名古屋市交通局6000形電車

名古屋市交通局6000形電車
6000形電車
基本情報
運用者 名古屋市交通局
製造所 日本車輌製造[1]
日立製作所笠戸事業所[1]
製造年 1987年 - 1993年
製造数 20編成100両[2]
運用開始 1987年10月27日
投入先 桜通線
主要諸元
編成 4両編成(登場時)
5両編成(現在)
軌間 1,067 mm(狭軌[2][3]
電気方式 直流1,500 V(架空電車線方式[2][3]
最高運転速度 75 km/h[2]
設計最高速度 120 km/h
起動加速度 3.0 km/h/s
減速度(常用) 3.5 km/h/s
減速度(非常) 4.0 km/h/s
車両定員 先頭車127人(48席)・138人(46席)[3]
中間車140人(54席)・152人(46席)[3]
自重 徳重方から順に36.0 t・35.0 t・34.0 t・28.0 t・30.0 t[3]
全長 20,000 mm[2][3][4][注釈 1]
全幅 2,746 mm[3][4][注釈 1]
全高 4,140 mm(6100形と6300形と6700形)[3][4][注釈 1]
4,040 mm(6200形と6800形)[3][注釈 1]
車体 ステンレス鋼[3]
台車 SUミンデン式台車[5]
住友(現・日鉄)製SS108・SS008(6101編成 - 6113編成)
ボルスタレス式空気ばね台車[3]
住友(現・日鉄)製SS136・SS036(6114編成 - 6118編成)
日車製ND721・ND721T(6119編成・6120編成と中間増備車)[注釈 2]
主電動機 かご形三相誘導電動機[3]
東芝製 SEA-316
三菱製 MB-5025-A
主電動機出力 170 kW[2] × 2→3(台/両)
駆動方式 WNドライブ
歯車比 99/16
編成出力 2,040 kW
制御方式 VVVFインバータ制御[2][3]
更新前:GTO素子[6]
更新後:IGBT素子
制御装置 更新前:滑り周波数制御
東芝製 INV019-A0~A2
三菱製 MAP-174-15V14
日立製 VFG-HR1420E
更新後:ベクトル制御、応荷重演算制御機能付き
三菱製 MAP-174-15V238
制動装置 NSC遅れ込め制御付きATC連動電気指令式電空併用ブレーキ[3]
応荷重式、回生ブレーキ付き[7]
保安装置 車内信号ATC[3]
ATO[3]
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名古屋市交通局6000形電車(なごやしこうつうきょく6000がたでんしゃ)は、1987年昭和62年)に登場した名古屋市交通局名古屋市営地下鉄桜通線用の通勤形電車である[1]

概要

中村区役所駅(現:太閤通駅)に停車中の回送車

1987年(昭和62年)に試作車4両編成1本が登場してしばらくは鶴舞線で試運転と営業運転が行われ[2]、性能が確認された後、桜通線開業時に量産車4両編成12本(48両)が竣工した[7]。1994年(平成6年)の今池 - 野並間延伸開業分として5両編成7本(35両)がワンマン仕様で増備され、同時に既存の車両についても4両編成を5両編成にするため中間車13両の増備・組み込みとワンマン仕様の改造が行われた[2][8]

車両概説

車体

名古屋市営地下鉄で初めてオールステンレス車体を採用し、赤帯のラインカラーは太線と細先の2本が腰部に入っている。運転台は右側にオフセット配置されており[2][9][10]、全駅島式ホームの桜通線では運転士がホームを容易に確認できる。その後、延伸開業した今池 - 野並 - 徳重間も島式ホームを採用したことから、運転台の右側オフセット配置は6050形においても継承された。

内装

天井・壁面は白系化粧板で仕上げられている。

座席はラインカラーに近いえんじ色モケットとなっており、形状は6101編成のみ鶴舞線3000形に準じたシートで、6102編成以降と6300形6301はバケットシートに変更され、端部は6101編成のみパイプ構成で、6102編成以降と6300形6301は肘掛けを設置している。

荷物棚パイプ型で、ラインカラーは入っていない。

非常通報器は各車両に2カ所ずつ設置されており、マイクは6101編成のみ大型で、6102編成以降と6300形6301は小型となっている(弱電機器更新後は全て現行タイプに統一)。

客用ドアの窓ガラス押さえの形状は6113編成まで厚型で、6114編成以降と中間増備車は薄型に変更されている。

つり革受け棒は6113編成まで丸みを帯びた長方形タイプで、6114編成以降と中間増備車は一般的な棒状タイプに変更され、2012年3月には全編成に優先席前のつり革交換が順次行われた。

名古屋市営地下鉄で初めてLED式車内案内表示器を採用し、設置位置は6113編成まで車端部妻面貫通路横で、6114編成以降と中間増備車は車端部妻面貫通路上部となっており、6114編成以降は英語表示を内容に追加し、従来車と中間増備車にも追加している。

1993年(平成5年)以降に製造された、6114編成以降は車椅子スペースを両先頭車に設置している[2]

機器類

集約分散式冷房装置は3台/両を搭載している。

パンタグラフはMc車とM車とM'車に1両あたり2機設置されていたが、離線による回生失効対策のため[要出典]、2004年から2008年にかけてうち1機が撤去された。

制御装置は名古屋市営地下鉄で初めてVVVFインバータ制御を採用している[7]。4500V、2000AのGTO素子を使用したPWM電圧形VVVFインバータである[6]

補助電源装置は静止形三相GTOインバータ140 kVAを採用している[6][3]

台車は6113編成まで従来の住友(現・日鉄)製SS108形・SS008形SUミンデン式台車[5]、6114編成以降と中間増備車は名古屋市営地下鉄で初めてボルスタレス式空気ばね台車を採用しており、6118編成までは住友(現・日鉄)製SS136形・SS036形で、6119編成・6120編成と中間増備車は日車製ND721形となっている。

運転台の速度計は6113編成までアナログ式で、6114編成以降はデジタル式に変更されている。

2012年(平成24年)からは経年劣化した機器類が更新されており[2][3]GTO-VVVFインバータ制御からIGBT-VVVFインバータ制御へと変更になっている。

その他

車番表記の字体は6101編成のみローマン体で、6102編成以降と6300形6301はヘルベチカに変更されている。

6114編成以降と中間増備車は窓を車端部妻面に設置している。

編成

登場時

← 今池
中村区役所(現:太閤通) →
備考
形式 6100 6200 6700 6800
区分 Mc T M Tc
車両番号 6101 6201 6701 6801 試作車
6102 6202 6702 6802 量産車
6113 6213 6713 6813

5両編成化後

← 徳重
太閤通 →
備考
形式 6100 6200 6300 6700 6800
区分 Mc T M' M Tc
車両番号 6101 6201 6301 6701 6801 中間車増結
6113 6213 6313 6713 6813
6114 6214 6314 6714 6814 編成単位
6120 6220 6320 6720 6820

脚注

注釈

  1. ^ a b c d 車両長は先頭車19,400mm・中間車19,300mm、車両幅は2,746mm、車両高は3,640mmである。(名古屋市交通局6000形『鉄道ファン』交友社、1987年12月、157-158頁。 )
  2. ^ 桜通線で運用されている車両で一部日車製の台車を採用している。

出典

  1. ^ a b c 鉄道ジャーナル』第21巻第14号、鉄道ジャーナル社、1987年12月、113頁。 
  2. ^ a b c d e f g h i j k l 名古屋市営地下鉄|地下鉄車両ガイド|日本地下鉄協会”. www.jametro.or.jp. 2023年4月6日閲覧。
  3. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r 桜通線車両 6000形の概要 ・主要諸元|名古屋市交通局”. www.kotsu.city.nagoya.jp. 2023年3月31日閲覧。
  4. ^ a b c 鉄道ファン』第27巻第12号、交友社、1987年12月、157-158頁。 
  5. ^ a b 『鉄道ファン』 27巻、12号、交友社、1987年12月、56頁。 
  6. ^ a b c 『鉄道ファン』交友社、1987年12月、57頁。 
  7. ^ a b c 宇佐美徹「名古屋市営地下鉄 車両総説」『鉄道ピクトリアル』1999 年8月号、電気車研究会、1999年、46頁。 
  8. ^ 「各社別車両情勢」『鉄道ピクトリアル』1994年10月臨時増刊号 新車年鑑1994年版、電気車研究会、1994年、87頁。 
  9. ^ 鉄道ピクトリアル1988年5月号「新車年鑑」163 - 164頁
  10. ^ 名古屋市交通局『名古屋の地下鉄 メモリアル50』名古屋市交通局、2008年、105頁。 

外部リンク