埼玉県警察部

曖昧さ回避 この項目では、1948年以前の埼玉県の警察について説明しています。現在の埼玉県の警察については「埼玉県警察」をご覧ください。

埼玉県警察部（さいたまけんけいさつぶ）は、戦前の内務省監督下の埼玉県が設置した府県警察部であり、埼玉県内を管轄区域とする。

1948年（昭和23年）3月6日に廃止となり、埼玉県警察部は国家地方警察埼玉県本部と浦和市警察などの自治体警察に再編されることになった。

沿革[編集]

  • 1875年（明治8年）12月　埼玉県庁に第四課を設置。
  • 1876年（明治9年）8月　熊谷県を廃止。県下13郡を編入。
  • 1880年（明治13年）4月　埼玉県警察本署に改称。
  • 1884年（明治17年）10月　秩父事件が勃発。
  • 1886年（明治19年）7月　埼玉県警察本部に改称。
  • 1890年（明治23年）10月　埼玉県警察部に改称。
  • 1905年（明治38年）4月　埼玉県第四部に改称。
  • 1907年（明治40年）7月　埼玉県警察部に改称。
  • 1923年（大正12年）9月　関東大震災発生。
  • 1928年（昭和3年）7月　特別高等課（特別高等警察）を設置。
  • 1944年（昭和19年）4月　警備隊を設置。
  • 1945年（昭和20年）10月　特別高等警察が廃止。
  • 1946年（昭和21年）2月　警備隊を廃止。
  • 1946年（昭和21年）10月　公安課（公安警察）を設置。

組織[編集]

1927年（昭和2年）時点

  • 警務課
  • 高等課
  • 保安課 　
  • 刑事課
  • 衛生課
  • 工場課

警察署[編集]

1927年（昭和2年）時点

  • 浦和警察署
  • 鳩ヶ谷警察署
  • 川口警察署
  • 大宮警察署
  • 鴻巣警察署
  • 川越警察署
  • 越生警察署
  • 所沢警察署
  • 飯能警察署
  • 松山警察署
  • 小川警察署
  • 秩父警察署
  • 小鹿野警察署
  • 本庄警察署
  • 児玉警察署
  • 熊谷警察署
  • 寄居警察署
  • 深谷警察署
  • 忍警察署
  • 羽生警察署
  • 加須警察署
  • 岩槻警察署
  • 越ヶ谷警察署
  • 久喜警察署
  • 杉戸警察署
  • 幸手警察署
  • 吉川警察署

歴代部長[編集]

歴代部長[1]
代 官職名 氏名 就任日 退任日 前職 後職 備考
- 権典事
聴訟課長		 尾崎通泰 明治4年12月25日
（1872年2月3日）		 明治5年8月17日
（1872年9月19日）		 -
- 庶務課長 1872年9月19日 1875年12月22日 -
- 三等警部
第四課長		 高津雄介 1875年12月22日 1879年3月26日 -
- 二等警部
警保課長		 1879年3月26日 1880年4月17日 - -
- 一等警部
警察本署長		 1880年4月17日 1881年3月 - 検事
- 一等警部兼典獄
警察本署長		 笹田黙介 1881年3月 1882年1月25日 -
1 警部長
警察本署長		 1882年1月25日 1882年4月11日 - 埼玉県少書記官
2 江夏喜蔵 1882年4月11日 1886年7月20日 内務属 -
警部長
警察本部長		 1886年7月20日[2] 1886年8月12日 - 非職
3 田野熾 1886年8月12日 1888年11月16日 内務属 高知県警部長
4 田健治郎 1888年11月16日 1890年3月24日 神奈川県警部長 逓信書記官
5 有田義資 1890年3月24日 1890年10月11日 青森県警部長 -
警部長
警察部長		 1890年10月11日[3] 1893年1月10日 - 東京府警視
6 磯谷熊之助 1893年1月10日 1895年11月9日 東京府警視 滋賀県警部長
7 五十村良行 1895年11月9日 1897年4月26日 沖縄県警部長
8 藤崎虎二 1897年4月26日 1897年11月29日[4] 東京府警視 山梨県警部長
9 大橋太郎 1897年11月29日[4] 1899年2月7日 山梨県警部長 非職
10 山田幹 1899年2月7日 1902年10月20日 青森県警部長 休職
11 馬場晴利 1902年10月20日 1904年9月7日 千葉県警部長 休職
12 石橋和 1904年9月7日 1905年4月19日 岩手県参事官 -
事務官
第四部長
警務長		 1905年4月19日[5] 1907年1月14日 - 愛知県事務官・第四部長
13 堀口助治 1907年1月14日 1907年7月13日 富山県事務官・第四部長 -
事務官
警察部長
警務長		 1907年7月13日[6] 1907年10月9日 - 福岡県港務長[7]
14 真中直道 1907年10月9日 1910年7月14日 山梨県事務官 茨城県事務官・警察部長
15 名尾良辰 1910年7月14日 1913年6月13日 大分県事務官・警察部長 秋田県内務部長
16 警察部長 大海原重義 1913年6月13日[8] 1914年6月9日 熊本県事務官 千葉県警察部長
17 春藤嘉平 1914年6月9日 1915年4月1日 三重県警察部長 山梨県内務部長
18 児玉孝顕 1915年4月1日 1918年1月14日 特許局事務官 青森県内務部長
19 加勢清雄 1918年1月14日 1919年8月21日 新潟県理事官 新潟県警察部長
20 宮本貞三郎 1919年8月21日 1921年10月28日 東京府事務官 愛知県警察部長
21 横山惟二 1921年10月28日 1922年11月14日 京都府理事官 死去
22 友部泉蔵 1923年1月13日 1924年6月27日 秋田県理事官 神奈川県警察部長
23 上田荘太郎 1924年6月27日 1924年12月20日 内閣書記官 -
書記官
警察部長		 1924年12月20日[9] 1926年9月28日 - 大阪府書記官・学務部長[10]
24 福邑正樹 1926年9月28日 1927年5月17日 秋田県書記官・警察部長 静岡県書記官・警察部長
25 内山田三郎 1927年5月17日 1929年7月8日 沖縄県書記官・警察部長 宮崎県書記官・内務部長
26 出石於菟彦 1929年7月8日 1931年12月28日 宮崎県書記官・警察部長 岐阜県書記官・警察部長
27 副見喬雄 1931年12月28日 1935年1月19日 内務事務官 兵庫県書記官・経済部長
28 山内逸造 1935年1月19日 1936年4月25日 熊本県書記官・警察部長 静岡県書記官・警察部長
29 泉守紀 1936年4月25日 1937年7月8日 栃木県書記官・警察部長 岡山県書記官・警察部長
30 坂信弥 1937年7月8日 1938年5月3日 鹿児島県書記官・警察部長 領事
31 北村英明 1938年5月3日 1940年4月10日[11] 領事兼内務書記官 富山県書記官・総務部長
32 宮脇参三 1940年4月10日[11] 1941年1月8日[12] 岐阜県書記官[11]・警察部長 広島県書記官・警察部長
33 青木貞雄 1941年1月8日[12] 1942年7月7日 徳島県書記官・警察部長 警視庁官房主事
34 神崎広 1942年7月7日 1942年11月1日 情報局情報官 -
部長
警察部長		 1942年11月1日[13] 1944年8月1日 - 岩手県部長・内政部長
35 松下一 1944年8月1日 1945年4月21日 内務事務官
兼関東局事務官		 休職
36 毛利基 1945年4月21日 1945年9月15日 岐阜県部長・警察部長 依願免本官
37 宮崎太一 1945年9月15日 1945年10月13日 内務書記官 休職
38 桃井直美 1945年10月13日 1945年10月27日 - - 兼任
本務：埼玉県部長・内政部長
39 緒方孝三郎 1945年10月27日 1945年10月13日 北海地方総監府副参事官 -
地方事務官
警察部長		 1946年4月1日[14] 1947年2月24日 - 埼玉県農林部長
40 古屋亨 1947年2月24日 1948年2月10日 終戦連絡事務局
兼内務事務官		 警視庁保安部長
41 井上康夫 1948年2月10日 1948年3月6日 警視庁警務課長 埼玉県警察長[15]

脚注[編集]

  1. ^ 『埼玉県警察史 第1巻』1104-1106頁、『埼玉県警察史 第2巻』1105-1106頁。『官報』により訂正、加筆。
  2. ^ 地方官官制（明治19年7月20日勅令第54号）
  3. ^ 地方官官制（明治23年10月11日勅令第225号）
  4. ^ a b 『官報』第4325号、明治30年11月30日。
  5. ^ 『官報』第6538号、明治38年4月20日。
  6. ^ 『官報』第7212号、明治40年7月15日。
  7. ^ 『官報』第7286号、明治40年10月10日。
  8. ^ 『官報』第262号、大正2年6月14日。
  9. ^ 『官報』第3701号、大正13年12月22日。
  10. ^ 『官報』第4232号、大正15年10月1日。
  11. ^ a b c 『官報』第3977号、昭和15年4月11日。
  12. ^ a b 『官報』第4200号、昭和16年1月9日。
  13. ^ 『官報』第4744号、昭和17年11月2日。
  14. ^ 地方官官制（大正15年6月4日勅令第147号）の東京都官制中改正等ノ件（昭和21年4月1日勅令第220号）による改正に伴い地方事務官となる。
  15. ^ 『官報』第6499号、昭和23年9月11日。

参考文献[編集]

  • 埼玉県警察史編さん委員会編『埼玉県警察史 第1巻』埼玉県警察本部、1974年。
  • 埼玉県警察史編さん委員会編『埼玉県警察史 第2巻』埼玉県警察本部、1977年。

関連項目[編集]

戦前の日本警察（1868年 - 1947年）
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