上ノ国町

かみのくにちょう ウィキデータを編集
上ノ国町
上ノ国町旗
1927年制定
上ノ国町章
1927年制定
日本の旗 日本
地方 北海道地方
都道府県 北海道檜山振興局
檜山郡
市町村コード 01362-5
法人番号 1000020013625 ウィキデータを編集
面積 547.72km2
総人口 4,228[編集]
住民基本台帳人口、2024年2月29日)
人口密度 7.72人/km2
隣接自治体 檜山郡江差町厚沢部町
上磯郡木古内町知内町
松前郡福島町松前町
町の木 ヒノキアスナロ
町の花 エゾヤマツツジ
なし
上ノ国町役場
町長 工藤昇
所在地 049-0698
北海道檜山郡上ノ国町字大留100
北緯41度48分04秒 東経140度07分17秒 / 北緯41.80111度 東経140.12144度 / 41.80111; 140.12144座標: 北緯41度48分04秒 東経140度07分17秒 / 北緯41.80111度 東経140.12144度 / 41.80111; 140.12144
外部リンク 公式ウェブサイト

上ノ国町位置図

― 政令指定都市 / ― 市 / ― 町・村

ウィキプロジェクト
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夷王山から見る上ノ国町北部の海岸線、奥は江差町
上ノ国町中心部周辺の空中写真。1976年撮影の3枚を合成作成。
国土交通省 国土地理院 地図・空中写真閲覧サービスの空中写真を基に作成。

上ノ国町(かみのくにちょう)は、北海道南西部、檜山振興局管内最南端にある町。檜山郡に属する。日本海に臨む農漁業のまちである。

地理[編集]

渡島半島の南西部、松前半島の付け根部分を占める。西は日本海に面しており、北には檜山振興局所在地の江差町が隣接する。東と南は大千軒岳をはじめとする松前半島の脊梁をなす山々によって渡島総合振興局管内の各町と隔てられている。

木古内町との境にある尖岳(とんがりだけ)に源を発する天の川が北西に流れ、中心市街のある町北部の海岸で日本海に注いでいる。これに沿うようにJR江差線が通っていた。天の川沿いに農業を、海岸沿いに漁業を主とする集落が点在している。「天の川きららトンネル」がある。

中心市街から西に約3km行くと、海にやや突き出す形で夷王山がそびえる。中世に松前氏の祖が勝山館を築いた地で、当時の墳墓群もある。山頂からは日本海と上ノ国市街を一望できる。周辺は野草の宝庫で、檜山道立自然公園の一部ともなっている。

気候は沿岸を流れる対馬海流による影響が大きく、北海道の中では非常に温暖で積雪が少ないが、雨は多い。一年を通じて風が強く小規模ながら風力発電も行われている。

  • 山 : 大千軒岳、七ツ岳、尖岳、瓜谷山、八幡岳、夷王山 (159m)
  • 河川 : 天の川(登録名は「天野川」、二級河川)、石崎川(二級河川)
  • 湖沼 : あすなろ湖(上ノ国町字北村からの細い山道をずっと進んでいけば出現する。(所在地:上ノ国町字豊田))

隣接する自治体[編集]

歴史[編集]

上ノ国は北海道で最も早い時期に和人が定住した地であるとされる。1189年、源頼朝が奥州の藤原氏を攻めた際に、糠部や津軽の人々が上ノ国付近まで逃れたという。

鎌倉時代以降蝦夷地は安東氏の管轄とされたが、本格的に蝦夷地の支配に乗り出したのは15世紀初頭、渡島半島各地に砦を築いて以降のことである。この砦は「館」(たて)と呼ばれ、この時期築かれた12余りの館は「道南十二館」と総称されている。このとき函館の周辺は「下之国」、上ノ国や江差の周辺は「上之国」と称された。これが町名の由来である。このころの上ノ国は松前や箱館とともに蝦夷地を代表する港であり、十二館の一つとして作られた花沢館は「上之国」地域の中心拠点として機能した。

1456年にはコシャマイン率いるアイヌ人の蜂起があり、和人の諸館が次々に陥落したが、花沢館主・蠣崎季繁の客将であった武田信広が指揮する軍がコシャマインを討ち取り、これを平定した。信広はこれを機に蠣崎家を継ぐこととなる。信広は花沢館の近傍に勝山館、洲崎館を築き、上ノ国は蠣崎氏による蝦夷地支配の拠点となった。

1514年、二代の光広は松前に本拠を移したが、勝山館に城代を置いた。その後も上ノ国は檜山地域の政治・経済・軍事の中心であったが、江戸時代に入った1678年、江差に檜山番所が作られると拠点機能も江差へと移り、上ノ国の役割は次第に小さくなっていった。

沿革[編集]

行政[編集]

町長
工藤昇(くどう のぼる・2002年平成14年)6月5日就任 6期目、任期は2026年(令和8年)6月まで(予定))

経済[編集]

上ノ国町中心部

産業[編集]

2000年国勢調査によれば上ノ国町の産業別就業人口割合は、第1次産業14.0%、第2次産業42.2%、第3次産業43.8%であり、第1次産業の割合が比較的高い。

第1次産業
農業は野菜、稲作、養豚の生産額が大きい。漁業は近海でスケトウダラホッケスルメイカを獲るが、零細漁業者も多い。近年では漁家の経営安定を目的に「海洋牧場」と銘打って海面養殖を推進しており、アワビウニなどを生産している。
第2次産業
建設業に従事する者が多い。かつては、石崎川上流にマンガンの上国(じょうこく)鉱山があった。天の川上流の平成上ノ国鉱山特産の鉱石・ブラックシリカは遠赤外線を放射することから岩盤浴などに利用され注目されている。

立地企業[編集]

農協・漁協[編集]

郵便局[編集]

  • 上ノ国郵便局(集配局)
  • 湯ノ岱郵便局
  • 檜山石崎郵便局

宅配便[編集]

公共機関[編集]

警察[編集]

消防[編集]

姉妹都市[編集]

地域[編集]

人口[編集]

上ノ国町と全国の年齢別人口分布(2005年) 上ノ国町の年齢・男女別人口分布(2005年)
紫色 ― 上ノ国町
緑色 ― 日本全国
青色 ― 男性
赤色 ― 女性

上ノ国町(に相当する地域)の人口の推移
総務省統計局 国勢調査より


消滅集落[編集]

2015年国勢調査によれば、以下の集落は調査時点で人口0人の消滅集落となっている[2]

  • 上ノ国町 - 字羽根差

教育[編集]

高等学校
中学校
  • 上ノ国
小学校
  • 上ノ国、河北、滝沢(廃校)
大学(研究施設)
  • 北海道大学北方生物圏フィールド科学センター森林圏ステーション檜山研究林[3]

交通[編集]

空港[編集]

函館空港(函館市)が至近。

鉄道[編集]

町内を鉄道路線は通っていない。鉄道を利用する場合の最寄り駅は、北海道旅客鉄道(JR北海道)北海道新幹線および道南いさりび鉄道道南いさりび鉄道線木古内駅

廃止された鉄道路線[編集]

以前は北海道旅客鉄道江差線があり同線内に神明駅湯ノ岱駅宮越駅桂岡駅中須田駅および上ノ国駅が設置されていたが、これらの駅を含む木古内駅-江差駅間が2014年5月12日に廃止され、残りの区間も2016年3月26日道南いさりび鉄道へ移管された。
(なお鉄道駅とは異なるが、湯ノ岱駅と宮越駅の間に天ノ川駅という、鉄道駅を模したモニュメントが設置されていた。)

バス[編集]

道路[編集]

船舶[編集]

名所・旧跡・観光スポット・祭事・催事[編集]

湯ノ岱温泉

文化財[編集]

重要文化財(建造物)[編集]

  • 上国寺本堂 – 北海道最古と伝えられる古刹
  • 笹浪家住宅(北海道檜山郡上ノ国町)主屋・土蔵 – 代々ニシン漁を営んだ旧家

重要文化財(美術工芸品)[編集]

  • 北海道上之国勝山館跡出土品 – 勝山館跡ガイダンス施設

登録有形文化財[編集]

  • 石崎漁港トンネル

史跡[編集]

その他[編集]

  • 砂館神社本殿 – 洲崎館跡にある。道指定有形文化財
  • 上ノ国八幡宮本殿 – 上ノ国町指定有形文化財
  • 清浄寺本堂 – 上ノ国町指定有形文化財
  • 久末家住宅主屋・物置 – 上ノ国町指定有形文化財
  • 円空作十一面観音立像 – 道指定有形文化財、上ノ国観音堂蔵
  • 上ノ国町指定有形文化財(美術工芸品)29件 – 上ノ國八幡宮など
  • 円空作仏像観音座像 – 上ノ国町指定有形民俗文化財、上ノ国観音堂。なお、上ノ国町指定有形文化財に指定されたものがほかに4体ある。
  • 石崎奴 – 上ノ国町指定無形民俗文化財、石崎奴保存会
  • 大留鹿子舞 – 上ノ国町指定無形民俗文化財、大留鹿子舞保存会

神社[編集]

寺院[編集]

イベント[編集]

  • 夷王山まつり(6月)
  • 上ノ國八幡宮例大祭(9月)
    • 徒士(かち)行列、社殿では伝統神楽

温泉[編集]

その他[編集]

  • 天ノ川駅 – JR江差線にあった、駅に似せた構造物。
  • 天の川ふれあい広場
  • 旧中外鉱業株式会社上国鉱山 – ペンシル型の焙焼炉が廃墟スポットになっている。
  • ワシリチャシ[12]

出身有名人[編集]

脚注[編集]

  1. ^ 昭和を駆け抜けた中外鉱業上国鉱業所
  2. ^ 総務省統計局統計調査部国勢統計課平成27年国勢調査小地域集計01北海道《年齢(5歳階級),男女別人口,総年齢及び平均年齢(外国人-特掲)-町丁・字等》』(CSV)(レポート)総務省、2017年1月27日https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files/data?fileid=000007841019&rcount=12017年5月20日閲覧 ※条町区分地の一部に0人の地域がある場合でも他の同一区分地で人口がある場合は除いた。
  3. ^ 檜山研究林”. 北海道大学北方生物圏フィールド科学センター森林圏ステーション. 2020年10月17日閲覧。
  4. ^ 河野哲也「北海道の森林鉄道,殖民軌道」『鉄道ピクトリアル』No.733
  5. ^ 上ノ國八幡宮(北海道神社庁サイト)、町指定有形文化財 上ノ國八幡宮本殿(上ノ国町サイト)
  6. ^ 大崎稲荷神社(北海道神社庁サイト)
  7. ^ 砂館神社(北海道神社庁サイト)
  8. ^ 瀧澤神社(北海道神社庁サイト)
  9. ^ 川裾神社(北海道神社庁サイト)
  10. ^ 八幡神社(北海道神社庁サイト)
  11. ^ 重要文化財 上國寺本堂(上ノ国町サイト)、上國寺(函館タウンなび)
  12. ^ ワシリチャシ訪城記

関連項目[編集]

外部リンク[編集]