三河鉄道デ100形電車

三河鉄道デ100形電車
三河鉄道クハ50形・クハ60形電車
名鉄モ1080形電車
名鉄クニ2150形・ク2160形電車(初代)
名鉄ク2150形電車
デ100形105
基本情報
運用者 三河鉄道名古屋鉄道
製造所 デ101-106: 田中車輌
デ107・108、クハ50形: 東洋車輌
製造年 1926年大正15年)
製造数 デ100形: 8両
クハ50形: 4両
主要諸元
軌間 1,067 mm(狭軌
電気方式 直流1500 V架空電車線方式
車両定員 デ100形: 100人(座席48人)
クハ50形: 72人(座席30人)
クハ60形: 100人(座席46人)
荷重 クハ50形: 20 t
車両重量 田中製デ100形: 29.31 t
東洋製デ100形: 30.31 t
クハ50形: 20.75 t
クハ60形: 20.73 t
全長 田中製: 15,291 mm
東洋製: 15,329 mm
全幅 田中製: 2,642 mm
東洋製: 2,616 mm
全高 田中製デ100形: 4,039 mm
東洋製デ100形: 4,064 mm
クハ50形: 3,629 mm
車体 木造
台車 田中製: 鉄道省型ボギー台車
東洋製: ボールドウィン型ボギー台車
主電動機 三菱電機 MB-64-B
主電動機出力 65 PS
搭載数 4基 / 両
歯車比 72 : 19
制御装置 電空単位スイッチ式間接非自動加速制御(HL制御)
制動装置 WH SME非常直通ブレーキ
備考 1944年の諸元表より[1]
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三河鉄道デ100形電車(みかわてつどうデ100がたでんしゃ)は、三河鉄道が新製した通勤形電車。後年三河鉄道が名古屋鉄道(名鉄)へ吸収合併されたことに伴い、モ1080形と改称された。

沿革[編集]

1926年(大正15年)2月5日、三河鉄道が猿投 - 大浜港間を電化した際に導入した車両がデ100形である。全長約15mの木造電車であり、オールクロスシートの2扉車であった。当時はクロスシートをアピールするために、夫婦式電車として宣伝されたという。6両(101 - 106)が田中車両で製造され、1927年に2両(107・108)が東洋車輌で製造された。田中車両製と東洋車輌製とでは寸法や細部が異なる。また、1926年8月には荷物室を持つ制御車のクハ50形4両(51 - 54)が東洋車輌で製造されている(このうち53・54は後に荷物室を撤去してクハ60形に改められた)。

1941年、三河鉄道が名古屋鉄道に合併されると、デ100形はモ1080形(1081 - 1088)、クハ50形はクニ2150形、クハ60形はク2160形(初代)に改称する。その際、モ1080形はロングシートの3扉車に改造された。主に三河線蒲郡線挙母線で運用された。1950年から1951年頃、クニ2150形をク2150形(初代)に改称し(荷物室の仕切りは撤去されず)、ク2160形(2161・2162)をク2150形(2153・2154)とした。

1958年、モ1080形(1087・1088)とク2150形が車体更新(3700系)の対象となり、残るモ1080形(1081 - 1086)は1964年に廃車になった。

脚注[編集]

  1. ^ 清水武、田中義人『名古屋鉄道車両史 上巻』アルファベータブックス、2019年、161・163頁頁。ISBN 978-4865988475 

参考文献[編集]

  • 加藤久爾夫、渡辺肇「私鉄車両めぐり 名古屋鉄道」『鉄道ピクトリアル アーカイブズセレクション』第30巻、鉄道図書刊行会、2015年2月、154-155,159。 
  • 清水武、田中義人「名古屋鉄道車両史 上巻」、アルファベータブックス、2019年4月。