大和自動車交通

大和自動車交通株式会社
Daiwa Motor Transportation Co.,Ltd.
ジャパンタクシー
大和自動車交通のタクシー
(車種:ジャパンタクシー
種類 株式会社
市場情報
東証スタンダード 9082
1949年5月16日上場
本社所在地 日本の旗 日本
135-0003
東京都江東区猿江2丁目16番31号
設立 1945年昭和20年)1月1日
1939年(昭和14年)9月13日創業)
業種 陸運業
法人番号 4010601039713 ウィキデータを編集
事業内容 一般乗用旅客自動車運送事業及び一般貸切旅客自動車運送事業
不動産事業
福祉事業
代表者 代表取締役社長 大塚一基
資本金 5億2500万円
発行済株式総数 5250万株
売上高 単体:20億6400万円
連結:177億9500万円
(2023年3月期)
営業利益 単体:Δ1900万円
連結:8000万円
(2023年3月期)
純利益 単体:Δ6800万円
連結:1億7700万円
(2023年3月期)
純資産 単体:81億4800万円
連結:94億7100万円
(2023年3月31日現在)
総資産 単体:249億5000万円
連結:291億5300万円
(2023年3月31日現在)
従業員数 単体:114人 連結:2,732人
(2023年3月31日現在)
決算期 3月31日
主要株主 新倉文明 9.5%
東都自動車株式会社 8.5%
太陽生命保険株式会社 8.4%
第一生命保険株式会社 6.2%
吉田満 6.0%
(2023年3月31日現在)
主要子会社 #連結子会社参照
外部リンク https://www.daiwaj.com/
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大和自動車交通株式会社(だいわじどうしゃこうつう、: Daiwa Motor Transportation Co., Ltd.)は、東京都を拠点にハイヤータクシー事業と不動産事業を営む株式会社である。東京地区のタクシー事業者としては、日本交通帝都自動車交通国際自動車とともに「東京四社営業委員会」を構成する大手事業者である。

2011年平成23年)6月には東京地区の中小タクシー事業者23社(当時)が加盟する中央無線(現・信和事業協同組合)をグループ化、車両台数がこれまでの3倍超の2,400台規模となった[1]

概説[編集]

初めは1939年昭和14年)、東京・中野で創業し、戦中・戦後のタクシー会社統廃合のなかで当時業界随一の大手となった。タクシー会社では数少ない公開会社として東京証券取引所スタンダード市場に上場している。以前は創業者一族(新倉家)が親子3代に渡って社長を務めるなどオーナー会社的な側面があった。

東京都内に6ヶ所の事業所を持ち、タクシー747台、ハイヤー214台などを配車し、2,157名の従業員を擁する(2017年5月末現在)[2]。さらに、2011年平成23年)の中央無線のグループ化によって車両台数を2,400台規模まで増加、東京地区最大手の日本交通(3,170台)や国際自動車(3,050台)に近い規模を実現することとなった[1]

商標は二重丸に和のマーク。主要な営業所・ビルを自社保有すると同時に、子会社に燃料販売商社保険代理店、自社ビル管理を主な事業とする不動産管理会社を有し、ハイヤー・タクシー事業のバリューチェーンをグループ内で完結させている。不動産業においては、賃貸オフィスビルを9ヶ所、居住用マンションを9ヶ所を都内中心に所有している[2]

歴史[編集]

  • 1939年昭和14年) - 新倉文郎により中野相互タクシー株式会社として東京都中野区に創業[3]
  • 1945年(昭和20年) - 大和自動車交通株式会社に改称。
  • 1961年(昭和36年) - 新倉文郎の長男・新倉尚文が社長に就任。
  • 1996年平成8年) - 中央無線(現・信和事業)に加盟していた真和タクシーを事業譲受、大和交通とする。
  • 1997年(平成9年) - 共同無線に加盟していた柏自動車を事業譲受、大和タクシーとする。
  • 2000年(平成12年) - 創業時からあった中野営業所の敷地を売却し、江東営業所に統廃合。
  • 2005年(平成17年) - 板橋営業所の敷地を売却し王子営業所に、世田谷営業所の敷地を売却し羽田第一営業所に移転改称。
  • 2007年(平成19年)
    • 新倉尚文の長男・新倉能文が社長就任。
    • ハイヤーの新橋営業所が銀座東営業所に改称。渋谷営業所が廃止され、新宿案内所が開設。
  • 2010年(平成22年)
    • 大和自動車教習所(小金井市前原町)を廃止。
    • 本社を中央区銀座から江東区猿江に移転。
    • ハイヤーの銀座東・日本橋・五反田・羽田・大手町営業所と新宿案内所、タクシーの府中営業所を廃止。
  • 2011年(平成23年)
    • 王子営業所を廃止。
    • 大和タクシーと大和交通が合併し大和自動車王子となる。
  • 2012年(平成24年) - チェッカーキャブから脱退・移籍した盈進自動車を含む中央無線(現・信和事業)加盟各社と業務提携。
  • 2014年(平成26年)
    • タクシー営業所(江東・羽田・立川)を分社化。
    • 金龍自動車交通(日交足立を経て現在の日交美輝)が日本交通へ営業譲渡され脱退。
    • イオンリテール発行のICカード型電子マネーWAONによる決済サービスを開始。
  • 2015年(平成27年) - 代表取締役社長に前島忻治が就任。
  • 2017年(平成29年)
    • 1月12日 - 東京無線と無線配車用スマートフォンアプリケーションならびにタクシーチケットを同年4月1日から統合することを発表[4]
    • 2月
      • 9日 - 上記の発表を受け、東京四社営業委員会協定1条に定められている「相互の融和と協調」に反するとして大和自動車を除名することを決定通告される[5][6]。これに対し同社では法的措置を検討[7]
      • 17日 - 上記の件について東京地方裁判所に仮処分申し立てを行った[8]
    • 5月30日 - 中央無線タクシー協同組合を信和事業協同組合へ改称[9]し、タクシー事業所6社全ても同協同組合扱いとなる。
    • 8月9日 - 申し立てに対する和解が成立[10][11]。2020年(令和2年)3月末まで東京無線との間で車体色・行灯の統一ならびにタクシーチケットおよび無線配車の統合を行わないことを条件として大和以外の三社が除名の意思表示を撤回した[注釈 1][注釈 2]
  • 2018年(平成30年)11月 - 東京無線・チェッカーキャブとの3グループ共同によるPC・スマホ配車ウェブアプリ「WEBタクシー」を開始。
  • 2019年(平成31年・令和元年)
  • 2020年(令和2年)
    • 3月30日 - 大和自動車教習所を吸収合併。
    • 4月1日 - 信和事業加盟で大和自動車交通の提携会社であった丸井自動車の株式を取得し子会社化[14]
    • 5月12日 - 多摩地区(北多摩交通圏の大和自動車交通立川および大和交通保谷)における「S.RIDE」サービス開始[15][注釈 4]
    • 10月28日 - 大和物産がトータルメンテナンスジャパンを完全子会社化。
  • 2020年(令和2年)
    • 9月 - 大和自動車交通羽田が大和自動車王子と同じ所在地に移転。
  • 2022年(令和4年)
  • 2023年(令和5年)
    • 4月1日 - 北多摩交通園の十全交通(本社:府中市)と業務提携[18]
  • 2024年(令和6年)
    • 3月6日 - 「S.RIDE」アプリ配車専用車の運行を国際自動車、グリーンキャブと同時に開始[19]
    • 4月1日 - 丸井自動車が大和自動車交通北千住に社名変更[20]

事業所(車庫)の所在地[編集]

ハイヤー事業所[編集]

社名・営業所 所在地 備考
大和自動車交通ハイヤー 日比谷営業所 千代田区丸の内  
銀座営業所 中央区銀座
中央福祉営業所

タクシー事業所[編集]

社名・営業所 所在地 備考
大和交通保谷 西東京市泉町 北多摩交通圏
大和自動車交通立川 立川市富士見町
大和自動車交通江東 江東区猿江  
大和自動車交通羽田 北区豊島
大和自動車王子
大和自動車 江東区猿江
大和自動車交通北千住 足立区千住関屋町

連結子会社[編集]

  • 株式会社スリーディ(不動産事業:中央区銀座)
  • 大和物産株式会社(石油小売業、保険取次業:江東区白河
    • 株式会社トータルメンテナンスジャパン(メンテナンス業:江東区白河)
  • 日本自動車メーター株式会社(計器類製造販売:江東区猿江)
  • 大和工機株式会社(金属製品製造業:山梨県笛吹市一宮町東原)
  • 宮園砿油株式会社(石油小売業:江東区猿江)
(以上、2023年3月現在)

グループ会社[編集]

専用タクシー乗り場[編集]

  • 三井物産ビル乗り場
  • 芝パークビル乗り場
  • 東京ミッドタウン日比谷乗り場(日本交通・国際自動車・帝都自動車と共用)
  • 汐留ビルディング乗り場(日本交通・帝都自動車と共用)

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ 2020年(令和2年)3月末以前でも無線配車用スマートフォンアプリケーションの統合は可能とされたものの、いずれの統合・統一も2020年(令和2年)末時点ではなされていない。無線配車用スマートフォンアプリケーションの統合に代わりチェッカーキャブを含めたPC・スマホ用ウェブアプリがサービス開始されたほか、東京無線はチェッカーキャブとの提携に伴い「S.RIDE」の導入が機関決定されていることから最終的には同一のスマートフォンアプリケーションからの配車は実現される。
  2. ^ なお、どちらの無線配車用スマートフォンアプリケーションも使用するデジタル無線が両者とも富士通テン(現・デンソーテン)製であることから同社およびメイテツコムが各者と共同開発したアプリケーションであり、ほぼ同一のUIを使用するものであってかつ容易に統合可能なものであった。
  3. ^ ただし、サービス開始時点では大和・国際・寿のみ対象。
  4. ^ ただし事前確定運賃サービスは今年度中導入予定としている。

出典[編集]

  1. ^ a b タクシーの再編が加速 『日本経済新聞』 平成23年6月17日東京夕刊
  2. ^ a b 会社概要 大和自動車交通株式会社ウェブサイト、2012(平成24)年5月19日閲覧。
  3. ^ 代表吉村金吉『帝国銀行会社要録. 昭和18年(31版)』(国立国会図書館近代デジタルライブラリー)
  4. ^ 大和自動車交通(株)・東京無線協同組合の協働に関するお知らせ 2017年1月13日 PDF
  5. ^ 東京四社営業委員会に関するお知らせに対する当社の見解等について 2017年2月9日大和自動車交通株式会社プレスリリース PDF
  6. ^ 「内部分裂か?東京4社」から大和自動車交通を除名 - Response. 2017年2月10日
  7. ^ 大和自動車交通、「東京四社」の除名処分は「法的に無効」…地位確認求めて法的措置も - Response. 2017年2月13日
  8. ^ 当社による仮処分命令の申立について 2017年2月17日大和自動車交通株式会社プレスリリース PDF
  9. ^ 信和事業協同組合 名称変更致しました。
  10. ^ 当社による仮処分命令の申立和解成立に関するお知らせ 2017年8月9日大和自動車交通株式会社プレスリリース PDF
  11. ^ 地位保全仮処分命令申立事件における和解成立のご報告 2017年8月9日東京四社営業委員会プレスリリース
  12. ^ みんなのタクシー、東京都内でタクシーの配車サービスの提供を開始
  13. ^ 大和自動車交通、S.RIDEによる事前確定運賃サービスの開始について
  14. ^ 株式取得(株式会社 丸井自動車の子会社化)のお知らせ
  15. ^ S.RIDE、多摩地区におけるサービス開始のお知らせ
  16. ^ 簡易株式交換による宮園砿油株式会社の完全子会社化に関するお知らせ
  17. ^ 簡易株式交換公告
  18. ^ 十全交通株式会社との業務提携についてのお知らせ”. 大和自動車交通株式会社、十全交通株式会社. 2023年5月8日閲覧。
  19. ^ S.RIDEと共同し、タクシー供給不足への対応開始”. 大和自動車交通. 2024年3月6日閲覧。
  20. ^ 大和自動車交通株式会社”. X(旧Twitter). 2024年4月9日閲覧。

外部リンク[編集]