仲町六絵

仲町 六絵
(なかまち ろくえ)
ペンネーム 仲町 六絵
(なかまち ろくえ)
誕生 1977年????
日本の旗愛知県
職業 小説家
言語 日本語
国籍 日本の旗 日本
教育 修士(学術)
最終学歴 放送大学大学院文化科学研究科文化科学専攻人文学プログラム
活動期間 2011年 - (プロとして)
ジャンル 伝奇小説
ファンタジー
ホラー小説
代表作 『からくさ図書館来客簿』シリーズ
主な受賞歴 第17回電撃小説大賞メディアワークス文庫賞(2010年)
デビュー作 『霧こそ闇の』
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仲町 六絵(なかまち ろくえ、1977年 - )は日本小説家。女性[1]

経歴・人物[編集]

愛知県生まれ[2]。しかし生後間もない頃には奈良県平城京周辺で育った[3]。また大学時代は京都府北白川周辺に住んだという[3]。現在、大阪市在住[4]

もともとは歌人として、『短歌会員として活動[5]京都大学短歌会にも参加し、同時期の会員に島田幸典澤村斉美らがいる[6]。20代の初めから半ばにかけては短歌誌に毎月投稿し[7]NHK歌壇などに投稿した短歌が採用されるも、大阪に転居した途端に歌が詠めなくなってしまう[4]。しばらくの空白を経て物の怪の物語を、掌編小説を中心に書き始め、古本小説大賞を始め懸賞小説などに投稿した[4]。怪談に魅入られたきっかけは子どものころに読んだ児童向けの雨月物語であったという[2]

2008年、「鳥の家」にて第6回ビーケーワン怪談大賞 優秀賞を受賞。2009年、「水晶橋ビルヂング」にて第7回ビーケーワン怪談大賞 優秀賞を受賞。2010年、「おいでるかん」にて第5回『幽』怪談文学賞に佳作入選。同年、「雪まろの夏」にて第20回ゆきのまち幻想文学賞 入選。同年、「砂の兵団~BATTLE DOLL MASTERS~」にて第8回jump Novel Grand Prixテーマ部門 (テーマ「好敵手」) 候補作。同年、「典医の女房」にて、短編ながら第17回電撃小説大賞 メディアワークス文庫賞受賞[8]2011年5月、「典医の女房」に続編3話を加筆した連作短編集『霧こそ闇の』(メディアワークス文庫)にて本格的に作家デビュー。

現在はメディアワークス文庫から『からくさ図書館来客簿』シリーズや『南都あやかし帖』など、日本の歴史に取材したファンタジー作品を発表している。

評価[編集]

デビュー作『霧こそ闇の』の帯には、中山義秀文学賞受賞作家の上田秀人が、次のような推薦文を寄せている。

闇に棲む者にも人と変わりのない想いがある。光の生み出す陰が、今よりも濃い戦国の時代だからこそ許された人と化生けしょうとの愛。自然を敬った日本の美しき心が紡ぎ出す物語。これぞまさに伝奇小説である。 — 上田秀人、推薦文

また、京大SF・幻想文学研究会の企画した「本格ライトノベル大賞32選」においては、『霧こそ闇の』は「巧すぎてカテゴリエラー」「時代ものの筆致」と書かれ、ライトノベルの枠に収まらない作品として評価された[9]

作品リスト[編集]

書籍[編集]

シリーズ外作品
からくさ図書館来客簿シリーズ
  • からくさ図書館来客簿 〜冥官・小野篁と優しい道なしたち〜(メディアワークス文庫 2013年5月)ISBN 978-4-04-891704-9
  • からくさ図書館来客簿 第二集 〜冥官・小野篁と陽春の道なしたち〜(メディアワークス文庫 2014年3月)ISBN 978-4-04-866465-3
  • からくさ図書館来客簿 第三集 〜冥官・小野篁と短夜の昔語り〜(メディアワークス文庫 2014年11月)ISBN 978-4-04-869116-1
  • からくさ図書館来客簿 第四集 〜冥官・小野篁と夏のからくり〜(メディアワークス文庫 2015年9月)ISBN 978-4-04-865461-6
  • からくさ図書館来客簿 第五集 〜冥官・小野篁と剣鳴る秋〜(メディアワークス文庫 2016年3月)ISBN 978-4-04-865912-3
  • からくさ図書館来客簿 第六集 〜冥官・小野篁と雪解けの歌〜(メディアワークス文庫 2016年10月)ISBN 978-4-04-892492-4
あやかしとおばんざいシリーズ
  • あやかしとおばんざい 〜ふたごの京都妖怪ごはん日記〜(メディアワークス文庫 2016年6月)ISBN 978-4-04-892227-2
  • あやかしとおばんざい2 〜ふたごの京都妖怪ごはん日記〜(メディアワークス文庫 2017年2月)ISBN 978-4-04-892679-9
京都西陣なごみ植物店シリーズ
おとなりの晴明さんシリーズ
  • おとなりの晴明さん 〜陰陽師は左京区にいる 〜(メディアワークス文庫 2017年10月)ISBN 978-4-04-893464-0
  • おとなりの晴明さん 第二集 〜陰陽師は初夏に縁を導く〜(メディアワークス文庫 2018年5月)ISBN 978-4-04-893834-1
  • おとなりの晴明さん 第三集 〜陰陽師は夏の星を祝う〜(メディアワークス文庫 2018年9月)ISBN 978-4-04-912116-2
  • おとなりの晴明さん 第四集 〜陰陽師は月の女神と出逢う〜(メディアワークス文庫 2019年2月)ISBN 978-4-04-912342-5
  • おとなりの晴明さん 第五集 〜陰陽師は雪の文様を愛でる〜(メディアワークス文庫 2019年7月)ISBN 978-4-04-912729-4
  • おとなりの晴明さん 第六集 〜陰陽師は狐の花嫁を守る〜(メディアワークス文庫 2020年2月)ISBN 978-4-04-913087-4
  • おとなりの晴明さん 第七集 〜陰陽師は水の神と歌う〜(メディアワークス文庫 2020年8月)ISBN 978-4-04-913387-5
  • おとなりの晴明さん 第八集 〜陰陽師は金の烏と遊ぶ〜(メディアワークス文庫 2021年1月)ISBN 978-4-04-913639-5

アンソロジー収録・雑誌寄稿作品[編集]

「」内が仲町六絵の作品

  • 『ゆきのまち幻想文学賞小品集20 もうひとつの階段』《編:ゆきのまち通信》(企画集団ぷりずむ 2011年4月)ISBN 978-4-906691-37-1 「雪まろの夏」
  • 電撃文庫MAGAZINE』Vol.53(KADOKAWA 2016年12月10日発行)全国書誌番号:01018710「奈良町ひとり陰陽師」
ビーケーワン怪談大賞傑作選

雑誌掲載コラム[編集]

  ― 英傑私がたり 「第六天魔王、あるいは尾張の大うつけがいる日常」収録。

WEB書下ろし小説[編集]

公開終了[注 1]
  • メディアワークス文庫公式サイト「ウェブ書下ろし小説」
    • 第5回「庄五郎の槍 ―龍馬の仇討ち人―」-『夜明けを知らずに』番外編
    • 第16回「スモモもモモも桃のうち」-『からくさ図書館来客簿』番外編
    • 第38回「ファールス風青菜の煮込みと神仏のいたずら」-『南都あやかし帖』番外編
    • 「猫絵の名前」(おとなりの晴明さん 第二集『蛍ほろほろ』番外編)
    • 「猫の手」(おとなりの晴明さん 第四集 番外編)

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ 無料公開期間のみ閲覧可

出典[編集]

  1. ^ 『夜明けを知らずに 天誅組余話』メディアワークス文庫刊、P326より。ISBN 978-4-04-886623-1
  2. ^ a b 『てのひら怪談 庚寅』巻末「著者プロフィール」
  3. ^ a b 本の帯をまとめるサイトhonoby作家の本棚「作家プロフィール」
  4. ^ a b c 電撃文庫MAGAZINE』VOL.17(2011年1月号)、448ページ
  5. ^ 『夜明けを知らずに 天誅組余話』メディアワークス文庫刊、カバーより。ISBN 978-4-04-886623-1
  6. ^ 2000年10月11日(水) - 歌会の記録:京大短歌
  7. ^ 電撃大賞 出身作家インタビュー 第35回
  8. ^ ダ・ヴィンチ』2017年8月号. KADOKAWA. pp. 156. 
  9. ^ 京大SF・幻想文学研究会ブログ

外部リンク[編集]