名鉄デキ800形電気機関車

名鉄デキ800形電気機関車
基本情報
運用者 名古屋鉄道
製造所 名古屋鉄道鳴海工場
製造年 1944年昭和19年)
製造数 3両
廃車 1966年(昭和41年)
主要諸元
軌間 1,067 mm(狭軌
電気方式 直流1500 V架空電車線方式
車両重量 28.00 t
全長 10,700 mm
全幅 2,700 mm
全高 4,066 mm
車体 木製
台車 ブリル MCB1
主電動機 AEG USL323-B
主電動機出力 50KW
搭載数 4基 / 両
歯車比 74 : 14
制御装置 ウェスティングハウス
備考 1944年の諸元表より[1]
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名鉄デキ800形電気機関車(めいてつデキ800がたでんききかんしゃ)は、かつて名古屋鉄道が所有していた直流電気機関車。架線電圧1500V線区専用で3両(801 - 803)が存在した。

概要[編集]

太平洋戦争による貨物輸送の増加により、名古屋鉄道は電気機関車不足であった。そこで、電車電動貨車の余剰部品を利用した電気機関車の製造が計画され、1944年(昭和19年)に鳴海工場によるの自社製造されたの1500V線区専用凸字形電気機関車がデキ800形である。

電装品はモ1010形電車(旧碧海電気鉄道デハ100)から流用し、主電動機はモ1010形電車から流用したAEGのUSL323-B(50.0kW×4基)、台車は余剰のブリル27-MCB-2を使用するなど、様々な部品を転用。戦時中の資材不足のため、車体は木造であった。3両のうち、801は前部標識灯の位置やルーバーの形などが異なっていた。戦後、801の主電動機はTDKの516-E(80.0kW×4基)に変更されている。

主に三河線で使用されていたが、戦時中製造による部品の劣悪さによる老朽化、貨物扱い量の減少により、晩年は801が新川工場入換専用機、802が鳴海工場入換専用機、803が築港線客車牽引機として使用された後、803は1960年(昭和35年)、801が1965年(昭和40年)、802が1966年(昭和41年)に廃車された。

その他[編集]

  • デキ800形と同じように、名古屋鉄道が戦時中に自社製造した電気機関車に、デキ850形が存在した。デキ850形は架線電圧600V区間用である。
  • 7000系電車新造時、二階建運転台からの信号確認が問題となった。その解決策としてデキ800の機械室上に櫓を組んで仮設運転台を設置し、乗務員の訓練に用いた。

脚注[編集]

  1. ^ 清水武、田中義人『名古屋鉄道車両史 上巻』アルファベータブックス、2019年、166頁。ISBN 978-4865988475 

参考文献[編集]