基礎代謝

基礎代謝(きそたいしゃ、: Basal metabolic rate BMR)とは、覚醒状態の生命活動を維持するために生体で自動的に(生理的に)行われている活動における必要最低限のエネルギーのことである。相当するエネルギー量(熱量)は、成長期が終了して代謝が安定した一般成人で、1日に女性で約1,200、男性で約1,500キロカロリー(kcal)とされている。

消費量は大人の場合肝臓が27%、が19%、筋肉(骨格筋)が18%で、この3器官のみで6割以上を占める[1]

基礎代謝基準値[編集]

基礎代謝基準値とは、体重1kgあたりの基礎代謝量(kcal)を示す数値のことである。

基礎代謝基準値と基礎代謝量[2]
男性 女性(妊婦、授乳婦を除く)
年齢 基礎代謝
基準値
(kcal/kg/日)
基準体重
(kg)
基準体重での
基礎代謝量
(kcal/日)
基礎代謝
基準値
(kcal/kg/日)
基準体重
(kg)
基準体重での
基礎代謝量
(kcal/日)
1〜2 61.0 11.7 710 59.7 11.0 660
3〜5 54.8 16.2 890 52.2 16.2 850
6〜7 44.3 22.0 980 41.9 21.6 920
8〜9 40.8 27.5 1,120 38.3 27.2 1,040
10〜11 37.4 35.5 1,330 34.8 34.5 1,200
12〜14 31.0 48.0 1,490 29.6 46.0 1,360
15〜17 27.0 58.4 1,580 25.3 50.6 1,280
18〜29 24.0 63.0 1,510 22.1 50.6 1,120
30〜49 22.3 68.5 1,530 21.7 53.0 1,150
50〜69 21.5 65.0 1,400 20.7 53.6 1,110
70以上 21.5 59.7 1,280 20.7 49.0 1,010

なお1日の推定エネルギー必要量(消費量)は、身体活動レベルに応じて基礎代謝量の1.5〜2倍程度となる。詳細は栄養#栄養学の観点からを参照のこと。

基礎代謝量の推定式[編集]

国立健康・栄養研究所の式(Ganpuleの式)[編集]

健康な日本人において妥当性が比較的高い推定式[3]である。

男性
女性

(W:体重(kg),H:身長(cm),A:年齢(歳))

ハリス-ベネディクトの式[編集]

ハリス-ベネディクトの式は1919年に発表された推定式である。

FAO/WHO/UNUの式[編集]

[4][5]

国際的に用いられている推定式である。

男性
18〜29歳
30〜59歳
60歳以上
女性
18〜29歳
30〜59歳
60歳以上

(W:体重(kg),H:身長(cm))

脚注[編集]

  1. ^ FAO/WHO/UNU合同特別専門委員会報告 1989年
  2. ^ 厚生労働省:日本人の食事摂取基準(2010年版)
  3. ^ Miyake, Rieko; Tanaka, Shigeho; Ohkawara, Kazunori; Ishikawa-Takata, Kazuko; Hikihara, Yuki; Taguri, Emiko; Kayashita, Jun; Tabata, Izumi (2011). “Validity of predictive equations for basal metabolic rate in Japanese adults”. Journal of Nutritional Science and Vitaminology 57 (3): 224–232. ISSN 1881-7742. PMID 21908945. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/21908945. 
  4. ^ 健康・栄養フォーラム - 基礎代謝量の算出について”. www.nibiohn.go.jp. 2019年7月13日閲覧。
  5. ^ Energy and protein requirements”. www.fao.org. 2019年7月13日閲覧。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]