大岳山 (東京都)

大岳山
南南西から見る大岳山。 左のピークが山頂。
標高 1,266.4 [1] m
所在地 東京都西多摩郡檜原村奥多摩町
位置 北緯35度45分54秒 東経139度07分49秒 / 北緯35.76500度 東経139.13028度 / 35.76500; 139.13028座標: 北緯35度45分54秒 東経139度07分49秒 / 北緯35.76500度 東経139.13028度 / 35.76500; 139.13028
山系 奥多摩
大岳山 (東京都)の位置(東京都内)
大岳山 (東京都)
大岳山 (東京都) (東京都)
プロジェクト 山
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大岳山(おおだけさん、おおたけさん)は、東京都西多摩郡檜原村奥多摩町の境界、奥多摩山域にある標高1,266.5m。標高はさして高くないが、個性的な山容を備えた奥多摩の名峰である。日本二百名山及び花の百名山の一つに数えられる。多様な登山コースがあり、初心者から経験者まで幅広く楽しめる山である。

概要[編集]

古くから農業の神として、また火災や盗難の守護神として山岳信仰の対象であった。山頂付近の大岳神社(大嶽神社)は徳川幕府の江戸城守護の祈願が行われていたという[2]

古くは武蔵通志に「両総地方ニテ武蔵ノ鍋冠山ト称シ海路ノ目標トナス」と記されている。[3]

多摩川の南岸にある大岳山御前山三頭山奥多摩三山と呼ぶ。東京都奥多摩山域の代表的な山の一つで、多摩百山に選ばれている。

山頂付近の特徴的な山容により、同定しやすいことから古くは江戸湾の漁民からも目印にされ[2]、鍋の蓋を伏せたように見えることから「鍋割山[注釈 1]」「鍋冠山」と呼ばれた。また、東京都多摩地域埼玉県所沢市神奈川県相模原市付近でも、地域での通称がつけられていることがある(キューピー山[4]、茶魔山(漫画「おぼっちゃまくんの主人公:御坊茶魔より)など) 田中澄江は花の百名山として、代表する花のイワウチワを紹介した[5]

かつては、山頂付近に、大岳山荘があったが、2008年1月21日から土曜日、日曜日、祭日、年末年始のみ営業となり、2008年3月末に閉鎖。2010年4月現在は荒廃し、展望の良かったテラスは崩落の危険があり閉鎖されている。

主な登山コース[編集]

  • JR青梅線御嶽駅
    • 西東京バス「ケーブル下行き」にて終点下車(10分)。御岳登山鉄道(ケーブルカー)にて御岳山駅下車(6分)。そして、御岳山(標高929m・山頂に武蔵御嶽神社がある)・鍋割山を経て大岳山に至るコース。御岳山から大岳山まで登り2時間・下り1時間55分[6]。コースの途中の御岳山には東京都設置の御岳ビジターセンターや売店があり、大岳山頂付近にはトイレがあり、良く歩かれているコースである。
  • JR五日市線武蔵五日市駅
    • 西東京バス「藤倉行き」にて「白倉」バス停下車(28分)、登り2時間45分・下り1時間50分[6]。このルートは表参道、東京バーティカル[注釈 2]のコースである。車道の終点が大岳神社里宮である。ここから山頂の大岳神社本宮までの参道を[注釈 3]丁目石(ちょうめいし)を数えるながら登る。
    • 西東京バス「藤倉行き」にて払沢の滝入口付近からの複数の尾根のコースもある。
    • 西東京バス「瀬音の湯経由 上養沢行き」にて「大岳鍾乳洞入口」バス停下車(35分)、林道大岳線の大岳鍾乳洞経由にて登り2時間45分・下り1時間50分[6]。もしくは、サルギ尾根にて登り3時間15分・下り2時間35分[6]
    • 西東京バス「瀬音の湯経由 上養沢行き」にて「軍道」バス停下車(22分)、馬頭刈(まずかり)尾根にて登り4時間30分・下り3時間40分[6]
  • JR青梅線奥多摩駅から鋸尾根にて鋸山経由のコース、登り4時間・下り3時間[6]。途中、ハシゴがある危険箇所あり[6]。このコースは御前山方面からの縦走コースと鋸山で合流する。
  • JR青梅線鳩ノ巣駅又は奥多摩駅から、大岳山北面の海沢渓谷(三ツ釜の滝、ナジレ滝、大滝)・大楢峠・御岳山を経由するコース。鳩ノ巣駅から海沢園地までは、登り2時間10分・下り1時間50分[6]。海沢園地にトイレあり。海沢園地から大滝経由で大岳山頂に向かう海沢探勝路は、現場の標識では「悪路」、山と高原地図では難路(所要時間不明)[6]、東京都公園協会が発行する登山地図には登山コースとしては明記されておらず、しかるべき装備と準備が必要。奥多摩ビジターセンターの登山道状況[7]によると2012年9月25日に新しい木橋を設置。
  • 長尾平展望台を左に見てしばらくで沢を渡る。その先に水場がある。[3]

隣接する山[編集]

ギャラリー[編集]

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ 現在は付近の別の山頂の名称になっている。
  2. ^ (登りを一気に駆け上がるトレランレース)
  3. ^ 全行程を10等分した

出典[編集]

  1. ^ 国地理院地図、2020年7月
  2. ^ a b 毎日新聞社編著 『日本三百名山』 毎日新聞社、1997年、115頁。
  3. ^ a b 登山ルート・山旅スポット. “山岳信仰で栄えた奥多摩の名峰「大岳山」の登山ルート・難易度”. 山旅旅. 2020年10月8日閲覧。
  4. ^ 八王子辞典の会『八王子辞典』かたくら書店、2001年。ISBN 4-906237-78-9 
  5. ^ 田中澄江『花の百名山』文春文庫、1997年6月、69-72頁。ISBN 4-635-09019-1 
  6. ^ a b c d e f g h i 山と高原地図 23.奥多摩 2013 昭文社
  7. ^ 奥多摩ビジターセンター

関連項目[編集]

外部リンク[編集]