傍糸球体装置

傍糸球体装置(ぼうしきゅうたいそうち、Juxtaglomerular apparatus)は、腎臓の濾過装置である糸球体のそばにあり、主に尿量調節をおこなう。

腎小体の図。傍糸球体装置はDと示されている。

働き[編集]

血管極に接している遠位尿細管には、緻密斑と呼ばれる特殊な上皮細胞が並んでいる。この上皮細胞はCl-イオンの濃度センサーで、原尿中のCl-の濃度が一定以上(高く)になると、輸入細動脈の平滑筋細胞に作用して血管を収縮させる。すると糸球体血漿流量は減少し、濾過量も減少する。逆に、原尿中のCl-の濃度が一定以下(低く)になると、緻密斑に接する傍糸球体細胞を刺激し、レニンを分泌させる。レニン分泌は血圧調節に関わるレニン-アンジオテンシン-アルドステロン系の発端となり、血圧を上昇させることで糸球体濾過量を増加させる。

傍糸球体装置の構成要素[編集]

  1. 輸入細動脈
  2. 輸出細動脈
  3. 傍糸球体細胞 (レニンの分泌)
  4. 緻密斑 (遠位尿細管の一部)
  5. 糸球体外メサンギウム (ゴールマティヒ細胞)

遠位尿細管の緻密斑

輸入細動脈の顆粒細胞