本地名大辞典 47.沖縄県』 角川書店、1991年。ISBN 4-04-001470-7
  • 財団法人日本離島センター編 『日本の島ガイド SHIMADAS(シマダス) 第2版』 財団法人日本離島センター、2004年。ISBN 4-931230-22-9
  • 菅田正昭編著、財団法人日本離島センター監修 『日本の島事典』 三交社、1995年。ISBN 4-87919-554-5
  • 日外アソシエーツ株式会社編 『島嶼大事典』 日外アソシエーツ、1991年。ISBN 4-8169-1113-8
  • 平凡社地方資料センター編 『日本歴史地名大系第四八巻 沖縄県の地名』 平凡社、2002年。ISBN 4-582-49048-4
  • 目崎茂和 『南島の地形 - 沖縄の風景を読む -』 沖縄出版、1988年。ISBN 4-900668-09-5

関連項目[編集]

外部リンク[編集]