クラススイッチ

クラススイッチのメカニズム

クラススイッチ(英:Immunoglobulin class switching)とは、免疫反応で生産される免疫グロブリンの定常領域(Fc領域)が、抗原などの刺激により可変部を変えずにIgMからIgGIgEなどへと変換することである。免疫グロブリンクラススイッチ[1]またはアイソタイプスイッチ[2]またはクラススイッチング[3]ともいう。H鎖の定常領域(Fc領域)がクラススイッチを起こす。

なお、そもそも免疫グロブリンはB細胞で生成され、またB細胞が最初に生成するヒトの免疫グロブリンはIgMであり、そこからクラススイッチによって、その他のクラスの免疫グロブリンに変化することになる。

ヘルパーT細胞がB細胞を活性化した際にクラススイッチが起きることが知られており[4]、IgMクラスからどのクラスやサブクラスの抗体に変換するかは、ヘルパーT細胞の産生するサイトカインと呼ばれる活性たんぱく質の作用によって決まる。

関連疾患[編集]

CD40リガンド(CD154)を欠損するX連鎖高IgM症候群ではクラススイッチが働かないのでIgMとIgD以外の免疫グロブリン(IgGやIgEやIgA)を産生できないために免疫不全に陥る。また、高頻度体細胞突然変異を行う活性化誘導シチジンデアミナーゼ(AID)はクラススイッチにも関わっているのでこれを欠損するAID欠損症でもクラススイッチがうまくいかず高IgM血症を示す。

参照項目[編集]

脚注[編集]

  1. ^ 免疫グロブリンクラススイッチ”. J-GLOBAL. 科学技術振興機構. 2011年2月6日閲覧。
  2. ^ 宮坂昌之 編集『標準免疫学』、医学書院、2016年2月1日 第3版 第2刷、101ページ、左段の中付近
  3. ^ 宮坂昌之 編集『標準免疫学』、医学書院、2016年2月1日 第3版 第2刷、27ページ、左段の中付近
  4. ^ Lodishほか著『分子細胞生物学』、第7版、石浦章一ほか訳、東京科学同人、963ページ

参考文献[編集]