名鉄ワム5000形貨車

名鉄ワム5000形貨車
基本情報
車種 有蓋車
運用者 名古屋鉄道
所有者 名古屋鉄道、常滑通運
改造年 1941年昭和16年)
改造数 53両
消滅 1968年(昭和43年)
主要諸元
車体色
軌間 1,067 mm
全長 7,640 mm
全幅 2,736 mm
全高 3,730 mm
荷重 15 t
実容積 38.74 m3
自重 7.88 t
換算両数 積車 2.0
換算両数 空車 1.0
軸距 3,960 mm
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名鉄ワム5000形貨車(めいてつワム5000がたかしゃ)とは、かつて名古屋鉄道で運用されていた木造貨車有蓋車)である。

概要[編集]

  • 元は1924年大正12年)から1925年(大正14年)に日本車輌製造で製造された愛知電気鉄道の15 t積木造有蓋車ワム5000形(ワム5000 - ワム5052)である。53両が製造された。同時期に製造された愛知電気鉄道ツム5500通風車とは寸法などは共通である。当初は10 t 積として運用されていたが、軌道強化による軸重上限の引き上げにより本来の15 t 積として運用されることとなった。53両中13両(ワム5000 - ワム5012)は当初から知多郡常滑町(現・常滑市)の荷主の私有貨車であった。1935年昭和10年)に名岐鉄道と愛知電気鉄道が合併し名古屋鉄道が発足すると、全車が名古屋鉄道に引き継がれる。1941年(昭和16年)にワム5000形(ワム5001 - ワム5053)に改番する。
  • 国鉄直通貨車であり、主に常滑線などの東部線で運用され、常滑焼の甕や土管の輸送などに使用された。1954年(昭和29年)に名古屋鉄道が渥美線豊橋鉄道へ譲渡すると、渥美線に所属していた6両(ワム5014 - ワム5019)は豊橋鉄道へ移る。昭和30年代後半から昭和40年代前半には数両が私有貨車に振り分けられ、20両程が常滑通運[1]大同製鋼の私有貨車として運用された。
  • 国鉄の貨物列車の速度がヨンサントオダイヤ改正により75 km/hに引き上げられるのに伴い、老朽化の進んだワム5000形はその条件に対応できなかったこと、また、名鉄の私有貨車制度の廃止により、1968年(昭和43年)に形式消滅となった。
  • 豊橋鉄道へ移った6両はワム20形貨車(ワム21 - ワム26)に改番し、渥美線で運用される。1984年(昭和59年)に貨物営業廃止により形式消滅。1両(ワム21。元ワム5014)は伊良湖フラワーパークでデキ200形電気機関車(デキ201)とともに静態保存されていたが、2005年平成17年)に伊良湖フラワーセンターが閉鎖された際に撤去された。

脚注[編集]

  1. ^ 常滑市鯉江本町に存在した会社。2015年解散。

参考文献[編集]

  • 清水武・田中義人・澤内一晃『名古屋鉄道の貨物輸送』フォトパブリッシング、2021年。ISBN 978-4-8021-3270-1