医療人類学

医療人類学(いりょうじんるいがく、英語: medical anthropology)とは、病気健康保健)に関する人類学研究分野のことである。 当初は医学史医療医学の哲学領域から、考古・歴史上の過去の事象や、非西洋の同時代の異文化異民族の事象を検討することを通して、西洋近代医療概念を相対化するために、この学問領域が登場してきた。したがって医療・医学の研究から人類学の方法論や概念を身につけて研究した人たちと、人類学の分野から医療すなわち病気・健康・保健を対象とする学問を研究する人たちの2つに大別することができた。やがて人類学研究の細分化が加速し医療人類学の専門を名乗る人たちが出てきて、専門学会や研究会を組織し、学術雑誌を出すようになり、今日のような研究領域ができあがった。

概要[編集]

  • 1970年代以降、北米において盛んに研究が行われてきている。アメリカ人類学会(American Anthroplogical Association)の下位カテゴリーにおいて、医学領域の会員数がかなりの数を占めることからもその隆盛がうかがえる。
  • 日本語の「医療人類学」の訳語の初期の初出は、欠田早苗(1973)によるものと思われる[1]。現在、日本においても、この領域に関心をもつ研究者は増えてきており、大学の研究室も存在する。
  • 医療人類学を研究する多くの研究者は日本文化人類学会に属している。

関連研究領域[編集]

医療人類学を勉強できる大学・大学院[編集]

研究者[編集]

脚注[編集]

  1. ^ Alexander Alland 著、欠田早苗 訳『文化と医療 : 医療人類学入門』医歯薬出版、1973年。 

参考文献[編集]

池田光穂・奥野克己共編『医療人類学のレッスン 病いをめぐる文化を探る』(学陽書房、2007年)

関連項目[編集]

外部リンク[編集]