三菱重工業

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三菱重工業株式会社
Mitsubishi Heavy Industries, Ltd.
丸の内二重橋ビル
種類 株式会社
機関設計 監査等委員会設置会社[1]
市場情報
東証プライム 7011
1950年5月29日上場
名証プレミア 7011
1950年8月29日上場
福証 7011
1949年7月1日上場
札証 7011
1950年6月1日上場
略称 三菱重工・三重・重工・MHI
本社所在地 日本の旗 日本
100-8332
東京都千代田区丸の内三丁目2番3号
丸の内二重橋ビル[注釈 1]
北緯35度40分39.7秒 東経139度45分42.5秒 / 北緯35.677694度 東経139.761806度 / 35.677694; 139.761806座標: 北緯35度40分39.7秒 東経139度45分42.5秒 / 北緯35.677694度 東経139.761806度 / 35.677694; 139.761806
設立 1950年(昭和25年)1月11日
(中日本重工業株式会社)
(創立:1884年明治17年)7月7日)
業種 機械
法人番号 8010401050387 ウィキデータを編集
事業内容 機械建設機械航空機船舶、防衛機器の製造・販売
代表者 泉澤清次代表取締役社長CEO
小澤壽人(代表取締役兼常務執行役員CFO
加口仁(代表取締役兼常務執行役員兼CSO兼ドメインCEO兼エナジードメイン長)
資本金 2,656億878万1,000円
発行済株式総数 3億3736万4781株
(2023年3月31日現在)
売上高 連結:4兆2,027億9,700万円
単独:1兆5,494億8,700万円
(2023年3月期)
経常利益 連結:1,933億2,400万円
単独:893億800万円
(2023年3月期)
純利益 単独:985億6,400万円 (2023年3月期)
純資産 単独:1兆435億2,600万円 (2023年3月期)
総資産 連結:5兆4,748億1,200万円
単独:3兆1,501億500万円
(2023年3月期)
従業員数 連結:76,859人
単独:21,634人
(2023年3月31日現在)
決算期 毎年3月31日
会計監査人 有限責任あずさ監査法人
主要株主 日本マスタートラスト信託銀行(信託口) 15.6 %
日本カストディ銀行(信託口) 5.0 %
明治安田生命保険相互会社 2.3 %
STATE STREET BANK WEST CLIENT - TREATY 505234 1.8 %
三菱重工持株会 1.6 %
THE BANK OF NEW YORK MELLON 140044 1.0 %
(2023年3月31日現在)
主要子会社 MSJ資産管理 64.0 %
三菱ロジスネクスト 64.6%
三菱マヒンドラ農機 66.7 %
プライメタルズ テクノロジーズ 65.7 %
関係する人物
外部リンク www.mhi.com ウィキデータを編集
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三菱重工業株式会社(みつびしじゅうこうぎょう、: Mitsubishi Heavy Industries, Ltd.略称MHI)は、東京都千代田区丸の内及び神奈川県横浜市西区みなとみらいに本社を置く、三菱グループ重工業メーカーである。

三菱金曜会[2]及び三菱広報委員会[3]に属する[4][5]三菱UFJ銀行三菱商事とともに三菱グループ(旧三菱財閥)の「御三家」と呼ばれる[6]。また、川崎重工業(KHI)、IHI(旧・石川島播磨重工業)とともに日本の三大重工業の一角を成しており、事業内容・規模ともに首位である。日経平均株価及びTOPIX Large70の構成銘柄の一つ[7][8]

概説[編集]

通称は「三菱重工」または「MHI[9]。三菱グループの源流企業である日本郵船(NYK LINE)の船の修繕・改修のために国が払い下げた長崎造船所長崎県長崎市)を発祥とする。現在では日本最大の技術開発メーカーであり[10]、事業領域は宇宙宇宙航空研究開発機構)と多岐にわたる[11]。総合的な社会インフラ事業を担っている。三菱電機三菱自動車などは、もともとは同社の一部門が独立して誕生した企業である。

主力製品は、船舶造船)、エネルギー関連機器、産業機械航空機ロケット兵器(防衛装備品)などである。ほかにも、鉄道車両リニア電気機関車・懸垂型モノレール新交通システムLRVなど)の製造、さらにエアコンや事業所向け大型冷凍機ターボチャージャーETCシステムの製造でも知られ、過去には「シルバーピジョン」というスクーターも製造していた。なお、エアコンや加湿器は三菱グループ内で三菱電機競合している[注釈 2]。ETC車載器も過去には競合していたが、部門を古野電気に譲渡したため[12]競合しなくなった。

明治時代以降、三菱グループ自体が政商として発展を遂げてきた歴史的経緯で、三菱重工業は伝統的に「三菱は国家なり」という意識を持っており、世界へ目を向けた一途な心情からの経営方針としている。三菱重工業の社長、会長を歴任した飯田庸太郎は「防衛産業で日本のお役に立てなければ、三菱が存在する意味はない。もって生まれた宿命と思っています。」と語っている[13]兵器製造の分野では防衛省への納入実績が第一位の企業であり、世界では21位、日本ではトップの製造開発企業とされ[14]戦闘機ヘリコプターイージス艦を含む護衛艦潜水艦戦車ミサイルなどの製造をしている。事実上、現在においても日本の国防を担っている存在である。

歴史[編集]

三菱財閥二代目の岩崎弥之助が創業する。1884年(明治17年)に工部省長崎造船局の工場施設を三菱財閥の源流企業である「郵便汽船三菱会社(現在の日本郵船)」が借り受け、長崎造船所として事業継承。1887年(明治20年)に施設一切を買い受ける。1917年(大正6年)に三菱合資会社から独立して三菱造船株式会社(初代、以下省略)となった。造船事業は同社の祖業である。

後に業務多角化に伴い三菱電機、三菱航空機(初代、以下省略)などを分社化するが、いずれも収支不振の連続から、経営合理化のために三菱財閥4代目岩崎小弥太が「造船」と「航空機」の合併を決断し、1934年4月に三菱造船を三菱重工業(初代)と改名すると、6月には三菱航空機を吸収合併した。

重工業」の語句は英文の「Heavy Industries」から小弥太が発案した造語であると語られている。戦前は日本の軍事力強化に伴い兵器(艦船、航空機)製造の中心として発展し、日本海軍超弩級戦艦武蔵の建造や零式艦上戦闘機(ゼロ戦)を設計、製造するなどして軍艦建造トン数は10倍以上、戦車の製造台数は200倍以上、資本金は20倍以上に成長する。

1945年第二次世界大戦終結後、GHQ財閥解体および過度経済力集中排除法の適用により、1950年(昭和25年)、東日本重工業(後の三菱日本重工業)、中日本重工業(後の新三菱重工業)、西日本重工業(後の三菱造船(2代目))の3社に分割される。当初は3社が製品で棲み分けるも、線引きが曖昧になり製品群の重複が多数発生した。高度成長にあたり、3社の再統合を計画に際し「財閥の再来」など非難も挙がるも、他の三菱グループと協力しながら1964年に3社は再統合し(法手続上の存続会社は新三菱重工業)、社名を再び三菱重工業(2代目)にする。三菱グループは重化学工業関連企業が多く、高度経済成長期重厚長大産業が大きく発展する中で戦後に中核を担い、日本最大規模の重工業メーカーとして復興する。1970年には同社の自動車部門である三菱自動車工業2018年には再び造船部門である三菱造船が分離・独立した。

年表[編集]

財閥解体に伴う三菱重工業の分社を告知する広告(『アサヒグラフ』1950年1月18日号)
旧三菱重工業東京本社ビル(現:丸の内二丁目ビル)(2012年10月8日)
三菱重工爆破事件の舞台となった。

歴代社長[編集]

氏名 在任期間
1代 藤井深造 1964年6月 - 1965年5月
2代 河野文彦 1965年5月 - 1969年 月
3代 牧田與一郎 1969年5月 - 1971年2月
4代 古賀繁一 1971年12月 - 1973年5月
5代 守屋学治 1973年5月 - 1977年6月
6代 金森政雄 1977年6月 - 1981年6月
7代 末永聡一郎 1981年6月 - 1985年6月
8代 飯田庸太郎 1985年 - 1989年
9代 相川賢太郎 1989年 - 1995年
10代 増田信行 1995年 - 1999年
11代 西岡喬 1999年 - 2003年
12代 佃和夫 2003年 - 2008年
13代 大宮英明 2008年 - 2013年
14代 宮永俊一 2013年 - 2019年
15代 泉澤清次 2019年 - 現職

主な事業拠点[編集]

三菱重工横浜ビル(2011年10月2日)

本社および本社機能[編集]

本社機能は以下のとおり分散されている。

総合研究所[編集]

総合研究所は製造品目が多岐にわたるため、複数拠点に立地している[38]

  • 長崎地区
  • 広島地区
  • 高砂地区
  • 神戸地区
  • 名古屋地区
  • 相模原地区
  • 横浜地区

事業所・工場[編集]

事業所および工場の一覧[39]は以下のとおり。
(括弧内は略称、太字は三大主力工場を示し、略称の続きに所在地に属する自治体を併記する)

東京ドーム13個分の広さがある)

事業ドメイン・セグメント[編集]

2023年1月1日現在の事業ドメイン・セグメントの一覧[40]

エナジー[編集]

プラント・インフラ[編集]

物流・冷熱・ドライブシステム[編集]

原子力[編集]

  • 原子力セグメント
    • 三菱原子燃料株式会社
    • 三菱FBRシステムズ株式会社
    • MHI NSエンジニアリング株式会社
    • MHI NUSEC株式会社
    • MHI 原子力研究開発株式会社
    • 株式会社原子力発電訓練センター
    • 六ケ所再処理メンテナンスサービス株式会社

機械システム[編集]

防衛・宇宙[編集]

民間機[編集]

  • 民間機セグメント

丸の内の旧本社ビルは文部科学省の仮庁舎となっていた。2016年(平成28年)現在は、丸の内地区の再開発事業に伴うテナントの仮移転先になっている。

主要製品[編集]

社内には7つの事業ドメインとセグメント、12の主な生産拠点が存在する。

エナジードメイン[編集]

主に横浜製作所、高砂製作所、長崎造船所、日立工場、呉工場、三菱重工コンプレッサ(広島)、三菱重工マリンマシナリ(長崎)、三菱重工航空エンジン(名古屋、長崎)で生産を行う。なお火力発電事業は、2014年2月1日付で日立製作所との合弁会社「三菱日立パワーシステムズ」(後の「三菱パワー」)に移管、その後日立との合弁解消を経て2021年10月1日より三菱重工業本体に復した。なおブランド保持とグローバル契約窓口のため「三菱パワー」の商号・法人格ともには残している[41]

自然エネルギープラント[編集]

火力発電プラント[編集]

  • 石炭焚プラント
  • 油焚プラント
  • ガス焚プラント
  • GTCC(ガスタービンコンバインドサイクル)プラント
  • IGCC(石炭ガス化コンバインドサイクル)プラント

蒸気・ガスタービン[編集]

事業用大型ガスタービン
  • 1600 級 : M501J(60 Hz用)定格単機出力 330 MW / M701J(50 Hz用)定格単機出力 478 MW[42]
  • 1500 ℃級 : M501GAC(60 Hz用)定格単機出力 283 MW[42]
  • 1500 ℃級 : M501G(60 Hz用)定格単機出力 267 MW / M701G(50 Hz用)定格単機出力 334 MW[42]
  • 1350 ℃級 : M501F(60 Hz用)定格単機出力 185 MW / M701F(50 Hz用)定格単機出力 385 MW[42]
  • 1150 ℃級 : M501D(60 Hz用)/ M701D(50 Hz用)
事業用中小型ガスタービン
  • MF-111
  • MFT-8
  • M251
  • MF-61
事業用蒸気タービン
  • GTCC発電所向け
  • 石炭 / 石油焚き火力発電所向け
  • 原子力発電所向け

エンジン[編集]

  • 航空エンジン

産業機械

プラントインフラドメイン[編集]

造船や交通システム、化学プラント、環境設備、製鉄機械事業を行う。主に長崎造船所、神戸造船所、下関造船所、横浜製作所、三原製作所で生産される。造船事業は2018年1月1日付で「三菱造船株式会社」(3代目)へ移管。 製鉄機械事業はプライメタルズテクノロジーズジャパンに。交通システム、化学プラント、環境設備は三菱重工エンジニアリングにそれぞれ移管している。

貨物船[編集]

旅客船[編集]

特殊船[編集]

その他[編集]

交通システム

化学プラント[編集]

  • 石油化学プラント
  • 肥料プラント
  • エタノールプラント

製鉄機械[編集]

  • 冷間・熱間圧延設備
  • 酸洗設備
  • 亜鉛めっき設備

原子力セグメント[編集]

主に神戸造船所内と品川本社で設計開発、神戸造船所で生産、高砂製作所で生産や試験研究を行う。設計部門の技術者は、原子力・化学・機械・電気・建築・土木などの専攻を卒業したエンジニアで構成され、燃料・系統・電気・配置・機器・配管・建物などの設計を行う。

原子力プラント[編集]

機械システムセグメント[編集]

主に三菱重工機械システムが生産を行っている。

  • ITS
    • ETCシステム(車載器も生産・販売していたが、2017年に古野電気に事業を譲渡し車載器からは撤退した)
    • ERPシステム
  • パーキングシステム
    • 立体駐車場[43]
    • 駐車券発行機[44]

物流・運搬[編集]

  • 物流設備

試験装置[編集]

免振・制振設備[編集]

紙・印刷機械[編集]

防衛・宇宙セグメント[編集]

主に相模原製作所、名古屋航空宇宙システム製作所名古屋誘導推進システム製作所、神戸造船所、長崎造船所で生産を行っている。

宇宙機器[編集]

  • ロケット/衛星用機器

航空機[編集]

  • 自衛隊機
  • 軍用機

エンジン[編集]

  • ロケットエンジン
  • 航空機エンジン

誘導機器[編集]

特殊車両[編集]

自衛隊向け特殊車両

艦艇

民間機セグメント[編集]

主に名古屋航空宇宙システム製作所、神戸造船所、広島製作所、下関造船所で生産を行なっている。ボーイングやエアバス向けの航空機部品を生産している。また自社で開発中の小型旅客機Mitsubishi space jet(事業凍結中)の生産も行っていた。

物流・冷熱ドライブシステムドメイン[編集]

エンジンとターボチャージャーを三菱重工エンジン&ターボチャージャー(相模原)、エアコン冷熱機器を三菱重工サーマルシステム(枇杷島、神戸)、フォークリフトや運搬機器を三菱ロジスネクストが生産している

エネルギー[編集]

船舶・海洋[編集]

物流・運搬[編集]

  • 重量物運搬車
    • 無人搬送車 (AGV)
    • キャリア

自動車関連[編集]

産業機械[編集]

エアコン・冷熱機器[編集]

家庭用ルームエアコン[編集]

「ビーバーエアコン」のブランド名で展開[46]

業務用エアコン[編集]

「セゾンエアコン」のブランド名で展開

  • 店舗オフィス用エアコン
  • ビル用マルチエアコン
  • ガスヒートポンプエアコン
  • 産業用冷熱機器

車両用エアコン[編集]

  • 乗用車用エアコン
  • バス用エアコン
  • 冷凍車用冷凍ユニット

ヒートポンプ製品[編集]

  • ヒートポンプ給湯機
  • 空冷ヒートポンプチラー
  • ヒートポンプ式熱風発生装置
  • 産業用温水ヒートポンプ

冷凍機[編集]

  • ターボ冷凍機

過去の製品[編集]

製紙機械事業[編集]

メッツォペーパーおよびその日本法人のメッツォペーパージャパン株式会社へ譲渡[47]

  • 紙料調成機械
  • 抄紙機械
  • 仕上機械
  • パルプ機械

製鉄機械事業[編集]

  • 製鉄機械

建設機械事業[編集]

工作機械事業[編集]

工作機械、常温ウェーハ接合装置、精密切削工具、自動車部品は滋賀県栗東市の本工場で、パワートランスミッション製品は愛知県名古屋市の岩塚工場で生産されていた。また、航空機主翼を始めとして社内製品そのものの工作機械も手がけていた。うち、完全子会社であった三菱重工工作機械株式会社は、2021年2月5日付の契約において日本電産(現・ニデック)およびそのグループ会社に譲渡され、2021年8月の株式譲渡完了を待って「日本電産マシンツール株式会社」(現・ニデックマシンツール)となった[48][49]

  • 工作機械
    • 大形工作機械
    • マシニングセンタ
    • 歯車加工機械
    • 専用工作機械
    • 超精密加工機
  • 常温ウェーハ接合装置
  • 精機品
    • 精密切削工具
    • パワートランスミッション製品
    • 航空機用歯車
  • 自動車部品
    • エンジンバルブ
    • トランスミッション部品など
  • エレクトロニクス製品
    • 精密位置測定器など

関連会社[編集]

日本国内[編集]

日本国外[編集]

元関連会社[編集]

  • U-MHIプラテック株式会社 - 本社:名古屋市、2005年4月1日設立、2017年1月に宇部興産(現・UBE)との合弁会社となった後、2020年8月に宇部興産機械(現・UBEマシナリー)に吸収合併された。
  • キャタピラージャパン株式会社 - 本社:東京都世田谷区建設機械の製造販売・リース。アメリカ、キャタピラー社との共同出資企業(戦後初のアメリカ側一部所有権保有における合弁)。2008年(平成20年)8月に「新キャタピラー三菱株式会社」から社名変更した。2012年に株式をすべてキャタピラー社に譲渡し、合弁は解消。販売協力などの協力関係は継続。
  • 三菱重工パーキング株式会社 - 本社:横浜市西区。立体駐車場全般の営業・開発・設計・製作・据付・メンテナンス・運営管理。2014年(平成26年)4月1日に三菱重工メカトロシステムズ・三菱重工鉄構エンジニアリングの鉄構装置事業部門と合併し、新たな三菱重工メカトロシステムズ(現・三菱重工機械システム)が発足した[22][23][24]
  • 湘南モノレール株式会社 - 本社:神奈川県鎌倉市。2015年(平成27年)6月にみちのりホールディングスへ株式譲渡。
  • 株式会社東洋製作所 - 本社:神奈川県大和市、冷凍・空調設備機器製造販売。2015年(平成27年)7月に三菱重工冷熱株式会社へ吸収合併。
  • 三菱重工食品包装機械株式会社 - 本社:名古屋市、2005年(平成17年)4月1日設立。主に飲料用ボトリング機械や医療用包装機械の製造・販売・研究開発・サービス。2016年(平成28年)10月に三菱重工メカトロシステムズ(現・三菱重工機械システム)へ吸収合併。
  • 三菱重工印刷紙工機械株式会社 - 本社:広島県三原市、2010年(平成22年)に設立。2017年(平成29年)10月に三菱重工メカトロシステムズ(現・三菱重工機械システム)へ吸収合併。
  • 三菱重工フォークリフト&エンジン・ターボホールディングス株式会社 - 本社:東京都千代田区。物流機器、エンジンおよびターボチャージャ事業の統括。2020年 (令和2年) 4月、親会社の三菱重工業株式会社に吸収合併。
  • ニデックマシンツール - 本社:滋賀県栗東市。旧・三菱重工工作機械。2021年(令和3年)8月、日本電産(現・ニデック)が買収。
  • ロジスネクストユニキャリア - 本社:大阪府守口市。2020年10月に旧ニチユ三菱フォークリフト系の販売会社10社とともに再編を実施。エリアごとに新たに設立された販売会社9社に承継、残った不動産管理部門は三菱ロジスネクストに吸収合併され、法人格は消滅した。

関連施設[編集]

これらの医療機関は、企業立病院であるが、三菱重工業関係者以外も利用可能である。

諸問題・不祥事[編集]

ダイヤモンド・プリンセス火災事故[編集]

  • 2002年(平成14年)10月1日、同社長崎造船所内にて、造船所2180番船として艤装工事中の、大型クルーズ客船ダイヤモンド・プリンセス」が火災を起こした[51]。施主であるP&Oに対する納入期限が2003年(平成15年)7月に迫っていたため、同時に建造していた2番船(造船所2181番船・「サファイア・プリンセス」)を急遽、新「ダイヤモンド・プリンセス」として改修し、2004年(平成16年)[51]2月に(「ダイヤモンド・プリンセス」としては)7か月遅れながらも納入にこぎつけた[52]。なお炎上した造船所2180番船は、同造船所の香焼工場に移されて焼損部分を完全に撤去し、新「サファイア・プリンセス」として改修され[53]、2004年(平成16年)5月にデビューを果たした[54]

内部告発と報復[編集]

F-2支援戦闘機墜落事故[編集]

偽装請負問題[編集]

  • 同社高砂製作所で、約8年間に亘り請負・派遣双方で勤務してきた兵庫県加古川市在住の46歳の男性が、長年に亘り偽装請負状態で勤務させられたとして、2009年(平成21年)1月13日に、同社を相手取って、神戸地裁姫路支部に対し、正社員としての地位確認を求める訴訟を起こした[56]

情報漏洩[編集]

2011年9月

2011年9月19日に、読売新聞が朝刊の一面で、三菱重工の社内のシステムが広範囲にわたってコンピュータウイルスに感染していたことを報道し、同日16時過ぎに三菱重工はこれを認めるプレスリリースを発表した。感染は本社、工場、研究所等の国内11拠点のサーバ45台と職員のパソコン38台で、造船、防衛、航空宇宙、発電プラント、鉄道等の情報が狙われていた[57]。プレスリリースの翌日の9月20日にはIHI川崎重工も同様の被害を受けていたことを発表した[58]。その後の調査で、川崎重工のコンピューターは三菱重工のコンピューターと同じく、踏み台と見られる送信先(米国のウェブサイト)に情報を送信していたこと、日本航空宇宙工業会 (SJAC)のコンピュータを踏み台にして、SJACやその会員企業を名乗る送信者から「事前資料送付」と題された標的型攻撃メールを受信していたことが判明した[59][60]

2012年11月

2012年11月30日に三菱重工は、同月27日に名古屋航空宇宙システム製作所の宇宙関連業務に使うコンピューター4台が新型のウイルスの感染していたことが判明したことをプレスリリースで発表した。同30日には宇宙航空研究開発機構イプシロンロケットの情報が外部に漏洩した可能性があることを発表していた[61]

長崎造船所での塵肺問題[編集]

長崎造船所で1955年から2014年にかけ下請会社に雇用され勤務してきた元従業員ら(死亡した元従業員の遺族も含む)が、作業所で粉塵を吸入し塵肺になったとして、長崎地方裁判所に約6億3,400万円の損害賠償を求め訴訟を提起。2022年11月7日に同地裁は、原告のうち20人には請求を認めたものの、一部の原告に対しては、因果関係が認められないとして棄却。この判決に対し、原告からは「正社員と下請とを差別している」との批判が出ている[62]

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ a b 本店登記上の住所。
  2. ^ 単に「三菱パッケージエアコン」「三菱ルームエアコン」といった場合、通常は三菱電機の製品を指す。
  3. ^ グローバル・グループマネジメントなどを担う部門を中心とした本社機能を移転。

出典[編集]

  1. ^ コーポレート・ガバナンス - 三菱重工業株式会社
  2. ^ 三菱金曜会”. 三菱グループホームページ. 2020年12月6日閲覧。
  3. ^ 三菱広報委員会の活動”. 三菱グループホームページ. 2020年12月6日閲覧。
  4. ^ 三菱グループに「落ちこぼれ企業」続出、最強エリート集団の大ピンチ”. 週刊ダイヤモンド公式サイト. 2021年7月15日閲覧。
  5. ^ 三菱広報委員会の加盟会社”. 三菱グループホームページ. 2020年12月6日閲覧。
  6. ^ 三菱“御三家”に不協和音!最強財閥で崩れた「鉄の結束」”. ダイヤモンド・オンライン (2019年7月13日). 2022年5月6日閲覧。
  7. ^ 構成銘柄一覧:日経平均株価 Nikkei Inc. 2021年10月8日閲覧。
  8. ^ 「TOPIXニューインデックスシリーズ」の定期選定結果及び構成銘柄一覧 (PDF) jpx.co.jp 2020年10月7日公表 2021年10月8日閲覧。
  9. ^ Mitsubishi Heavy Industries, Ltd.”. Mitsubishi Heavy Industries, Ltd.. 2022年6月4日閲覧。
  10. ^ 売上高ランキング”. 日本経済新聞 (2016年3月7日). 2016年3月11日閲覧。
  11. ^ 三菱重工 | 製品情報”. 三菱重工. 2022年6月4日閲覧。
  12. ^ 国内ETC車載器の製造・販売事業を古野電気へ譲渡 既納機のアフターサービスも含め』(プレスリリース)三菱重工機械システム、2017年1月17日https://www.mhi.com/jp/group/mhims/news/topics/20170117.html 
  13. ^ 手嶋龍一『たそがれゆく日米同盟 ニッポンFSXを撃て』新潮文庫、44頁。 
  14. ^ SIPRI Top 100 and recent trends in the arms industry” (2015年12月14日). 2016年3月11日閲覧。
  15. ^ 製紙機械事業をメッツォグループに譲渡”. 2022年5月29日閲覧。
  16. ^ アンカードリル事業”. 2022年5月29日閲覧。
  17. ^ “日立・三菱重工 統合へ 13年に新会社、世界受注狙う”. 日本経済新聞. (2011年8月4日). http://www.nikkei.com/news/headline/related-article/g=96958A9C93819696E2E1E29AE18DE2E1E2EAE0E2E3E39F9FEAE2E2E2;bm=96958A9C93819696E2E6E2E3EA8DE2E6E2EAE0E2E3E39F9FE2E2E2E2 2015年7月27日閲覧。 
  18. ^ 本日の一部報道について”. 三菱重工業 (2011年8月4日). 2015年7月27日閲覧。
  19. ^ 当社に関する一連の報道について”. 三菱重工業 (2011年8月4日). 2015年7月27日閲覧。
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関連項目[編集]

スポーツ関連[編集]

外部リンク[編集]