名鉄トム800形貨車

名鉄トム800形貨車
基本情報
車種 無蓋車
運用者 名古屋鉄道
所有者 名古屋鉄道
種車 トム900形、ト710形
改造年 1941年昭和16年)
改造数 100両
消滅 1968年(昭和43年)
主要諸元
車体色
軌間 1,067 mm
全長 7,832 mm
全幅 2,482 mm
全高 2,376 mm
荷重 15 t
自重 7.0 t - 7.22 t
軸距 3,962 mm
最高速度 65 km/h
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名鉄トム800形貨車(めいてつトム800がたかしゃ)とは、かつて名古屋鉄道で運用されていた木造貨車無蓋車)である。

概要[編集]

  • 元は1924年大正13年)から1925年(大正14年)に汽車製造及び東洋車輌で製造された三河鉄道の15 t積木造無蓋車トム900形(トム900 - トム999)である。100両が製造された。昭和恐慌により貨物量が減少したため、1927年昭和2年)から1931年(昭和6年)には一部が車内に仕切りを設置する改造を行い、10t積木造有蓋車ト710形などに改造される。その後の景気回復により一部は仕切りを取り外し、元の15 t積に戻っている。
  • 1941年(昭和16年)に三河鉄道が名古屋鉄道に合併すると、トム900形90両、及びト710形10両は名古屋鉄道に引き継がれる。そのさい、トム900形はトム800形に改番される。ト710形仕切りの取り外し改造は名古屋鉄道にも引き継がれ、1942年(昭和17年)までにト710形は全てトム900形に編入される。
  • 当初は三河線専用であったが、戦後は東部線西部線、三河線で運用される。1954年(昭和29年)に名古屋鉄道が渥美線豊橋鉄道へ譲渡すると、渥美線に所属していた2両(トム899・トム900)は豊橋鉄道へ移る。残る98両は1955年(昭和30年)時点では東部線に18両、西部線に10両、三河線に70両が在籍し、全てが国鉄直通貨車であった。その後一部は瀬戸線に移り、軌道線を除くほぼすべての路線で運用されることとなる。1960年(昭和35年)以降、一部は日本通運刈谷支店の私有貨車となっている。1965年(昭和40年)に2両(トム805・トム806)は側板撤去などの改造を行い、チム60形長物車(チム61・チム62)となる。
  • 国鉄の貨物列車の速度がヨンサントオダイヤ改正により75 km/hに引き上げられるのに伴い、老朽化の進んだトム800形はその条件に対応できなかったこと、また、名鉄の私有貨車制度の廃止により、1968年(昭和43年)に形式消滅となった。チム60形は1972年(昭和47年)に形式消滅となった。

脚注[編集]


参考文献[編集]